エノケンの今度は落語天国紳士録 | 楽しい倫敦 おいしい倫敦 

エノケンの今度は落語天国紳士録

2024.4.11(木)

神保町シアター エノケン生誕120年祭 でもう1本、今度は安藤鶴夫の原案による 落語天国紳士録

先日の 孫悟空 が1940年、戦前の作品でエノケン一座に歌手など綺羅星の豪華ゲストって設えであったのに対して、こちらは戦後の1960年、1954年に 柳家金語楼古川緑波 と日本喜劇人協会を設立して会長になったエノケンが56歳で紫綬褒章を受章した年にその金語楼、緑波以下の(東京の、かな)喜劇役者を総動員したと言って良いまことに賑やかな作品だった。

あの 神田伯山 さんも日曜に観に行っており、X に神保町シアターで「落語天国紳士録」を観てくる。出演者が物凄い。 榎本健一、古川緑波、柳家金語楼、有島一郎、益田キートン、藤村有弘、森川信、三木のり平、トニー谷、由利徹、南利明、八波むと志、猫八、貞鳳、小金馬、伴淳三郎、そして桂文楽。etc と書き残している。

彼は1983年生まれだからこれらの役者の現役時代は殆ど知らないと思うが、勉強してるんでしょう。

お笑い三人組の猫八、貞鳳、小金馬や脱線トリオの由利、南、八波あたりはまだ若手だった頃で顔写真無し。伯山さんが触れなかったとこでは清川虹子、若水ヤエ子、ミッキー・カーチス、ポスターに漏れた名前では谷村昌彦、逗子とんぼ、出番が多い役なのに何故か抜けてるのがエノケンの弟子の森健二。

それだけにそれぞれ出番は限られ、特にもう大御所であったエノケン、金語楼、緑波の出番は少なく、エノケンは質屋の主人兼アパートの大家のじーさんで、もう飛んだり跳ねたりはしない。(波平さんもそうだが、五十代でじーさんの時代だった。)

この2年後には脱疽で右足を切断、亡くなったのはさらに8年後だが、浅草的な軽喜劇が飽きられ始めた頃、最後の一花みたいなオールスター映画だったかもしれない。