ウォルト・ホイットマン、詩人にして予言者そして人間の極致(模範) その3 | 日本人よ速やかに新人類に変貌せよ!

日本人よ速やかに新人類に変貌せよ!

革命家足立啓司がゴーピ・クリシュナの遺志を継いで運営するクンダリーニ・リサーチ・ファンデーション日本支部からの情報発信。

 

 「僕自身の歌」のこのくだり(第五編)が性体験中の肉体感覚を描出しているのかどうかは定(さだ)かではない。ただ、現実として、性行為が直接原因で、この世の一切の人為を超えた知識とか神の手を獲得した人間が果たしているのだろうか?

 と言うことで、ここでは性衝動の表現として解釈せず、もっと深い真相を探りたい。

 つまりクンダリーニである。

 この強力な生命エネルギーが生殖中枢から脳脊髄系を通して引き上げられる時、脳の休眠領域は覚醒そして活性化する。ホイットマンの詩句は、この活動を表現しているのではなかろうか。

 ホイットマンはまず内なる音を聞いた。そして、自分の腰回り、性器付近で或るエネルギーを感じた。そしてその後、彼はどっぷりと忘我のエクスタシーにつかった。エネルギーは、心臓へ喉(のど)へと移動しやがて脳に到着。そこでホイットマンの意識が新しく生まれ変わった。内なる光や神との合一の感覚を得たホイットマンだったがその危険性にも気が付いていたようである。曰(いわ)く。

  

 もしも僕が、この先もずっと太陽の光を自分から放つことをしないなら、太陽のまばゆい強力な光はあっという間に僕を殺すだろう。

 僕達は太陽と同じく、まばゆい強力な光を放って、昇っているんだ。

 ああ、僕の魂よ、まだ夜明けは静寂で肌寒いけど、でも真実は見えてきた。

 

 ホイットマンは、どうやら予期せぬ事態に自分が陥った、あるいは進入してしまった、そのことを直感的に悟ったようである。その後彼の人生は変わる。簡素でとらわれの無い生き方。おそらくそれがベスト!ホイットマンは、自分に起きた変化に足並みをそろえる、そのことを最大の課題とする、そう決めたのだと思う。彼の残した沢山の言葉からそれは読み取れる。

 

 ホイットマンより37年後に生まれた心理学者ジクムント・フロイトは人間の活動を性衝動リビドーの発現と解釈した。この仮説は世界を震撼した。よってホイットマンに対する世間の理解も多分にフロイトの影響を受けているのではないだろうか

 バルブ付きのハミング。何それ?ってみんな思うだろうなぁ。

 実は僕がまだクンダリーニ・ヨーガとか密教とか始めた駆け出しの頃、読経や真言(マントラ)読誦をして雑念が消えると、しばしばこのバルブ付き(変調子)な声を聞きました。人間の言葉は、ほぼ毎回、やや甲(かん)高い、あのフォーククルセイダースの<帰ってきた酔っ払い>のような声でした。あと、人里離れた山中で山籠もりをしていた時などは、通奏低音がジーン・ジーンと常に鳴り響いていて、自然は静かでない、と思ったものです。

 透明な夏の朝。これも実感できるなぁ。

 白山での自分の人生をかけた山籠もり行。全身全霊のものすごい集中、不眠不休、意識の日常的境界があいまいになってきての幻聴幻覚。それにも負けない求道の意気。

 満行(まんぎょう)の朝、渓谷の木々、流れる水、石、朝日、空気、目に見る全てが透明なベールに覆われてキラキラとすがすがしいオーラを放ってた。生命の源である意志・意識とつながった。

 さて、ホイットマンの言葉を吟味していきましょう。

 ではまた次回まで!

 

ホモ・ノブス/足立啓司