オランダで人生初の手術を受けた話〜中編〜感染症 | 英語できない手に職もないパパ&村上家の6女1男 オランダ移住物語

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2025年3月18日 火曜日。鼠径ヘルニアの手術が終わり、吐き気をもよおしたものの、強めの鎮痛剤を病院の薬局で貰い、即日退院となったわけですが、全身麻酔の後遺症なのか、全身筋肉痛のような痛みがドンドン押し寄せ、布団に寝転んで楽な体勢を探すもどんな体勢になろうと体中が痛くて全く休まることができず、且つ退院時にはきれいだった手術痕付近からジワっと血が滲み続け、更には内出血が止まっていなかったらしく、お腹周りにパンケーキの焦げのような内出血痕がドンドン広がっていきました。



夜、何かしら口にしようとロケットアイスを一つ無理矢理食したのですが、数分後に嘔吐してしまい、口だけゆすいでそのまま這うように布団で横になりましたが、眠ろうにも吐き気と筋肉痛と脂汗と38°前後の微熱とでほとんど眠れず、訳の分からない夢みたいな幻覚みたいなものに苛まれたり、痛みを我慢できずにおまじないのように「痛い痛い痛い痛い」と口から漏れ出たり、暗がりのリビングに移動してみたり、全く進まない時計を何度も見たり、とにかく苦し過ぎて一瞬本当に死んだ方がマシかもと頭をよぎってしまい、慌てて「まだ死ねない!」と強く念じたりと文字通り地獄の一夜を過ごしました。

翌朝、寝たのか寝ていないのか分からない疲労感の中、筋肉痛のような痛みは日を重ねるごとに和らいでいったのですが、吐き気と微熱が全く改善せず、もちろん全く食欲は湧かず、週末までまったく食べられず、買い置きしておいたポカリとお茶をなんとか口にするのみで、ただただ横たわっているだけの日々を過ごしました。

木曜日、妻が病院に電話してお腹に内出血が広がっていることや手術痕からの出血、吐き気、微熱のことなどを伝えてくれましたが、シャワーを浴びて、お腹周りに何か軟膏のようなものを塗り込んで、引き続き処方された鎮痛剤とオランダの万能薬パラセタモールを飲んで様子を見るようにというようなアドバイスだけでした。
#オランダあるある

土曜日、さすがに何か食べなければ体力が回復しないのではと、妻にリクエストして買って来てもらったフルーツとヨーグルトを少し食べましたが、今度は真っ黒な下痢となって出てしまいました。
#汚くてすみません

とにかく息苦しく、ずっと吐き気と微熱が続いて、吐きたいのに何も出ず、たまに口にするヨーグルトとフルーツは真っ黒な下痢として排出されるというルーティンが続き、手術から1週間となる月曜日、これはあまりにもということでいつもお世話になっているベテラン日本人の方のアドバイスを元に妻が何度も病院に電話したり、お腹の傷の写真などを送ったり、下痢が黒いことを伝えたりしてくれ、電話口の担当者は下痢が黒いことに関してはハウスアーツに電話しろということだったので妻がハウスアーツ(ホームドクター)に電話すると、その日中に診てもらえることになり、夕方妻に付き添ってもらいながら必死で、ハウスアーツまでの約500mを歯を食いしばりながら一歩一歩牛歩で何とか辿り着き診てもらいました。

ハウスアーツで診てもらっている間、手術をしてくれた病院では、アシスタントの方がやっとお腹の傷周りの写真や症状を医師に伝えてくれたようで、ハウスアーツの診察室に入ったタイミングで病院から折り返しの電話がかかってきたので、ハウスアーツの医師と直接話してもらい、すぐさま病院の救急科に行く算段がつきました。

ハウスアーツからUターンする形でまた一歩一歩牛歩でそのまま駅のバスロータリーに向かい、妻と長男と共にバスで病院の救急へ辿り着き、しばらく待合室で待った後、救急専用の部屋で診療が始まりました。

男性の係医が赤青黄緑などのカラフルなコードの付いた器具を体の前面に貼り付け、心電図?のような機械に繋がれ、右腕に管を施し、その管から大量に採血されたり、CTスキャンを撮ることになりました。


CTスキャンは確かPHILIPS製で日本語設定にしてくれ、「イキヲスッテクダサイ。イキヲトメテクダサイ。」と自動音声が流れ、安心して身を委ねることができました。
 

また元いた病室に運ばれ、しばらく待っていると二人組の若い女性のお医者さんがやって来て腹部の黒ずみまくった患部をみたり、ズボンとパンツを下ろすよう言われ黒く腫れ上がった睾丸を触診したりし、「感染症にかかっている、お腹に血腫ができている、そのせいで10だったヘモグロビン値が6.5まで下がっている、今から入院になります」と告げられ、「何かあった際はそれに伴った処置をしますがいいですか?」と言われました。
#妻に通訳してもらいました

これまた人生初の入院かと朦朧としながらどこかホッとし、1週間全く風呂に入れずギトギトになった頭を、着ていたパーカーのフードで隠しながら、ベッドごと緊急入院の為の病室へ運ばれていくのを「あーこの様子を動画で撮っておきたかったなー」などとこの期に及んで不謹慎なことを考えつつ流れていく病院の天井を虚ろに見上げるしかありませんでした。

つづく...
 

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