hominism
「もみ」といいます。

東方神起のおふたりが何より大好きで大切です。
ふたりのお名前を借りて頭のなかのお話やライブレポを書き綴っています。
お話はホミンのみです。

あくまでも私の頭のなかのお話なので、そのような内容に興味の無い、お好きでない方はそっと閉じて頂けましたら、と思います。
また、お話は全て幸せな結末にしかなりません。

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ご訪問ありがとうございます、ご縁があれば幸いですニコニコ







  • 11Aug
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      Switching! 66

      ユノオッパの部屋は想像していたよりも、上手く言えないけれども親しみがある部屋だった僕にとって、出会った時からずっと、まるでヒーローのようなひとつ上の先輩たった一年、されど一年の年の差は大きくて、高校三年生だなんて物凄くおとなに感じていただけど、ユノオッパの部屋はサッカーや野球チームのレプリカユニフォームが飾られていたり、ガールズグループのCDが棚の上にあったり綺麗に片付けられているけれども、想像していたシンプルな部屋とは少し違っていた「何だか、ユノオッパを身近に感じられて嬉しいです」「身近?それってどういう事?」「ええと…ユノオッパの部屋はもっと凄くおとななのかなあと思っていたんですでも、僕も好きなチームのユニフォームがあったり他にも…何だか落ち着きます」緊張で何を言ったのか、もうあまり覚えていないのだけど、兎に角少しでも良い印象を与えられるように、とユノオッパの母親に挨拶をしてから彼の部屋にやって来たふたりきりになって抱き締め合ってキスをしたのだけど、何だかお互いに恥ずかしくなってしまって、クッションの上に座ってジュースを飲んでいる「落ち着くの?緊張したりはしない?」「…緊張…勿論しますでも、落ち着くのって変ですか?」「全然それに、俺も…そう言ってもらえて嬉しいけど、だけど…もう少しどきどきして欲しいなあとも思っているからこれも変かな?」何時も通り、僕の左側に座るユノオッパが顔を覗き込んできたそうしたら落ち着く、どころか一気に心臓が高鳴る「母親には入って来ないようにってちゃんと念押ししてあるから」「…どうして今そんな事を言うんですか?」「ん?チャンミンにどきどきして欲しくて」やっぱり、ユノオッパはおとなだどうすれば僕が緊張するのか、なんて手に取るように分かってしまうに違い無いでも…「ユノオッパは緊張しますか?僕は…ユノオッパにとっては嫌な思い出かもしれませんが、オッパが部屋に来てくれたあの日、本当にどきどきしたし嬉しかったです」僕は、まだユノオッパの気持ちが分からないいや、またもう一度好きになってくれて告白をしてくれただけど、本当に男の僕で良いのだろうか、と思う気持ちが心の片隅に常にある女の子として生活をしていて、周りは皆僕が女の子である事を疑っていないでも、服を脱げばただの貧相な男またいつかユノオッパの気持ちが離れて行くかもしれないそう思うと怖くなってしまう僕は、男同士だと分かってユノオッパを好きになった部屋に招いたあの日、男だという事が知られないようにしなければならないという緊張と、好きなひととふたりきりという緊張、そのどちらもがあったでも、ユノオッパはいつも余裕があるから…僕をもう一度好きだと言ってくれたけれども、男同士だからこそあまり緊張しないのだろうか、とも思ってしまう「…チャンミンはどう思う?俺が緊張しているかどうか」僕を試すように、また顔を覗き込んでくる何だか僕ばかりどきどきしているようで悔しいから、持っていたペットボトルを置いて僕もユノオッパに顔を近付けてみたそうしたら、彼は驚いたように瞬きをして少し顔を後ろに引いてしまった「…僕が近付いたら嫌ですか?」「何でそんな事を思うの?どきどきしたからに決まってるだろ俺から近付くのは緊張しなくても、不意打ちでそんな風に見詰められたら危険だよ」「危険ってどういう事ですか?…っん…!」避けられたようで切なくて、僕も頭を引いただけど、次の瞬間にユノオッパの手が伸びて首に添えられてそのまま引き寄せられるようになって唇が重なった「…こうしてキスをしたくなるし、キスをしたら…ふたりきりだと、人目が無いからもっと触れたくなるって事」「…あ…」「チャンミンの部屋に行った時もそうだったんだまだ女の子だって思っていたのもあるけど…ゆっくり進もうと思ってはいたけど、キスをしたら止まらなくて…俺、少し強引だっただろ?」触れるだけのキスは少し長かったでも、一秒、二秒、と数えていたつもりが何も考えられなくなって…そうしている内に気が付いたらもう唇は離れていたから、実際は少し長かったのか、それとも一瞬だったのか分からない振られたあの日、僕の部屋では舌を絡ませるキスをしたでも、昨日の文化祭でもう一度告白し合ってからはそのキスをまだしていない「そんな事は…あんなキスは初めてでどうしたら良いか分からなかったんですでも、どきどきするし嬉しいし…嬉しいけど、これ以上近付いたら本当の事が知られてしまうからどうしようって、少し怖かったのも本音です」唇が離れてしまったのが少し寂しくて、右手の指で自分の唇にそっと触れたもうただの、僕のいつもの唇だけど、確かについさっきまでユノヒョンが触れていた唇「チャンミン、そういうのも危険だけど…なんて、こんな本音を言うのは男として恥ずかしいよでも、チャンミンに『僕が近付いたら嫌ですか?』なんて、全く思ってもいない事を想像させてしまったり擦れ違うのは嫌だから、ちゃんと今の気持ちを言うよ」「今の気持ち…」「そう、だけど、その前にまずは…チャンミンの事が好きだ一度俺から振ったのに都合の良い事を言ってるって分かってるでも、もう一度俺と付き合ってくださいお願いします」「え…」座ったまま、ユノオッパは腿の上に手を置いて僕を真っ直ぐに見ているもしかして、僕は勘違いをしていたのだろうか「昨日、ユノオッパがミスターの発表の時に告白、してくれましたよね?その後、僕も告白したし、その後も放課後も好きだって言ったし…今日も何度も…でも、僕達ってまだ別れたままだったんですか?」だとしたら、何だかとても恥ずかしい今からまた付き合えるなら良いけど…でも、僕だけが勘違いしていたようで何と答えたら良いのだろうと狼狽えていたら、ユノオッパは困ったような顔をしてから恥ずかしそうに笑った「ユノオッパ?」「違うよ…いや、違うも何も無いかな格好付けようとするとなかなか上手くいかないな昨日お互いに告白したよもう、俺も付き合っていると思ってる」「なら…」「でも、ちゃんとまだ『もう一度付き合ってください』と伝えていないし、その返事も貰ってない男同士だなんて初めてだからこの先がどうなるかは分からないけど、真剣に考えてるだから、ちゃんと言葉で伝えたいんだ」もう、付き合っているものだと思っていただけど…ユノオッパは僕のそんな気持ちの更に先を考えていてくれたきっと、僕は今自分で感じている以上にユノオッパに大切に想ってもらっているのかもしれないそしてそれは、昨日からの事では無くて、別れている間もずっとだったのだと思う「俺と、もう一度付き合ってくれますか?」「…はい、勿論です」もう、男だと知られているから例えば以前よりもわしゃわしゃと髪の毛に触れられる事も当たり前だと思っていた男だと知られているから少しの事で『やっぱり無理』と思われてしまうかもしれないと、心の片隅で何かあった時に諦める準備もしていた幸せだけど、僕は男だからと予防線を張っていたのかもしれないでも、ユノオッパは男同士でも、女の子として付き合っていた時と同じく…いや、あの頃以上に僕を真っ直ぐに見てくれているきっと、今の本当の僕を知ろうと思ってくれている「これで、ユノオッパと僕は恋人になれましたか?」「うん本当はもう恋人だったと思うでも、ちゃんと言葉にしたかったんだだから、応えてくれてありがとう」長い腕が伸びて抱き締められたもう、今度こそちゃんと恋人になれた無い胸の感触が伝わる事を恐れる事は無くても、だけどやはり少し怖かったでも、それを恐れていたらこれ以上前になんて進めないそう思って、いつもよりもユノオッパに身体を擦り寄せるようにして密着して抱き着いた「好きです、ユノオッパ」「俺も好きだよ、チャンミンだけど…」「だけど?」「…そこは、『ユノ先輩』じゃ無いの?」悪戯っぽく、揶揄うような笑みと共に言われて頬がかあっと熱くなった腰と背中に腕はまわされたままで逃げられない勿論、逃げるつもりも無いけれども…でも、キスをする為に自らわざと『ユノ先輩』というのは良くても、それを指摘されるのは恥ずかしい恥ずかしいけど、別れてからずっとキスなんて出来なかった今なら誰にも見られる事は無いだから、恥ずかしさを超えてみようと思った「ユノ先輩、好きです」「……チャンミン、キスに慣れてきた?」「…本当ですか?でも、前は目を閉じてキスをすると上手く唇に当たらなかったかも…」心臓は飛び出てしまいそうなくらいだけど、僕からキスをしたどこで目を瞑れば良いのか分からないけど、恥ずかしいから先に目を瞑ってキスをしたそれでもちゃんと唇に触れる事が出来たから、ユノオッパの言う通り名のかもしれない「うん、今日はちゃんと唇に当たってる昨日キスをするまで随分していなかったのに」「でも、まだまだなので、もっとキスをしてもっと慣れないと…なんて」自分の言葉に自分で恥ずかしくなってしまったから、ユノオッパの胸に顔を埋めて赤くて熱い顔を隠した僕の恋人、彼氏になったユノオッパは「やっぱり我慢するのも大変だから危険だ」と困ったように…でも、少し嬉しそうにも聞こえる声で呟いたふたりきりで部屋のなかユノオッパは緊張していると言いながらも、やはり自分の部屋だからかリラックスしている様子だった部屋のなかも普通の少年という感じだからか、普段よりもユノオッパを身近に感じる事が出来て、新しい面を見付けたようで嬉しかったたまに会話が止まると決まってキスをするその内に、別れたあの日のように舌を絡ませるキスにもなったこのままもっとキスを続けたらどうなるのだろう、とその先も気になるでも、先に進むにはきっと、もっと気持ちの準備が必要だし…お互いに男である事を、もっとちゃんと考えないといけない気がしたユノオッパもそれを感じているのか、真面目な顔で「男同士は付き合う時にどうするのか分からないから、ゆっくりふたりで調べようか」と言ってくれた僕は、女の子相手にも何も無いから本当に想像がつかないでも、ユノオッパの事を考えて前に触れた事もあるから…なんて、そんな事は言えないけれども、実際にもしもユノオッパの裸を見たらどうなるかは分からないけど、同じモノがついているのを想像しても変わらずに好きだと思った「そうだ、チャンミン」「何ですか?」「昨日、ユナから連絡があったんだチャンミンが寝落ちした後に」『寝落ち』と言いながら少し揶揄うように笑うから、ごめんなさいと謝ったら「可愛かったから良いんだよそれに、可愛くて揶揄っただけ」と頭を撫ぜられた「ユナ先輩…あ!もしかしてシン先輩との事ですか?」「そう、あいつがチャンミンにも伝えて欲しいって言うから…ええと…駄目だったらしいと言うか、シンはユナの事を特別には見ていなかったらしい」「…そんな…」ユナ先輩は、高校のミスに選ばれたユノオッパの元彼女でユノオッパの隣に並んだら本当にお似合いだと思うでも、僕を可愛いと言ってくれて、ユノオッパが僕と一緒に居る時は良い顔をしているのだと笑顔で教えてくれた今はシン先輩の事がとても好きらしくて、転校してしまう事は決まっているけれども告白をして付き合いたいのだと頑張っていた「ミスに決まって、あんなに可愛くて綺麗で…それに、当たり前だけど僕と違って女の子で…」「うん、でも俺にはチャンミンが一番だよと言うのは置いておいて、シンは『友達からなら』って答えたらしい」「それって脈が少しはあるって事ですか?」気になっていたから身を乗り出してユノオッパを見上げたら、彼は肩を竦めて「それは俺には分からないよ」と言った「遠距離恋愛は俺も経験が無いから分からないけど、きっと大変だと思うユナは、友達から…は遠距離だと自信が無いし不安になるからと思ったらしくて、潔く振られる事にしたみたいだ」「…そうなんですね」「チャンミンが凹むなよユナも前向きだったし、転校した先でイケメンを見付けるって言っていたから」確かに、僕も凹んでしまっただって、あんなに綺麗で性格もスタイルも良いひとでも振られてしまうだなんて、何だか信じられないからでも…「ユナの話を聞いて思ったんだ俺達は…その、まだまだこれからだし、お互いに男同士でこれからどうすれば良いのかも分からない簡単じゃあ無いかもしれないでも、最初はチャンミンを女の子だったと思って好きになったけど、男だと分かってもやっぱり好きでチャンミンも俺を好きになってくれて…それって、まるで小さな奇跡の積み重ねみたいだと思わない?」「奇跡…」「そうそれに、奇跡だけじゃ無くて、俺もチャンミンもそれぞれ沢山悩んだ…よな?」頷いたら、ユノオッパも優しく微笑んで頷いた「男女だって、上手く行かない事なんてきっと当たり前だでも、俺達は男同士だけど、こうして今また隣に居られている奇跡と、それにお互いに頑張ったからで…これからも、それを続けていけたらきっとこの先もずっと一緒に居られる筈だと思うんだ」「…ユノオッパは、僕とずっと一緒に居たいって思ってくれているんですか?」「勿論、だって好きなんだから」当たり前だと言うように笑う彼を見たら、不安は飛んでいったその後もまた、沢山キスをした緊張も次第に解けてきて、舌を絡めたキスは深くなって…そうしたら、身体が少し反応してしまったけれども、スカートの下で脚を擦り合わせて耐えたからユノオッパには気付かれる事は無かったでも、今日は良くても外で目立ったら大変それに、ユノオッパが男としての僕を目にしてしまう事は想像すると、やはりまだ怖い「チャンミンが男だって、好きな気持ちは何も変わらないし前よりももっと好きだよ」ユノオッパのその言葉に嘘は無いし、僕が不安にならないように気持ちを伝えてくれているのも分かるでも、このままじゃきっと、キスより先には進めないお互いに頑張って男同士である事を受け入れていけば、もっと先に進む事が出来るのだろうかその先に何があるのか、すら僕はまだ分かっていないし…知るのも少し怖いだけど、ユノオッパとずっと一緒に居たいから、怖くても不安でも、その先を知りたいと思うランキングに参加していますお話のやる気スイッチになるので足跡と応援のぽちっをお願いします 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  • 10Aug
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      咎送り 26

