2025/11/21  19:00 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール

大和田祝祭管弦楽団

指揮:米田覚士

コンサートマスター:林周雅

ピアノ:沢田蒼梧、中島結里愛

 

■グラジナ・バツェヴィチ:弦楽オーケストラのための協奏曲

■ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調Op.21(中島結里愛)

<ソリスト アンコ-ル>

■ショパン:エチュードOp.25-11(木枯らし)


■ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op. 11(沢田蒼梧)

<ソリストアンコ-ル>

■ショパン:子守歌

 

前回4年前(2021年)のショパンコンクールに出場し、第2次予選まで進んだ、当時医学生(現在は小児科の医師)とピアニストの二刀流で話題を呼んだ沢田蒼梧さん。

私は当時配信で沢田さんの演奏を聴き、特に1次予選のバラード1番に魅了された。今も通勤やドライブの途中に聴くお気に入りの再生リストに入っている。

優しさを感じつつも、くっきり聴こえてくる美しい音が大好きだ。

沢田さんは現役の小児科医で、愛知県の病院に勤務されているので、多くはない演奏会の殆どが愛知・岐阜などで行われる。

そのため、一度是非生で聴きたいと思いつつも機会に恵まれなかったが、何と東京で演奏されるというではないか!

このコンサートのチケットの販売が始まったときに即購入し、楽しみにしていた。

もちろん、今年のショパンコンクール最年少出場の中島さんの演奏も楽しみ。

と思っていたら、何と指揮者の米田さんが9月に開催された「ブザンソン国際指揮者コンクール」で優勝され、その凱旋帰国後初のコンサートともなった。楽しみ3倍である。

 

渋谷区が施設開館15周年を記念して主催したコンサートで、渋谷区長の挨拶から始まり、まずは指揮者なし・弦楽のみの協奏曲という珍しい形式のオープニング。

今日のこの日のためだけに結成されたオーケストラだそうだが、コンマスの林さんのリードの元、「弦楽器ってこんなにポテンシャルあるんだ!」と気づかされる素敵な演奏だった。

 

1曲目の後、舞台にピアノを設置する間、指揮者の米田さんのトークがあった。

ブザンソンコンクール優勝おめでとうの雰囲気満載の中、米田さんのしゃべりは非常に面白く、会場が何度も温かい笑いに包まれた。

「話すのは苦手なんです」と仰りながら、早口でしゃべる、しゃべる。「照明が明るくなるまでしゃべってくれ、と言われてんですよ、困ったなー。」と仰りながらブザンソンの思い出なども語ってくださった。

優勝するとは思ってなく、少しでも活動の幅が広がると良いな、と思って受けられたそうだが、審査員満場一致での受賞だったと聞く。

同コンクール出身の小澤征爾さんのように、世界へ羽ばたいていって欲しい。

 

続いて中島さんのショパンの協奏曲2番。15歳でここまで何かを極めていることにまず感嘆である。

少女の可愛らしさ・危うい年ごろならではの雰囲気・年齢に似合わない大人っぽさなど、中島さんの多彩な魅力が感じられる演奏だった。

5年後(あるいは10年後?)のショパンコンクールで、本選でこの協奏曲(1番でも良い)を弾く中島さんの姿が見られたりしないだろうか。本当にこの先が楽しみである。

 

休憩を挟んで後半は沢田さんのショパン協奏曲1番。

私が配信で聴いて好きになった、優しいけれど全くぼやけずにきれいに聴こえてくる音に感動した。

第2楽章はとてもロマンチックに、第3楽章はきらきらに。

パワーはそんなに感じないのに、オーケストラに埋もれずに、まるでオーケストラの音の海の中、沢田さんの弾くピアノが道を開けているようなそんなイメージで聴こえてくる。指揮者・オケとの息もぴったりだったのではないだろうか。

アンコールの子守歌がまた沢田さんの音色にぴったりで、うっとりした。

先日、27歳のお誕生日を迎えられたそうだが、当日は当直で24時間病院にいて難産に立ち会い、同じお誕生日の赤ちゃんを無事迎えられたそう。

そしてその少し前は遅い夏休みでイタリアのピアノアカデミーに1週間勉強に行かれていたそうである。

本当にお忙しいと思うが、どうか末永く二刀流を続け、沢田さんの音を聴かせ続けてほしい。

 

明日は連日で、横浜みなとみらいで牛田智大さんのショパン協奏曲2番の予定。こちらも本当に楽しみ。

 

 

会場のそばのさくら坂のイルミネーションが今日から点灯。