【あらすじ】
東京から名古屋へ。
女たちに匿われながら、小豆島へ。
偽りの母子の逃亡生活。
成人した薫が思う事とは。
【感想】
大変不謹慎かとは思うのですが、この本を読んだ読者は、仮の親子が逃亡生活を続けて、いつかそのまま平穏な暮らしが続けばいいのに、と思わなかっただろうか?
実際の出来事であれば絶対駄目な事ですが、小説の世界だからこそ、そういう事を願ってしまう。
作者の角田光代さんも、そういう感情を読者に求めた様な、そんな気がします。
逃亡をテーマにした作品というのは非常に興味がわきます。
私の好きな作品、シドニィ・シェルダンの
「逃げる男」 はコミカルですが、主人公が危機に遭遇してギリギリ逃げる度に愉快な気分になるし、
ドラマで見た松本清張の「砂の器」も、主人公に何とか逃げきって欲しいと思ったものです。
最初からシリアスであることがわかってる作品は出来るだけ読まないようにしているのですが、
この作品は面白かったです。
タイトルのつけ方も素敵です。
複雑な感情が湧き立ちましたが、後味は決して悪くなく、終わらせ方も見事でした😌
