1997年3月2日
バックパッカー時代、ラオスに入国した翌々日
小さな店で酒盛りをしていた。
2週間前にカンボジアで強烈な下痢Pをして全く治っていなかったのだが、楽しげな宴会を前につい宴の輪に入ってしまった。
ラオスの言葉を全く知らなかったので
「お~れはジャイア~ン、が~きだいしょ~」
と日本語で大声で歌いながら店に入る。
シラフじゃない彼らは大歓迎してくれた。
彼らが話せる英語はなぜか、アイラブユーだけw
こちらも全くラオス語は話せない。
それでも酒が入ると仲間になれる。
言葉が通じなくたって良いんだよ。
だってさ、言葉が通じてもさ、酒場で酔っぱらったら、人の話なんて聞かないで自分の話したい話しかしないじゃない。
おまけに覚えていないしさ。
結局は大声で笑いたい時、一緒に大声で笑ってくれる人がいるだけで良いんだ。
で、お互いの国の言葉を教え合ったりするんだけどさ、彼らから教えてもらった言葉を話すと、凄い下品な笑いをするんだよ。
教えてもらった言葉を店の外に向かって大声で発すると、店の前を歩く女性が怪訝な顔をするんだよね。
で、教えた男どもは爆笑w
ははーんと思い、こちらも、しょーもない日本語を教える
まぁ俺、この時24歳だったもんな
しょーもない頭してたんだよね。
でも、毎日がエブリデイだったのだ。
毎日が常に楽しくて仕方が無かったのだ。
写真は、信じられないかもしれないが、左側の青いTシャツ着たのが俺なんだよw
自転車で引き締まった上に、下痢で更に7キロ痩せたからな。
あー、もう一回カンボジアに行ったら痩せるのかなぁw
で、この宴はほぼ全員がぶっ倒れるまで続いた。
どうやって宿に帰ったのかは記憶にないが、写真だけは撮っておいたみたいだ。
ラオスは基本のんびりしていて、良い国だった。
メコン川の土手を歩き夕日を見ながらウォークマンを聞いたんだよね。
外でウォークマンなんて聞けないんだよ。危ないからさ。
スリからしたら、警戒心ゼロの間抜けな観光客に見えるじゃん。強盗からしたら殴る瞬間まで気付かれない。
でも、ここはのんびりした空気で大丈夫だなと思ったの。
うまく説明出来ないんだけどさ、1年くらい海外を放浪すると、ここは安全なのか危険なのか、勘が働くようになるんだ。
で、そこまでしてウォークマンを聞きたいのはさ、感動的な景色と音楽が超シンクロしてバッチリあう瞬間があるんだよ。
キタキタキターーーー!って
滅多にならないんだけど、この瞬間になると鳥肌が続くんだ。どんなに暑くても。
ラオスで見た夕日と音楽で鳥肌たってね。
何の曲だったか忘れちゃったけど。
そしたら5歳くらいの少年が聞かせてくれってやってきたんだ。
良いよって聞かせたら喜んでね。
でもすぐに走り去って、なんでだろうなと思ったら5分後に、その少年の兄と思わしき人を連れてきた。
兄と思わしき人はカセットテープを握り締めていて、どうやら俺のウォークマンで聞かせてくれと言ってるのだ。
聴かせると目を輝かせていてさ、で、今のipod世代は知らないかもしれないけど、オートリバースって機能があるんだよ。ウォークマンには。
ボタンをワンプッシュでA面とB面が切り替わるのだ。
オートリバースボタンを押したら、「うひゃぁ!!」と叫んで驚くんだよ。
気が付くと村人が集まってきて、「なぜこの小さいボディーでカセットがひっくり返るんだ!?」って盛り上がってるんだよ。
すげー、ブッシュマンみたいだーと思ってさw
いや、未開のとか失礼な意味じゃなくて、超純粋だなーって思ったんだよね。
ま、あんまたいした経験していないけどさ、若者は旅に出た方が良いよなと思うのだ。