      隣合った領地の領主の息子である俺達には立場が有る生まれながらにして定められた宿命、未来があるだから、この恋が始まった時から必ず終わりが来る事は分かっていたチャンミンと離れるつもりなんて無い、今はけれども恋なんてものは永遠では無いと聞く作られた物語のなかですら、悲恋で終わるものも少なく無いそれなのに、生まれたその瞬間から次期領主である俺達に、然るべき時に然るべき女と結婚をして次の跡継ぎを作る使命のある俺達の恋に未来は無い初めて知った恋に一時身を焦がしても、それは何れ過去となるずっとそう自分に言い聞かせようとしてきたこの恋には終わりがあるそれは俺達がどう頑張ったところで、例え万が一いつまでも気持ちが変わる事が無かったとしてもその事実もまた変わる事が無いからけれども、俺が恋をした男は一時の恋だなんて思うにはあまりにも俺を惹き付けて離さない男だった自らの立場を見せ付ける目的だとしても男を抱く趣味なんて無かったそれなのに、好奇心から抱いた身体だけで無くチャンミン自身に嵌ってしまった今ではもう性別も立場も関係無く、彼だから惹かれるし彼以外には興味が無い後半年もすればチャンミンは完全に彼の領地に戻る俺達は何れ領主となり互いに別々の誰かと結婚をする父親達が、代々の領主がそうして来たように、愛なんて関係無く血を守り土地を守る為に全て分かっていて恋に落ちたし、恋をするつもりで恋をした訳でも無い気が付いたらもう引き返せないくらいに惹かれたから、一時の恋にするしか無いのだと思っていたけれども、俺は何時かこの恋に終止符を打たなければと必死で自らに言い聞かせていたのに…俺の父とチャンミンの父、つまり隣り合うふたつの領地の現領主達は過去に出会い恋をして…そして今でも愛し合っているらしいという事が分かった領主は通常自らが治める土地から出る事は許されないつまり、彼らが密会をして…同性愛という禁忌と共に禁忌を重ねていなければ、会えないままで触れ合う事無くとも想い合っていという事もしもチャンミンと出会う前に領主達の話を知ったならば、俺はどう思っただろうかいじらしい領主達だと思うのかそれとも、禁忌をおかすなど理解が出来ないと思うだろうか尊敬する父に愛するひとが居た事に驚くだろうかどちらにしろ、そんな事は所詮全て他人事だ次期領主同士で恋をする俺達がこの恋を諦めなかった時の未来それがつまり、領主になって会う事もままならないまま心だけで愛し合い、本人達が会えない代わりになのか何なのか分からないけれども息子達を巡り合わせた男達だ俺達の父である領主達はもしかしたら、俺達を介して繋がりを持つ事で愛を確かめ合っているのかもしれないけれども、俺にはそんな事は我慢出来ないチャンミンが愛の無い相手だとしても誰かを抱くのが許せない俺だって…以前ならば当たり前だったのに、今はもう愛が無いまま誰か別の女を抱く事は出来ない今分かっている事は、過去も今も父親達が愛し合っているらしい事だけその背景に何が有るのかは分からないけれども少なくとも、俺には父親のような愛の形を貫きチャンミンに触れないまま日々を過ごす事なんて出来ない生まれ育った土地の為に生きるべきだと思っている土地と民を守り血を継いでいくという己の役割だって物心ついた時からずっと身に染みて感じている放棄する事なんて決して許されないしそんな方法が無い事もけれども、チャンミンが居ない場所でなんて…生きていけない、彼の居ない生活が考えられないと思うくらいに愛してしまった「チャンミン…」「…っん……ユンホ…もう…」「…何?もっと?」「…っあ、違……そうじゃ無くて、今日は彼女が屋敷に来る予定で…」チャンミンが生まれ育ったこの土地を発つまで今日を含めて残り二日数日前、チャンミンに『俺を選ぶのならば、もう二度とこの地に戻って来ない覚悟が有るか』そう尋ねた次期領主たる者が生まれ育った土地を捨てるだなんて、簡単では無いどころか前例すら無いであろう事を迫った自覚は有るけれども、俺達がこの先の未来も共に居る為にはそれしか無いのだ「彼女…チャンミンはあの女と結婚をするのか?俺に色目を使って来た女と」「…彼女は許嫁で……っん…だけど気持ちなんて無いし、ユンホしか要らない」チャンミンの部屋のベッドの上でこの部屋の主に覆い被さる寛げたシャツの首元に唇を寄せて強く吸うと、それだけで細い腰が誘うように揺れる「そうか、ならば今日があの女との別れになるかもしれないな」「別れも何も…端から気持ちなんて何も無かった…違う、本当は分かってるユンホが言っているのはそういう事では無いのだろう?僕がこの生まれ育った土地を………」俺の頬を包んだチャンミンが真っ直ぐに見上げてきたこの土地や家族や次期領主としての立場その全てを捨てる覚悟が無いと、俺達が共に居る未来は無いその覚悟があるのか…それとも俺以外の全てを捨てる事など出来ずに別れるか、それとも父親達のように離れても尚心だけで愛し合う事を続けるのかチャンミンが正式のこの土地に帰還する事になる次の春までに心を決めるように、と迫ったばかり言い淀むチャンミンの口から何か答えに繋がる事が聞けるのだろうか、と緊張したけれども、その続きは扉を軽く叩く音で遮られてしまった「…っ…誰だ」少し震えるチャンミンの声勿論、部屋の扉に鍵は掛けてあるし次期領主の部屋の扉を勝手に開ける者は居ない扉の方を向くチャンミンの鎖骨に吸い付いて、赤く鬱血したのを確認してからそうっと唇を離した「チャンミン様、私です…」「…スビンか…ちょっと待ってくれ」シャツの首元をぎゅっと握って寄せながら、俺の下ではあ、と溜息を吐いたチャンミン出会った頃は彼女に淡い恋をしているのだと語っていたけれども、俺に恋をして、彼女に対する気持ちは恋では無かったと気付いたのだと俺に告げた『ユンホの知らない恋を知っている、許嫁を大切に想っている』そう話していたチャンミンを見ると苛々したそれは単に、俺の知らない感情を知っている様子のチャンミンに負けたような気持ちを感じてしまったから、という以外にもチャンミンが俺の者では無いようで…結局はこどもじみた嫉妬だったのだと思う今はと言えば、スビンというあの女に恋をしていないし…しかも、あの女がチャンミンに知られないようにと俺を誘った事を知って、嫌悪感を抱いている様子だそんなチャンミンを見て内心ぞくぞくするくらいの幸せを感じる「…なあ、チャンミン」ゆっくりと、彼の上から身体を離しながら声を掛けたチャンミンは乱れたシャツの釦を留めながらこちらに視線を遣る「あの女にも、俺達の関係が知られたって良いんじゃ無いか?」「…わざわざそんな必要は…」「何故?チャンミンはもう、次期領主たる許嫁が居ながらも俺を…別の男を誘うような女と結婚する気は無いのだろう?そうで無くても、俺以外は考えられないと確かに言ったよな?」視界を遮ってしまうから、随分伸びてきた鬱陶しい前髪をかき上げた明瞭になった視界で誰にも渡すつもりなんて無い恋人を見ながら、彼同様に乱れたシャツを整えつつ語り掛けたあの女が来なければこのまま抱いてひとつになれたのにチャンミンを全身で確かめたら不安は小さくなるのにそう思うと苛々する「あの女だって俺に色目を使って来たんだだから構わないと思う」「それとこれとは…それに、もしも彼女がユンホの言う通り強かな女性ならば…僕達が恋愛関係では無くても抱き合っているのだと知られたら…何かおかしな事でも企てたり、誰かに僕達の事を吹聴したりするかもしれないもしもそんな事になれば…!」視線を彷徨わせ、自らを抱き締めるようにして小さく呟くチャンミンだけど、そんなの…「その方が都合が良い」「え…」「チャンミンが我儘な隣の次期領主…まあ、つまりは俺に弄ばれているのだと広まれば、チャンミンは被害者で居られるし…いっそ、そうしてそんな噂が屋敷中に知られてしまえば良い」「ユンホ…!」此処にやって来た時は、次期領主としてのチャンミンの顔を立ててやろうと思っていた誰かが見ている前では不用意に触れないチャンミンの前では横柄に見える態度を取らないエスコートするように見える事もしないそう、俺なりにかなり気を遣ってきたけれども父親達の秘密を知った今は、そんな事をしても意味なんて無いような気がしてきただって、父親達は…いや、少なくとも俺の父は俺とチャンミンに肉体関係がある事を知っているそして、父親達も手紙から読み取る通り会えなくても愛し合っているのだという俺達が見たのは、チャンミンの父から俺の父へと宛てた手紙それは、俺の父からの手紙に対する返事で、その手紙を運んだのは俺達だ俺達が見ていない父からチャンミンの父への手紙に何が書いてあったのかは分からないでも…確実なのはチャンミンの父の事を愛していると書いていたという事その他、その手紙に何が書かれていたのかは知らないけれど、俺達の仲についての細かな事、が書かれていても何らおかしくは無い「なあ、チャンミン」シャツの一番上の釦最後に残ったそれを留めてやりながら語り掛けた「多分、父上達は俺達の事を知っている肉体関係だけでは無くて愛し合っている事をそれならば、俺達の事で何を吹聴されようとも問題なんて無いだって…俺達も彼らの秘密を知っているのだから」「秘密…」「そう、手紙を開けただろ?チャンミンの父から俺の父へのそのなかに『今でも変わらずに愛している』と書かれていたそれはつまり、現領主達は同性愛という禁忌をおかしている動かぬ証拠だ」「……ユンホ…」まるで何を言うのだ、とでも言うような怪訝そうな顔で俺を見上げる「俺達は領主達の秘密を握っているだから…例えあの女が何を知って何を言ったところで…そうだな、俺達が愛し合っていると吹聴したところで、父上達に相談でもすれば話が広がる事など無いだろう領主達が愛し合っている事実が言葉として書き記されている俺の父宛ての手紙はまだチャンミンが…俺達が預かっているのだから」「……」父の事は誰よりも尊敬してきたけれども今はもう、彼の考えが分からないいや、むしろ利用されたようにしか思えないし、彼らのように互いを愛しながらも結婚をして土地に縛られるだなんて…それが例え正解だとしても、良しとは思えない今の俺にとってはもう、何よりも大切なのはチャンミンで、彼との幸せが俺の幸せなのだからそれなのに、土地と民の為に自分と自分の大切なひとを捨てる事なんて出来ない「チャンミン様?」「…今開ける、少し待ってくれ!」戸惑うような細い声が扉の向こう側から聞こえて来て、チャンミンははっと顔を引き締めたそして、俺を一度だけ強く抱き締めて耳元で囁いた「ユンホを選ぶつもりしか無いだから…僕を信用して欲しい」「…チャンミン…」直ぐに俺から身体を離したチャンミンは春の日差しのように柔らかく微笑んだ「ユンホは僕の事を本当に愛しているんだな」「…当たり前だ」「それに…此処が自分の領地で無いから不安なのだろう?大丈夫、何時もは僕も同じ気持ちだからだから事を荒立てずに…静かに此処を去るつもりだ信用して欲しい」そう言って、儚げな見てくれなのに頼もしく微笑むチャンミンは美しいけれども、俺よりも余っ程強くて肝が座っているのかもしれないチャンミンの部屋にやって来た彼の許嫁、スビン彼女は俺が選んでチャンミンが贈った細身のドレスを身に纏ってやって来た淡い色で身体の線が分かりやすい細身のドレスはチャンミンに似合いそうだと思ったもので…買った時は許嫁の顔も知らないままだったけれど、実際にこの女が着ても品が無いとしか思えなかったきっと、チャンミンが着たらとても美しいのに「このドレス…おふたりが選んでくれたのですよね?」「ああ、チャンミンは女性のドレスを選び慣れていないようだったからお気に召して頂けましたか?」三人で丸い机を囲んで座り対角線上に居る女に問い掛けたら、俺を見て頬を赤くした「このような大胆な作りのドレスは初めてなのですですが、とても着心地が良くて気に入りましたそれにしても…おふたりはとても仲が良いのですねユンホ様がこのお部屋にいらっしゃって驚きました」「こうして一時帰って来る事が出来ただが僕は未だ隣領地に寄越された人質のようなものだからねユンホ…彼は僕のお目付け役だ」「まあ…」驚いたような顔で眉を下げる女やはり、と言うか、チャンミンの前では猫を被っている様子だ女性経験の無いチャンミンならば彼女の事を『淑やかで物静かな優しい女性』と思っても無理は無いけれども、彼女は主の居ないチャンミンの部屋にやって来て俺に迫って来た思い出しただけで反吐が出そうだ俺に近付いた事にもチャンミンの傍に当たり前に居ようとする事にもこんな女がチャンミンとの将来が約束されている事にも「チャンミン」「何だ?ユンホ」何よりも、チャンミンを騙そうとした事が許せない例え俺とチャンミンが結ばれる事が無くとも、この女がチャンミンと結ばれるだなんてあってはならない事だ「喉が乾いたから、何か飲み物を持って来てもらえないか?」「ユンホ様、それなら私が…いえ、誰か使用人を…」「良いよ、僕が行ってくる」チャンミンは何も疑う様子無く立ち上がり、そのまま部屋を出て行ったそうすると、女の態度はあまりに想像通りで笑いそうになるくらいだったつまりはふたりきりになるや否や、じっと熱の篭った瞳で俺を見て来た「どうしたの?」「…私…ユンホ様の事が…もう、直ぐに帰ってしまわれるのですよね?その前に…今夜屋敷を抜け出してふたりきりで会って頂けませんか?」机の上に置いていた手に、白い小さな手がそっと重ねられた思う事は顔には出さずにそのままにしていたら、指を絡めてくる「抜け出して…俺とどうするのですか?」「そんな事…分かっていますよね?それに、もしも仲良くなれたら私の事もユンホ様の領地に招いて頂きたいのですもう会えなくなるだなんて悲しくて…」「はは、俺の何処が気に入ったのですか?あんなに素敵な許嫁が居ると言うのに」内心反吐が出そうだけれど優しく微笑んでやって尋ねたら、彼女は唇を尖らせた「チャンミン様は男らしさや強引さに欠けますでも、次期領主なので私は…分かるでしょう?私が好きなのはユンホ様のような殿方なのです」丸く膨らんだ胸を押し付けるようにして寄って来たから微笑んだ彼女は俺が触れて来ない事に苛立ちを少しずつ顕にして来て…「ユンホ様、今夜…」両手で俺の手を包んで来たその時、扉が開く音がしたびくり、と震えて白い手を引こうとした女の手に漸く自ら触れて…いや、掴んで後ろを振り向いた「チャンミン、ありがとう」「…っあ、ユンホ様…!」女は目に見えて焦って、そして掴まれた手を離そうと白い手に力を込めている「スビン、何をしていたの?」俺達が触れ合っていたら衝撃を受けた顔をするだろうか、と思っていたけれどもチャンミンの表情は動かない銀のカップを乗せたトレーを両手で持ちながら身体を使って扉を締めて、ゆっくりとこちらに歩んでくる「チャンミン様、その…ユンホ様が私に触れて来て」女は俺をちらりと見て、口裏を合わせて欲しいのだと目で訴えて来ただから、否定せずに黙っていてやった「ユンホが?本当に?」「…ええ…怖くて…」俺が何も言わないから助けて貰えるとでも思ったのか、彼女はチャンミンを潤んだ目で見上げている気持ちが悪いから白い手を離した女は俺を見る事無く直ぐに立ち上がり、机にトレーを置いたチャンミンに抱き着いた「チャンミン様…」けれども、俺の恋人は俺だけを真っ直ぐに見て、そして許嫁の身体を引き剥がすかのように離した「…っ、何で…チャンミン様?」「…この目で見るまでは、信じないでいようとも思っていたんだだけど…君のような女性を許嫁には選べない父から君の家に連絡を入れてもらう」「え…」「気分が悪いから帰ってくれないかユンホに…隣の次期領主にも失礼だ」ぴしゃりとそう言うと、もう一度扉に向かって歩み、ゆっくりと扉を開けた「帰ってくれ、スビン」「…チャンミン様…」「僕に従わないのならば、ひとを呼んで今此処で全てを話すけど…ユンホに何度迫った?少なくとも二度、話に聞いたのとこの目で確認したのと…」「……っ…」俺はと言えば、椅子に座ったまま肘をついて、チャンミンが邪魔な女を追い返す様子を見たこれでひとつ、チャンミンがこの領地に拘る理由が無くなった「チャンミン」「……」悔しそうな顔で本性を表した彼女が去って扉を閉めた後、ふたりきりになった部屋のなかで、まだ扉の方を向いて立っている男を後ろから抱き締めた「愛していない、とは言え…許嫁が他の男に迫っているのを見て悲しかったのか?」「……」優しくしてやろうそうして、チャンミンがもっともっと、俺だけしか見えなくなるように俺達は父上達と同じ道を辿らないようにそう思って首筋に口付けたら、彼は身を捩り身体ごと振り返った「ユンホは僕を分かっていない」「え…」「僕のユンホなのに…ユンホもユンホだ、黙って触れさせないでくれ」吐き捨てるように言うと勢い良く抱き着いて、俺の首筋に吸い付いてきた「僕がユンホに嫉妬をすると思ったのか?」「そうで無ければ良いと思ったよ、だけど…実際に見たらどうなるかなと思った」「そう…彼女への気持ちなんてもう、ユンホに恋をした時から何も無いそして今は…もう関わりたくなんて無い誰も要らない、ユンホ以外は…父上達のようにはなりたく無いんだ」潤んだ瞳で俺を見上げて、小さく「離れたく無い」と囁く父親達が何を思って俺達を出会わせたのかは分からない彼らが愛し合っている事と関係が有るのかそれとも、本当に支援の為だけなのかだけど、何れにせよ彼らに利用されるつもりなんて無い彼らの関係を知った事で俺達の想いは固くなった「出発前に、父上と話をするよ手紙の事もその内容についても…聞いてみようと思う」「…良いのか?手紙の内容に触れたら…読んだ事を知られてしまうのに」「…だって、もうこの土地には二度と戻って来ないかもしれないだから、父上と話して自分の気持ちと向き合おうと思うもしかしたら命が狙われる事もあるのかな?でも僕だけが今この土地の次期領主で、父だって僕の命を脅かす事は出来ないそれに…ユンホが言った通り、僕達は彼らの秘密を握った会えないのに愛している、だなんて僕には無理だこうして触れていないと…」「チャンミン…」俺を確かめるように頬を包み優しく撫ぜる鼻先を擦り寄せて擽ったさに目を細めたら「愛している」と言われて唇が重なったまだこの部屋にはほんの少し、鼻につく甘い匂いが残っているでも、ふたりでベッドに沈めば俺達だけの匂いに満たされる明後日にはこの土地を出立し、俺の生まれ育った土地にチャンミンと戻るそうしたらもう、チャンミンをこの地に返したく無いチャンミンからはっきりとした答えはまだ無いけれども『戻って来ないかもしれない』確かに彼はそう言った大きな判断を小さな胸のなかでしているかもしれないチャンミン彼は儚げな見た目をして、けれども俺の下で微笑む姿はとても強く、彼と一緒ならば何だってできるかもしれないと思えたそれは勿論幻想で、俺達はまだ世界の事も何も知らないのだけどランキングに参加していますお話のやる気スイッチになるので足跡と応援のぽちっをお願いします 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      初恋の行く先 中編

