東方神起LiveTour2018”Tomorrow”ツアー埼玉スーパーアリーナレポまとめ | 東方の神が起き上がる瞬間

東方の神が起き上がる瞬間

東方神起をオタクに地味に考察しています。最新情報を追ったり紹介はしていないけど、ひとつのことを長くかみしめ、長く味わうwがテーマ。・・・なんてね。

東方神起ライブツアー2018年埼玉スーパーアリーナレポです。
実際に行った初日26日の感想を中心にまとめています。



1 未体験ライブ


今回のライブは、これまでの”文法”がすっかり変わってしまったかのような、まさに未体験ライブ。

ライブというよりも、「舞台」「ショウ」って感じに近いというか。
「TOMORROW」というストーリーを展開するVCR、その挿入歌のように選ばれた歌で構成されたセトリ。

これまでのVCRは、「TONE」では、バンパイアユノだったり、恋人を思うチャンミンだったり、イメージPV的なものがあったけど、TIME以降は、「危機と戦う東方神起」「2人の連係プレーでそれを乗り越える」というテーマが繰り返されてきた。
そこで常に行われていたのは、「2人の絆を確認する」という行為だったかもしれない。

それに対して「TOMORROW」は、ニューヨークを舞台とした物語として展開される。

そこに映し出されるアメリカ人家族。
太った、うだつのあがらない風貌の夫。妻は<東方神起>に夢中で、旦那には無関心。不満が表情に張り付いた雰囲気の、ぶすっとした表情のティーンエイジャーの子どもたち。

謎のMr.TOMORROWという義賊が、ホームレスにお金をそっと寄付したというニュースが流れると、朝食の準備に奮闘している父親にあてこするように、娘が「貧乏な我が家にも、Mr.TOMORROWがきてくれたらいいのに」とか言っちゃったりする。

妻は、「朝食の準備ができたぞー!」と声をかけられても、部屋で「東方神起」を聴きながら踊っていて「今いく」と生返事。
そのくせ、宅急便を届けに来たアジア人男子2人組が<東方神起>なのに、<東方神起>として気づかない。

妻の部屋には、TONEからの東方神起のアルバムやグッズが飾られていて、たぶん、観客の中にはリアルにそれが自分の部屋であったり夫よりも「東方神起に夢中な妻」という役柄が自分そのものでもあるという人は多いんじゃないだろうか?

会場では、トングッズに囲まれて、夫に生返事する場面では、失笑のような笑い声が起きていた。

この物語の中のやり取りが、次の曲への導入になっていく。

たとえば、ギャングから奪った金を持って、2人が逃走するという序章が、オープニングの「Yippie KiYay」になっていたり。

または、息子が受け取る宅急便がAmazonではなく、Jungle.com
で、そして、そのVRゲームで入り込むJungleが、「Jungle」になる、というように。

このミュージカル・スタイルのライブは、「Tomorrow」ツアーに先立つ、韓国ライブ「CIRCLE」コンで取り入れられていたり、新しいライブ演出として取り入れている海外アーティストもいるから、まったくの新しい独自スタイルってわけではないらしい。


でも、トーホーシンキのライブとしては、これまでのライブとは全く違う斬新さで、たとえるなら、文法がすっかり変わってしまったような感じなのだ!

たとえば、これまでの東方神起ライブの”疾走感”というか速度はぐっと落とされている。

ダンス曲を、高低差や縦横無尽に広く使うムービングステージの装置を多用しながら、3曲から4曲くらいまでぶっ通しで披露していくようなスタイルには、観客も一緒に息をつめて、一気に疾走するような激しさ、緊迫感があった。

この「Tomorrow」コンでは、VCRとパフォーマンスが、一つの物語性でつながっている。だから、映画のストーリーを追っていくような速度で、ステージを眺めていくことになる。それは別の世界に入り込んだような不思議な感覚で、会場から駅まで歩いている間に、ゆっくりと現実に帰っていくような、そんな感覚さえする程。

ライブ時間もこれまで3時間越えが当たり前、TREE以降は3時間半という長時間ライブだったのが、初日は2時間40分。
ぎゅっと濃縮されたまさに映画タイムの”文法”で、仕立てられたライブステージとなった。

2 過去から現在までを網羅する「明日」

セットリストもまた、<物語>と密接につながるための曲を中心に構成されていて、
「TOMORROW」のアルバム曲披露ではあるものの、そのアルバムの存在感は一歩ひいて、むしろ「TONE」の「telephone」や「Weep」「I don’t know」、「TREE」の「I love you」、「WITH」の「サクラミチ」「SURISURI」「Something」といった曲が、最新楽曲の合間に、自然に挟まってくる方に、インパクトがある。

