2年前、とてもファンキーな乗馬に巡りあった。

夢有民(ムーミン)牧場という乗馬体験のできる牧場なのだが、なんつーか、
「趣味は乗馬をたしなんでいますぅ」
とかいうブルジョアなもんじゃない。

最初に聞いた噂は
「山の中腹にある牧場から、海を目指して一般道を馬で走り、海に着くと馬と一緒に泳ぐ、まるで映画のワンシーンのようなな乗馬で、初心者でもできるように教えてくれる」
というものであった。

おぉ~、なんてメルヘンチック!

駄菓子菓子、この牧場のオッサン、全く持ってメルヘンチックな風貌とは正反対。
「乗馬は1日100ドルだ。さぁ、100ドル出せ。なにぃ?100ドル持ってない?仕方ねぇなぁ。」
(現在は300ドルに値上げ。その価値はあると思うけど、ビーチロックビレッジで申し込むと1万5千円也。)
そう言うと、おもむろに「ムーミン銀行」と書かれた箱を持ってきた。
箱の中にはドル札がいっぱい詰まっていた。

「今日は1ドル122円だから、自分で計算して100ドルと交換しろ。
そして100ドル出せば乗馬させてやる。
なんでドルなのかって?知りたいか?話すと長いぞ」
なんでも外国で遊びたいからドルを集めて、目標額が貯まったら海外に行かれるそーです。
書くと1行ですが、20分くらいかけて懇切丁寧に話をしてくださいましたのら。
はにゃ~

乗馬のレクチャーも、
「馬から落ちたときは首にしがみつけ!こうやってしがみつけ!しがみついたらなんとかなるが、しがみつかなかったら、どーにもならん。
まぁ今のところ死人は出ていないけど、傷害保険だけは入れよな。
落馬したら、罰として泡盛1本持ってこい。」
ということをおっしゃります。

みんな始めての乗馬を前に高鳴っていたテンションが一気に冷めていくのが面白過ぎでねぇ~

「看板が来たら、こうやってよけろ!枝が来たら、こうやってよけろ!
それじゃぁ引っかかって落っこちるぞ!ケツ上げすぎ!」
とケツをバシバシ叩かれます。
お金を払ってこんな体験、SMクラブ以外ではできないでしょう。
行ったことないけど。
なにゆえ看板とか枝とか言ってくるのか意味不明だったけど、ビデオを見させられて理解できた!
普通の乗馬なら専用トラックをパカポコ走るのに対し、ここではいきなり一般道を走ることになっていて、お店の看板とか道端の木とか、よけないと海までたどり着けないからだ。

う~む、日本でこんなむちゃくちゃな体験ができるなんてスバラシイ!

実際に体験し、全く乗馬未経験者でも、ギャロップ(高速走行)を経験し、海で一緒に馬と戯れるのは、それはそれは貴重な経験をして、またやろう!と心に決めていたので、今回、こーして来たのであります。

相変わらず、ウルルン滞在期みたいな牧場を眺めながら、久々に馬に乗ったのであります。
ところが乗った馬の「ミエコ」は、凄く凄く前に出たがるお馬さん。
常に手綱を引いてブレーキをかけないと、前の馬と衝突してしまう。
衝突すると後ろ足で蹴りをくらい、大変なことになるそーっす。

それでもパカランパカランと乗馬を楽しみ海に出て、くはぁっ、幸せよのぉ~と浸り、帰り道にいよいよギャロップ(高速走行)となった。

気分は武豊。
ところがである。
予想以上に早く走り、前の馬に衝突しそうになる。
たてがみをしっかり握っていないと振り落とされるけど、たてがみと一緒に手綱を握っていて、その手綱を引かないと衝突しちゃいそうなのである。
仕方無しに、手綱を引く為に、ちょっとだけ手を緩めた瞬間

 し ゅ ぽ ぉ ぉ ぉ ぉ ん

後ろに吹っ飛ばされたのである。
時速50キロくらい出ていて、しゅぽぉぉぉんと飛んだのである。
一般道なのでコンクリートに打ち付けられ、落ちた瞬間息が出来ない。

しかし飛んでる瞬間ってなんでスローモーションなんだろうね。

高校生の頃に原チャリでコケた時もこんな感じだったけど、とにかく飛んでしまったのである。

幸いにも夜にロミロミマッサージをビーチロックビレッジで予約していて、ロミロミマッサージを受けることに。

ロミロミマッサージの真紀さんの腕が良くて、痛みも和らぎ、話も弾み、共通の友人もいることがわかり、楽しい時間を過ごし、
「私の沖縄の母を紹介するので是非会ってみてください。きっと良い助言がありますよ」
と言うので会うことに。

旅は生きて帰ればあとでネタになるし、色んな出会いがあったりするし、まぁ楽しんだもん勝ちっすよ。
と、痛い腰を忘れようと強がりさんになってますぅ。