今日は蓄音機の日。
1887年アメリカのトーマス・エジソンが、最初の錫箔円筒式蓄音機「フォノグラフ」を完成させ、マスコミに発表しました。
蓄音機は「話す機械」として喧伝され、大いに評判を呼びました。
しかし実際には最初のこの蓄音機は、評判のわりに性能が低く、実用化にはほど遠かったのです。
そこで、その後ライバルでもあり、エジソンが電話機の特許争いに敗れたベルの会社に所属していた、ドイツのハノーヴァ出身の技術者エミール・ベルリナーが円盤式のレコードを再生する「グラフォフォン」を開発しました。
ベルリナーが開発したタイプは蓄音機で再生するSPレコード、後に登場するLPレコードの原型ともなりました。
「グラフォフォン」が完成する前年に、ベルリナーはベルの事務所を辞めて蓄音機開発の道に進むことになります。
ベルリナーが造った会社「グラモフォン」は、その後世界的なレコードメーカーとなりますが、いくつかの変遷を経て、あの有名な世界的企業「ビクター」となります。
そう、あの【His
Master Voice】の可愛いワンちゃんが蓄音機の傍で佇んでいる絵で有名ですね。
最初に特許を取ったのは確かにエジソンですが、彼の造った方式は実際にはほとんど使い物にならず、現在のSPレコード→LPレコード→CD,の流れを造ったのは紛れもなくエミール・ベルリナーだったのです。
蓄音機から奏でられる音は濃密でとてもリアルです。
演奏者がまるで目の前に居るよう。
音楽を再生するシステムは
SP(蓄音機)→LPレコード(真空管)→LPレコード(鉱石)→CD
と大きく変わって行きますが、聴き比べるとそのたびに音が「薄く」なって行くのが分かります。
人の聴覚の美味しいところは中域の部分がほとんどですが、昔の機器ほどその部分にフォーカスされているのです。