しかも、そこに違和感が少しもなく、それでいて観客側に、「ああ、このアルバムのこの曲!!」といった快感さえ感じられるのは、シングルになっていない曲ともう一度ライブで出会えたそんな興奮があるからだろう。

特に、最後の「Weep」はぐっときて、2012年のあの空気を思い出したし、この曲から始まった「みんなで歌える歌を」という、『TONE』以降のアルバムが『WITH』まで続けてきた、そのヒストリーを感じる最高の演出になった。

「Somebody to love」とはまた違う、特別なラスト曲。そういえば、2人が不在の間の「TILL2」では、みんながもう一度聞きたいラスト曲を会場が選ぶ、という演出があったけど、あの時も、私の印象では、「Weep」にあたる率が多かった。

「WEEP」をもう一度聴きたいというのは、ファンの中に潜在的にずっとあったんじゃないかなと思う。
「TONE」コンに行っていないファンにとっても、ユノが初めてライブで泣いた、あの時の「WEEP」は、一度生で聴いてみたい、という気持ちがあっただろうし、そういう意味では、2人東方神起のヒストリーとしても振り返ることのできる不思議な”明日”、それがTomorrowコンだという気がした。
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「WEEP」は、最初から観客とともに歌う歌として、狙ってそう作られたというよりも、ライブの中で、そういう演出に適した曲として選ばれた曲だし、この曲がTONEコンのラスト、大坂でアンコール後に会場で歌われ、予定外にステージに2人が出てきたこともあった。また、東京ではこの「WEEP」の観客の歌が、泣かないと決めてきたユノの目に、初めて涙をにじませたりもした。

観客席とステージをつないだ歌。それが、「WEEP」だった。「Somebody to Love」がエイネーションで歌う夏曲として選ばれ、タオルを回して観客が応えるという形で、たいしたセールスを誇ったわけでもない地味なセカンドシングルが、定番ソングとして「大出世」していったのとは対照的に、シングルにさえなっていない「WEEP」は、東方神起が2人で再始動するというデリケートな時期の、誰もが聞きたいと思っていた彼らの思いとして、歌詞が読まれ、歌われていくことで、特別な曲となった。

あの頃目指していた「明日」に、今、ファンも東方神起もいる。私たちはあれから、3つのツアーを過ごし、兵役を経て、さらに2つ目のツアーをスタートさせている。

3 MCいろいろ

アルバムについて、初日では、
(∵)「このアルバムの曲はどうですか?好きな曲とかがあったら、SNSで教えてクダサーイ」 

と話していて、他にもSNSで交流しましょう!!とやたら、SNS推し。

SNSは僕らには合わないようです・・・と話していた昔と比べ、インスタも始めて、「あの東方神起が!!」とファンにも賛否両論、韓国活動でのPV騒動をめぐって非難の言葉を投げつけられ、炎上した投稿もあったのになあ・・・と思うと、なんだかセツナイ。

(´・J・`)「Begin Againツアーの時も、ビギアゲって略していて、ああいう感じに、テンポよく略した言い方を募集中です!!」


というチャンミンに、
(∵)「SNSで見かけたのは、TOMORROWだからトモコン。友達がいっぱいできそうなツアーですね。あとは、明日という意味だから、明日コン。なんか合コンみたいだけど・・・新しい出会いがあるかも!」

 (´・J・`)「あるかいっっ!」


と夫婦漫才のノリをみせつけつつ、どちらがいいか、会場に問いかけて、明日コンの方が反応よかったんだけど、チャンミンは

(´・J・`)「まあまだ初日なので、これから色々な意見を聞いていきましょう」

とあくまで冷静。

翌日27日はさらに、(∵)「ツイッターで見たら、明日コンのコンが結婚の「婚」になってたよ。」と、会場をざわつかせる、「本当にSNSチェックしてやがる」感。

さらに28日になると、
(´・J・`)「エロコン←!と明日コン、どちらがいいですか?」

と会場にぶちこんでくるチャンミン。
会場がエロコン多数となると、


(´・J・`)「ふざけてますねーーー!」


とばっさり切るチャンミンも、「エロコン♪やらしコン♪」と調子にのりすぎて、ユノに
(∵)キリッ「エロコンはよくない!」と逆に切られている(笑)。


(´・J・`)「・・・ユノに自由を奪われた気分・・・」

(∵;)「たまにだったら・・・いいかなっ」

っていうやり取りをツイで見かけた時はしゃわせ~~な気持ちになった(笑)。

アルバムタイトルについて、『TOMORROW』を会場に言わせて、意外と発音イイねと韓国人と日本人で英語をほめる不思議な場面。
(∵)「意味は分かりますか?」 

(´・J・`)「いや分かるでしょ!」

というやり取りの後、
(∵)「明日という意味なんですけど、明日は明るい日と書きますよね。皆さんの明日が明るい日になるように・・・」 
という説明に、会場ふわーっと感動。

