【観劇記録】Birthday | 手上のコイン Blog

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G-up side.B session
『Birthday』


2009年12月28日(月)~2009年12月30日(水)


のらくら閑劇記-Birthday



サンモールスタジオ


脚本 秋之桜子

演出  Peter.F.Punpkinhead


■Cast

森啓一郎 (東京タンバリン) 瓜生和成 (東京タンバリン)
有川マコト (絶対王様) 藤田有紀彦 浦井大輔 (コマツ企画)
野本光一郎 (ONEOR8)有馬自由 (扉座) 恩田隆一 (ONEOR8)
細見大輔(演劇集団キャラメルボックス) 工藤潤矢


同級生、先輩後輩、兄弟、ご近所さん。
それぞれに繋がりを持つ男たちだが、バラバラの日常を送っている。

父子家庭の上に仕事が忙しいのを理由に、我が子の気持ちを見失いかけている男性。
リストラに遭い、自分のことしか見えなくなっている男。
妻の命日にケーキを買い続ける男。
人の背中の写真ばかり撮る写真屋。
病気の弟に、歪んだコンプレックスを抱く兄。
そしていつ死ぬかもわからない病気の男。


それぞれに問題や引っ掛かりや絶望を感じながら、生きている男たち。
小さなきっかけでそれらの絡まった糸が少しずつ解れてゆくのだが、そこに変に無理がないのがいい。それぞれが、それぞれのキャラクターとして、彼ららしい解決をしてゆく。


父親は、息子の気持ちと向き合い。
リストラされた男は、先輩が珍しく自分を飲みに誘ってくれたのが、同情ではなく、自分自身ですら忘れていた誕生祝いのためであったことに気づき。
妻を亡くした男は、ようやくその後悔を他人に打ち明けることができる。
写真屋は、背中の写真しか残さなかった両親の、その写真の撮られた理由に思い至り。
コンプレックスの塊であった兄は、「笑い死ね」と。突っ張った、それでも精一杯の愛情を弟に送り。


そして、病気の弟は今を生きていることを噛み締める。


始めは「???」の多い展開だったものが、それぞれの事情が浮かび上がっていく中でほんの少しずつ繋がりをもって、形になって見えてくる。


Birthday!という、一見Happyそうなタイトルとは裏腹に、テーマそのものは生と。そして死という重たいもの。
それでも、最後はほっこりと温かい気持ちになれる。そんな芝居だった。


これが去年の観劇納め。

いい締めくくりでした。


(とりあえず去年の宿題終了だ~(笑)