安倍内閣7年8か月<本澤二郎の「日本の風景」(3842)

<負の遺産の連鎖・改憲軍拡に終始した国粋主義的長期政権>

 2020年9月11日、退陣目前の安倍晋三首相は、改憲軍拡の最後っ屁よろしく、専守防衛を放棄する敵基地攻撃をにじませた談話を出して、16日に発足する、7年8か月もの間、自身の黒子に徹してきた官房長官・菅義偉に指示した。

 佐藤栄作7年8か月を、運よく内閣記者会の一員として見送った駆け出し記者の印象は、決していいものではなかったが、A級戦犯の孫と比較すると、負の遺産だけが突出した安倍・自公・日本会議の政府に勝っていた。

 

 それこそ改憲軍拡に始まり、改憲軍拡で幕を閉じた7年8か月に、評価する何物もなく、失望と怒りだけが残った。ワシントンに身を投げ出した国粋主義者・岸信介をなぞるような、悲劇的成果だけを国民に残した。

 

 売国奴内閣が、それでも長期化した最大の理由は、大魔神と言われる電通による新聞テレビ報道にあった。制度としての民主主義も、言論が正常に機能しないと、絵に描いた餅に過ぎないということを、とことん日本国民に印象付けた。

 公共放送のはずだったNHKの安倍宣伝に、すべての新聞テレビが右にナラエしたことが、全く想定できなかった。いまNHKを抑え込んだ人物が、安倍後継者となる。日本は呪われている証であろう。

 

<突出した戦争三法に貢献した公明党創価学会>

 過去に国家主義の中曽根内閣が強行しようとしたスパイ防止法は、自民党内の護憲リベラル勢力が押しつぶしたのだが、戦争三法の一番手の、スパイ防止法に相当する特定秘密保護法を強行した実質的主役は、公明党創価学会の国交相・太田ショウコウだった。

 

 集団的自衛権の行使を閣議で決め、それを法制化、アメリカの戦争に自衛隊を参戦させる文句なしの戦争法も、同じだった。そして戦争反対派を容易に拘束することが出来る共謀罪も、太田ショウコウ(公明党前代表)が積極的に支援して、安倍内閣は難なく戦争三法を成立させた。

 

 むろん、立憲主義の憲法違反である。まともなジャーナリストは、以来、自公との接触さえ回避した。「自公許さず」「公明党創価学会許さず」の信念が、揺らぐことはない。

 

 要するに、公明党創価学会の支援なくして戦争三法は成立しなかった。安倍内閣7年8か月の悪しき金字塔であろう。

 木更津市の戦争遺児、ついで沖縄の野原善正ら池田大作門下生・池田親衛隊が決起したのも、当然の流れである。反公明党創価学会の潮流は、内外から押し寄せている。

 

<財閥1%傀儡政権の経済政策と民衆いじめ>

 戦争国家で暴利をつかむのは、財閥軍需産業である。平和憲法を食い潰す悪政が、改憲の潮を生み出すという負の循環を加速させる。衰退するワシントンの悪しき馬力を悪用しての、安倍の改憲軍拡路線なのだ。

 

 それは経済政策でも証明された。アベノミクスなる怪しげな用語を宣伝させながら、円安株高がお目当てだった。そのために中央銀行・資本金1億円の日銀を使って1万円札を刷りまくり、あまつさえ国民資産の年金基金を取り崩しての株投資だった。還流される消費税10%でもって、財閥は笑いが止まらない。内部留保は500兆円、それでいて1銭も還元しないおぞましい財閥である。

 

 他方で、若者の多くは、低賃金といつでも首を斬られる非正規労働者へと墜落させられた。この安倍内閣下、貧困という言葉が当たり前に通用する時代となってしまった。

 

 そして今、年金の崩壊や超インフレ予測に怯えさせられている日本人である。それでも内閣支持率が30%、40%?電通による世論調査会社への介入疑惑が浮上している。

 

<犯罪の連鎖と嘘と隠ぺいの3分の2議席の暴政>

 国家主義は独裁・改憲志向である。そのための選挙制度は、民意が反映しにくい小選挙区比例代表。小粒な政治屋が跋扈するため、民を慈しむという為政者の志は皆無。利権屋議員ばかりで、それも世襲化していて信念がない。そこでは、首相官邸や自民党本部などが利権の巣と化す。

 

 7年8か月の政府は、腐敗の連鎖そのものだった。モリカケ事件からTBS強姦魔事件で終わらなかった。桜事件に次いで、カジノ汚職、そして極め付きが1・5億円河井事件と続く。

 

 一連の安倍犯罪は起こるべくして起きたものである。これの泥被り・火消し役が菅義偉だった。それゆえに、黒子が檜舞台で踊らされることになる。ここ数年の安倍は、外遊で逃げまくり、最近は国会を開かせようとしなかった。嘘と隠ぺいを可能にした土台は、公明党創価学会による3分の2議席だった。権力批判をしなかった新聞テレビのお陰でもあった。

 

<告発の連鎖で責任を取らせる2020年の秋と正念場の林検察>

 日本人には、有能な正義の法律家や学者・文化人が少なくない。いざという場面では立ち上がって、声を上げてくれる。桜事件でも600人、900人のそうした人々が立ち上がって、安倍事件を告発している。

 

 2020年秋は安倍事件追及の場面である。菅は解散で応戦する可能性も出てきている。対抗する野党の一部が合流、これに日本共産党が連携すれば、相応の力を発揮するだろう。

 

 問題は、正義の法務検察の出方である。法務大臣の人事が、菅内閣の本丸の一つとなる。第二の河井なのかどうか。森雅子の継続か。それよりは、政治と距離をとっている林真琴検察の出方である。

 

 万一、第二の黒川弘務になろうとすると、それこそ学者文化人に加えて国民が決起するだろう。是非とも、そうした潮を生み出す必要があろう。コロナ禍でも、人々はネット活用で暴れまくれる時代である。

 

 一方、コロナワクチン騒動も起きてくるだろうが、これまた大変である。副作用のない効果のあるワクチン開発は難事だ。ワクチンを打たれる前に以下の

YOUTUBEを見るといい。甘くはない。

https://www.youtube.com/watch?v=jF_R-cq1rKI

 正義を貫こうとしない、検事を追放する国民運動を開始する準備も始まっている!安倍晋三にしっかりと責任を取らせる市民の輪は、どんどん拡がるであろう。改憲軍拡の国粋主義者は、ドイツ政府や市民がヒトラーを排除することと似ているだろう。

 

 昨年の今頃は、台風15号で恐怖の一夜を過ごした。地球温暖化を阻止しない限り、今年もやってくるだろう。昨夜、弟が新米を少し持参してくれた。楽しみだ。また落下したポポの実を、10数年ぶりに1個食べた。秋は収穫の季節だ。日本人にとって、悪の政治屋を退治する季節でもある。

2020年9月12日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)