本澤二郎の「日本の風景」(5024)

<袖ヶ浦市の核汚染ごみ不法投棄現場周辺13戸の健康被害=3人死亡、8人手術、1人入院(2017年から2023年)>

この国は壊れている。中央も地方も。石破茂がラッパを吹いてきた「地方創生」は何だったのか。千葉県袖ヶ浦市のフクシマの核汚染ごみの不法投棄現場周辺(陣場台のワコーエコテック・本社木更津市)の林・高谷地区の13戸の家から、既に3人が亡くなっている。うち2人(高谷)は現場近くの畑で牧草を栽培していた酪農家。夫が2020年に肺がんで死亡、翌年妻が同じ肺がんで。2017年から2023年にかけて、健康被害が多発していることが判明した。

 

<前選管委員長ら住民調査に市も県も逃げる無責任>

現場の陣場大台周辺には、君津郡市の40万市民の水道取水源の小櫃川に注がれる水源地・松川の清流が流れている地区としても知られる。房総丘陵の一角を占める風光明媚な山間地帯で、12戸が畑と山林を糧にして生活してきた。いわば桃源郷のような場所。67歳で胃がんで亡くなったY宅の妻の家は、ワコーエコテックという産廃業者が違法埋め立てた場所と近い。山林法違反の埋め立て面積は6万ヘクタール。そこにおよそ60万㎥の膨大な有毒・危険な物資を埋め込んで、表面を瓦やガラスなどの粉砕したもので蓋をかけてある。そこから放射能が噴き出て、半島全体に飛んでいる。

もともとは9年前に「太陽光発電」を建設すると山林所有者と約束して始まったものだ。むろん、住民を説得するための口実でしかなかったのだが、そこから地元の区長らが市や大企業から借りてきた放射線測定器で測ると、針が大きく動いた。もう数年前のことだ。

現在も、フクシマから300キロ離れている房総半島や山梨県など首都圏には、放射性物質が大地や樹木に付着している。したがってシイタケ栽培農家は、森林組合の指導を受けて、地元の木の使用を禁じている。森林組合の役員をしていた選管委員長が、念のため、市から借りてきた測定器を使って、深刻重大な事件が発覚した、

問題の大きな違法盛り土を掘削して、しっかりとした放射線を測定しようと業者に提案、いったんは了解したものの、その後は逃げまくっている。住民は「フクシマの核汚染ごみを大量に不法投棄したもの」と断定し、市と千葉県に掛け合っている。どっこい、この二つの行政機関も、あれこれと屁理屈をつかって、ワコーエコテック犯罪を隠蔽しようとしていることが、最近になって確実に分かってきた。

筆者は、フクシマ放射能事件や「もんじゅ西村謀殺事件」の取材から、背後に「原子力ムラ」の存在を認識した。チェルノブイリなど国際的に活躍してきた被ばくジャーナリストの助けも借りて、現在は核問題の権威者である小出裕章の「原子力マフィア」だと認識すべきだろうと判断している。A級戦犯の岸信介や読売新聞の正力松太郎、渡辺恒雄らの原発利権に巣食う悪しき輩の国家的悪魔組織の存在が見て取れるだろう。最近、衆院議長をやめて亡くなった細田博之、裏金疑惑で経産相を辞任させられた西村康稔ら経産省や文科省・電力・電気など財閥グループが、闇の組織を動かして新聞テレビを操っている。

 

<肺がん・胃がん・大腸がんが目立つ!近くの日高金属は汚染水を松川にたれ流す中国人経営企業>

地図を開くと、ワコーエコテックに囲まれるように北東方向に100メートルから300メートルの距離で12戸の住宅が建っている。養鶏場もある。森林法違反を強行した時点で、なぜ市や県は阻止しなかったのか、不可解である。当初は埋め立て資材に「白い粉塵」を1年も投げ込んでいた。住民は「アスベストか」と市に直訴していたが、それでも市は動かなかった。現在では、放射能測定器の数値から「フクシマの核汚染ごみ」と断定して間違いない。何度も活字にして書いてきた。

筆者は「木更津レイプ殺人事件」を捜査しない千葉県警と木更津署の実態から「やくざが跋扈する房総半島」という不条理な風土を確認した。この恐ろしい風土が災いしたものと推認できる。元千葉県警のマル暴刑事Kが、木更津市内のやくざと賭博をして歩いていたことも判明している。県警をやめると浜田幸一の配下となって、君津市議会の議長までも歴任、彼の息子が「ダンプカー80台をフクシマで動かしていた」という信じられない事実も分かってきた。

数年前からワコーエコテックは、木更津市内の本社に巨大な産廃処理場を建設したことも、周辺の市民を驚かせている。陣場台周辺住民の健康被害は、肺がんや胃がん、大腸がんが目立つ。それでも、市も県も動こうとはしない。「千葉県の地方創生」の恐ろしい実績であろうか。声もでない。日本国民であるあなたはどうか?

2023年12月24日記(政治評論家)