本澤二郎の「日本の風景」(5029)

<渡辺恒雄の終わりの始まり?もう終わっている!大野伴睦孫に家宅捜索に打つ手なし>

(読売新聞)自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件は12月28日、東京地検特捜部が前日に続いて国会議員の関係先を捜索し、強制捜査の対象が広がった。「清和政策研究会」(安倍派)から高額のキックバック(還流)を受けた疑いが出ている大野泰正(やすただ)・参院議員(64)。議員会館の事務所が捜索を受けても事件に関して説明することはなく、批判は日に日に高まっている。

 

フィクサー「ナベツネ」を誕生させた大野伴睦、その孫が安倍・正和会裏金疑惑の2番手として、議員会館事務所などが家宅捜索を受けた。ナベツネの読売新聞も、それを正直に報じた。泉下でツネの恩師・宇都宮徳馬が「ツネは終わった」と評した!

日本を代表する通信社は、以下のように記事にして全国の地方新聞に配信した。

(共同)自民党安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティーを巡る事件で東京地検特捜部は12月28日、大野泰正参院議員(岐阜選挙区)の東京・永田町にある議員会館事務所など関係先を家宅捜索した。

 

<言論界は覚醒・再生するか=権力宣伝から権力監視へ>

「チケットを売ってお金をバックする。政界では文化」との清和会のドン・森喜朗の本心を記事にしたのは週刊新潮だった。同誌は

また、2008年の暴力団組長の誕生ゴルフコンペに小林旭、細川たかしら芸能人が参加していた、とも公表している。

国民の知る権利を代表してきたのは週刊誌だった。

政治とカネは永田町の文化、カネのキックバックも文化と信じ込んでいる政界に倫理観はない。不正と腐敗に汚染された権力の中枢である。民主政治も形無しではないか。

 

小選挙区制下、金を使えば誰でも党の公認が取れる。即当選して金バッジをつけると、世界一の報酬を手にすることができる。しかし、それに満足しない自民党などの国会議員は、利権あさりに狂奔する。それに喜んでお付き合いする霞が関の官僚群も。

派閥の大将と参謀ら幹部連は、権力闘争と、金集めには派閥の構成員に党員集めと金集めを競争させている。当選した議員は、派閥の階段を這い上がるため、金集めに秘書のおしりをたたいたりして休む暇もない。「今だけ金だけ自分だけ」の政治家ではない政治屋ばかりの永田町でいいのか。

 

そこに首を突っ込んで、あれこれと知恵を授ける政治記者。派閥記者も因果な商売である。改憲軍拡と核兵器開発を想定した原子力発電所推進の、A級戦犯の岸信介に仕えた正力松太郎の読売と日本テレビの頂点に立ったナベツネ。そのスタートは、左翼運動を投げ捨てて、右翼暴力団の児玉誉士夫に従った。

ロッキード事件では、自民党幹事長の中曽根康弘と共にあやうく引っかかりそうになったが、二人は運よく逃げて児玉が失脚した。ツネの前任政治部長・多田実が筆者に打ち明けた秘話である。

 

昨日、念のため読売・日本テレビの元幹部に確認の電話を入れてみた。彼はツネと元NHK会長の海老沢勝二の関係に触れた。在京政治部長会で名刺交換した記憶がある。公共放送のNHKを安倍広報にしたツネと協力した人物との指摘は、そして20年も安倍の下に、安倍好みの女性記者を侍らせたこととも関係しているのか。

 

<日本記者クラブ・日本新聞協会の組織をリベラル体質に改革>

もう10年近く所属する日本記者クラブに足を向けていない。理由は公平公正な日本記者クラブの運営が、ツネの意向で動かされていることを確かめたからである。改憲軍拡を良しとする風潮は、ツネの実績であると断じたい。自民党内閣を監視するどころか、腐敗を助長させている。ツネに引きずられる記者クラブと新聞協会を、国民の手に戻すことが不可欠である。憲法に恥じない体制にしよう。

2023年12月29日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)