慶應、三田キャンパスの建築散歩① | 楽しい倫敦 おいしい倫敦 

慶應、三田キャンパスの建築散歩①

あの頃の慶應の文系では経済学部が一番人気だったから、法学部政治学科の学生はていのうみじゅく大学あほう学部おせいじ学科と自虐したものだが、今はいい勝負になっているようだ。時代と共に力関係は色々変わってくる。

2024.1.13(土)

慶應 三田 キャンパスは過去に通算で10回以上訪れている。但し、それは入試と予備校生時代の模擬試験、学生になってからのその模擬試験の監督アルバイトであって、要は約50年前のこと。当時は全く意識しなかったけれど実は歴史的建造物が色々、そして太っ腹で教室に入ったりしなければ見学に問題無いからの出撃。

まず 正門 すぐにそびえるのが 南校舎、ピカピカのこんなものは無かったな。

正門から左手、西側の模擬試験に使われた校舎の方向に向かうと、当時も見掛けたろうに全く記憶にないのが、なんと1875年、明治初期築で一番古い 三田演説館。時代を彷彿させるなまこ壁のこちらで銅像の福澤先生 が演説したそうだ。

奥に見える 西校舎 は昭和のものだが、手前の 南館 は相当新しい。多分、ここらにあった校舎で模擬試験をやっていたと思う。

その一部は3階までで、その屋上に移築されているのが1951年築、元々は演説館の隣りにあったという 萬来舎。福澤先生が建てた千客万来の談話室が戦災で焼けたため、建築家の谷口吉郎とイサム・ノグチのコラボで再建したそうで、

慶應中等部を見下ろす格好で設置されているのがその イサム・ノグチ 。館内には他にも作品があり ノグチ ルーム ともいうそうだ。

ここでランチタイム、ピカピカの南校舎にはお洒落な ザ・カフェテリア なんてのがあるらしいが、こちらはもちろん昭和の西校舎に。それもB1の生協食堂ではなく、1937年と最古の歴史を誇る中2階の 山食 へ。山食という通称は戦後からなのに、山の上の食堂だからとか、山小舎のようだったからとか今や謎、正式なものではないようだ。

メニューは概ね定食形式で500円前後、選んだのは例によって カツカレー で590円。かたや生協食堂では主菜と副菜などを選べる形式のようだ。

肉厚5mmほどのカツがちゃんと全部切れている。社食とかでは配膳を容易にするために1cm位残して切って、あとは箸か歯で千切れっていうのが多いけれど、これは多分都度切って載せているのが嬉しい。そして中辛未満のカレーが割りと好きな玉ネギが効いた味、肉は豚肉を本当に小さく切ったものだけだが、いいんじゃないかな。山カレーと言ってレトルト食品を売っているのもこれが伝統の味だからだろう。3年前にコロナで山食堂が経営危機になった際のクラウドファンディングでは軽く3千万円以上が集まったのにもうなずける。

ここではカツカレーでも500円のカツ丼でも大盛りにする場合は食券に現金50円を添えて出す、なんてまあ超アナログな仕組みだったのも楽しい。(続く。)