性善説ではなかった「神の左」山中の最後 | HONDAのブログ

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3月1日、東京・両国国技館で開催された
プロボクシングのWBC世界バンタム級
タイトルマッチは、ルイス・ネリ(メキシコ)
への雪辱とベルト奪還を期した山中慎介(帝拳)...
が4度のダウンを喫し、2回1分3秒TKO負
けに終わった。

ネリが規定のバンタム級リミット
53.5キロの体重をクリアできず、前日に体重
計の上で剥奪された王座は空位のまま。
勝者であるが、王者でないネリと、その取り巻き
は臆面もなくリングで歓喜の声を上げ、場内から
は激しい怒号とブーイングが浴びせかけられた。
ネリは1回目の計量では55.8キロと2.3キロ
のオーバー。これは1階級上のスーパーバンタム級
(ジュニアフェザー級)のリミットにも収まっていない。
「フェザー級 57.15 kg以下
スーパーバンタム級
(ジュニアフェザー 級) 55.34 kg以下
バンタム級 53.52 kg以下
なので 55.82kgのネリは フェザー級の
リミットということになる。」
日本ボクシングコミッションの関係者は
「一方が体重オーバーした試合は原則、
試合を認めない」という。本来なら、決して
行われるべき試合ではないのだ。だが、
あくまでも興行が優先され、当事者間で協議
の上、たとえば今回のような「試合当日12時
の時点で58キロの計量をクリア」などの条件
がつけられて敢行されるケースがほとんどだ。
結果として試合を中止にすることができない
“弱み”を持つ、ルールを守った側が不利にな
るという矛盾が生じてしまう。
過去を振りかえると
1974(S49)年10月18日、3度目の防衛戦で

花形進と対戦する タイのフライ級チャンピオン 
チャチャイ・チオノイ、
王座の移動はリング外だった。当日9時の
計量で歴戦の雄チャチャイはウェートを作れず、
リミットを2キロオーバー。1時間後の再計量
でも1・6キロオーバーで減量放棄。
(結果だけ見たら 今回とよく似ている)
タイトルはチャチャイの手を離れた。
試合も6回TKO負けとなり、花形が新王者となった。


この試合で リングに現れた チャチャイは 最後
まで 必死で減量した疲れが明らかに表れていた。
6RD TKOであったが 3RDあたりから 立ってるだけで
やっと という感じで 6RD ダウンしたわけでもないが
レフリーが 戦闘不能と判断しての TKOであった。
今回のネリは明らかに違った、減量失敗の 負い目なぞ
微塵も感じない 元気いっぱいであった 。
これは ボクサーと取り巻く環境の違いが大きい 44年
前には 規定体重を守るということが「性善説」に たった
上での認識であり、今回のネリのように 「最初から王座を
はく奪されても」 しかたがない という「性悪説」という
認識がなかった。 44年前は WBAとWBCはあったが
1階級に チャンピオンは 一人であり スーパー(ジュニア)
階級も ない時代 今は たとえば バンタム級チャンピオン
は WBA、WBC、IBF、WBO と 4人おり その
上の ジュニアフェザーを入れると 世界チャンピオンは
8人 いるわけだから 体重超過で 王座はく奪されても
次の お呼びはすぐかかる、44年前は 体重超過で王座
はく奪された チャチャイのようなボクサーには お呼び
はかからず チャチャイも翌年(S50)寂しく引退している。
今回の試合 は 実施され 山中が負けたわけだから、終わって
から どうこう言うことはないが、 今後はこのような
場合「どうするか(試合を実施するか否か)」を考えるには
よい 例になったのではないかと思う。