ウクライナ悲劇と教訓<本澤二郎の「日本の風景」(4367)

<ゼレンスキー大統領の失敗は市民を戦闘に巻き込んだことだ!>

 悲壮な決意で「武器は置かない」「プーチンに屈しない」と叫ぶウクライナのゼレンスキーは、一躍英雄になった印象を内外に与えているが、従う国民は哀れである。モスクワの武器弾薬被害を受ける首都・キエフでは、高層マンションに撃ち込まれたミサイル攻撃に打ちひしがれる。ロシアのストロング・ナショナリスト(国粋主義者)の正体を見せつけて余りあろう。こんなプーチンと8年もの間、血税を使って、美食ダンスに興じてきた日本の国粋主義者・安倍晋三に、改めて驚愕するほかない。

 

 市民を戦闘に巻き込んだゼレンスキーもまた、ウクライナの国粋主義者なのか?そうだとすると、21世紀の人類の危機は、国粋主義者の台頭と、彼ら同士の争いに、市民が巻き込まれる不安かもしれない。

 

 被害者は、ロシアとウクライナの兵士とその家族らだけではない。悪党を指導者に選んだ人々の責任でもあろう。

 

<単身モスクワに乗り込んでプーチンと激論すべきだった!>

 もしも、ゼレンスキーが真の指導者だとしたら、単身モスクワに乗り込んで、血に飢えた狼と、徹夜で激論することだった。彼はそうしなかった。「武器を置かない」と抵抗して、圧倒するロシア軍に対して、市民に「武器を持て」とわめいている。

 

 国民の命を守るべき指導者としての資格を放棄している。そのうちNATO軍が支援してくれるはずだ、と思い込んでいる?大事な市民の命を戦闘に晒している。

 ロシア軍と対決するNATO軍はいない。わかりきっているのに、一人英雄気取りかと見られても仕方あるまい。指導者の資質いかんで国民の命は、軽くなったりするものだ。

 

<自ら国民を守るための盾になることだった!>

 国民に武器を持てと叫んだ最悪の指導者は、日本の昭和天皇だった。国家神道という原始のカルト教と教育勅語が開花した場面で強行された。

 横道にそれる。国民は忘れてしまったのか?この教育勅語を幼児教育に教え込んでいた、大阪の森友学園に安倍夫妻が感動した。一連の安倍犯罪による赤木俊夫さん自殺を招き寄せた元凶だ。籠池夫妻がなぜ教育勅語にのめり込んだのか、筆者はまだ知らない。

 

 深い謎である。日本会議と関係があるのだろうが、そうだとすると、怪しげな日本会議の正体は、いまだ不明である。国家神道・靖国参拝・日本会議という極右の不気味すぎる全体像は、現時点でも定かではない。オウム真理教と関係しているのかどうか、誰も明かしていない。事情を知る石原慎太郎は、その秘事を墓場に持ち込んだ。残るは森喜朗・安倍と笹川陽平らに頼るしかないのか。周辺の麻生太郎や上川陽子にも聞いてみたいものである。

 

 昭和天皇の謎は、侍従長・百武三郎日記で暴かれたが、まだ天皇の莫大な財産を誰も明かしていない。伊勢神宮の正体は、内務官僚の渡辺一太郎に聞いている。平成天皇は聞いているだろうか?

 

 日本最悪の暴君は、婦人まで動員して、自身を守ろうとした。竹槍戦法である。「戦後は象徴として、軍部に責任を押し付けて、のうのうと生き続けた」との評価が、昨年になって初めて確定した。これは朝日新聞の成果か。

 

 国民を盾にした指導者は、戦争犯罪者・人間失格の烙印を押されるかもしれない。被害が大きくならない間の和平合意を祈りたい。

 

<相手は血に飢えた狼男・安倍と同じストロング・ナショナリスト>

 ウクライナの指導層を全く知らないが、彼らは旧ソ連時代は、同じ釜の飯を食べてきた仲間であろう。元KGBのプーチンのすべてを承知していたはずである。それゆえに西側のNATOに潜り込もうとしたのだろうが、それを一番恐れ、恐怖を抱く人物が、プーチンであることも分かっていた。

 

 ロシア軍は世界最強を誇る軍事国家で、アメリカと覇権競争に明け暮れてきた実績を有する。軍事対決では、ウクライナとロシアは、大人と子供の勝負にならない。プーチンの侵略に太刀打ちできない。分かりきっていることに、なぜ挑戦したのか。NATO軍を巻き込んで、第三次世界大戦に持ち込もうとしたのか?

 

 プーチンは知る人ぞ知る国粋主義者、安倍の仲間のような人物である。飢えた狼である。それに立ち向かうウクライナの指導部も、同じくストロング・ナショナリストだった?違うだろうか。

 ゼレンスキーの正体が、今一つ分からない。

 

<非同盟非武装中立・不服従抵抗運動が最善の道>

 賢いウクライナ戦略は、非同盟非武装中立が最善であろう。次善の策は、スイスのような非同盟武装中立国家でもいい。隣国の狼が食らいつく余地を与えない国家戦略だ。この戦略が、なぜ具体化させられなかったのか。CIA工作の甘い蜜に吸い付いたのか。民意を誤まったものか、残念でならない。かりそめにも、狼が確実に食らいついてくるNATO加盟に突っ込んで、其の結果、墓穴を掘ってしまったのか?無念の極みである。

 

 今後のウクライナ市民の行動は、非暴力不服従抵抗運動が、国民の命を守り、相応の政治信条を守る戦いが、不可欠ではないだろうか。武器弾薬で解決するやり方は、愚の骨頂であろう。

 

<日本人は安倍・国粋主義者の改憲軍拡に抵抗せよ!>

 日本は、安倍・国粋主義者のもとで、経済面で深刻な打撃を受けた。特に大衆の生活は、貧困と隣り合わせに追い込まれてしまった。自殺する市民も少なくない。隣国との外交関係は、文句なしに最悪である。この悪しき流れに野党でさえも、呑み込まれて恥じない。言論も乱れてしまった。すべてが深刻すぎて、先進国の仲間から外れてしまった。円の価値は1972年6月レベルに落ち込んだ。ため息がでる。

 

 隣国を軽視するナショナリストの国は、今では隣国から軽視されるようになってきている。1%国家は、安倍のもとで、とことん深化して庶民大衆は、そのとばっちりを受けている。

 

 日本は、二度とナショナリストの餌食にされてはなるまい。そのことをウクライナから学ぶ必要がある。安倍の改憲軍拡にNOという国民運動が不可欠だ。

2022年2月27日記(東芝製品不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)

追記 雪国の人たちには申し訳ないが、関東の日中はぽかぽか陽気。昨日は少しばかり庭先にジャガイモを植えた。芽が出るかどうか?フキノトウを一つ見つけ、味噌汁に刻んで浮かせると、正に春の味である。鍬も握ってみると、その後は体の胴体が痛い。肉体の老化を感じさせる。時折パソコンを開いて、ウクライナの様子を見ると、和平交渉の場所で決裂という情けない報道にため息が出る。小異にこだわるナショナリストにうんざりだ。東京ではウクライナ人とロシア人が共にプーチンNOを叫んでいた。そこに神社職員というウクライナ人がネット登場には、違和感を抱いてしまった。