頭が真っ白になった。
なんで?
なんで真司郎?
あのとき2人はやっぱり…?
実 にっしーには…淳一のことでもすごく支えてもらったから…。新しい恋に…進めたのはにっしーのおかげだから…。
隆 …会いたかった理由は…そのこと?
実 …そうだよ?
隆 …
実 この間遊園地に行ったでしょ?あのときの祈ちゃんをみて、ほんとかわいいなって。すごく…すごく…にっしーのこと好きなんだなって…。
隆 …
実 あたしも…好きな人…の隣で、笑顔でいたいなって…。
隆 好きな…人?
実 …うん。
隆 …真司郎?
視線をずっと合わせない君。
実 …うん。
隆 いつ…から?
実 え?
隆 宇野ちゃんが真司郎のこと…。俺、全然知らなかったけど?
実 だって、そんなこと…
隆 …
色々とイライラする。
さっきから目を合わせない君を。
真司郎を好きという君を。
その言葉が発せられる唇を。
隆 なんでさっきから俺を見ようとしないの?
実 え?そんなこと…
隆 こっち見て。
君の顎を持ちあげると、
大きな瞳は澄んでいて
君が何を考えてるのかわからなかった。
隆 …
実 だめだよ、にっしー。彼女いるのに、他の女の子にこんなことしちゃ。
そう言ってまた俺の横を通り過ぎていく。
実 祈ちゃんの側で笑って、彼女がちょっと転びそうになるのも、サッと支えてる姿カッコよかったよ。
隆 …ちがう
実 にっしーに大事にされてる…そんな彼女は幸せものだなぁって…
隆 俺が…そうしたいのは…
振り向いた君は
満面の笑顔。曇りひとつないまっさらな笑顔。
隆 …宇野ちゃんなんだよ…
実 え?なにか言っ…
トンッ
実 へっ?…にっ……んんっ
塞がれる唇から漏れる吐息。
体が押し当てられた本棚からは、君が抵抗するたびに軋む音が響く。
だれもいない空間に2人だけ。
俺の…気持ちは…
実 にっ…し…やめっ…
隆 黙って…
君の唇をもっと深く…その細い体もぎゅっと抱きしめて…俺だけのものに…
実 んんっ…
こんなに好きなんだって。
君なんだよ
俺が一緒にいたいのは
守りたいと思うのは君だけ。
唇を離して見つめた君の顔は…
涙で濡れていた。
隆 いいかげん…気づいてよ…。
