本澤二郎の「日本の風景」(5051)

<米国大使の傲慢さに怒り心頭の平和国民>

シカゴというと、ギャングの街で知られる。そこで市長として活躍したエマニュエルが現在の駐日米国大使。バイデンの側近として対日工作の中心人物という。息子が海軍勤務というから、ワシントンの米産軍複合体制にも足をかけているのであろうか。

 

彼はよくメディアで「東京のアメリカ」の情報を発信する。その発言を日本の右派系新聞がネットで伝えた。彼は78年前のアメリカ人では全くない。リベラリストといえるのかどうか。事実はバイデンの忠実な部下という点で、突出している。

一連の安倍路線を引きつぐ安保3文書と、続く43兆円の空前絶後の超軍拡計画の断行、そしてさらに武器輸出3原則の改定による日本製のミサイルが、ロシアに向けて発射されようとしている。

非戦の日本国憲法を排除した、途方もない戦争国家日本変身に対して「画期的な成果」だと本心を明らかにした。1月18日の外国特派員協会での、彼の言いたい放題発言である。改憲軍拡の産経新聞は「新しい日本に自信を 米大使」の大見出しをつけた。

「なんだ!エマニュエルはワシントンの死の商人の回し者か」との皮肉が飛んでもおかしくない発言であろう。

 

<原因は言論・野党の不存在>

見出しは、さらに「国賓訪米を認める」と続いた。「成果を上げたので国賓としてワシントンが受け入れる」というのである。江戸時代に参勤交代という慣行を、徳川幕府は各藩に強要して藩の財政をひっ迫させたものだが、21世紀の日本は、江戸期の藩のレベルということか。

これほどコケにされた日本政府は、過去にあったであろうか。米国通の第一人者の宮澤喜一が知ったら激怒するだろう。

野党がいない。国民は沈黙して声を挙げない。そのためである。日本はアメリカの属国どころか、奴隷国家であろう。

 

<椎名悦三郎は米国は番犬様と呼んでいたが>

元外相の椎名悦三郎は、A級戦犯の岸と同じ戦前の商工官僚であるが、彼は外相時代にアメリカを「日本を守る番犬様」と呼んでいた。番犬に基地を提供し、カネを出すということは仕方がないと割り切っていた。

アメリカにとって反共の砦どころか、厄介な世話のやける「独立国」という名のアメリカの属国だった。日本の侵略戦争のツケ払いに、戦前派の戦犯官僚も頭を垂れて、文句ひとつ言えなかったのだろう。侵略戦争に加担したA級戦犯の内閣と、その後裔である清和会の内閣とその後継内閣が、目下のワシントンにとっての「ポケット」なのだ。ツケは次世代に回されていく。本ブログは50年先、100年先の日本人向けに書いている。

 

たかだか元シカゴ市長ごときに誉められた発言を、でかでかと恥ずかしげもなく報道する新聞(読売は?)、これに反吐がでる日本国民は多いはずである。そこに民主的ルールは存在していない。

 

憲法を読んでいない国民は理解できない。非戦の憲法は、日本が戦争に関与することを想定していない。いわんや片方にテコ入れするなどということは許されない。禁じられていることを政府は、アメリカの言うままに従って、ウクライナ支援に突進している。狂っているのではないか。目を覚ませと言いたいが、真っ先に言論と野党の責任でもあるが、共に事実上、今の日本にこの二つが「不存在」なのである。亡国日本そのものである。

 

<何事も日米合同委員会で決める=日本政府はすべてイエス>

ブラックボックスを開けると、ワシントンの指令は米国の国防総省(ペンタゴン)から発信され、日米合同委員会によって日本政府に伝達される。ペンタゴンは対日策略を、それ以前に産軍複合体で練り、いわゆるジャパンハンドラーズを経由して、CIAと連携している日経新聞や読売などに伝えられるという。一連の情報操作は、電通を巻き込んで言論界へと流布されるというのが、これまで得た筆者の分析である。当たらずとも遠からずであろう。

 

既に公開されているように、合同委員会の米側はペンタゴンの軍人である。沖縄の米軍基地は、すべてここで決まる。米国大使もこのメンバーの一員である。エマニュエル発言は、ペンタゴンの認識そのものといえる。

 

<日本は独立国として日米安保を破棄することが正義>

世界広しといえども、こんな制度はどこにもない。日本は米国に支配されている、いわば満州国の傀儡政権そのものともいえる。

したがって、アメリカは民主主義の国ではない。現在、ワシントンで民主党から離脱して無所属で大統領選に挑戦しているロバート・ケネディJrこそが、本物の民主主義者である。

彼こそが本物のリベラリストである。若者や無党派層がロバート支援に立ち上がっている。注目したい。

 

戦前派を継承する岸田文雄は安倍と手を組んだ時点で、安倍・清和会亜流政権に変質した。池田・前尾・大平・鈴木・宮澤・加藤の宏池会の人間ではない改造人間か。広島の参院議員で護憲リベラルの溝手顕正を、安倍とともに叩き落した時点で、岸田は宏池会の人間でなくなった。

 

結論を言うと、日米安保を破棄することが、喫緊の政治課題といえる。亀井静香も叫んでいる。自立した独立国の日本が、非戦の民主主義を約束する。(拙著「アメリカの大警告」参照)https://x.com/RenpougunFx/status/1446683399826010123?s=20

2024年1月21日記(反骨ジャーナリスト)