      どうしてこんな事になったのか分からないなんて、ふと正気に返ると思ってしまうから、目の前のユノヒョンの熱を逃す事だけに集中して手を動かしている「…っ……チャンミナ」「良かった僕の手でも気持ち良くなってくれているみたいですね」息が少し乱れているユノヒョンの声は低いハードな練習を終えた後だったり、コンサートでダンスナンバーを踊った後に近い雰囲気かもしれないそう、だって今さっきも音楽番組の収録があって終わったところふたりきりのグループになった僕達は多くのスタッフや関係者達から言葉にはされなくとも『これから本当にふたりでやっていけるのか』と言う少しばかり厳しい目を向けられていたからなのだろうリーダーであるユノヒョンはとても気が張っていたし、その所為かこうして収録を終えた後に身体の中心が張り詰めているから正気になってはいけないでも、自分でも何故こんな事をしてしまったのか分からないいや、理由はあるユノヒョンは女性アイドルグループのメンバーに誘われていたそうで無くても彼は物凄くモテる最近はずっと、グループの為だとか、頼り甲斐なんて無いであろう僕を守る為に異性と何か、なんて事も無いそれはお互い様だけどだけど…ふたりだけでカムバックをして、出だしも好調こうして音楽番組にもしっかり呼んでもらえているまだまだ周りの目は厳しいけれども、何よりファンもまだ僕達を応援してくれている心配も不安な事もまだまだあるだけど、ユノヒョンは二十六歳の健全な男しかも物凄く異性からモテる、となれば溜まる物もこうして有るのだし、もう女性と遊んだり誰かと付き合ったり…だって、暗黙の了解で我慢する事なんて無いと思う僕だって、今は考えられないけれども、誰か良いひとが居たら…と思うでも今はユノヒョンだけが頼りまだ僕を置いて行って欲しくない僕だけを見ていて欲しいそれなら、僕が彼の欲求を解放してしまえば溜まる物も無くなるだろう、なんて思った「なあ、もう…止めてくれ流石にこれでこのまま…は厳しいから、もう一度シャワーを浴びながら出してくるよ」「どうして?ユノヒョンだって、最近はご無沙汰ですよね?なら、ひとにしてもらう方がきっと気持ち良いし…さっきより硬くなっているから、僕で良くなってくれているんですよね?」「…っ、チャンミナで良く、とか…変な事言うなよ」止めてくれ、なんて言いながら僕の肩を大きな手で掴んでいる目の前で胸が上下していて荒い息が僕の耳に届く右手で掴んでいるヒョンのモノは大きくて硬くて、同じ男なのに僕のモノとは全く違う「そう言えば、最近は着替える時も見ていませんでしたが…昔はお互いに気にせず素っ裸になっていましたよねあまり覚えていないけど、やっぱりユノヒョンが一番大きかったのかなあ」冷静に話している筈だけど自分の声が何だか自分では無いみたいに遠くで聞こえるのは、冷静な振りをしているけれども本当は物凄く緊張しているから多弁になるのもそうだ本当はどうして良いか分からないから「自分以外の、を触るなんて初めてだけど、大きさが違うだけで同じモノが付いているんだし…やっぱり男同士だと女性に触れられるより良いところも分かり易いのかなあどう思いますか?ユノヒョン」言葉を紡いでいないと、一体僕は何をしているのだろうと思ってしまうから幾ら尊敬するユノヒョンが…誰か女性の元へ行ってしまって、それが誰かに知られて世間に知られてしまったら僕達の活動が危ぶまれるかもしれないからそれなら僕が抜いてあげよう、なんて思っての事だとしたって、男のモノに触れるだなんて何だか正気では無いようだからでも、それなのに、触れて感じるのは気持ち悪さでは無いユノヒョンの息が上がっていく様子や低く唸るような微かな声それに手のなかの熱と質量に何故か高揚しているという事「なあ、チャンミナは分かっているのか?」「…何が?ちゃんと集中してください出してくれなきゃ終われないし、そうじゃ無きゃ帰れないので」ひたすら話していたのは僕なのに我ながら勝手だでも、そうでもしなきゃどうして良いか分からない「チャンミナ、俺を見て」「え…っ痛…」ぐっと肩を掴まれて顔を上げたら、ユノヒョンは薄く唇を開けて僕を見ていたそして、小さく「こんな事をしたらもう戻れない」と言った「戻れないって何が…何処に?」「……」「それより、本当に集中してください僕がユノヒョンの為に頑張っているんだから…」じっと見透かすような瞳に耐えられなくて視線を逸らした右手に少し力を込めて、根元から先端に向かって扱く僕の汗なのか、それとも先走りなのかその両方なのか分からないけれども、最初に触れた時よりも滑りがある「…っ、良いんだな、本当に」「良いって何が…分からないよ」窘められているのか叱られているのか分からない訳の分からない事をして、なんて思われているのだろうでも、僕だってユノヒョンの為を思ってやっているそうじゃ無きゃ男のモノに触れるだなんて出来ない兎に角、早く解放させないとそうしないと僕だってこの手を離せないし、シャワーを浴びても感じるユノヒョンの匂いに何だかくらくらしそうだから俯いて手を動かして、じっとユノヒョンのモノを見ていたら、肩から手が離れた事にすら気が付か無かったそして…「…っ何、え…ユノヒョン!」「騒ぐな、それに動かないで」「ちょっと…っ、…」一瞬、ユノヒョンのモノから手を離しかけたでも、僕が手を離したらヒョンは女性の元へ行ってしまうだなんて…彼はそんな事を約束すらしていない筈、なのに強迫観念のように思い込んでしまって、結果抵抗する事も出来ないまま一瞬で、僕はユノヒョンに下着とスウェットパンツを一気に下まで下ろされてしまった「ああ、チャンミナだって興奮していたんだな俺にばかり言うけど、本当は触って欲しかったとか?」「え…っ、違っ、そんな訳……」首を横に振ってそんな訳は無いと訴えただって、何故僕のモノも反応しているのかが分からないそんな事になっている自覚すら無かったから触って欲しいだなんて思っていない自分ですら気付いていなかったのだから放っておいて欲しいそれなのに、大きな手はゆっくり伸びて、僕はそれでも尚ユノヒョンのモノから手を離す事が出来ないまま、気が付いたら彼の手に包まれてしまった「…っあ…!」「…っ、チャンミナ、力が…」「ん、っごめんなさい…」勿論、異性との経験はあるだけどここ最近は仕事であまりにも色々な事が有りすぎてそれ所では無かっただからひとに触れられるだなんて久しぶりそれに、自分でも…最近はそんな気分にすらなれなかったから触れていなかったそれなのに…「…なあ、あっという間に硬くなったけど…どうして?」「…っ、知らない、そんなの…!」「俺に触れてきたけど、本当は理由でも付けて…チャンミナの方が触れて欲しかったとか?」「違います、兎に角離してください…っん言いましたよね?僕はただ、ユノヒョンを心配しているだけです女性に誘われていたようだし…それでもしも今、女性関係で話題にでもなれば、今後の活動の為にも良くないだろうしでも男だから溜まる物がある事は分かります、だから僕は弟として…」「…弟として、か戻れないのは俺だけって事かな」「…え、何が…」羞恥心を紛らわす事で精一杯それに、何より僕はユノヒョンを楽にしてあげなきゃいけない彼に負けないように手のなかのモノを扱いていたら、どこか切なげな言葉が少し引っかかった「何でも無いマネージャーを待たせているんだから、早くしないとだよな?」「え…はい…」「俺だけされるだなんて不公平だし、チャンミナもこんな状態だから一緒に楽になろう男同士だし、俺達はただのメンバーなんだから恥ずかしくなんて無いだろ?」「…っん…」ユノヒョンの手が先端に触れてびくっと身体が震えたそうだ、男同士だから恥ずかしくなんて無い刺激されたら反応する事だって男同士だから互いに分かっているこれはただの処理で気にしなければ良い違う、そもそも僕が触れたんだそれなのに、尊敬する大好きなユノヒョンに『ただのメンバー』と言われて胸がずきずきと痛んだ痛んだのに…「…っあ、んっ、…」「…はは、さっきからチャンミナがやたらと裏筋を擦るから…そこが好きなのかと思ったけど、やっぱりそうなんだななあ、このままじゃ俺よりも先にチャンミナの方がイきそうだだから…」「え…っあ、熱い…怖い」「大丈夫、俺に任せたら良い」僕がするって言ったのに僕がユノヒョンを楽にしてあげたかったのに他の女性のところになんて行かないように僕だけで…違う、それじゃあまるでユノヒョンを奪われたく無い女性の気持ちみたいだ「…っ、うん、これくらいの方が俺は好きなんだ」「…そんなの知らない…っん…」右手でユノヒョンのモノを握っていた僕の手の上から、ユノヒョンの大きな手が重なった僕のモノは相変わらずヒョンの右手に握られ刺激されたままそれだけでもう、何処も彼処もユノヒョンに包まれてしまったようで、彼の熱さに翻弄されたまま、気が付いたらほぼ同時に解放していた「…っ、はあ……ん…」くらくらしてユノヒョンの胸に額を押し付けて息を整えていたら、僕の手を上から握っていた彼の左手が離れて背中を擦られたそれから、頭に何かが触れた「え、何…」「…何でも無い」彼の右手は下に降りている左手は僕の背中でも、頭にそっと何かが触れて…まるで、キスされたようだと思ったユノヒョンだって息は上がっているし胸が上下している余裕に見えたけれども、顔にあまり出ていないだけでヒョンだって興奮していた筈だ彼の手を借りて、だったけれども、僕がちゃんとしてあげられた事でやっと安堵したこれで、少なくとも今日は女性のところになんて行かない筈だといや、そもそもユノヒョンは誰の所に行くとも言っていないただ僕が不安になっていたんだそれに、今日何も無くたって明日は?明後日は?ふたりだけでもしっかり結果を出す事が出来て安心出来るようになれば?僕がもう、マンネとして手が掛からないと判断されたら?そもそも、僕だってもう二十四、ユノヒョンは二十六歳だきっと、もう直ぐ尊敬する僕だけのユノヒョンは、僕だけのものでは無くなるのかもしれない欲を解放した所為か、ただただ感傷的になってしまった息は整ったけれども顔が上げられなくてぼんやりしていたら、「チャンミナ」とぼそりと呼ばれた「……何ですか?」「…やっぱり…もう戻れないよ俺だけなのかもしれないけど」顔を上げないままだったからユノヒョンの顔が見えないでも、静かに放たれた言葉が気になって顔を上げたらもう、ユノヒョンの手も身体も僕から離れていってしまった「…戻れない…さっきもそう言っていましたよね?」「独り言だよ手がべとべとだこのままじゃあマネージャーの前に出れないから、後片付けをして急いで出よう」「…あ、はい」その後はもう、何だかあまり記憶が無いただ急いで事務的に片付けをして、何も無かったようにマネージャーの元へと向かったその後も、日々は変わらずに過ぎて行った変わらずにと言うのはつまり、『あの日』の事なんてまるで無かったかのようにという事あの日、あの時の一度きり以来、僕がユノヒョンのモノに触れる事は無くなったし、ユノヒョンも触れて来なかった頭に触れたのは多分唇だったと思うでも、あの時反応しても『何でも無い』と言われてしまったからもう、重ねて聞く事も出来なくなっただって、何でも無いと言われてそれでも『頭にキスをしましたよね?』なんて言ったら、まるで…僕達の間に何かがあるみたいだから「何か、も何も…リーダーとマンネ、兄弟みたいな…ふたりきりになったけど、結局ヒョンじゃ無きゃ駄目だって思っているのは僕だけで、実際は特別な事なんて何も無いのに」ふたりきりになって…いや、その前からユノヒョンの存在が僕のなかで大きくなったそれはふたりで乗り越えたものが有るから僕を守ってくれたからでも、ユノヒョンにとっては僕はそこまで大きな存在では無いのだろうと思う「触られて嫌だったなら、はっきりそう言えば良いし…頭にキスしたり、僕を女の子の代わりにして後ろめたい、とか?いや、そんな訳…僕は女の子じゃあ無いし」男同士で触り合って欲を発散し合う、なんて話は実際に先輩方から聞いた事がある恋愛だとかそういう事では無くて、単にこの業界に居たら周りの目があって異性となかなか遊べないからそれでも男として溜まるものは有るし、常にひとりで…は虚しいそんな時にお互いに握り合って…なんて事話を聞いた時は有り得ないって思ったけれども、ユノヒョンのモノに触れても嫌悪感は無かったし…それどころか、ユノヒョンに触れられて僕も興奮した男同士で後腐れ無く触り合って…いや、僕は触れられなくても良いから、ユノヒョンの熱を逃してあげられるならそれで良いと思うそれで、ユノヒョンが他の誰かの元に行かずに傍に居てくれるならそれで良いなのに、あの日以来歌番組の収録をしても、ダンスの練習をしても、ユノヒョンの身体は目に見えて熱を持つ事が無くなった勿論、何時だって目立っていた訳じゃあ無いでも、激しく運動した後は時おりそうなっていたのに、全く無くなったそうしたらもう、もしかしたら僕の知らない他で、誰か女性と会っているのかもしれない、と思ってしまうようになった「いや、そんなの…こうして宿舎で一緒に暮らしているし、仕事は殆ど一緒だし…でも、今日だってスケジュールは別々でユノヒョンはまだ帰って来ない」今日は元々僕のスケジュールが少なくて、ユノヒョンは夜までだから、夕食は少し手の込んだ物を作ろうと思った魚介と野菜の、辛さを控えめにした煮込みそれに牛テールのスープ今日は寒かったから身体が温まって力の付くものを、と考えてレシピを調べながら作ったのだ「あの事に触れないのはきっと…気まずいって事なんだろうなちゃんと謝って、いつも通りで居たいって言って…ユノヒョンの事を尊敬しているし好きだし…そうだ、ちゃんと、どうしてあんな事をしたのか、も言おうそうすればきっと分かってくれる筈だし…」揶揄った訳でも好奇心でも無いただ、ユノヒョンを楽にしてあげたかった誰か特定の女性と会って記者やファンに見られたら大変だからそうなる前に僕が何か出来たら良いと思ったユノヒョンを尊敬していて好きだからこそそれを伝えればきっと分かってくれる「…っあ、帰ってきた」扉の鍵が開く音がした夕食の準備をしている事は伝えていない驚かせたかったからあの日以来、もう二週間程ぎくしゃくしていると言うか仕事が忙しくてふたりでプライベートでゆっくり話す時間も無かっただから今日こそ話をしよう、そうすればいつもの僕達に戻れる玄関に向かって走りながら、ユノヒョンが僕の作った料理を食べてくれる姿を思い浮かべたら頬が緩むお疲れ様と言ってご飯がありますと言って…「…っ、チャンミナ…ただいま、どうしたの?」「…扉が開く音がしたので…お帰りなさい、ユノヒョン」玄関で顔を合わせたユノヒョンは、僕を見て明らかに驚いた顔をした確かに、普段こんな風に扉の前まで迎えに行く事は無いでも、別に驚かれるような事でも無いと思う「お疲れ様でしたお腹空いていますよね?外は寒かったし…あたたまる物を作ったので、食べてください前に一度作って、ユノヒョンが美味しいって言ってくれた煮込みをもう少しアレンジして…」いつものようにそう思いながら話をしたけれども、ユノヒョンは更に驚いたような…いや、何処か困惑したような顔手がこちらに伸びて、頭にそっと触れられるかと思ったそれなのに、その手は僕の頭に触れる寸前で下ろされ触れられる事は無かった「…ええと…ごめん」「え…」「ケータリングがあったから食べて来たんだだから…チャンミナだけ食べてそれか、明日の朝に食べるよチャンミナが食べる為に作ったんだろ?俺の事は気にしなくて良いから」違う、ユノヒョンの為に作ったそう普通に言えば良いのに、言葉にならなかったどうやら、僕はユノヒョンが料理を食べてくれない事が相当ショックだったらしいスタッフの方や関係者に誘われて食事をするのも、現場でケータリングや何かがある事と珍しく無いそれなのに、驚かせたいからという理由で何も伝えなかった僕が悪いのに「…今日は疲れたから、このままシャワーを浴びて寝るよ」視線は合わないままいや、僕だって俯いてしまったから合う訳も無いのだけどユノヒョンは僕の右脇をすり抜けるようにして部屋の奥へと向かって行った何故か固まってしまったように動かない身体に力を込めて振り返り、そして勢いで手を伸ばして後ろからユノヒョンの腕を掴んだ「…っ、チャンミナ?」「…あの、僕の事を嫌いにならないでください勝手に作ってごめんなさいこの間の事を謝りたかったんですユノヒョンの事を尊敬していて好きだからって勝手な事をして…だから、仲直りがしたくて…」「尊敬して好き、か…それは、恋愛の『好き』では無いって事だよな?」腕を掴んだら振り返ってくれたまた僕を見てくれたでも、何だか僕を見る目が余所余所しい「尊敬しています、僕にはユノヒョンだけで…!」「そうか、ありがとう俺がチャンミナを嫌いになる訳なんて無いよお前は俺の…大切な、仕事のパートナーなんだから」その言葉は安心出来るものである筈なのに、ユノヒョンは何だかとても言い辛そうな顔をしているそれにもう何年も同じグループに居るから分かるけど、こんな時ヒョンなら僕を強く抱き締めて安心させてくれる筈それなのに、さっきは伸ばされたまま触れられる事の無かった手がやっと僕の頭を遠慮がちに撫ぜるだけ「あの…」「ん?」「この間…あの日、僕の頭に何か触れませんでしたか?」「……いや、何も…分からないな」嫌いになる訳が無いそう言われて少し安心したから尋ねただけど、やはり…嫌いにはならないと言われたけど、ユノヒョンは変わった何だか壁を感じるし、何かあるのに教えてくれないと言った感じ少しだけ安心出来たでも、謝ったのに、理由も伝えたのに余所余所しい「兎に角、今日はもうシャワーを浴びたいんだ」「…っあ、待ってくださいその、僕は頼りない弟だと思いますでもユノヒョンを尊敬しています、凄く…だから、僕が出来る事なら何だってしますヒョンが望んでくれるなら…僕達はもうふたりだけだから」ユノヒョンのパートナーとして認められたい安心して貰いたい僕にも肩の荷を預けて欲しいそんな気持ちで訴えたけれども、彼は眉を下げて困ったように首を傾げる「…ありがとう、嬉しいよでも…この間みたいなのは止めよう俺も触ってしまったけど…ああいうのは、好きな相手とする事だ」「…好きな…僕は、ユノヒョンを一番尊敬しているし好きですだから、ヒョンが楽になるなら嬉しいです」手を離したら離れて行ってしまうだから、僕よりもしっかりしているユノヒョンの手首を掴んだまま気持ちを伝えた「ユノヒョンの事が好きです」少しでも伝えたくて、尊敬の気持ちをはっきりと口にしたすると、彼の切れ長の目が一瞬大きくなったそして直ぐにまた元に戻って首が横に振られた「…ユノヒョン?」「チャンミナ、違うよ俺が言っている好き、は…恋愛って事だチャンミナは俺に憧れてくれているだけで、恋愛じゃあ無いそうだろ?なら、あんなのは良くない」「でも、ユノヒョンを楽に…」「…ありがとう、さっきも言ったけど、気持ちは嬉しいでも、自分の事は自分でどうにかするよだからこの話は終わりシャワーに行ってくるよ」男同士で触り合う事なんてたまに有る事だと聞いている僕だってもう充分おとなだし、練習生だった頃のように何も知らないこどもじゃ無い男同士、ふたりきりのメンバーとして助け合う事が出来ればユノヒョンが頼ってくれるような弟になれたらそう思ったのに…「…恋愛じゃ無かったら駄目なの?」もう、僕が握った手首はするりと抜けて、ユノヒョンの姿は見えなくなった恋愛では無いそうである訳が無いでも、『あの行為』には僕は必要無いのだと言われた事が何故かとてもショックだったユノヒョンが他の誰かを前にして、あんな風に息を荒らげていくのかと思うと、嫌だと思ったユノヒョンは、シャワーを浴びた後そのまま寝室へと向かったこの宿舎では寝室はひとつユノヒョンと僕、ふたりのベッドが少し間を開けて並んでいる僕はと言えば、シャワーを浴びた後もユノヒョンが余所余所しくて、話も出来なくて…それがとても辛くて涙が溢れるばかりだったいっそ、黙って誰か女性を見付けようかなんて思ったけれども、全く気持ちが動かない何を考えても浮かぶのはユノヒョンの事ばかりあの日触れたユノヒョンのモノ僕に触れた手頭に触れた…教えてくれなかったけど、多分ヒョンの唇まるでキスのようなあの行為そして…「戻れない、って何が…?戻れないのは僕の方だだって、あの日から益々ユノヒョンで頭がいっぱいで…」ソファで膝を立てて背中を丸めて座ったまま呟いたヒョンと呼べるひとも頼れる先輩も、この世界に沢山居る性格が真逆なユノヒョンよりも気の合うヒョンだって居るそれなのに、ユノヒョンに避けられる事がこんなにも辛い「…シャワー、浴びよう」のそりと立ち上がって浴室に向かったシャワーの湯を出してみたら、ユノヒョンの後だから水温が低くて温い何時もならば僕好みの水温まで上げるだけど、今日はこのままが良かったそうすれば少しでもユノヒョンを感じられるような気がしたから毎日仕事で一緒だし、同じ宿舎にこうして暮らしている僕は今、誰よりもユノヒョンの傍に居る筈なのに寂しい「…ユノヒョン?寝てしまいましたか?」シャワーを浴びて寝間着代わりのスウェットの上下を着て寝室に向かった扉を開けたら明かりももう消えていたけれども、開いた扉から差し込んだ明かりで、ユノヒョンが毛布を頭まで被っている事が分かった「ヒョン?本当に寝てるんですか?」傍まで寄って、小さく尋ねてみたゆっくりと毛布を捲ってみたけれども、反応は無い疲れている様子だったし、きっと本当に直ぐに眠ってしまったのだろう「…少しだけ…だって寂しいよ」話すらまともに出来なかったいや、ユノヒョンとしてはもう充分なのかもしれないでも、僕はまるで突き放されたように感じてしまったヒョンの温もりが欲しいヒョンに触れたい今だけ、彼が眠っているだけでも少しだけ触れたら、自分のベッドに戻って眠るからそう心のなかで言い訳のように呟いて、そうっとユノヒョンのベッドに潜り込んで後ろからそっと抱き締めるようにして触れた「…ユノヒョン、好きです」「……」背中に額を寄せて囁いた勿論、反応も答えも無い触れると、それだけで何だかとても安心するそして、どきどきしたこれは恋愛では無いのに僕はただ、ユノヒョンを尊敬しているだけなのにでも…「…ユノヒョン…」何故、あの日触れたユノヒョンの熱が今まで触れた誰よりも僕の心に残るのか何故、ユノヒョンに嫌われたと思うとこんなにも胸が苦しいのか何故、僕では駄目なのだと言われたように感じると切なくなるのか「…そっか…はは…」男同士だから、尊敬や友情のようなもの以外の『好き』だなんて有り得ないと思っていただけど…僕は、ヒョンが他の誰かに触れる事が嫌なのだそして、僕では駄目な事が他の誰か…女性なら許されるであろう事が辛くて仕方無いのだつまりは、僕の『好き』は恋愛のそれなのだろう気が付いてしまった何時からなのかは分からないでも、理由を付けてユノヒョンのモノに触れたいなんて思っていたから、もうあの時からそうだったのかもしれないなんて、そんな事はどうだって良いこの想いは伝える事なんて出来ない伝えたらきっと、更にユノヒョンが遠ざかってしまうものだからだからせめて、今だけユノヒョンが眠っている間、僕が自分のベッドに戻るまで、ほんの少しの間だけヒョンの体温を感じたい起きる前に、後少ししたら離れるから明日には、明日こそちゃんと、正しい弟の、マンネの姿に戻るからそう自分に言い聞かせながら、少しだけ現実から逃げるように目を瞑ってユノヒョンの匂いを吸い込んだランキングに参加していますお話のやる気スイッチになるので足跡と応援のぽちっをお願いします 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      密やかな憂鬱 27

