映画『劇場版ラジエーションハウス』を観てきました。
ストーリー
72時間—。それは、人の生死を分ける時間。
甘春総合病院の放射線技師・五十嵐唯織
(窪田正孝)は落ち込んでいた。 大好きな甘春杏
(本田翼)が、放射線科医としての腕を磨くため、
ワシントン医大へ留学することが決まったからだ。
「72時間を切ってしまいました」
お別れまでのカウントダウンを胸に刻む唯織の
ことを、ラジエーションハウスのメンバーは
元気付けようとするが、 唯織への秘めた想いを
抱える広瀬裕乃(広瀬アリス)だけは、
自らの進むべき道について悩んでいた。 
そんな中、杏の父親・正一が危篤との連絡が入る。

無医島だった離島に渡り小さな診療所で島民を
診てきた正一だが、杏が父のもとに着いてほどなく
 「病気ではなく、人を見る医者になりなさい」との
言葉を残し息を引き取る。
生前、父が気に掛けていた患者のことが気になり、
島に一日残ることにする杏。
そこに大型台風、土砂崩れ、そして未知の感染症が
襲いかかる。 遠く離れた地で杏が孤軍奮闘している
ことを知った唯織は、 大切な仲間を守るため、
苦しむ島民を救うため、ある決心をする。
8人の技師たちが選んだ未来とは。
「別れ」の時刻が近づいている―。
(以上、公式サイトより転記)


連続ドラマで観ていた『ラジエーションハウス』の
劇場版です。

放射線技師という職業は、言われてみれば
あるだろう必要なお仕事だけど、このドラマを
観るまでは、明確に意識していなかった職業でした。

もちろんこれはドラマで、脚色されている部分も
あるだろうと思いますが、まだ知らない、
縁の下の力持ち的なお仕事を知れるのは
とてもいいことだなと思います。

このドラマには「甘春病院」のラジエーション
ハウスで働く放射線技師が8人もいるのですが、
全員のキャラクターがとても個性的で、
誰一人埋没していないのが好きなところです。
みんなすごく個性的で自由なのに、
根っこの部分ではとても仲間を信頼し合っていて、
同僚の足をひっぱるとか、輪を乱す行動などせず、
一番大事な「患者さん」を絶対に見失いません。

実際の医療現場がどうなのかは知らないけど、
こういう理想的な現場をドラマで見せてもらえると
私たちはやっぱり安心できます。
こんな、人としても魅力的な人間である技師や
医師たちに、いざとなったら診てもらえるんだと
思わせてくれるドラマっていいですよね。


劇場版もベースはドラマと変わらず、
観ていてほっこりしました。
今回は、台風が襲った直後の離島に、原因不明の
感染症が発生し、大勢が罹患してしまうという
災害が起こります。
ちょっと前までだったら、これを「映画らしい
大惨事」エピソードと思ったのかもしれませんが、
今ではそれが「いつでも起こりうる、日常と
隣り合わせな状況」と思うようになってしまって、
穏やかに生きることが難しい時代になったことを
少し苦しく思いました。
でも歴史的に見れば、今までの平和で穏やかな
日々こそ珍しくて、私たちは本当に幸せな時代を
生きていたんだなと、そのありがたさを感じます。


この映画には、ドラマそのままの延長線を
期待していたので、それがその通りで満足でした。
ドラマそのままのラジエーションハウスがそこに
あって、息ピッタリの技師たちがいて、
それが本当にホッとして安心します。
医療現場だから、すべてがハッピーエンドという
わけにはいかないですが、ちゃんとあったかい
お話になっています。

そして、杏ちゃんと五十嵐さんは…。

連ドラは今後もまた制作されるのかな?
エンドロールの後にちょっと何かあるのかなと
期待していましたが、そのまま終わってしまいました。
この後の杏ちゃんと五十嵐さんを見たいし、
かっこよく成長した広瀬(広瀬アリスさん)の
活躍も見たいです。
メガネ兄弟の田中さん(八嶋智人さん)と
軒下さん(浜野謙太さん)の小競り合いも見たいし、
たまきさん(山口紗弥加さん)の目の覚めるような
声で激励されるみんなも見たい。
威能さん(丸山智己さん)の美容コメントも
聞きたいし、悠木さん(矢野聖人さん)の
おかしな行動や、みんなにいじられる技師長
(遠藤憲一さん)も眺めていたい。
普段はわちゃわちゃ賑やかなのに、
いざとなるとプロの技師になるところが
かっこいいんですよね。

観た後、医療に従事する方々への尊敬と感謝の
気持ちを新たにしましたし、平穏な日々や
何気なく過ぎていく一瞬一瞬が、とても尊いものに
感じられました。

何が起きてもおかしくない世界。
どうか明日も平和でありますように。