そしてチャンミンのこの素敵な言葉。
(´・J・`)「昨日の僕らにとって幸せな明日を、皆さんが作ってくれました。ありがとうございます」

じわーんと感動。
本当に2人とも、素敵な言葉を毎回くれる。幸せの極み。

そして、正直いって、アルバムの中でもちょっと異質で、派手なダンス曲ではないからだけではなく、今一つの評判だった『ROAD』の紹介は、ハッとさせられたこの言葉で。
(∵)「今、もっとも温かい応援とか希望が必要な場所に向けて歌います」 

(´・J・`)「心から応援しています。」


ああ、そうだ、『ROAD』は北海道でPVを撮って・・・そして北海道は今、被災地となっていて・・・・。北海道に住んでいる友達と連絡を取り合い、無事を知ってほっとしたのはついこの間のことだったのに、こうやって曲紹介で、はっとする自分が、薄情な気がして、恥ずかしくなった瞬間。『ROAD』の次は『サクラミチ』で、初日は、チャンミンが歌詞を間違えた後、出て来なくて、カキヤンのピアノだけが鳴り響く大惨事。

会場はざわつくというよりも、「チャンミンが歌詞忘れてる・・・!」とビックリする感じ。えーと、ここまで抜けたのって、チャンミンは初めてじゃない??
さすがに、あとになって、MCの時に、

(´・J・`)「さっきはゴメン・・・」

と開口一番言った時は、みんな笑いました。いやほんと、ビックリしたわー。

歌詞間違いは、そこそこあっても、完全に抜けちゃった時のチャンミンの、時が止まったような表情が、忘れられませんすいません、完全に、記憶しちゃいました(笑)。あの顔は、エロ婚の大切なおかずです。←

そして、アルバムがウィークリーチャート1位になったことについて。
(∵)「1位になることだけが重要なことではないですけど、これからも、東方神起の道を一緒に手をつないで歩いていきましょう。2人の力になってください。」 

埼玉2日目は、ここでうっかり?1位を「イルイ」と韓国語で言ってしまって、チャンミンに「今韓国語で言ったでしょ」とつっこまれたユノ。
前にもじゃんけんで、2人がうっかり?「ジャンケン、ポー!」と言ってた時なんかもそうだけどうっかり韓国語って、なんか萌えだよね。(真剣)
これもおかず・・・あ、もうやめとこユノにおこだでちゃう。←

初日のチャンミン、1位になったアルバムについてこんな発言も。

(´・J・`)「このアルバム、ジャケットは青空とか、すごくさわやかだと思うんですけど、中身はジャングルとか・・・・すごく温度差のあるアルバムです。そんなアルバムが1位です」


「温度差のある」という日本語の使い方が、さすがチャンミン!と思って、めっちゃ印象に残ってる^^

Mr.Tomorrowについて
(∵)「Mr.tomorrowが皆さんのところに行くことはないいですけど。(会場がええー?というのを聞いて)・・いや、だって皆さんのアドレスを知らないですから!!でも、僕たちの代わりに、アルバムの僕たちの歌が、皆さんの元に行きます」 と言ったのを聞いた時は、「このイケメンめ!イケメンめ!」って、心の中で何度も興奮を鎮めるために、サンドバッグ殴り倒した。
という訳で、アルバムの曲は、みんな、Mr.Tomorrowだぜ。

最後の挨拶
(∵)「いつもこの最後の時、迷うんです。何を言うかって・・・でも、さっき歌ったWEEPの歌詞で、みんながいるから歌うんだっていうところが、本当にそうだなって。まだ足りない踊りや歌で、でも、皆さんが来てくれるから歌うんだと思います。幸せです。」 

2日目のチャンミンの挨拶に台風チャーミーの話。

(´・J・`)「台風が近づいてきていますね。気を付けてください。・・・チャーミー?合ってますか?・・・・チャンミン。今年は台風が多いんですが、被害がないことを2人とも祈っています」