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      密やかな憂鬱 26

      この回、飛ばされる要素は無かったと思ったのですが飛ばされてしまったようですコメントもいただいていたしお返事もしていたので切ないのですが…読めなくなってしまったので再掲します 本文はこちらからお願い致します ↓密やかな憂鬱 26密やかな憂鬱 26 - hominismhominism.blog.fc2.comランキングに参加していますお話のやる気スイッチになるので足跡と応援のぽちっをお願いします ↓にほんブログ村

  • 09Aug
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      先程の更新について

      先程の更新「君は僕の光」は、話数はついていますが、1話のみでも読んで頂けるお話です芸能人のユノと一般人のチャンミンのお話です今までのお話はこちらにあります ↓君は僕の光君は僕の光|hominismもみさんのブログテーマ、「君は僕の光」の記事一覧ページです。ameblo.jp最近(いつもの事ですが)書きたい新たなお話や、また更新したいあのお話や色々、継続しているお話もどんどん進めたくて…という状態なので雑多ですが、それでもお付き合い頂ける皆様に感謝致します三連休残り二日も全国的に熱くなるようなので、皆様何よりも健康に気を付けて過ごしてくださいね今日も、ホミンちゃんと、そしてこのお部屋を訪れてくださる皆様が笑顔で健康でありますように…幸せホミンちゃんにぽちっ♡ ↓にほんブログ村

