マハトマ・ガンディーの秘密、続き第7編、性エネルギーの昇華 | 日本人よ速やかに新人類に変貌せよ!

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革命家足立啓司がゴーピ・クリシュナの遺志を継いで運営するクンダリーニ・リサーチ・ファンデーション日本支部からの情報発信。

 

 

 

 この高度な活動の展開中には、生殖器官で製造される分泌液の需要が極度に高まります。その結果、当事者は、絶えず自分を刺激して分泌液を供給する必要に迫られるのです。その場合に刺激の誘因になるのは性的に心地良い対象物です。例えばタントラやクンダリーニに関する教典は、シャクティを発動させる修行をするにあたって、魅力的な女性のパートナーの必要性を述べています。その本当の理由は、より拡大した意識の発現を実行するのに脳の調整が必要であり、その脳の調整のためのエネルギーは生殖器官の高度な活動によって作られるから、生殖器官への刺激が必要だということです。この時、生殖器官の不具合等で、分泌液の昇華によって生み出されるエネルギーの需要が満たされないとか、増量された分泌液を昇華せずに安易に性行為に浪費したりすると、悲惨な結果を招くことになります。 

 インド亜大陸の独立運動の指導者として、ガンディーは、4億を超す民の人生を背負っていたわけで、その重圧、彼の頭の中には常に少なからぬ問題が案じられていたに違いない。そんな自分の心のバランスを保ち冷静に事を進めていくために、ガンディーには多大な精神エネルギーが必要だったでしょう。右にも左にも危機的状況を抱えていたガンディーでしたが、彼には固い決意があったから、粛々とその政治的使命を果たしていきました。とは言え、その使命をこなす脳を維持していくのに、彼の、生殖器官への要求は相当なものだったはずです。つまり、このインドの偉大な息子には、脳の栄養源を確保するための絶え間ない刺激が必要だった。そう考えられます。そして刺激とは一種の性的な刺激です。

 おそらくガンディー自身にもマヌに対して自分が取った態度の本当の理由は分からなかったと思います。実のところガンディーは、自分の脳が必要とした生理的要求にただ従っただけなのです。だから、なぜ姪孫(てっそん)に対して母の役目をするなどと頑(かたく)なに固執したのか、自分でもわかっていなかったでしょう。自分が担(にな)っている重責と比べたら、マヌとのことも、日課として女性達からほどこしてもらっているマッサージのことも、ガンディーには全く取るに足らない問題だったと思います。自然の采配は深遠にして微に入り細を穿(うが)つ。自然が何をなさんとしているのか、了見(りょうけん)が狭く限られた肉体の生存時間しか持たない私達人間には、到底理解の出来るものではありません。いずれにしても、ガンディー本人にもわかっていなかった、この、潜在意識から突き動かされていた奇妙な行動が無かったら、彼の偉大な魂がインド独立という困難な使命を果たすことはなかったでしょう。

 来る将来クンダリーニの真実が明るみになる時、世界はきっと驚嘆に息を吞むでしょう。大きな歴史の出来事、革命、そして全ての戦争は、それらに加担した人間達のクンダリーニが脳に発動して引き起こしたものだった。クンダリーニの女神が覚醒する時、彼女はその仕事を隅々まで把握しています。人間はこの女神の指図のままに行動を取るのです。厳正にして妥協を良しとしない性格のガンディーでした。そんな彼には彼なりの流儀、問題への取り組み方があったのです。多くの課題を突き付けられていたガンディーの脳には、おびただしい量のエネルギーが奔流してきたはずです。そのエネルギーの勢いに流されず正気を保つためには、そのための或る一定の刺激がガンディ―には絶対必要だったのです。彼には生涯を通じて堅持したブラフマチャリヤの実践がありました。その信条に抗(あらが)うような刺激の方法など到底実行できるものではありません。ところがそこで彼の潜在意識が働いたのです。誤解を招くその過激な刺激の方法をガンディーの潜在意識が実行させたのです。これに似た事は、私達、他の人間の間にも起こっています。普通だったら到底しないような行為を、しばしば私達は、心の奥深くからの動機に突き動かされて、実行に移すのです。

 

 ここで明らかなことがあります。生殖器官です。人間の生殖器官には二つの大事な機能があるということです。そしてその機能の正しい使い方が容易ではないということです。一つが名称通りの生殖のための機能。もう一つがいまだ科学が認めていない進化のための機能。ややこしいのは生殖器官という名前に引きずられて二つ目の機能が現代の知識では全く理解されていないということです。

 昔は違いました。例えばチベット仏教ニンマ派の「法身普賢(ほっしんふげん)」、別名「アーディ・ブッダ(本初仏)」の交合図を見て下さい。また日本の誇る天下の奇祭、田県神社の男根崇拝を思い出して下さい。どちらも7,8世紀が起源のようですが、性エネルギーの神聖性を明示してませんか?僕がクンダリーニの副作用に悩んでいた80年代の終わり、インドのタシ・ジョンに訪ねたヨギ、アジョー師は僕に意識の持ち方の重要性をテルマ(埋蔵経)と言う形で心相続してくれました。以来僕の体は暴れなくなり(腸ねん転)6回繰り返した開腹手術の必要はその後再発していません。通訳してくれた青年ラマから聞いたのは、アジョー師にはダーキニー(秘密の伴侶)がいて、時に師はその女性の元に行く、ということでした。今、ふと考えました。ニンマ派と言えば創始者は、かのパドマサンバヴァです。パドマサンバヴァは8世紀に現パキスタンのスワート渓谷に誕生しています。ゴーピの故郷カシミールからは西に300kmほど。2世紀から9世紀ここはガンダーラと呼ばれていました。仏教文化の華が咲いた地です。玄奘も貴重なインド求法の旅の折にここで2年間も滞在して修行しました。

 僕の確信ですが、生殖器官が生み出すエネルギーの昇華・転化のキーポイントは、心・意識の有り様だと思います。具体的に言うとどれだけ心・意識の道徳性が高まっているか。どれだけその視野が大きくなっているか、です。

 ではまた次回に。

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ホモ・ノヴス/足立啓司