神秘思想と携帯形成場 その6 | 日本人よ速やかに新人類に変貌せよ!

日本人よ速やかに新人類に変貌せよ!

革命家足立啓司がゴーピ・クリシュナの遺志を継いで運営するクンダリーニ・リサーチ・ファンデーション日本支部からの情報発信。

 

 シェルドレイクの仮説は斬新である。ただ、十分な検証がされるまでの時間がまだ経っていない。けれどもその可能性として、沢山の事柄が彼の仮説に関わってくるように思える。全ての形にはその形態形成場が存在する、というシェルドレイクの仮説と私が似ているなと思うのが、イスラム思想家イブン・アラビー

の世界観です。彼は、世の中の物事全てに、それに対応するものが他の領域で顕現して存在していると言いました。彼の使う古い表現を最近の科学的な言葉で言えば<場>、と置き換えてもいい。イブン・アラビーは、五つのハダラット、すなわち<場>あるいは現実界での存在形態を説いた。我々人間が普段生きているのは、そのうちの一つの場、世界でしかないという。五つとは、まず我々が日常としている物質界。その次にアラーム・アル・ミタールと名付けられた中間的な世界。そして二つの天使界。最後に神的なカタチでのみ存在する神の世界です。人間一人一人を含む万物は、この五つの場、世界で存在しているけれども、悲しいかな凡人にはその事実がわからない。本当は我々一人一人が無条件に神とつながっているのに...。

間違いなく存在しているというその絶対性にあって、五つの存在の仕方があるとイブン・アラビーは言う。しかもそれら五つの場には共存する局面があると。私は、そういう共存する局面が、シェルドレイクの言う形態形成場ではないかと考える。この私の考察が的を射ているのであるなら、人間各個人の形態形成場は、他から断絶するものではなく、存在の根源とつながりながら、他の高次の存在にも共存という関わりでつながっているということである。つまり形態形成場こそ、或る生命を粗雑な物質界から究極の目的地たる絶対存在の世界に導いてくれる足がかりなのだ。

 

 このコラムの執筆者であるA.E.I.Falconarはスーフィズムに詳しい。次回から彼のイブン・アラビー解説を見ながら、何故Falconarがシェルドレイクの形態形成場論に着目し、しかもその考察を季刊誌<クンダリーニ>に寄稿したのか見ていきましょう。

 

 ではまた

ヴァジュラサットバ/足立啓司