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      君は僕の光 4

      日々を前向きに過ごす事の出来るその原動力誰にでも原動力になるような物、ひとが存在するかもしれないし、そこまでの何かは無いのかもしれない平凡な大学生の僕にとって、原動力となるひとがこの世界に存在している事は幸せな事だと思うし、原動力である彼の活躍を追い掛ける事が生き甲斐でもあるのだ僕にとって何よりも特別な彼は芸能人のU-know歌手だけどダンスも得意顔もスタイルも良いから雑誌に登場するとモデルのよう演技も出来るし最近はバラエティにも引っ張りだこ特別な彼とファンである僕は生きる世界が違うし本来交わる事なんて無いサイン会やラジオの公開録音、その他イベントにも足繁く通った事で認知はしてもらえていたけれども、『それ以上』なんて望む事すら烏滸がましいし有り得ない事だと思っていたのに、現実で夢にも見ていなかったような事が僕の身に起こったと言うのは今は良くて…「うわ、凄い…物凄く完成度が高い…いや、高過ぎるこれがファンクラブ会員は無料とか…事務所、僕達ファンに優し過ぎない?いや、ユノヒョンが優しいからファンを喜ばせてくれようって思ったのかなあうん、ユノヒョンって黙っているとクールに見えるけど、本当は凄くファン思いで優しいし…」「チャンミン、お前さあ…本当にU-knowが好きなんだな」「え…っあ、ごめんでもさ、このアプリ見てよ」放課後、カフェで同じ学科の友人と過ごしている僕が少し前に『恋人が出来た』と報告したからだろう恋愛相談があるのだと言われてこのカフェにやって来たのだけど、今日はとても大切な日つまりは…「このアプリ、ファンクラブ会員だけが登録出来るんだU-knowのU-knowによる、U-knowのファンの為だけの特別なアプリ!今日リリースされたんだよね」「へえ」そう、このアプリはリリース前からSNSや芸能記事で話題になっていただから期待値も高かったのだけど、実際に開いてみたらU-know、つまりユノヒョンの写真やメッセージ動画が配信されるギャラリーや彼のスケジュールが細かく確認出来るスケジュール壁紙やスタンプ、それに何よりの目玉があって…「ちょっとだけ聞いてもらっても良い?」「…まあ、俺もチャンミンに聞いて欲しい事があって呼び出したし」「ありがとう」男の芸能人の熱いファンであっても受け入れてくれる友人に感謝しながら、アプリ内のとあるコンテンツを見せた「これなんだけど…」「ん?カトク?」「似ているけど違うよ、bubbleって言うんだ」ディスプレイに表示されているのはメッセージ画面まだアプリ内でアイコンを設定していない僕が『こんにちは』と送信して、U-knowからも挨拶が返ってきている「アプリ内だけのカトクみたいなものでU-knowとやり取り出来るんだ」「え、でもファンクラブ会員なんて沢山居るんだろ?U-knowがリアルタイムで返信してくるのか?そんなの流石に…影武者でもいなきゃ無理だよな?」「でも、確かにU-knowのアイコンで『こんにちは』って書いてあるし…」と本気で悩む友人が何だか純粋で笑ってしまったU-knowはスターだサイン会で一瞬の会話を交わす事が出来る事すら本当は有り得ないくらいの人気者「リアルタイム返信なんて流石に無理だよこれは、ある程度自動返信になるみたい挨拶や簡単な慣用句とか…メッセージのパターンが100以上有るらしくて、勿論全部U-know…ユノヒョンが考えてくれたんだって」「へえ…でも、自動返信ならそれはそれで虚しく無いか?U-knowが考えたメッセージとは言えAIの自動返信だなんて…」そう、きっとこんな反応が返ってくると思っていただから、僕は胸を張って言ったのだ現在僕達ファンが湧きに湧いているその理由を「それが、不定期で、だし誰に返信が来るかは全く分からないんだけど…ユノヒョン本人が見る時もあるし、彼からリアルタイムで返信される事も有るらしい」「え、普通にカトクみたいに?」「そう、それに、ユノヒョンからいっせいにファンにリアルタイムメッセージが送られる事も有るらしいSNSの発信と違ってファンクラブだけ、しかも一対一のトーク画面だから、何だかユノヒョンとの距離も近く感じるし…それで、今ファン同士でもSNSで盛り上がってるんだ」ひと息に話してから、ふう、と軽く深呼吸して友人を見たら「彼女よりもU-knowに夢中で彼女に嫉妬されたりしないのか?」と真剣な顔で言われた「…ええと…大丈夫だよU-knowの事は誰よりも熱心に応援しているファンだし、ユノヒョ…いや、恋人は恋人だからそれに、ファンとしての僕の事を理解してくれているんだ勿論だからと言ってその理解に胡座をかくつもりは無いし、恋人は僕なんかには物凄く物凄く、勿体無いひとだから頑張らなきゃって思うし…」「おお、そっか大学生活も問題無し、熱心に応援する推しが居て理解のある彼女も居て…なんて、チャンミンも勝ち組だな」その言葉に、迫って来ているレポート提出の事を思い出したつい、夢中になると勉強が疎かになってしまうから気を付けなければいけないでも、やはり今日は素晴らしい日だし新たなコンテンツを全力で楽しみたい「あれ?これ…チャンミン」「何?」「こっちがチャンミンから送ったメッセージだよな?何で名前が『ウノ』なんだ?」友人が指差したのは、アイコン未設定の僕の名前これには大きな理由があるのだ僕は、ファンとして認知されているサイン会で以前から『バンビに似ているからバンビ』とU-knowに呼ばれていただから、バンビという名前にすれば気付いてくれるかもしれないそれに…今なら本名でもだけど、今回は僕だと気付かれたく無いそしてその理由は友人には言えない「ウノ、は前に出演したドラマの役名だよそれで付けてみただけ」…で?ごめん、僕ばかり話をして恋愛相談って?」「うん、あのさ、実は…この間の学祭でミスの代表に選ばれた子から告白されたんだ」「…え?嘘、本当に?凄いじゃん!」恋愛相談だと言うから、てっきり片想いだとかどうやって告白したら…とかそういう事だと思っていた友人は僕の言葉に「凄いのかもしれないけど」と浮かばない様子「ずっと見ていたんだって告白されたんだだけど…」「好きでは無いの?勿論、どんなに綺麗な子でも好きじゃ無いなら即答出来ないだろうけど…」「違う!違うんだ好きなんだよ、俺も…だから嬉しいんだだけど…チャンミンの彼女も『自分には勿体無いひと』って言うような子なら分かってくれると思うんだけど…俺に彼氏が務まるのかなって悩んでる」真剣に僕を見る友人を見たら、彼が本気で悩んでいる事が分かるそれに、僕も…未だに悩まない訳では無い最初はただ嬉しくて夢のようで喜んだだけど、もしも僕の恋人が『彼』だと知られたら性別の事以外にも何より僕なんて釣り合わないと思われる事は想像に容易いそんな現実に時に少し切なくもなるだけど…「好きだって言ってくれているんだよね?その子にとって特別だって事だよね?」「…多分」「それに対して『彼氏が務まるのかな』って思うのは…彼女の告白や気持ちを無視しているようなものだと思うだって、彼女がどれだけモテていてライバルが例え何万人居たって…」「いや、流石に何万人は居ないよ芸能人じゃあ無いんだし」「あ、ええと…例えだから!」友人の言葉で、つい自分に置き換えてしまった事に気が付いたそれから、置き換えてしまった僕に関しては…何万人、どころか何十万人がライバルだと思ういや、そうでは無くて今は友人の話だ気を取り直して、こほんと乾咳をして向き合った「兎に角、誰が何を思ったって…お互いに好きでいるなら迷う事無いよだって、両想いなんだろ?」「告白されて俺も好きだから」「なら、他の誰かを気にする必要は無いよ彼女の気持ちよりも周りのライバルや評価を気にして迷うだなんて勿体無いし、きっと後悔する」友人に熱心に伝えたけれども、それでも彼は「チャンミンはモテる彼女と付き合う事になってどうしようかと思わなかったの?」と尋ねてきた勿論それは…今でもある元々ユノヒョンのファンだし今も大ファン多くの女性ファンが熱心に応援している事も、本当に付き合いたいと思うくらいの熱量のファンが居る事も知っているだから、ちゃんと隠さないとと思っているし本当に僕で良いのだろうかと思う事もあるだけど…「その、ふたりだけの秘密だから言えないけど…本当に僕の事を好きでいてくれて、SNSで僕専用のアカウントを作って連絡をして来てくれたんだ僕にとってライバルになるひと達に見つからないように他にも色々とあるよ、それもふたりだけの秘密だけど僕で良いのかなって思う事もしょっちゅうだ、でもそれ以上に僕にはあのひとしか居ないって思うし誰よりも好きだから」「チャンミン専用のアカウントで連絡?相当だな俺はまだそこまでじゃ無い、でももっと彼女を知りたいから…俺なんかが、とは思うけど正直な気持ちで向き合ってみようと思う」「うん、応援してるよ」漸く前向きになってくれた友人に頷いてぐっと拳を握った彼は気持ちが軽くなったと言って、早速その彼女へのメッセージを返信していた僕はと言えば、その横でユーザー名『ウノ』としてU-knowの新しいファンクラブコンテンツであるbubbleでメッセージを送ってみた「…読んでくれるのかなあでも…僕だって分からないように名前を変えたけど、そもそもファンクラブ会員も物凄く多いのに見つけ出せる訳も無いよねユノヒョンは忙しいんだから」ユノヒョンは僕の最愛の推し生き甲斐で日々を頑張れる原動力そして…秘密の恋人恋人としてはプライベートでカトクをしたり、たまにデートをしたりでも、僕はそもそもファンだだから、ファンクラブコンテンツのなかでは一ファンとしてこっそり楽しみたいと思って『チャンミン』でもユノヒョンが僕を呼ぶ『バンビ』でも無い、きっと他にも設定するひとが居るかもしれないユノヒョンの役名を選んでみたのだ「良し、彼女に『明日食事に行かないか』って誘ってみたよ」「明日告白の返事をするの?」「…うん、今日これから会おうかとも考えたけど、ちゃんと心の準備をしたいし格好付けたいから」想いを固めた友人は前向きだそれを見て上手く行くと良いなあと思いながら頷いていたら、スマホが震えて慌てて小さな機械を見下ろした「うわ!返事がきた!」「え?返事って…ああ、さっきのbubble…だっけ?」「うん、ほら見て?」カトクに似た、けれどもシンプルなトーク画面僕が『ウノ』の名前で送ったのは『最新アルバムのバラードがとても好きです夜眠る前に必ず聞いていて、あの曲を聴くと良い夢が見られる気がします』というもの直ぐに返ってきたのは…「『あの曲には俺の気持ちを込めて作詞も作曲もしたんだ聴いて欲しいと思って作って歌った曲だからとても嬉しい』これも自動返信なのか?凄いな、U-knowのファンクラブって…」友人が読み上げたメッセージも、僕の頭のなかでは勿論ユノヒョンの声で再生されている「実は、僕もさっきbubbleを使い出したばかりで詳しく無いんだSNSで他のファンの話を見ても…内容は有料コンテンツだから外に出してはいけないんだけど、皆『凄く良い、リアルだ』って言ってるみたい新作バラードは凄く評判が良いから、この回答もきっと登録されていたんだと思う」なんて、我ながら冷静に分析してしまった友人には夢が無いなあと笑われてしまったけれどもそうでは無いだって、決まっている100以上とも言われるメッセージだって、あらゆるパターンを想定して、ファンの望むものやファンから投げ掛けられるであろう質問や言葉に応じる事が出来るように、ユノヒョン自らスタッフ達とも相談しながら決めていったらしいからちなみにこれは、僕が個人的に手に入れた情報では無くて、芸能記事やユノヒョン本人がメディアやファンクラブに向けて語った内容だユノヒョンに聞けば、きっと色々な事を誰よりも早く教えてくれるだろう僕は彼の恋人だからでも…僕は誇りあるファンで居たいユノヒョンのプライベートは独占したいでも、ファンとしてはただただユノヒョンを…U-knowを讃えて応援して現場に足を運ぶ熱心なひとり、で在りたいだから、僕だけ先に知ろうとする事は止めた「一日に送信出来るメッセージには上限が有るんだだから大事にしたいけど…もう一通返事をしておこうかな」そうして僕はユノヒョン…いや、U-knowにメッセージを送信した名前も変えているし、言葉も…僕だとは分からないように、普通よりは少しばかり熱量の高そうなファンとしてそうして、顔も名前も変えても何時でも大好きなのだと気持ちを伝えたいユノヒョンには数えられないくらい多くのファンが居るでも、ファンが多ければユノヒョンにとっと少し悲しい気持ちになるファンも居るかもしれない僕には想像する事しか出来ないけれども…だからこそ、ただ愛しているファンが居る事を僕の出来る形で伝えたいのだ「本当に、U-knowの居る世界に生まれて来れた事だけで勝ち組だと思う」「…はは、うん…まあ彼女に呆れられないように」僕程の推しが居ない友人には分からないのだろうそれでも良いし、僕には推しが居るから幸せだしそれで良いしかも…「…っあ!」「え?どうした?」「あ、ううん、その…恋人、から連絡が来て…今日は仕事だったんだけど、遅くなる予定が早く終わったらしくて」「仕事…ああ年上だったなチャンミンが年上と、かあ…うん、確かに少しぼうっとしているからその方が似合うかも」スマホを覗き込もうとする友人からは流石に隠しただって、受信したメッセージはカトクで、相手はファンクラブアプリのbubbleでは無いプライベートのユノヒョンからのものだから少し前に連絡があって、このカフェに居る事を話の流れであまり深く考えずに教えていた頼んだアイスコーヒーのグラスに刺してあるストローが可愛らしいハートの形だったから、それを写真に収めて一緒に送っていたりもした「…え…うわ、僕行かなきゃ」「え、何?どうした?」「またメッセージが来て、ええと…近くまで来ているらしいから、行くよ」友人に手を合わせて「ごめん」と伝えたら、社会人と大学生なんて付き合いを続けるのも大変だろうから頑張ってと応援してくれた礼を告げてリュックを持って早足でカフェを出ただって…本当はもう、このカフェが入るビルの前に到着していると言われたのだ流石に、相手を伏せている友人の前でそれは言えないから黙っていたけれども、もう頬が緩んでしまう『今向かいます!今日は会えないと思っていたから嬉しいです』そう送信したら、スマホが震えて…もう返信が来たのかと思ったら、今度はまたbubbleからの通知だった『今夜はウノが素敵な夢を見られるように眠る前のバラードを歌おうと思う最後まで聴いてくれる?それとも、途中で寝ちゃうかな』なんてメッセージを見たら物凄くときめくのと共に、やはり自分の名前の方が良いなあと思った「でも、僕って分かる名前にしたら…万が一ユノヒョンが僕の名前を見付けてしまったら大変うん、この方がやっぱり良い」自分に言い聞かせるように呟いてから、頭のなかでbubbleのメッセージの『ウノ』を『チャンミン』に変えて反芻しながらビルの外に向かった「…!」プライベートのカトクで教えられた通り、ビルの傍のコインパーキングに向かったら、ユノヒョンの車が停まっていた運転席以外スモークが張られたその車は、ユノヒョンのものだと分からなければ何だか物凄く高級そうで近寄る事すら出来ないだろう「…ユノヒョン!…っあ、声出しちゃった…」「チャンミン、会いたかったよ大丈夫、ユノって名前は珍しく無いし、ちゃんとサングラスと帽子で変装しているから」運転席の窓の前に立ったら直ぐに目が合ったどうして?と思ったけれども、ユノヒョンからすれば僕がやって来る姿がしっかり見えていたのだろう運転席の窓を開けたユノヒョンはサングラスをしていてもオーラ抜群、物凄く格好良い顔で嬉しそうに笑った「ほら、乗って?今日の撮影は物凄く順調に終わったから後はもうオフだから…俺の部屋でチャンミンに癒して欲しい妹にもご両親にもちゃんと、俺からでも伝えるから…俺の部屋に泊まっていかない?」「え…泊まり…でも何も準備…明日必要な教科書とか…」「泊まりの準備なら、多分俺の部屋に何でもあるよ下着もパジャマになるものも洗面用具もただ、教科書は流石に無いからチャンミンの家に寄ろうそうだ、その時に俺から直接挨拶すれば良いんじゃないか?」サングラスのままでもキラキラのアイドルスマイルは健在もう、ユノヒョンの今日の仕事は終わったらしい何度乗っても慣れる事なんて無い助手席へと乗り込んだ「ユノヒョン、お仕事お疲れ様です」「…うん…疲れが飛んで行った」「本当ですか?嬉しいです」今のユノヒョンはプライベートだから…僕はファンだけど、恋人でもある今日はbubbleのU-knowから子守唄にバラードを歌ってもらえる予定になっていたのだけど…もしかしたら、本物のユノヒョンからも歌ってもらえるのかもしれないいや、そんな我儘な事を望んではいけないから…「ユノヒョン」「ん?」「最新アルバムのバラードが本当に好きなんです毎日毎日聴いているし、眠る前の定番にもなりました歌詞もメロディーも、ユノヒョンの切ない声も素晴らしくて…今、車のなかで流してもらっても良いですか?」プライベートなのに、結局ファンを全開にしてしまったでも、ユノヒョンだって僕が熱心なファンである事を知っているから、こんな事も言えるのだ「そんなに好きで居てもらえたら頑張って創った甲斐が有ったと思うよでも…流すだけで良いの?俺も口ずさむ事が出来るけど…」「…!じゃあ…アカペラで…ワンフレーズでも良いから聴きたいです」胸の前で手を組んでお願いします、と訴えたらユノヒョンは「バンビにお願いされたら断れないからな」と言ってサングラスを少しだけ下にずらして僕をじっと見てにやりと笑った「…格好良い…」「そう言ってくれるかなと思ってやってみたバンビの言葉だけで自信が持てるし頑張れるよ」バンビと呼ぶのはきっと、少し恥ずかしいからなんて、都合良く考えてみた車はゆっくりと動き出して、甘くて優しいユノヒョンのアカペラが僕の耳を優しく撫ぜるように包み込んでいく僕は何時も、U-knowとユノヒョンに力を貰っているだけど、ちっぽけな僕の応援の気持ちや行動が、例えほんの僅かでも彼の力になっているのなら、それはまるで奇跡のように幸せな事だと思うランキングに参加していますお話のやる気スイッチになるので足跡と応援のぽちっをお願いします 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      Switching! 65

