本澤二郎の「日本の風景」(5044)

<「東京湾岸の65トン劣化ウラン爆発で首都圏は壊滅する」という深刻な仮説が房総半島・袖ヶ浦市で浮上>

能登半島地震で多くの被災者が眠れない、食べられないという絶望の中で、亡くなる住民も少なくない。パレスチナのガザやウクライナでは今も国家的犯罪で人が死んでいる。この世は地獄なのか。311から13年になる日本でも、フクシマの東電原発爆破による放射線被ばくで、東北・首都圏の市民が、今も沢山亡くなっている。2011年3月11日からの死者のデータと死因を調べれば、その被害の大きさの全体像を知ることができるのだが、政府も霞が関も議会も不都合なデータは公表しない。

 

今回の能登半島地震を受けて、首都圏・房総半島の住民が不安と恐怖に駆られている事実を知った。65トンの劣化ウランで首都圏が壊滅する!?という恐怖のシナリオのことである。既に本ブログは袖ヶ浦市陣場台の水源地に、住民や専門家の分析で、およそ60万立方メートルのフクシマの核汚染ごみが不法投棄された事実を、繰り返し報じてきた。同じく君津市のJR亀山駅の奥地の東洋一の産廃場に、栃木県宇都宮市に投下された311核汚染ごみが、そっくり埋設されていたという恐ろしい事実も確認した。

 

房総半島の水源地が、核汚染ごみで埋まってしまっている可能性が、きわめて高い。これを環境省も千葉県と袖ヶ浦市や君津市が、鉄の蓋で隠して沈黙している。フクシマもそうだったが、これは人災といえる。新聞テレビは報じない。知っていて沈黙している。朝日新聞も読売新聞も民放も知っていて報道しない。

 

日本に言論の自由は存在しない。国会の全政党が躊躇している。恐ろしや、地に落ちた日本の民主主義である。中国・台湾の総統選挙に浮かれる自民党政府の、つい最近まで官房長官をしていた松野博一や、やくざ系代議士で有名な地元の重大事件が、国民に伝えられていない!

 

そこに新たに降ってわいた「首都圏が、劣化ウラン65トンの餌食になるかもしれない」という、空前絶後の国際ニュースをジャーナリストが放置・沈黙するわけにはいかない。「今だけ金だけ自分だけ」の政治屋と国民に警鐘を鳴らさねばなるまい。

東京湾の岸壁に65トンという大量の劣化ウランが、長い間、事実上放置されてきた。それも昭和47年から袖ヶ浦の埋め立て地の財閥企業が!事実を財閥企業は、

その一部を地元の地区役員に伝えていた!

 

<財閥・住友化学が岸壁に巨大な円筒に保管>

手元に長浦地区行政懇談会の資料(平成12年8月21日長浦公民館)が届いてきた。主催者は長浦地区自治連絡会で、当時の市長と関係部長ら10人も出席している。そこに「工業地域にある会社に長年にわたり放射性物質が保管されている件について」と明記され、自治連絡会と市当局との質疑が行われていた。

 

この報告に驚愕した同市全区長会が動いた。こぞって「現場視察」を申し出た。市長サイドは必死で抵抗したが、翌年の平成13年12月19日に実現した。

問題の企業は財閥の住友化学千葉工場。目下、韓国の最高裁が戦前の強制労働事件で、日本の財閥を次々と有罪判決、賠償を求めている。これに真っ向から反対し、日本政府を操って反省も謝罪もしようとしていない。

 

余談だが、我が家の東芝医療事故死事件(2010年4月7日)についても、三井住友傘下の東芝は、全く反省も謝罪もしない。弁護士を立てて和解を呼び掛けたが、東芝側の弁護士は居留守を使って会おうともしなかった。財閥は悪魔のような恐ろしい資本主義蹂躙企業である。目下の清和会の裏金事件の本丸が、侵略戦争の先頭に立ちながら、反省も謝罪もしない財閥。反骨ジャーナリストは生きている限り、三井住友傘下の東芝と対決する運命に追い込まれてしまった。

 

話を本題に戻す。住化の現場を目撃した当時の区長は「10トン車のタンクローリーの10倍の大きさだった」と証言した。「東京湾の巨大な船舶が津波で激突すると破壊する。そうなればこれで首都圏は吹っ飛んでしまう」「出光のタンカー50万トンが激突すると、日本は沈没する」という。ありえない空想といえるだろうか。

