子供を巻き込む悲劇
最近、 子供 を巻き添えにした事件が多発している。
親の事情で、子供まで不幸になる。
親がいない方が、子供が幸せな場合もあるんじゃないか、とふと思った。
先日、離婚した夫婦の元夫が、
子供との 面会を求める調停 を申し立ててきた。
養育費を払っている以上、そして自分の子供である以上、
やっぱり 父親 は、 子供と会う権利 はある。
だけど、子供を育てる 母親 は、大抵 子供と会わせたくない 。
そして、子供はまだまだ幼い。
母親と一緒にやってきた子供は、
母親に似てとても饒舌で、明るい子だった。
だけど、父親の話になると 「会いたくない」 の一点張り。
「会いたくない」、といえるほど父親のことを知らないのではないだろうか。
まだ、父親と別れたときは、赤ちゃんともいえる年齢だったのだから。
だけど、父親と会った瞬間、子供は何もしゃべらなくなった。
「お金も何もいらないから、もう会いたくありません」
と泣きじゃくった。
子供にとっては、一緒に暮らして育ててくれている母親こそが、
自分を庇護してくれる唯一の存在だ。
だから、母親を悲しませたくない。
母親の思いに対して、想像以上に敏感なのだろう。
父親も、どう対応していいのか分からない様子。
もう少し明るく、楽しく話しかけてあげたらいいのに、
ボソボソと暗くつぶやくだけ。
結局、ほとんど何の会話もないまま父親は帰って行った。
子供は、今はまだ、このことに対応できるほど大人ではないし、
でも、思っている以上に大人びた考えと言葉を口にする。
だけど、 一人の人間 なのだから、
父親が心からの言葉で話しかけないかぎり、
答えてくれないだろう、と思った。
大人の都合で、子供は振り回され、傷つく。
帰り道、明らかに風俗関係のアルバイトの雑誌を、
春休み中で遊びに出ているらしい小学生に配っている人がいた。
知らないことも恐いけれど、知りすぎることも恐いことだ、と思う。