      Side Y今まではこんな事考えた事無かったつまりは、付き合っている相手を我が家に連れて来るという事マンションの両親と俺、三人家族土日も仕事に出る不定休の父親と、土日が休みの母親は共働き決まってふたりとも仕事に出る曜日もあるけれども、彼女を部屋に招いて後で両親に揶揄われたり『次は紹介して』なんて言われる事が面倒だし…正直、俺自身が紹介したいと思う程夢中になる相手もこれまでは居なかった親から『今彼女は居るの?』と聞かれたらそれについては答えるけれども、思春期だし深くは聞いて欲しくは無いという気持ちが大きくて…きっと、両親も俺のそんな気持ちには気が付いていたのだと思うと言うか、気付いて欲しくて少しつっけんどんな態度を取っていたからチャンミンを連れて来たいと思っていたのは、一度目の付き合いの時からもう、最初から俺が一目惚れして付き合った事でチャンミンの存在は特別だったでも、その時は…両親がふたりとも居ない日に招いて、俺の部屋でゆっくり出来たら良いかな、なんて軽く考えていたチャンミンが男である事が分かって振って…そしてもう一度告白して元の関係に戻るまでに、日々多くの事を考えたそれらは考えたって答えの出ないものもあるし、考えるよりも行動しなければ分からない事だとか、誰かと比べても仕方無いと思える事もあったでも、ひとつだけ確かな事は、男だと分かっても尚好きな気持ちがあるし、以前よりも更にチャンミンの存在は俺のなかで大きくなって失う事なんてもう考えられないという事だからこそ、部屋に招くのなら親にも伝えておきたいし、親にチャンミンが何か悪い風には思われて欲しく無いと思った勿論、チャンミンにも俺の家族を…好きになってもらう必要は無いだろうけど、『またユノオッパの部屋に行きたい』と思ってもらえるように、良い印象を持って欲しいと思った男同士だとは…少なくとも今は両親にも言えないでも、チャンミンとは正々堂々と付き合っているだから隠れるような事はしたく無かった「まさかユノオッパの家に来れるだなんて思っていなくて…本当に緊張します」「…ごめん、何も言っていなくてその…驚かせたかったのもあるんだけど、先に部屋に来ないかと誘って断られたら切ないなあと思って後、緊張させたく無かったんだ」どきどきしなからチャンミンを俺のマンションに連れてきたエレベーターにふたりで乗って部屋の前までやって来たところで、そう言えばきちんと話していなかったと思い慌ててフォローしたチャンミンは小さく首を横に振って『大丈夫です』と言うように、少し緊張した面持ちで微笑んでいる「自然体のチャンミンで居て欲しくてぎりぎりで伝えたんだ…なんて、チャンミンからしたら急に俺の家に行く事になったら緊張するし大変だよな、ごめん」「いえ!緊張は物凄くしていますでも、今日はユノオッパとゆっくりふたりで話が出来たら良いなあと思っていたし…僕の部屋、はまだ無理だと分かってはいますが、家ならゆっくり出来るのになって思っていたんですだから連れてきてもらえて嬉しいです」チャンミンはそう言いながらも、右手を胸に当ててすう、と息を吸って吐いて緊張を解している様子「一応、家には母親が居て…『彼女を連れて来るかも』って言ってある俺の部屋に直ぐに入ったら誰も入って来ないしふたりきりになれるからあまり気にしなくて良いけど…挨拶だけしてもらっても良い?」「…挨拶…はい、分かりました!僕は本当は男だけど…息子に『彼女』が出来て家にやって来たらきっと心配だったり色々…考えると思うので」チャンミンは大きな決意でもするような目で俺をじっと見て頷くそんな所は何だか男らしいとも思うし、そんなチャンミンも可愛くて好きだ「ありがとう、チャンミン」「いえ、それに…」「それに?」「何でも無いです」はっと顔を上げて笑ったチャンミンは両手を広げて「おかしなところは無いですか?ちゃんと女の子に見えてますか?」なんて、誰よりも可愛いし…校内一のミスにはなれなかったけれども、三年生が毎年圧倒的に有利だと言われるコンテストで準ミスになるくらいなのに自信が無さそうにしている「問題は無いけど…でもやっぱり問題が有るかも」「え…何処ですか?リップ、もう一度塗った方が良いですか?それとも服…膝が見えない方が良かったですか?でも、スカートは伸ばせないし…」今度は両手でスカートの裾を押さえて下にぐっと引っ張るようにしている物凄く露出が高ければ親も驚くかもしれないけれども、メイクが薄くて控えめな美人であるチャンミンを見てそんな事は思われないだろう「違うよ、そうじゃ無い問題は俺にとってで…」「え…ユノオッパに問題なんですか?」マンションの廊下誰かが通り掛かるかもと思うとどきどきするとは言えそれなりに都会のなかにある大きなマンションで、近所付き合いのようなものも俺はほぼ無い誰かが通り掛かれば挨拶はするけど…『可愛い彼女』と一緒に居る姿を見られても惚気けていると思われても問題は無いそれくらい、チャンミンの事が好きだから「ユノオッパ?問題って…」俺を真っ直ぐに見て不安そうなチャンミンつい、こんな顔も可愛くて見たくなってしまうのだけど、やはり不安にさせるのは可哀想でもあるから、引き伸ばさない事にした一見大人しそうで儚げな雰囲気のチャンミンそんな彼の、けれども意志の強そうなしっかりとした眉毛を覆う前髪を指先で梳くようにして触れて笑いかけた「悪い事じゃ無いよただ、問題なのは…俺にとってチャンミンが可愛過ぎて大変だって事」「…びっくりしました…もしかしたら、ユノオッパのお母さんが僕みたいなタイプは嫌いなのかも、とか…ただでさえ少し不安なのに」「不安?そうだよな…幾ら俺が大丈夫だと言っても、きっとチャンミンは不安だと思うでも、昨日の夜もチャンミンの話をしていたんだ文化祭を一緒にまわった、とか…チャンミンから電話が掛かってきた時も丁度食事を終えたところだったから『彼女からだから』って言ったし」「…何か、お母様は言っていましたか?」「俺が夢中だと思ったみたいだよだから大丈夫よし、入ろう」何だか、時間が経つ度にチャンミンの顔に緊張の色が濃くなって来たから、背中を押して擦り、もう一度大丈夫だよと告げてから鍵を開けた「ただいま」結局、俺も緊張してしまったまず、普段は家の扉を開ける時に『ただいま』と言わないでも今日はチャンミンが居る初めから『ただいま、彼女を連れてきた』と言うかそれとも何も言わないでおいて母親のところに行ってからひと言挨拶をするかどちらが良いか考えていたら、どちらでも無い中途半端な帰宅の挨拶になってしまった「…お邪魔します」俺の後に続くようにチャンミンが扉を潜って、しっかり頭まで下げているまだ誰も見ていないのに「靴、そこに置いておいたら大丈夫だから」「はい、ありがとうございます」小さな、財布とスマホとリップが入っているだけの小さなバッグを持っているチャンミン勿論女性物だろうけど、シンプルな合皮のポシェットのようなデザインだから、本当は男であるチャンミンでも使い易そうだ俺はと言えば、チャンミンとふたりで部屋でゆっくりと籠る為に買い込んだジュースやお菓子の袋を持っている最初から今日は俺の家に誘うつもりでコンビニで買い物をした勿論、家にも飲み物やお菓子はあるだけど…先に用意をしておかなければ、母親が何度も『何か要る?』なんて覗いて来そうな気がしたのだ我ながら必死だと思う「と言うか、ホテルが通じ無かったな…」「…ユノオッパ?何か言いましたか?」「ん?何でも無いよ」靴を揃えてから立ち上がったチャンミンに笑顔を作った此処に向かう途中、まだ何処へ向かっているのかを明かさずにいたらチャンミンに目的地を当ててもらったら、彼はカラオケに行くのだと思ったと言った俺はと言えば『ふたりきりでゆっくり出来る場所』とヒントを出したから、もしかしたらラブホテルに向かうのだと思われてしまうかな、なんて思ったのだでも、『ホテルでは無いよ』と冗談めかして言ったら、チャンミンは何故旅行でも無いのにホテルが出てくるのかと不思議そうな顔をしていたから…そう言うホテルの存在をあまり知らないのかもしれない「いや、知らなくて良いしそれで良かったし…」チャンミンに聞こえないように声にならないくらいの声で呟いてから、リビングの扉の前で振り向いた「多分、母親がなかに居るから…挨拶だけして後は俺の部屋に行こう」「…はい」チャンミンはふうふうと息を吸って吐いて、緊張した様子で少し顔が赤い大丈夫だから、と伝えたら少しだけ引き攣った顔で笑ったそれを見ると、また俺も緊張してきただって、親に付き合っている相手を自ら紹介する日が来るとは思っていなかったから「…母さん?帰ったんだけど…」ノブに手を掛けて押し開けたら、リビングのソファに座る母親がこちらを振り向いた俺も後ろを振り向いたら、チャンミンと目が合って「挨拶しても良いですか?」と震える声で言われたから、慌てて俺から言うよと止めた「デートなのに早かったのねもしかして…朝話していた通り連れてきたの?」「…にやにやするなよ、そうだよ直ぐに部屋に行くけど、挨拶だけしておこうと思って」部屋に一歩足を踏み入れてから、後ろのチャンミンの腰に触れるか触れないか、くらいでそっと手を添えてエスコートするようにして右隣に並ばせたチャンミンは俺をちらりと見てから母親を見て…「…初めまして、シムチャンミンと申しますチョン先輩と同じ高校の二年生で…あの、お付き合いさせて頂いています何時も先輩にとてもお世話になっていて…それなのに、手土産も無しでごめんなさいもしもまたお邪魔出来る機会があればその時は…」「チャンミン!大丈夫!と言うか、俺が黙って此処まで連れてきたんだし、手土産とか必要無いから!」チャンミンの言葉に慌てて訂正したそんな事を気にするだなんて思わなかったし、母親もきっと気にしないだろうでも、もしかしたら気にするひとも居るかもしれないそれならば、恥ずかしいけど…俺が勝手に連れてきたのだと言っておかなければならない慌てる俺達を見た母親はくすくすと笑ってから「ユンホは黙って彼女を連れてきたの?今まで、彼女が居ても詳しく教えてくれた事なんて無かったし、誰の事も…少なくとも私達が知る限りは連れて来なかったのに、自ら紹介までしてくれるだなんて、本当にシムさんの事が好きなのね」なんて言った「母さん、もう黙って、恥ずかしいからそう、俺が勝手に連れて来たんだだからチャンミンは心の準備も出来ていなかったし、さっきも『お母様に失礼では無いですか?』なんて真面目に言っていたんだから兎に角、俺の部屋でゆっくりするから入って来ないで」「もう?母さんも可愛い彼女を見られて嬉しいのに…」「…また何時かゆっくり」なんて、勝手にそんな事を言ってしまったけれども、母親はチャンミンに「ゆっくりして行ってねとても丁寧に挨拶をしてくれて嬉しい」と言って手を振ってくれたチャンミンも物凄く深くお辞儀をしてありがとうございます、と緊張した様子で答えていた何だか、挨拶をするだけで俺までどっと疲れてしまったと言う事は、チャンミンなんて更に、だろう俺の部屋にふたりで入って鍵を掛けて荷物を置いて、そのままチャンミンをぎゅっと抱き締めた「…ユノオッパ?」「ファミレスの外でも抱き締めたし、キスもしたし…誰かが見ていたって好きだからこうして触れたいと思うでも、やっぱりふたりきりだと周りに気を遣ったりしなくて良いから嬉しい俺の部屋にチャンミンが居るだなんてどきどきするよ」「…僕も…ユノオッパは、今までユナ先輩とか…他にも、付き合った彼女を部屋に連れて来ていたのかなって思っていたんですそんなの当たり前だと思うし嫉妬してはいけないけど、でももっと早くに出会えたらなって思っていましただから…僕が初めてだって聞いて嬉しいです」「…チャンミン…」勿論そうだよ、チャンミンしか連れて来たいと思った事は無いそう言おうとしたら、彼は少し眉を下げて「お母様が知らないだけで、本当は誰か女の子をこの部屋に連れてきた事も有りますか?」と、俺の胸に手を置いて首を傾げるこんな時、『そうだったらどうする?』と言いたくなってしまうでも、そうしたらチャンミンはきっと泣きそうになってしまうだろうそんな顔も可愛いけど、ちゃんと誤解無くこの関係を大切に進めていきたい「誰も居ないよ男友達なら有るけど…チャンミンは性別なんて関係無く、俺の好きな…特別なひとだ恋人も好きになったひとも全部含めて、チャンミンだけだよ親に紹介したいと思ったのは」「……」「信じてくれる?」細い腰を抱いて顔を覗き込んだら、チャンミンは小さく頷いて「ユノ先輩を信じます」と言った「…先輩、はわざと?」「…はいでも、たまに先輩って呼ぶのもどきどきするって気付いたから…キスをしたいから、だけじゃ無いです」「ふうんでも、先輩って呼んだらどうするんだっけ?」「…目を瞑ってください」チャンミンの顔がゆっくり近付いてきた目を瞑るのは勿体無い気もするけれど、開けたままではチャンミンが恥ずかしがってしまいそうだからゆっくりと瞼を閉じてそっと押し当てられる甘い唇の感触を確かめたランキングに参加していますお話のやる気スイッチになるので足跡と応援のぽちっをお願いします 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  • 08Aug
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      咎送り 25