 

<劣化ウラン弾=イラク戦争で米英軍が実践=今も奇形児が>

核・放射線の恐怖は、人間や植物も生命の源である細胞を破壊することだ。そのため、被ばくした女性からは奇形児が生まれる。イラクやチェルノブイリでも、住民は今も泣き叫んでいる。まさにこの世の地獄であろう。フクシマは?「事前に堕胎させている」との指摘も。子供を産めなくさせているのだろうか。

 

なぜ米英軍は劣化ウラン弾を使うのか。戦車の厚い鋼鉄を撃ち抜く威力がある。

劣化ウランは燃焼すると、酸化ウランの微粒子となって、放射線を周囲に飛散する。核兵器や原発で天然ウランを濃縮する過程で生まれる放射性廃棄物。高い放射性と化学的毒性と強いアルファ放射線を出し、体内に入るとガン・白血病・奇形児が。この世の地獄の因子の一つだ。

 

<311の東北日本大震災で丸善石油炎上、隣のチッソの3トン劣化ウランで住民避難の指示>

古老の話だと、関東大震災時に津波が今の国道16号まで押し寄せた。東京や房総半島の巨大地震ともなれば、津波で巨大なタンカーが岸壁に激突する危険性が高い。現に東北日本大震災311の場面では、丸善石油のタンクが1週間も大炎上した。近くのチッソに引火すると、3トンの劣化ウランで市原市と千葉市も危険にさらされる事態が起きた。

現に袖ヶ浦市の隣の市原市姉崎地区の海辺の住民に対して、当局は避難指示を発令している。

 

<首都直下型大地震に耐えられない恐怖と不安に怯える住民>

巨大地震と巨大台風と大豪雨が襲い掛かる日本を、能登半島地震やその前の熊本地震が、今を生きる国民に強く印象付けている。利権に食らいついて、災害に無防備な清和会政治によって、日本の防災は忘れられてきた。

東北復興を忘れて東京五輪や今の大阪万博の愚かすぎる対応である中で、武器弾薬に43兆円を回し、台湾有事を煽り立てる日本外交に大義があろうはずもない。恐怖と不安の日本にした悪徳政治を放置してよいものか。ゆでガエルの野党はどうかしている。

 

<住友化学の説明に衝撃を受ける地元住民>

なにゆえに財閥・住友化学は大量の劣化ウランを保有していたのか。平成13年12月19日の住友化学工業千葉工場の袖ヶ浦市自治連絡協議会の役員向けに作成した資料でも、事態の深刻さを裏付けている。

2024年1月1日の能登半島地震における志賀原発の、お粗末な危うさを連日報道で知るだけの国民も悲劇だが、昭和45年12月から同47年10月まで住化が、劣化ウランを使っていたこともより重大である。この間、作業員の人数と彼らの健康はどうなったか。これの追及はなされたのかどうか?フクシマでの東芝作業員3000人の悲劇も覆されてきている。東芝病院でいい加減に処置された可能性を否定できない。

 

住化は住民に配布した資料で劣化ウランを「微量の核燃料物質」と表現している。とんでもない冗談だろう。「工場外への移動ができない。文部科学省の指導の下、それぞれの場所で保管管理している」と工場内の複数の場所での保管を明かしているのだが。また45年7月24日に千葉県に対して「危険物製造所設置許可申請」を提出、同45年12月12日に袖ヶ浦市に「核燃料物質貯蔵・取り扱い届書」を提出した。

県や市はメディアにこれらの重大情報を公開したのか。怪しい。

保管状況は文科省の指導の下に「鉄鋼製の容器に収容し保管」し、年に一回、文科省と核不拡散条約に基づいてウランの国外流出などを防止するため国際原子力機構(IAEA)との合同査察を受けて、保管管理は厳重に行われている。本当だろうか。また「劣化ウランの放射能の危険性は極めて低い」と偽りの認識を明記している。要するに「心配不要」とラッパを吹いている。

そして極め付きは「地震発生しても容器は壊れない」と断言しているのだが。

 

住化の言い分を信じる信じないは自由だが、東京湾での巨大津波を想定すると、無数の船舶が激突するという可能性を想定していないようだ。

日本国民とやくざが跋扈する千葉県と臨海工業地帯の想定される事態について、この機会にしっかりと議論して、対策を練るべきだろう。戦争ごっこに血税を使うことは許されない。

2024年1月14日記(反骨ジャーナリスト)