悩めるブラーマン(バラモン)
或る日一人のバラモンがユディシュティラとその4人の弟達の所に来て助けを求めた。
どこからやって来たか、一頭のシカがバラモンの小屋に入って来て、その角を振り回し彼の法具に差し入れた。火供(ホーマ、日本語で護摩)に使う神聖な棒が角にひっかかった。シカは、そのひっかかった棒を持ったまま外に出て、何処(いずこ)かへ走り去った。信心深いバラモンの狼狽たるや・・・。
聖なる火は毎日焚かれなければならない。しかし、そのための法具が無くなってしまった!その棒が無ければ聖なる火は点火できない!
これを聞いたパーンダヴァの五王子達は、すわ、一斉に立ち上がり、火の儀式に必要な神聖な棒を取り戻すべく、シカの後を追った。
どこへ駆け去ってしまったのか。手がかりも無く、見つける確信さえ失ってしまった五王子達は落胆する。そして或る一本の樹の木陰に座り込んだ。五人は、空腹と喉の渇きで疲労困憊(ひろうこんぱい)していた。
長兄のユディシュティラは、四男のナクラに言って、彼等が寄り掛かったその樹に登り、近くに水場があるかどうかを探すように促した。
ナクラは樹に登る。そうして、遠くないところに湖があるのを発見。すぐや、兄弟達のために水を持って来ようとその湖の方へと走り去った。
いいなぁ、この兄弟愛。滅私の美徳がここに説かれている。
神、言葉を換えれば創造主から、与えられた命を正しく全うする秘訣が実はこの滅私にあるんだなぁ。悟る寸前のシッダールタを背後から鎌首をもたげて雨風から守ったという蛇、ナーガ。クンダリーニの象徴に違い
ないのだけれども、悟達(ごだつ)に到達した後の仏陀の言動に注意してください。その現存する最高の文献はスッタニパータです。終始一貫滅私に徹しています。本来の自分に目覚めるために、幻想の自己意識を捨てよ!そう仏陀は説き続けていたのです。スッタニパータを一読してピーンとこない?おいおい血が汚いんじゃないかなぁ?脳関門をぶっちぎって汚染物質や有害電磁エネルギーが脳に蔓延し、意識活動が抑え込まれているんじゃないかなぁ。スッタニパータ、すごいよ。
続きはまた
ヴァジュラサットバ/足立啓司
私の訳書、高次元意識、ぜひ一読してください。