横尾忠則のGENKYO、東京都現代美術館 | 楽しい倫敦 おいしい倫敦 

横尾忠則のGENKYO、東京都現代美術館

あまりの暑さに昼飯散歩の航続距離も1km前後に縮小中、それなのに日中に2km近くある東京都現代美術館まで往復するのはかなり厳しかった。汗をたっぷりかいたものだから体が塩分不足で、半分位観たあたりから足がつり始めたのにもまいった。夏以外は汗をかかないから味噌汁、漬け物無しの薄味低塩分食で問題ないのだが、真夏はスポーツドリンクが不可欠となる。

2021.8.9(月)

酷暑にめげずに木場東京都現代美術館に行ったのは、

横尾忠則さんのGENKYOを観るため。GENKYOは原郷から幻郷へ、そして現況は? ってことで、1960年代に彼が斬新そのもののポスターで脚光を浴びた頃から、ポスターに使われた直近の自画像とかまでのフルコースの展示で何と5百数十点もあるから、観るには覚悟がいる。正確に言うともっと古い1941年、彼がまだ5歳の時に絵本を模写した巌流島の決闘だとか、兵庫県立西脇高校の時にデザインした学園祭ポスターなんてものまであって実に物持ちが良い。多作過ぎて全部は売れない? 作家蔵の作品も多いのはどこに保管しているんだろう。同じモチーフで何点もってのもあるし、50年以上なのだから500点以上あってもおかしくはないのだが、2m級の大作も相当数あって、並外れた多作であることは間違いない。現に今、六本木のミッドタウンに行けばギャラリーで彼のThe Artists という特別展もやっているし、神戸の横尾忠則現代美術館では横尾忠則展 学芸員危機一髪を開催中、85歳だというのに今年に入ってからの油彩の大作だけでも20点ほども出展してるすごい人。(その最後の方は足がつってたからよく観てない。)1980年にニューヨークでピカソの大回顧展を観て、グラフィックデザイナーから画家を目指したんだとか。

60年代彼はヒーローだった。越境するグラフィックと題したコーナーの稚拙ながら真似したこともある彼のポスター群がお目当て。ポスターですごいとこはミュシャロートレックに通じるかな、みんな好きなタイプ。当時最先端だった状況劇場(腰巻お仙やジョン・シルバー)も天井桟敷(毛皮のマリーや青森県のせむし男)も彼の作品で輝きを増してたのは知ってたが、美大なんか出ていない彼を国立劇場(歌舞伎、文楽)や労音、藤原歌劇団などまで起用していたんですな。駅に貼ってあったポスターが盗まれたりした時代、彼は大島渚の映画(新宿泥棒日記)に主演までしてた。

 

展示品は写真不可なのだが、1階の無料で入れるミュージアムショップの一角で、その他の作品を紹介しているのは接写したりしなければOK。

展示品は画業のほんの一部だったのだ。

似顔絵も鋭い! 元々顔を知らない人は分からんけど、

井上ひさしとか川端康成、二葉亭四迷、安部公房、小田実、金子光晴等々であった。(コロナをテーマに皆さんマスクを着用中。)