神秘思想と形態形成場 その7 | 日本人よ速やかに新人類に変貌せよ!

日本人よ速やかに新人類に変貌せよ!

革命家足立啓司がゴーピ・クリシュナの遺志を継いで運営するクンダリーニ・リサーチ・ファンデーション日本支部からの情報発信。

 

  A.E.I. Falconar(Sufi literature and     Journey to Immortalityの著者)

 

 

  イブン・アラビーの描く、

  アラム・アル・ミタール界

 

 その地上には素晴らしい人種が存在している。大通りの入り口に立つ彼等こそ、今私達が生きる世界をも支配する者達である。その地上には天国もあれば楽園もあり、そして地獄もある。この世界を突き抜けたいと願うか? それを可能にするのはグノーシスの実習だ。すなわち、自己の本質と神についての認識に到達する術(すべ)を修めることだ。そして肉体の神殿の外に出てその孤高なることを味わうことだ。

 突き抜けた時、また別の大通りの入り口に立って、神聖な秩序の元、守りをしている何者かと出会うだろう。彼等の一人が近づいて、やって来た人物の地位にふさわしい服を着させてくれるだろう。そして、手を取って一緒に歩くだろう。彼等には為すべきことはわかっている。一緒に歩くのは何も無い所。石も、木も、村も・・・。だから望まなければ話題に上ることは何も無い。彼等は違う言葉を使うけれども、その世界に居るとそこで使われる様々な言語は瞬時に理解できるようになっている。

 さて、この世界に入った者。もしも彼が戻りたいと、その意志を表すなら、新世界の入り口で迎えてくれた同行者は再び入り口まで案内してくれる。そこでそれまで着ていた服を脱がし、同行者は去っていくだろう。

       (Futuhat 1.127)

 

  二つの思想を組み合わせる

 

 イブン・アラビーとシェルドレイクの思想を組み合わせると新しい世界像が出現します。それは、この世の全ての現象は別の世界で別の姿を取っている、ということです。

 どんなささいな事柄にも沢山の側面があり、一人一人その考え方の違いがそれぞれの神秘の別世界への入り口になっている。科学者にしても神秘思想家にしても、進取の発想を持った人物はすべからく別世界への入り口を通過して次の領域、別の現実の前に立っています。必要なのはそれを存在させている形態形成場を読み取って理解することでしょう。思いつくことは全て現実です。アリスの不思議な国の著者ルイス・キャロルにもまさって、シェルドレイクは、その形態形成場の理論でよりいっそう壮大で輝かしいものを提示しているのです。

 高度な生物種の形態形成場にまたがって存在している我々人間は、その最高位の次元に至るまで各次元において自分たる名前を持っています。ただ現状として、人間は、形態形成場を察知できていません。高次の自分は形態形成場の何処かにいるし、その他の自分も形態形成場の何処かに存在している。しかもそれらの存在は時空を超えて不滅だという。これを論拠にすればシェルドレイクの言う、死は無い、という言葉にも驚きはない。

 テレパシーとか民族記憶とか独創力とかその他多くの未解決の事実は、もしかしたら形成的因果作用と形態形成場の仮説で説明できるのかもしれない。

 我々が住むこの広大で驚異の宇宙の中で、もう一つの現象に私は言及しておきたい。この現象が解明されることになれば、我々の生死観は大きく変わってしまうだろう。それは何か? 我々は、力で満たされた大海の中に生きている、そしてあらゆる種類の現象がそこに関わっている、ということです。人間が放つオーラについて研究したソビエトの科学者達は、キルリアン写真を使っていました。彼等の主張は「植物でも動物でも人間でも、全ての生命体は、原子そして分子からなる物質的な身体だけではなく、それに対応する片割れとしてのエネルギー体を持つ。」ということです。

 我々人間には、様々な部分から成る大脳皮質が与えられました。これは大きな組織です。この組織、何も物理的・物質的な身体の働きのためだけに忙しく働き続けているわけではありません。冒険中の冒険すなわち無限の探求を人間をして可能たらしめてくれる組織なのです。

 

 やあやあ、長い寄稿文だったなぁ。要するに僕達は多次元にわたって同時存在しているということをファルコーナは言いたかった訳で、自分の専門であるスーフィズムの偉人の言葉やシェルドレイクの話を持ち出したのですね。多次元の存在を自覚する鍵がクンダリーニの覚醒であることはクンダリー・リサーチ・ファウンデーション・日本支部のこのブログをお読みの皆さんには自明かと思います。最後にいいこと言いましたね、ファルコーナ。脳は物理的・物質的な身体活動のためだけにあるのじゃない、と。

 実はわが師ゴーピ・クリシュナの著書に<the wonder of the brain>という書があります。日本では未完です。今僕が翻訳中の

<the awakening of kundalini>が終わったら、翻訳に取り掛かる予定です。脳は不思議。ああ早く訳したいなぁ。最後に余談。最近、あの天才二コラ・テスラがクンダリーニ・ヨーガに言及していたことを知り、驚きと共に、さすがだねえ、と感心しました。

 あともう一つ、力で満たされた大海に生きる我々人間、ということで、ふと思い出した日本の言霊。ひと、とは日本語で我々人間で僕達は何も考えずにこの単語を使っています。本来の意味を言霊的に言うと、「エネルギーの事をつまびらかにする、できる存在」という意味ですよ。すごいね。

 

 ではまた次回まで

バジュラサットバ/足立啓司