本澤二郎の「日本の風景」(5048)

<経理担当者の金庫番と政治屋は一体・共謀関係=検察の屁理屈>

まさに大山鳴動して鼠一匹の安倍・清和会裏金脱税事件捜査で幕引きを図る東京地検特捜部か。官邸と自民党に目を向けた最悪の処理に対して、国民の怒りは激しく燃えたぎっている。

「客観的な証拠が乏しい」「派閥の会計責任者の責任との共謀を問うのは難しい」と検察は、公然と新聞テレビ人に説明して、それがそっくり全国民に報道している。

 

誰がこんな説明に納得するだろうか。要するに、低迷している岸田内閣の支持率を引き上げるための、田舎の猿芝居ではないのか。民衆は霞が関と永田町の、悪辣な狐と狸の化かしあいを見せつけられていたのではないだろうか。

検察官僚と政治屋に悪徳弁護士が知恵を出し合っての「共謀云々証拠」で逃げ切ろうとしているのであろう。識者はそう読んでいる。

 

「客観的な証拠」より強力な「客観的不正事実」が目の前にある。しかし、会計責任者との共謀を問うことは出来ない?屁理屈であろう。永田町の金庫番は、政治屋と一体の関係にある。水も漏れない深い仲である。そうした事実を検察は棚上げして、官邸と自民党に特別なサービスをしている。

悪徳弁護士には理解できないだろうが、善良な法曹人であれば理解するであろう。永田町の体質は、金庫番と政治屋は一体で不可分の関係にある。

金庫番は常に政治屋の身代わりをするという前提なのだ。何かあれば、身代わり人となる。これはやくざの論理である。

 

<千葉市栄町の小料理屋での仰天事実秘話に腰を抜かす>

名物警視総監の秦野章の「現場100遍」は、足で稼ぐことの重要さを教えている。今の警察には、これが欠けている。目白の田中角栄邸火災原因についても、これで事件を解決することができる。

誰かがドローンを飛ばし、二階のガラス窓から攻撃したものであろうと推認できる。線香の消し忘れで、あのような大火は起きない。

 

筆者は若いころ、元千葉県警本部長の渡辺一太郎側近に案内され、栄町の小料理店でそれこそ腰が抜けるような話を聞かされた。

千葉県の裏事情に明るい古老は「この店の前で殺人事件が起きた。犯人はやくざ議員。やくざの身代わりはやくざの運転手だった」と明言したものである。

渡辺も知っている事件に相違はなかったが、身代わりが収監されて真犯人は、その後も政治活動をした。栄町秘話を今も忘れない。

 

<テコでも動かない現場100遍の林地区住民の核汚染ごみ追及>

同じことは、核汚染ごみ不法投棄事件を追及する千葉県袖ケ浦市林・高谷地区の住民たちにもいえる。現場100遍どころではない。311の頃からだろうから、大分経っている。数年前から周辺の家々でがんが次々と発生した。死人も出ている。

このがん地区の住民の中に、袖ヶ浦市の放射能測定器を借りだす役員が複数現れた。測定器の針がピーンと動いた。役員の中には、大手の企業で働いていた人もいた。会社からも立派な測定器を持ち出して再度測定した。間違いなかった。

 

普通の民主主義の社会では、大騒動に発展して「原状回復」することになる。どっこい、そうはならない。当地はやくざが跋扈する房総半島の水源地。やくざ産廃業者が、核汚染ごみであろうが何でも不法投棄している銀座通りだ。

しかも、住民はやくざを怖がって声を挙げない。あげられない無法地帯、中国の言葉でいうと、無法無天である。

 

「木更津レイプ殺人事件」でさえも、正義の告発状を千葉県警木更津署の刑事2課長が突っ返すという、これまた想定もできない無法地帯なのだ。「木更津市ではトラブルが起きると、やくざ系の市議とやくざが押しかけてくる」という途方もない秘話を地元の住民から聞いたばかりだ。現に産廃場反対を叫んだ水利組合の会長が脅しにあって命を落とした、ということも聞いている。

そうした環境にもかかわらず、高谷・林地区の住民は声を挙げている。その勇気は現場100遍どころではない。311からずっと生活しているのだから。この非常事態にそっぽを向く人間の精神はどうなっているのか?

 

<日本の社会は上から下まで崩壊=官僚の屁理屈で何でもOK>

米国の経済紙が日本の「人助け指数」を取り上げている。世界でも最悪だという。なぜか?寄付を集める組織・団体が浄財を引き抜いて自分たちの懐に入れることを国民は、すっかり教育を受けてしまっているせいだろう。要するに、典型的な詐欺社会なのだ。赤い羽根募金にしても、したがって当局は強制的に自治会費・区費から引き抜いている。政教分離違反は神社本庁にも言える。公的な金はびた一文、教団は引き抜いてはならない。この当たり前の民主的ルールを貫徹できない。日本社会は上も下も腐っている。昨日散歩の最中に出会った住民が、同じことを口走っていた。「市の消防団の近くに地区の消防団が存在する。団員3人、それでも300世帯の住民から年間8000円も集めて、飲み食いのために差し上げている。ここは狂っている地区ですよ」と決めつけていた。かくして、正義を貫く検察にとっては、何でも屁理屈を押し通せる壊れた時計の狂った社会といえる。声を挙げよ!沈黙は犯罪!

2024年1月18日記(反骨ジャーナリスト)