台風被害が多い日本。でも、今年はとにかくゲリラ豪雨の影響もあり、被災地となった場所が多かったよね。
こういう気遣いって、全国ツアーをしている人ならではって感じがするね。

さいたま最終日では、今度はユノの歌詞が吹っ飛んだり、目に見えて疲れた様子だったことを心配する”SNS”のつぶやきも、揶揄するつぶやきも両方見かけました。

ユノが「2人を信じてくれてありがとう」と、万感の思いをにじませながら最後に話したことも、例の日本地図事件についてのことに思いをはせて胸がいっぱいになっているファンもいれば、それを知って「都合よく解釈しすぎ」とディスってる人もいる。

批判や非難を受け止めながら、2人の日本活動がどのように展開されていくのかっていうことだけが、私は気になっている(笑)。

それこそ初日、微妙で唐突だったチャンミンのタモさんの物まねが、弘中アナに最終日変わったけど、それはMステへの布石なんだろーか、とか。
テレビラッシュになってくれたら嬉しいんだけどなー。

4 明日は来るから

初日、ユノは2番の歌詞の出だしをまちがえてたけど^^;最終日は歌えなくなった時もあった?
ビギアゲで、『Begin』を歌っていた時も、ちょこちょこ歌詞間違いはあったし、私はそれだけで水を差された気分にはならないタイプのファンだから、自分にとっては東方神起との出会いの1曲だった、この明日来るの感動は、ひとしお大きかった。

ほんとはマナー違反かなー、と思うんだけど、小さな声で一緒に歌った。
冬の夜の、一人歩いた道とか、家に入るに入れず、缶コーヒーをすすった時の味とか、リアルに思い出した。
ああ、あれから時が経ったなあ、って思う。

私は5人時代の東方神起の楽曲を聞いていたわけだから、やっぱり、2人の東方神起の「明日来る」を、当時と同じ思いで聴くわけじゃなくて、無意識に比較してしまうし、
優劣をつけるわけじゃないけど、あの「明日来る」はもう幻なんだなあ、とも思う。

でも、歌い継がれていく確かさに、安心して心を震わせている自分もいる。

1月20日のチケットが手に入るなら、あと8回、明日来るを聴くことができる。
それはとても、私にとって楽しみな「明日」。

5 いろいろ雑感

今回は、「Something」から始まっている、ジャズとかビッグバンドとか、そうした曲調と20世紀初頭のアメリカの雰囲気が、色濃く反映されているステージ。
花道はないものの、メインステージは最初から2段がまえで、上段にはバンドメンバーが控えている。
金管楽器3人が加わり、音の厚みも増している。

「運命」もそっちよりの音楽だし、ここんとこヒップホップというより、ジャズっぽい方向に走ってるよなーっていうのを改めて感じるステージのコンセプト。

Miroticや”O”なんかの昔のダンス曲が入ってくると、よけいにそう感じる。
東方神起って今後、どういう方向に音楽スタイルを持っていく気なんだろう?
そんなことも、想像してみたくなる。

グッズは、ビギアゲ同様、売り切れなしの行列なし。
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「グッズすぐ買えます」っていう立て看板を見た時は、「おおー!」と思ったよね。
だからなのか、終演後、限定グッズを買っているファンも、ちらほら見かけた。

ネットで売り切れになった、マルチケースやスマホアクセサリーも、すぐ補充されたし、今のところグッズ行列は生まれなさそう。
まあ、ただでさえ、トイレ行列、カフェ行列と、行列づくしなんだから、せめてグッズくらいはさっと買えた方が嬉しい。

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ちなみに、初日のさいたまアリーナでは、入場案内がちょっとずさんで、混雑解消のために、AゲートもNゲートに誘導した結果、Nゲートの混雑の方が半端なくなってしまい、開演に間に合わなくなってしまったファン多数だった。

前回までのドームや日産と違い、アリーナでの、あのチケットから座席を出す手間は、混雑が半端ないので、次回参戦される方はお気をつけて!


友達が撮って送ってくれたトントラ。

台風チャーミーが通過する間、どこを走りどこに停められているのかな?

私の次の参戦は福井。その間、福岡に参戦される皆さんの、幸せな明日をお祈りしています!

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アールズ出版で、ジャニーズ研究者の福博充さんと対談した時のテキストです。
「著者対談 桃田万里子×福博充 トンペン×ジャニオタ 私たちは何を見ているのか?」

桃田万里子署 2017年刊 東方神起ヒストリーを、インタビューやライブMC、番組などのトークを引用しながらまとめました。 



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