人形町で根室の昼飯、ふうれんのエスカロップ | 楽しい倫敦 おいしい倫敦 

人形町で根室の昼飯、ふうれんのエスカロップ

要は長崎のトルコライス、佐賀のシシリアンライス、金沢のハントンライスと同様に日本的洋食店の組合せメニューです。

2024.3.15(金)

人形町 を歩いていた時に 北海道・根室のソウルフードエスカロップという看板を見掛けて足が止まった、これは初耳!

ふうれん という店名はラムサール条約の登録湿地でもある根室の汽水湖、風連湖から採ったようで、看板には北海道の地図、道産子さんの店のようだ。

ググってみて、これは1963年に根室の洋食店、モンブランのシェフが考案した仔牛肉のソテーまたはカツレツをナポリタンの上に載せたものをフランス語の薄切り肉、エスカロップと名付けたものが大ヒットして市内に広まったのが始まりと分った。仔牛肉はやがてお手軽な豚肉に替わり、ナポリタンがケチャライスに替わり、ケチャライスの赤エスカに続いてバターライスを使う白エスカが発生、ライスに混ぜ込むものもマッシュルームから何故か筍に変わって現在に至るが、60年の間に随分な進化だ。

こちらは 白エスカ、まあ厚さ8ミリほどで、薄い色の多分自家製のデミソースで頂くカツライスなんだけど、刻み筍入りバターライスを使う分洒落てて、うん、千円で美味しいんじゃないですか。

と、もう一つ気になるメニューがあったから再訪、同じ千円で 生ホッケのフライ だ、鮮度が落ちやすいというホッケは塩干しものしか食べたことが無かったから。

小ぶりなホッケの半身を揚げてカボチャ、茄子にピーマンを添えたこれは普通に美味かった。が、正直なところあんまり特徴が無く、タラですと聞かされたらはいそうですね、だったかも。

そもそもホッケが東京の居酒屋で普通に食べられるようになったのは、三、四十年前からだったろうか。そしてかつてはもっと切り身、魚体自体が大きかった気がする、と思って調べると、ホッケの成魚が60cm位なのに対して今の主流の、そして実は別種のシマホッケは40cm程らしい、そのせいかな。一方、かつては安い魚種だったのが資源減の為に、大分値が上がっている。かつての大衆魚はサンマもイカも、さらにサバも高くなっており、困ったもんだ。

甘海老はホッケよりは古く50年位前から東京でも食べられるようになったが、当初はレアな高級品。1973年に北陸を旅した時に金沢の旅館で刺身に添えられた二、三尾を美味しく頂いた後、輪島の朝市で剥いた10尾余を発泡スチロールのトレイに載せて200円位だったか、おばばから買って食べ、リッチな思いをしたことを覚えている。今はアイスランドなどから大量に輸入されてすっかり有難味が薄れた。