      Side C僕の父も現在の僕と同じ歳の頃に隣領地へと向かい、僕と同じような事を経験したと聞いている祖父が領主として土地を治めていた時代、彼の悪政により民は貧困に見舞われてしまった当時の次期領主である父は金銭的な支援を受ける為に人質として豊かな隣領地へと遣わされたのだあまり当時の事は詳しくは聞いていないし、父も語ろうとはしないけれども、今の僕と比べるときっと苦労をしたのだろうと思う尊敬する優しい父が当時の領主に身体を差し出す事で我が領地への支援を受けて、民の生活を守ったそれを僕は誇りに思っていたし、だからこそ僕も同じように見ず知らずの男に身体を差し出すという使命を受け入れる事が出来た人質のように隣領地に遣わされて、領主に抱かれたけれどもそれはたった一度きりしかも、それすら僕が望まないなら必要無いし、抱かなくとも支援はするつもりなのだと言われたけれども、多額の金銭的支援を受けるのにその条件のひとつだったものが必要無いだなんて…そんな甘い話なんて無い事は次期領主としてそれなりにぬくぬく育てられて来た僕でも分かっていた何よりやはり父だって通って来た道だから、と自ら身体を差し出した一度きり、領主に抱かれただけで安定した支援を豊かな隣領地から受ける事が出来て…更に、僕は領主直々に帝王学を学び、丁重に客人として饗され領主一家と共に食卓を囲み隣の土地で過ごしているもしも何も深く考えないのであれば、故郷を離れて一度男に抱かれただけで全て上手く行くだなんてとても良い話実際に僕が『他に何かしなくても良いのですか』と尋ねても、旦那様、つまりユンホの父である隣の領主からは『気にするな支援はしっかり継続させるし安心しなさい』と言われるばかりならばそれを信じるべきで疑うべきでは無いのかもしれないけれども、ずっと違和感があった僕を抱いた隣の領主は僕を前にして『父上と似ている』と、何度も何度も、まるで懐かしむように口にした僕が隣領地に遣わされた最初の頃はしきりに『父上は元気か』だとか『変わりは無いか』とも聞かれた事を覚えている昔、父も隣領地に行っていたから…ただそれだけだと思っていたけれども、父と似ているのだという僕を見るその目が何時も、とても優しく暖かい気がしていたそして、それを僕は、自分自身が彼に気に入られたから、なんていう風には思えなかったユンホの父、旦那様はいつも僕の向こう側に『誰か』を見ているそんな気がしていた彼はユンホと僕が肉体関係を持った事も直ぐに気が付いていた次期領主同士がどちらかの部屋に籠り爛れた関係に、だなんて咎められても当たり前だけど、止めろとは直接的にも間接的にも言われなかった幾ら位の高い男が自らよりも『下』とみなす男を抱く事があるとは言っても…静観して好きにさせる事は『立派な領主様』としては違和感があった僕が一旦、こうして故郷の土地に帰る事になったのも隣の領主の計らいだったその時も彼は現領主である僕の事を気にかけていて父上に宜しく、と言われたそして、『必ず父上に手渡すように』と手紙を渡された僕とユンホに付き添う、信頼出来る遣いのものに手紙を渡せば良いのに、わざわざ僕に頼む事も違和感だった隣領地へと遣わされてから少しづつ積み重ねられてきた僕のなかの違和感は、ユンホと共に僕の呼吸へと一時的な帰還をして、そして…僕が手渡した隣の領主から父に宛てられた手紙、に対する父から隣の領主への手紙を…いけないと分かっていても開いてしまった事で確信へと変わったいや、本当はもう手紙を開かなくともこの地に戻ってきてから分かっていた隣の土地から一時的に帰還した僕を見ても、父は大して心配した様子も見せなかったから興味が無いという様子では無くて、まるで、そもそも心配する必要など無かった、とでもいう反応つまり、それだけ隣の領地の事を、引いてはその主の事を信頼しているという事に他ならないと思ったのだそして、母がユンホを見て何気無く『隣の領主様に似ている』と言っただけで父は動揺していたそれはきっと、違和感を感じている僕だから気付いた事だったのかもしれないけれどもそんな小さな出来事達は、手紙を開くまでも無く僕に確信に近い物を与えたし…手紙には必ず違和感の『答え』が書かれていると思って開いたのだとは言え、開けてはならない手紙を開く時に誤算だったのは、僕はユンホと常に一緒でひとりになる隙がなかなか無い事彼が風呂に入っている間に手紙を開いたのだけど、実際に目にしたら衝撃で固まってしまった丁度風呂から帰ってきたユンホに結局知られてしまったユンホに相談せずに手紙を開いたのは僕の父が書いた手紙だからでも、ひとりでは俄には受け入れ難い父親達の過去…いや、現在も尚続いているらしい秘め事をユンホと共有出来る事は良かったのかもしれない「チャンミン?此処は右?左?」「え…っあ、悪い、ぼうっとしてた」左肩を掴まれてはっと立ち止まった手紙を開いた事で父親達が愛し合っているらしい事実をこの目で確認した翌日、ユンホに僕の故郷を見せる為にふたりで屋敷の外へと出て来た「此処は右だ…行こう」「心此処に在らずのようだったが、何か考えていたんじゃあ無いのか?もう何度も名前を呼んだのに…知らないだろ?」石畳の道、突き当たりを右に曲がり歩き出した肩に置かれた手はもう離れたけれども、また声を掛けられた「何も、別に…」「嘘だ、昨夜の事だろ?俺だって考えているし隠す事なんて無い」「…うん」周りを見渡したけれども、大通りから脇に伸びる細道に入ってきたからか、辺りにひとは居ない隠しても仕方無い、あの手紙はもうふたりで見たのだから誰にも聞かれない場所だから、頷いた「なあ、チャンミン父親達は何を考えているのだと思う?」「…分からないだけど…父上は旦那様へと向けた手紙に『僕も愛している』と書いていて…つまり、旦那様も父上を愛しているという事…だろ?」「そうだろうな俺は父上に似ていると言われるし、チャンミンも同じく似ていると言われていて…」昨日、手紙を読んでしまった後にユンホに抱かれたふたりで言葉にならないような思いをぶつけ合うようにして激しく抱き合ったユンホは何度も僕に『チャンミンを愛している』そう言ったし、僕も『ユンホを愛している』そう答えた僕達は誰に何を言われた訳でも影響を受けた訳でも無く惹かれ合ったそして禁忌と分かっていながら互いへの想いを深めているけれどもそれがまるで、父親同士が通ってきた道をなぞっているだけ、のように感じてしまったそれを、昨夜眠る前にも話していた「手紙に書かれていた、父親同士が進めているらしい『計画』とは一体何なのだろう」ユンホは口にしてはならない言葉を口にするように…辺りに誰も居ない事を確認した上で、慎重に口にした僕も、目を通した手紙のなかでそれがとても気になっている同性愛は禁忌、それなのに今も尚愛し合っているらしい領主達彼らが誰にも見せない手紙のなかで伝え合われていたのは、彼らの計画が順調に進んでいる、という事「旦那様は、もしかしたら端から…僕が人質になるだとか、抱かれるだとかそんな交換条件なんて無くとも、父上が治める我が領地に大きな支援をするつもりだったのかな愛しているから助けたい…とか」ユンホの父が僕を見る目僕の父がユンホを見る目それはどちらも、息子達の向こうに誰かを懐かしむような目だその『誰か』はきっと…いや、確実に僕達の父親なのだろう想像はしていたけれども、はっきりと文字で目の当たりにすると衝撃は大きいでも、きっとユンホもそれは同じそう思うと重苦しい気持ちも軽くなる「愛しているから助けたい…か俺も、チャンミンを愛しているから分かるよでも…何も見返り無しに隣領地に支援をすれば、我が領地の民や貴族は反発するだろう彼らを納得させられる理由があれば別だが…だから、次期領主であるチャンミンを人質のように迎え入れる事で民を納得させようと思ったのかもしれないな」「……」「それが『計画』実際に支援は始まっているし、この後もまだ継続されるらしいだから『順調に進んでいる』…こういう事では無いのか?」僕達の倍は生きている父親達領主としての責任は大きく、そして重い見ている世界も僕らとは全く違うのだろうだからこそ…「僕も、そうなのかなとは思ったでも…そうだとすれば、あまりにも単純であるような気がして…領主なのに」考えてもきっと、父親達の真意なんて分かる筈も無いと思うのだそもそも、僕達はふたりがどのように過去から今まで愛を育んでいるのかも知らないからユンホを見たら、彼は僕の言葉に肩を竦めて首を傾げた「領主であろうが何であろうが、恋に溺れたり好きな相手を助けたい、守りたいと思えば必死になるのでは無いか?俺だって…もしも将来、領主になったチャンミンが困っていたら何をしてでも助けたい」「…ユノ、でも僕は…」本当はもう、領主になんてなりたく無い多くの民と土地を背負うよりも、全てを捨ててただユンホの傍に居たい後者は思っているだけで言葉には出来ないけれども、来て欲しく無い未来の話よりも今ユノと居る時を大切にしたいそう言おうとしたら、彼の言葉に先を越された「でも…俺は、今チャンミンを守りたいし助けたい離れて見守るだなんて…会えずに気持ちだけを育むだなんて、俺には耐えられない」「…ユノ…」「チャンミンは?」「僕もそうだでも、父上達は自らの使命を果たしながら愛し合っているんだよね?そんなの、僕は自分では想像出来ないし…したくも無い」気分を変えよう、と外に誘ったのは僕ユンホがこの、僕の故郷に居られるのももう後僅か少しでも、僕が生まれ育って…ユンホと出会い恋をするまでは、一番愛していたこの土地をユンホにも目に焼き付けて欲しかったからでも、今は外に繰り出さなければ良かったと思っている僕の部屋でふたりきりで抱き締め合って、愛を囁きながら身体中全てユンホだけで満たしていれば良かった僕はこんなにも自分が身勝手だと知らなかったユンホは、まるで僕の心の内に気付いたように背中に触れたシャツ越しに背中を擦られて、それだけで心が軽くなる腰を抱いたり抱き寄せられたりしないのは、この土地では僕が二番目に位が高いから気を遣ってくれているのかもしれないそんな事よりも、もう抱き締めて欲しいのが僕の今の本音なのに「兎に角、俺達と父親達は全く違うという事だ惹かれ合うのが同じだとしても、ただそれだけだ」「…うん」「気にするな、チャンミンきっと計画、は俺達が思っている通りだよ父上達も愛し合っているのであれば俺達を咎める事など出来ないだろう俺の領地に帰ったら、もう数日は部屋から出られないくらい抱きたいよ」熱い視線と言葉それだけで、僕はユンホのものなのだと感じられて心が落ち着く僕が隣領地に遣わされた事で、普段は大きく交わる事の無いふたつの土地の領主達は文を交わして連絡を取る理由が出来る息子は無事か、どのように過ごしているか支援についてはどのようになっいるか理由はきっと、幾らでもある手紙を見る限り、今でも愛し合っている、という領主達彼らはけれども、禁忌である同性愛を隠したまま互いに結婚をして領主としての責任を果たしているそれなら、僕達は?「ユンホと僕も、何れ父上達のようになるのか?春になって…今のような一時的な帰還では無くて本当にこの故郷に僕が戻る事になるその頃にはきっとユンホの結婚相手も決まるだろう僕達は領主になって…それでも、会えなくてもお互いを想い続ける?僕にはそんなの…っ、…あ…っユンホ、離して…」「…離せない、今は誰も見ていないし…もしも見られても、隣領地の我儘で横柄な次期領主が優しく真面目なチャンミン様を手篭めにしようとしている、とでも思われるだけだ」狭い路地で抱き締められて、左の耳元で低く囁かれたそれだけで、昨夜抱かれた事を思い出して身体の芯から熱くなる腰が、いや、自分ひとりでは届かない奥がぞくぞくする「手紙を読むまでは、チャンミンはこの地の次期領主だから…俺が従えているように見える行動は止めようと思っていたんだだけど…もうどうでも良い」「え…」どうでも良い、だなんてまるで僕の存在を否定されたようで、今度は一気に身体が冷えた抱き竦められているけれど、身を捩って逞しい胸を手で押し返して睨んだ「巫山戯るな、どうでも良いとか…」けれども、ユンホは何にも動じていないような顔で僕を真っ直ぐに見て、そのまま静かに言い放った「チャンミンは、父達のようになりたいか?」「…そんなの…嫌だ、気が狂ってしまうユンホが誰かと結婚して、会う事も簡単に出来ないだなんて…それに、もしも互いにこどもが出来てもそのこども達を自分達と同じように出会わせたりだなんて…」それ以上はもう辛くて、言葉にも出来なくてぐっと拳を握った僕は多分、そんな事には耐えられないユンホが僕のこどもを抱くだなんて…性別も年齢も関係無く、自分以外の誰かを抱くだなんて…「嫌だ、ユンホしか考えられないのに…」自分から離れたのに、もう一度手を伸ばしてユンホの腕をシャツの上から掴んだそれを見下ろして、僕がたったひとり愛する男はにやりと微笑んだ「ならば、もう何も気にする事は無い」「…ユンホ?」「俺達が離れればもう、互いに領主になる為に時間は過ぎていくだけだそうすれば簡単に会う事は叶わない、そうだよな?」頷いたら、彼は「それなら…」と続けた「チャンミンは俺を選ぶ覚悟は有るか?」「覚悟…」「そう、俺達が自分達の想いを優先させるならば、それは自分の立場を捨てる事に繋がるまだ、どうすればずっと一緒に居られるかは分からないだけど…今はまた直ぐに一緒に俺の土地に戻る事が出来るでも、チャンミンが次の春に俺の土地を出てこの土地に戻ってきたら…もう俺達は二度と会えないかもしれない」領主達は、その地に留まる事で彼らの領地と民を守り治めるだから、僕達に自由が有るのも今の内だけ、なのだ「…なら、どうすれば良い?ユンホと離れたくなんて…」「それをこれから考えよう、だけど…」「だけど?」真正面から対峙して、ユンホの腕を掴んだまま彼を見上げていたら、その手が動いて腰を抱き寄せられた「…っあ…」また、ユンホの顔が近付いてきて、唇が触れる直前の距離で彼は小さく、けれどもはっきりと囁いた「父上達が出来なかった事をするんだ」「え…」「チャンミンの父は、若い頃に我が領地にやって来て、俺の父上と出会い惹かれ合ったのだろう?それしかふたりが会う事なんて無かったのだろうから」「…うん、多分…」「けれども、愛し合ったままふたりは互いの場所へと戻り、領主になったそうして会えないまま愛し合っているのだと言うけれども、俺もチャンミンもそんな事には耐えられないこうして触れられないだなんてまるで拷問だそうだよな?」真剣な瞳から視線を逸らす事が出来なくて、ただ必死で頷いただってもう、ユンホが居ない人生なんて考えられないそして、父のようになんて僕にはなれないそれが次期領主失格だと言われてもユンホも僕の目を見て、まるで分かったと言うように頷いた「俺と一緒に我が領地に帰ったらもう、二度とチャンミンの事は此処には返さない」「え…」「それしか、俺達が共に居る未来なんて無い」「だけど、そんな事が許される訳……っ…ユンホ、誰かが…」足音が遠くから聞こえて、慌てて身を捩ったユンホは振り返って、それからまた僕を見て一度だけキスをしたゆっくりと身体を離して…「だから、チャンミンが次に此処に戻って来る春までに考えよう俺達が父上達のようにならない未来を後は…」言い淀んだユンホは、つい一瞬前までの自信に満ち溢れたような不遜な表情から、どこか不安げな表情に変わった足音はそれ以上近付いて来る事が無かったから、きっと別の道を通っただけなのだろう「ユンホ?」何を言わんとしているのか、俯く彼を見ても分からなくて少しだけ覗き込んだら、もう一度抱き竦められた「後は、もうひとつ、春までに考えるんだ」「…何を…」「チャンミンが…それとも俺なのか…互いの土地や民、それらの未来よりも『たったひとり』を選べるのか、という事を」「…あ…」分かってはいた僕達が共に居るにはそれしか無い事をだけど、例え僕が我が領地にはもう帰らない、と言い張ったところでそんな事は簡単に許される問題では無いそして、その選択すら、次期領主として育てられてきた僕には、そしてきっとユンホにも…思っている以上に難しい事なのだ一番簡単で正しいのは、生まれ落ちた時から決まっている道を歩み領主になる事でも、簡単で正しいと分かっているのに、その道を選びたく無いユンホと離れるだなんて考えられない「もっと、僕を愛して欲しい、そうすれば僕はユンホだけを…」こんな風に頭のなかでぐるぐると考えて迷う事なんて無いから例え何時か何かを後悔する事になっても何を犠牲にしてもそれでもユンホを選ぶ、と思えるから自分がとても狡い事を言っていると分かっているだけど、背負うものが大きくて…「チャンミン」「…うん…っあ……」また、耳元に熱い吐息が掛かって肩を竦めたユンホはくすりと笑って、そして囁いた「父上達は禁忌を犯している、今も尚そして、自分達に似ている息子達を出会わせて…まるで俺達は、彼らの過去をなぞらえているようだ」「…それでも僕は自分でユンホを…」「そうだ、勿論俺も、だから…俺達は父上達のようにはならない父上達が仕向けたのだから俺達は何も悪く無い惹かれ合うのはきっと運命だったんだ、だから…俺から離れないでくれ」出会った頃と同じく、不遜な言葉だけど、ゆっくりと身体を離してユンホの顔を見たら…僕と同じように不安に包まれた顔をしていたから、自分に、そしてユンホに言い聞かせるように「離れたくなんて無い」そう囁いたランキングに参加していますお話のやる気スイッチになるので足跡と応援のぽちっをお願いします 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  • 07Aug
    • 更新についての画像

      更新について

      おはようございます昨日は私の個人的な節目の…しかもとても中途半端な、というものにお時間を割いてコメントだったりをしてくださった方も複数でとても有難かったです。最近しょっちゅう書いていますが、ブログを書いている事で同じ気持ちの方、ユノとチャンミンをお好きな方と交流出来る事が嬉しいので、折角お時間を割いてお声掛けくださっているのにお返事が間に合わずに出来ていない事が心苦しくて…なので、このように纏めてお礼をお伝えするのも同じく心苦しいのですが、何時も全てのメッセージやコメントを何度も何度も繰り返し拝読しています。お返事は間に合わなくても勝手に心のなかでお返事をしていたり、コメントだけで無くて、足跡だけでも何時も残してくださる方は覚えているし、それだけで繋がっているようでとても嬉しいです以前は全てお返事が出来ていたので、またそう出来たら良いなあと思うので、もっと上手く時間を回せたら良いなあと思っています。(勿論返事はどうでも良いよ、という方もいらっしゃるかとは思いますが…)と言う、同じような事を何度も書いて申し訳ございません同じような…繋がりですが、本題とは別にお知らせさせて頂きます。こちらも何度も繰り返しブログ上で記載していますがアメンバー申請は、申請ボタンを押すのみでは私の方で承認が出来ません折角申請して頂いても承認出来ない方が多くいらっしゃいます。心当たりのある方は「アメンバー申請について」という記事を御一読の上、連絡をお願い致します。また、先日、Twitterの鍵アカウントについても書いたのですが、こちらもアメンバー同様に「フォローする」を押した状態のフォロー申請のみでは承認が出来ません。多分お知らせを見てフォローボタンを押してくださったのかな?という方が多数いらっしゃるのですが、記事にも記載した通りダイレクトメッセージにて私宛に連絡をして頂かないとフォローの承認が出来ないですこちらも心当たりのある方はお手隙の際に連絡頂ければと思います。以下本題です先程の更新「初恋の行く先」はお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、このブログを開設した時には初めて書いたホミンのお話「初恋のゆく先」の完全リメイク版、です。「初恋のゆく先」は、拙いなんてものでは無いくらい文章も構成も色々も………というお話なので、取り下げていました。それでも「好きです」と言ってくださる方も複数いらっしゃってとても有難いです有難いですが、載せておくには自分で許せない色々、なので取り下げたまま、もう無くしてしまおうと思っていました。なのですが…現在、先日のキリ番からのリクエストと、その前にもらっているリクエストがあって、リクエストの順にお話を更新しようと思っています。その、先にいただいているリクエストが「初恋のゆく先」についての物だった為、リクエストのお話を更新するにあたって本当に一からまた新たに書いて残しておこうと思いました。以前のお話は本当に色々下手くそなのに(今書いている物でも勿論物凄く拙いので以前のものは自分では言葉に出来ないくらいで…)好きだと言ってくださる方もいらっしゃいます。ホミンでお話を書くには色々ルールがあるのかな?と分からないまま書いていたものなので、下手くそなりに思い出深いものではあるのですが、今回は以前とは雰囲気ががらっと変わると思うので…もしも、ですが、以前のものをご存知の方でお話の印象が変わる事を良く無いと思われたら申し訳無いです。同じタイトルで、リメイクですが…また新たに大切に書いて残しておこうと思うので、お付き合い頂けたら嬉しいです。以前の物は知らないよ、という方は勿論全く問題ございません。普通のお話で長くも無いのでお付き合い頂けたら嬉しいですいつもいつも、言葉は難しいなあと思っています短く簡潔に思う事が誤解なく皆様に伝われば…と思うのですが、その力量も無いので、何を書いても長くなるしお話以外そもそも必要無いよ、という方もいらっしゃるかと思います。読んでくださる方がいる場所なので自分の考えや思う事、お話に関しても同様の事が少しでも伝われば良いなあと自己満足ですが思っています。今回のような、加筆修正でも訂正でも無くて完全にセルフリメイク、というのは初めてなので、以前のものをご存知の方が読んでくださるのか、とか大丈夫なのかな、とか色々と不安なのですが…何はともあれ自分にとっては下手くそでも大切なお話なので、残した上でリクエストに取りかかれたら良いなあと思っていますなんて、私以外にはどうでも良いかもしれない色々まで読んでくださった方がいらっしゃれば感謝致します。こちらは、梅雨明けして一気に真夏のような日が増えました天候の事やコロナ禍でのあれこれ、東方神起の事についても色々あるのですっきりしない日が続いているかと思いますが、皆様が心身の健康を第一に夏を乗り越えていけたら…と願っていますなので、今日もいつも通り、ホミンちゃんとこのお部屋を訪れてくださる皆様が笑顔で健康でありますように…幸せホミンちゃんにぽちっ♡ ↓にほんブログ村

