【観劇記録】僕の大好きなぺリクリーズ | 手上のコイン Blog

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気まぐれに感想とか、好きなものの話題を。

とりあえず、昨年書こうと思っていた芝居の記録がこれで最後。

宿題終了です汗というわけで、古い記録。





成井豊の世界名作劇場
『僕の大好きなぺリクリーズ』


2008年9月10日(水)~21日(日)
中野ザ・ポケット


原作 ウィリアム・シェイクスピア
翻訳 小田島雄志『ぺリクリーズ』(白水社刊)
構成 成井豊
演出 白井直+成井豊


■CAST


筒井俊作
左東広之
多田直人
小多田直樹
井上麻美子
久保田晶子
鍛治本大樹

坂口理恵
石川寛美
伊藤ひろみ


大家仁志 (青年座)



■ストーリー


紀元前3世紀の地中海東岸。大国アンティオケの王女は絶世の美女との評判だったが、彼女を妻にするには、父・アンタイオカス王が作った謎を解かなければならなかった。
ただし、解けなかった者は斬首! 小国ツロの若き王・ペリクリーズは果敢にその謎に挑戦し、見事に答えを見つけ出す。
が、それはアンタイオカス王の権威を揺るがす、重大な秘密を示していた。
ペリクリーズは答えを口にせず、王宮を去る。
アンタイオカス王はペリクリーズの口を塞ぐため、刺客に後を追わせる。
間一髪、ペリクリーズは船で海に逃れた! が、それは彼の長い苦難の旅の始まりだった。
海に出て数日後、嵐がペリクリーズの船を襲う……。



正直を言えば、そんなに興味の無かった公演。
評判が良いので、うかうかと出かけていって、
シェイクスピア劇の観劇の中では、確かに今までで一番親しみやすく。
役者も良かった。

ただ。
これを観ても、やっぱりシェイクスピアは好きではないな~と、意地悪な私は思う。
シェイクスピアが、台詞が古臭くて小難しいとか思って嫌っているだけならば、現代語的に訳されたり、この公演のようにチョコチョコと世界の時代背景などの説明を入れれば、それですんなり面白い!と言えたのかもしれないが。
個人的には根底に流れる、シェイクスピア劇の、あの楽観主義的というか。変な捻じ曲がったおおらかさが。鼻について仕方が無く…。
やっぱり、ジェネレーションギャップというか。(超がつくけれど・笑)
時代が違えば人間も違うのだよ、と思いつつ。


大家さん…が、あんなに色気のある役者さんだったとは。
以前にも一回、『俺たちは志士じゃない』で拝見していたはずなのに。この芝居の方が「ほー」と魅せていただいた感じ。


主演の左東さん。
ペリクリーズって、人の名前だったのね…と、まず思う(笑)
鼻につきそうなセリフ回しを、
やっぱり鼻につく感じで喋るのに、
それでもカッコいいと思ったのはなぜなんだろう…。(笑)

このお芝居の左東さんは、出ずっぱりで余裕がない分、変に余計な肉づけを施していない感じがとても好印象だった。
主人公は変に奇をてらわない方が入りやすい。
あ。演技していないとかいう意味ではなく。
贅肉が削ぎ落とされた感じ、という意味で。


語り部の(ほかもろもろ)坂口さん。
坂口さんは語りが上手いので、安心して観られる。
若手公演に、こういうきちんと纏められる人が、こういう位置に配されているのは、観客としては安心。
ま、若手育成にはならないかもしれないけれど(笑)
ここがしまりがないことになっていたら、お芝居としては失敗していただろうと思う。
つくづくいい役者さんだなー。


他。変に印象的になったものもあるけれど。
なかなかバランスのとれたお芝居で、
前評判どおりでした。

演劇はやっぱり、口コミが確実だなぁと思った作品でもある。


あ。でも、
感想が『おもしろかったー』
だけのものと、
芝居の関係者の感想…


でね。