マハーバーラタ、ヤクシャ(夜叉)の問い、その3 | 日本人よ速やかに新人類に変貌せよ!

日本人よ速やかに新人類に変貌せよ!

革命家足立啓司がゴーピ・クリシュナの遺志を継いで運営するクンダリーニ・リサーチ・ファンデーション日本支部からの情報発信。

 

  湖にたどり着いたナクラ。その喉の渇きは耐え難かった。目の前に見る湖の清冷そうな水面。ナクラは、たまらなく岸辺へと走る。突然。どこからともなく声が聞こえてきた。

「気をつけよ!この湖の水!私の問いに答えない限り、飲むことは許されない!」

 ナクラは、この神秘な声を無視した。岸辺に駆け、無我夢中、自分の喉の渇きを癒すべく、湖の水をすくい、存分に飲み飲み飲んだ。その一連の動作が終わった瞬間、ナクラは地に倒れた。死。

 かなり長い時間が経った。ナクラは、しかし戻ってこない。長兄のユディシュティラは、ナクラの弟すなわち五男のサハデーヴァにナクラの消息を探すように言った。そしてサハデーヴァ。岸辺に着いて、横たわるナクラの亡骸(なきがら)に慟哭する。しかし同時に耐え難い喉の渇きに、水を水をと、湖の岸辺に走り込む。すれば、同じ見えない何者かの声が響く。

「私の問いに答えなければこの水を飲んではならない。」  

 ナクラと同じく、サハデーヴァも、その内なる声を無視、たまらず湖の水をすくい喉へと・・・。瞬時にサハデーヴァは地に倒れた。

 帰って来ない、弟達は。

 ユディシュティラは、次に三男のアルジュナを送った。そして次男のビーマも。

 「誰も帰って来ない!長い間待った。何があった?。」ユディシュティラは、はたと考え、落ち着かない気持ちで湖に向かった。

 岸辺で遭遇した光景に、ユディシュティラは息を飲んだ。愛する四人の弟達全員が、岸辺に亡骸(なきがら)として横たわっていたからだ。

  

 全滅、玉砕!?厳しいなぁ。望みはもう無いのか?ユディシュティラは、長兄として考える。この時ヤクシャ(夜叉)が現れ、ユディシュティラに解決への問いかけをする訳。

 ここで僕は日本映画<夜叉が池>を思い出しちゃったんだよね。坂東玉三郎と加藤剛、の共演、妖艶な映画だったなぁ。ここでのヤクシャ(夜叉)は、竜神なんだよね。しかも舞台は越前、福井県。白山のそびえるところです。ここには九頭竜川というすごい名前の川がその源流を発しています。石徹白(いとしろ)。源流です。秘境です。隠れ里です。僕はその石徹白からさらに九頭竜川を遡って、或る滝の下で、准テイ観音真言三十万回読誦の仕上げをしました。今から四十年前です。ガヤガヤ騒ぐ子供達の声、身元不明な飛行物体の音、河原で瞑想する白衣の長髪の行者、こういった幻覚もしくは幻聴を体験しながら僕の心はどんどん純化していきました。

 

 続きはまた、

 ヴァジュラサットヴァ

 足立啓司