汚れた自転車をせっせと磨く。
ここまで一緒に来れた一心同体の自転車をむちゃくちゃ愛しく思う。

さて、オーストラリア最北端のTOPに着いたら、
その後は何をしなければならないか?
そう、戻らなくてはならない。
もう、こんなヘビーな道をチャリンコで帰ろうとは思わない。
さくっと、飛行機に乗ってひとっ飛びだ!
ここバマガから自転車で20分走ったところに空港がある。
空港と行っても、セスナくらいしか使えない、むちゃくちゃしょぼい空港なのだが。
ケアンズ行きの便を手配しようとしたが、一週間先まで満席だと言う。
ケアンズを出発する時、飛行機の予約状況を確認したのだが、「あー、予約せんでも、その日の内に乗れるよ」とのインフォメーションセンターのコトバを信じていた。
おぃおぃ話が違う。
フェリーも満席。
ひたすらブルーになっていると、優しいオージーの夫婦が「明日ケアンズに向けて出発するんだけど、よかったら自転車を屋根に乗っけて一緒に行くか?2泊3日でケアンズに着くと思うのが・・・」と声を掛けてくれた。
ありがたい!
そう、俺は甘えん坊将軍。さくっと甘えた。
彼らの名前は、ボブとクリス。
短い名前は覚えやすい。
俺はいつもファミリーネームを名乗る。
HONDAと言う名は、世界中どこにいっても皆、すぐに覚えてくれる。
そして皆、HONDAなのになんで自転車に乗るんだ?と聞いてくる。
すかさず「こんなクリーンでパワフルなエンジンはないだろう?」と自分を指差して、自信たっぷりに言う。「燃料は、ガソリンじゃなくてビールで走るけどな!」と付け加える。
そうすれば、必ず笑いを取る事ができる。
笑いを取る事が出来ると人気者になれる。
人気者はむちゃくちゃ気持ち良い。
ビールもご馳走してもらえる!
海外に行くのであれば、笑いの取れるネタを用意しておくことをすすめるぜ!