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      初恋の行く先 前編

      昔から、ユノヒョンじゃ無きゃ駄目だった訳では無いヒョンと呼べるひとは何人も居たし、ユノヒョンと僕は性格も考え方も、何もかもが違ったから傍に居ると時にもどかしくて苛立つ事もあった二歳の年の差は、出会った頃の方が大きくは感じなかったでも、一緒に活動をする内に、二歳しか変わらない筈なのにあまりにも遠くて、僕がどれだけ頑張ってもこのひとのようにはなれないのだと打ちのめされたような気持ちが膨らんだ他のヒョンと居た頃は反発心ばかりが大きかった敵わないと分かっても尚それを悟られる事が悔しくて、ちっぽけな自尊心を守る為に反抗していたそれでも何時も、ユノヒョンは一番年下なのに可愛げの無い僕を気にかけてくれていた何故そんな風に優しく居られるのかが僕には分からなくて本当は僕だって、彼のように優しくなりたいのにそうなれない事が余計に苦しくて、今思えば思春期の延長だったのかもしれない優しい兄であるユノヒョンと、優しい彼に反抗ばかりする悪い弟、の僕そんな僕達の関係が少し変わったのはふたりきりになってから僕は否が応にもおとなになってユノヒョンと一緒にグループを守らなければならなくなったひとつ屋根の下、宿舎で共同生活も行っていたもしも僕達が仲違いをしてももう、以前のように間に入ってくれるヒョン達も居なくなったそうして新しい僕達として活動、生活する内に、ユノヒョンに対してこどもっぽい反抗心を抱く事も少なくなって…そうしたら、これまで外には出さないように我慢していたヒョンへの憧れや感謝の気持ちを表に出せるようになったそう、僕達の関係はふたりだけのグループになってからは以前と比べてとても良いものになったし…これからは、僕だけがユノヒョンの特別な弟で居られるのだと思っていたこれは、二十四歳だった僕の遅い初恋の話だ彼女、と言うかガールフレンドと言える相手が居た事はお互いにあるただ、それをお互いに自慢し合ったり『こんな事を話している』『こんなデートをしている』なんて言い合う事は無かったアイドルとしてデビューしたから、公には出来ないし…仕事の一環として聞かれて話のねたのように『こんな事も有りました』と話すならまだしも、真実に尾びれがついたように噂が広まると困るからユノヒョンとふたりになってから、暗黙の了解のようにお互いに守っている事があるつまりは、当分は特別なガールフレンドは作らない、という事実際、それどころでは無かったし、グループの信頼を取り戻してファンや関係者に変わらない姿…いや、むしろ進化した新しい姿を見せなければこの先は無いだろうと思っていた僕は以前にもましてユノヒョンに着いていくだけで精一杯だから誰か女の子と…とはどちらにしろ考えられなかったでも、ユノヒョンは年上だしダンスの実力があるし、僕とふたりだけでは物足りないのかもと思うようになった本当は、男として溜まるものを何処かで発散したいのでは無いかと感じるようになったそんな風に感じる理由は幾つかあったのだけど、そのなかでも何よりも大きいのは男だからこそ分かる事、だ「お疲れ様でした」「また宜しくお願いします」楽屋まで送ってきてくれた番組スタッフに扉の前で挨拶をしたそれから、マネージャーには着替えた後で、と伝えてユノヒョンとふたりで楽屋に足を踏み入れた「チャンミナ収録が続いているけど、身体は問題無いか?」「…それって、今日僕が後半ワンテンポ遅れていたからですか?」心配してくれているのだと分かっているでも、素直にありがとう、だとか大丈夫ですと言えなくて視線を逸らしたら、ユノヒョンの手がにゅっと伸びて鼻を摘まれた「…っん、ちょっと!ユノヒョン!」「それはそれで…チャンミナも自分で分かっていたし、次のテイクでは問題が無かったから…俺が嫌味を言っているとでも思ってるのか?」「…そんなんじゃ…ただ、ユノヒョンの足を引っ張っているようでもどかしくて…調子は問題無いです今日はもう、これで仕事も終わりだし疲れは寝れば回復します」鍛えてはいるし、筋肉量は以前よりも増えてきたと思うだけど、スタミナがユノヒョンには全く敵わないそれがもどかしくて、以前は苛々する事もあったけど…今は、何よりも自分の力が及ばない事、ユノヒョンに追い付けない事が切ない言葉ではなかなか言えないだけど、ユノヒョンを信頼して尊敬している十代の頃は…いや、つい一年程前までは反発心も大きかったけれども、優しい兄のようなひとの事が今は好きだ今の僕がだよりも頼れるひとで、誰よりも近くに居るひとだから同じ夢を追い掛けるひとだから「本当に大丈夫か?チャンミナはたまに無理をするから…」「それは、ユノヒョンもですよね?」「まあ…でも、心配なんだよ……ほら、チャンミナは俺にとって弟のようなものだから」なんて、少し気恥ずかしそうに言う純粋な兄こうして僕の事だけを見ていて欲しい僕達はもう、たったふたりだけだから「本当に大丈夫です明日はもっと良くなるように頑張ります」「そうか、じゃあシャワーを浴びようマネージャーを待たせているから」「はい」楽屋に備え付けのシャワーブースはふたつある隣合ったブースに入って、壁を隔てた向こう側からもシャワーの水温が聞こえてきたのを聞いて安心するひとりでは無いのだとそれと共に気になる事もあって…「…聞こえないかな」少しだけ、水圧を弱めて壁の傍に立ってみた壁の向こう側から聞こえるのは水温だけもしも何か、があっても聞こえないに決まっているだけど気になってしまうのだ「あれ?入るのも出るのも同時だったな」長めの前髪から雫を垂らして、スウェットの上下を着たユノヒョンが笑う彼に見付からないようにその身体をちらりと見たら、シャワーブースのなかではきっと、何も無かったであろう事が分かった「…別に、もう少しゆっくりしても良かったのに…もしかして、今日は少し早く終わったから、誰かと何か予定でもあるんですか?」「え…予定?どうして…」何の事だか分からないと言った顔それを、素直に信じられる時もあるだけどこの日は…ついさっき、音楽番組の収録で女性アイドルグループのメンバーひとりがやたらとユノヒョンに近かったヒョンがモテる事は勿論知っているでも、その彼女はスタッフや別の出演者達の前でも気にする様子も無くユノヒョンに密着するくらいの距離で話し掛けていたカメラが回る前には連絡先を交換しているのも見てしまった「ユノヒョン、それ…このままで楽屋を出るつもりですか?」「え……あ、悪い、シャワーで冷やしたんだけど少し気が高ぶっているのかも」男同士だし、生理現象のようなものでたまに有る事だと分かっている特に、今はまだふたりきりになってから日が浅いリーダーであるユノヒョンは仕事の時は気が張っている所為か…それとも本番になると気が昂るからか、こうして楽屋に戻ると前が少しばかり張り詰めている事も時折有る事だ普段ならば、それでもこんなに気にしなかったかもしれないでも今日は、普段よりも少し早く仕事が終わったもしかしたら、さっき連絡先を交換していたアイドルグループの女性メンバーと会うのかもしれない彼女に抜いてもらって…そうしたらもう、ユノヒョンは僕だけのヒョンでは無くなって誰かのものになってしまうかもしれないだってそうだユノヒョンはモテる出来のあまり良くない弟とふたりきりになってしまって、今は以前にも増して気が張り詰めているだろう暗黙の了解で特定の相手は作らない、なんて言っていても、ヒョンだって癒しが欲しいのであろう事は当たり前「チャンミナ、少し待っていてもらえるか?流石に指摘されたら気になるし、もう一度シャワーで…」「ユノヒョン!」「え…何?」何故こんなにも切羽詰まってしまったのか分からないだけどきっと、僕のなかでも張り詰めていたものがあったのだ今ユノヒョンを失えばもう、僕には何も残らないと思った優しい兄を誰にも取られたく無いと思った「チャンミナ?何を…」掴んだユノヒョンの手は、大きくて熱い手を握った形になってしまったから、手首を掴み直した「僕が抜いてあげるよ」「…は?」もう、考えるよりも先に言葉が出たユノヒョンは切れ長の目を見開いて僕をじっと見ているその視線に耐えられる気がしなかったから、俯いて膨らんだ中心を見下ろした「今日だって、収録前後に誘われていたみたいだしユノヒョンも女性の方が良いだろうけど…今、もしも誰かと噂でも出たら大変だから」「チャンミナ、何を…」「ほら、僕の手って男にしては小さいしユノヒョンは手を瞑っているだけで良いし、相手は女性だと思えば良いよ」「…っおい!」そんなつもりでは無かったでも、口は止まらないし、そうしたらもう身体も止まらなくなってしまった好奇心もあったのかもしれない掴んだ左手を離して、ユノヒョンのスウェットを下着ごと太腿まで下げて…「…うわ、ユノヒョンのなんて久々に見たけど、凄いですね」「チャンミナ、巫山戯ないでくれシャワーで出してくるから…」「どうして?別に手でも問題無いですよね?」何だか、耳に届く自分の声は物凄く冷静だでも、本当は心臓がおかしくなりそうなくらい速く脈打っている「先端?それとも根元?裏筋ですか?好きな箇所があればそこに触れますただの処理だし、それが嫌なら…目を瞑って女性だと思ってもらえれば良いので」「…っ…」僕のモノよりも一回りは大きくて太いそして、そっと触れただけでびくっと震えて更に質量を増したユノヒョンのモノ同じ男なのに自分で自分のモノに触れるのとは全く違うこんなにも熱いのだろうかと思うくらい熱くて脈打っている「チャンミナ、本当に止めてくれ」「ユノヒョンの為に手伝うだけですだから気にしないでください」男同士だし、手で触れるくらい…僕は初めてだけど、別に何でも無い事である筈だけど、熱くて大きくて、触れているだけなのにどきどきして自分が自分では無いような感じこうなったからにはもう、最後まで手で刺激しないと、と思って顔を上げずにひたすらユノヒョンのモノを扱いていたら…「俺の為?」「…っ…何…そうだよ、ユノヒョンの為だし、グループの為だ一時の欲で誘われて女性と会って、それで何かあったら大変だから…さっき言いましたよね?」「何って…肩に触れただけだ」ユノヒョンの声は少し上擦っていて、だけど少し固い何だかまるで知らない男になったような…普段の柔らかさを今は感じられないなんて、僕が急に触ったからなのだろうけどいや、それとも女性の元へ行かせてもらえないと思って苛立たせてしまったのだろうかユノヒョンはそんなひとじゃ無い分かっているけれども、何だか自分が自分で分からないぐっと肩を掴まれたから、恐る恐る顔を上げたそうしたら、真剣な眼差しで僕を見る黒い瞳にとらわれて視線を逸らせなくなった「俺の為、かお前は俺の事を……」「ユノヒョンの事?尊敬していますたったひとりの兄だと思っていて…だからこそ、楽にしてあげたいんです」視線に射抜かれたら逃げられないそれが何故か怖くて、早口で『僕の理由』を伝えたもしも嫌がらせだなんて思われたら困るし、ユノヒョンの為を思っての事だから嫌われたく無いし…でも、『ユノヒョンを取られたく無いから』なんて言うこどもじみた気持ちは言えなかった「あはは、そうか…ごめん、勘違いしていたみたいだ」「勘違い?何が?もう集中してくださいマネージャーも待っているんだし…」もう一度下を向いて、握っていただけのユノヒョンのモノを根元から先端に向けて、包み込むようにして扱いたヒョンの身体に力が入ったのが分かって、僕の肩を掴む手にも力が入った女性じゃ無くても、僕の手でも気持ち良くなってくれているそれが伝わってきたから安堵した恋愛経験は有る僕も、勿論ユノヒョンもお互いの過去のガールフレンドの事だって全てでは無いけれども知っているだから、自分の気持ちが分からないなんて事があるとは思っていなかったでも、まだこの時の僕は恋の何たるかを実際には知らなくて…まだ、二十四歳の僕は自分の気持ちもユノヒョンの気持ちも何も知らないランキングに参加していますお話のやる気スイッチになるので足跡と応援のぽちっをお願いします ↓にほんブログ村

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      Switching! 64

      ユノオッパと告白し合った文化祭の翌日僕達は久しぶりのデートをしている別れている間の週末にも、偶然外で出会って自転車に乗せてもらった事があっただけど、今日はちゃんと待ち合わせをしてユノオッパに会う為に外に出た文化祭の楽しい思い出や心地好い疲れユノオッパに気持ちを伝えられて同じ気持ちだと確認出来た事男なのに女の子として転入した高校で、ミスコンテストを準優勝した事とても沢山の出来事で心も身体もいっぱいになったのか、前夜はユノオッパと通話をしながら寝落ちしてしまったから、今日のデートは失敗しないように気合いを入れようと思っただけど…僕が本当に女の子なら、メイクと服装を完璧に気合いを入れたり『彼氏』が好むスタイルで、なんて考える事が出来るでも、僕は男で、ユノオッパもそれを知った上でもう一度『好きだよ』と言ってくれただから、ユノオッパに可愛いと言ってもらえるようにはしたいけど、あまり飾り立てずに素顔に近い僕で居たいと思ったまだユノオッパが僕を女の子だと思っていた時のデートで買った黒のフレアミニスカートそれに、胸が無い事が目立ちにくいふわっとした形のブラウスを合わせた服装は出来るだけ女の子に見えるように、だけど甘過ぎないように気を付けたそしてメイクは…初めて女の子の制服を着た日のように、リップと日焼け止め、それに本当に薄く自然な色のチークを塗るだけにした「ユノオッパ」「ん?」「昨日の文化祭ではメイクをしっかりしていたので、今日こんなにメイクを薄くしたら『男みたいで嫌だ』なんて思われるかもって、本当は少し不安だったんです」「…え…そんな事考えていたの?昨日のチャンミンも本当に可愛かったよでも、何度も言っただろ?そのままのチャンミンが一番可愛いと思うって」「…はい」ゆっくりと寛いだファミリーレストランを出て、ユノオッパの自転車の後ろに乗っている何処に向かうのかは教えてくれなかったでも、『チャンミンを連れて行きたい場所がある』と言ってくれたから、まだデートは続くようで嬉しい「さっきも言ったけど、出会った日を思い出したよだから、その…俺はチャンミンに一目惚れだったんだけど、ほぼ素顔のチャンミンを好きになったんだと思うと嬉しくなったんだ」「……」「チャンミン?そんなに強く抱き締められたら…嬉しいしどきどきするよ」今はもう、こんな風に後ろから強く抱き締めて、ユノオッパの背中と僕の胸や腹が触れ合っても問題無い男だと分かった上で僕を好きだと言ってくれているからリップとほんの少しチークを塗っただけの、寝起きと同じ…とは流石に言えないけど、殆ど素顔の僕を好きだと言ってくれるから好きなひとの言葉や笑顔はそれだけで不安な気持ちを和らげるし、このままの僕でも大丈夫なのだと安心出来る「ユノ先輩が好きです」「…え?ごめん、風で聞こえなかった」「ユノ先輩が好きです!」もう一度告白して、と言うか僕が告白する前にユノオッパが告白してくれたそんな事…ほんの少しだけは両想いかもしれないとは思っていても想像なんてしていなかったから、まだやっぱりどこか夢のよう夢のようだし、そして浮かれてしまってもいるいや、夢のようだから何度も何度もこうして確かめたくなるのかもしれない「チャンミン、今日の『先輩』はわざとなんだろ?」「内緒です」ユノオッパの背中が少しだけ揺れて、笑っているのが分かった一瞬だけ振り返った彼と目が合って見上げたら、直ぐにまた僕の視界にはユノオッパの小さな頭が現れた自転車を運転してもらっているから、あまり騒いだりは出来ないでも、少しだけ…もう少しだけ顔が見たくて、腰に両手をまわして抱き着いたまま、左側からユノオッパの顔を覗き込んだ「チャンミン、それ可愛いから反則あとは、あんまり『先輩』って言うとキスして欲しいんだって思うし…俺が調子に乗るかもしれないけど良いの?」「…調子に乗ったら、どうなるんですか?」「…多分、キスが止まらなくなるだから気を付けて」前を向いているユノオッパがどんな顔でその言葉を口にしているのかは分からないでも、好きだからキスしたい「どう気を付けたら良いのかは分からないですが、ユノ先輩の事が好きだからキスしたいです」反則だって言われてしまったけど、ただ、以前付き合っていた時の決まりが今も有効なのか確かめたかっただけ僕が『ユノ先輩』と呼んでしまったら、僕からユノオッパにキスしないといけないのだけど…「あ!ユノオッパ、さっき…」「え?」「ファミレスの外でキスをした時、僕からキスをしなくちゃいけないのにユノオッパからでしただから、その分もやり直ししないと…」久しぶりだから、『先輩』と呼ぶ事にも緊張してしまったそして、会計を済ませた後に自転車置き場で抱き締められてキスをされて、ユノオッパが約束事を忘れないでいてくれた事が嬉しくて胸がいっぱいになっていた何だか、兎に角キスが好きなのだと思われてしまいそうだでも、キスが好きなんじゃ無いユノオッパとのキスが好きで、キスはお互いに好きで無ければ出来ないからだから、言葉だけじゃ無くて触れ合って確かめたいのだ「へえ、やり直し?そうしたら、さっきから何度もチャンミンに『先輩』って呼ばれているから、後で沢山キスをしてもらわなきゃ」「ユノオッパみたいに慣れたキスは出来ないけど…」「慣れなくて良いよ俺とのキスにだけ慣れてくれたら良いし」自転車を、コンビニエンスストアの前に停めたユノオッパは振り返って揶揄うように笑う一緒に自転車を降りて店内へと向かいながら「ずっとユノオッパとキスをしていなくて『慣れ』が無くなってしまったので、沢山キスさせてください」と言ったら、彼は視線を逸らして斜め上を見ながら「そう言うのも反則」と言ったどう言う事なのか分からなくて尋ねたけれども、何でも無いと言われてしまって…気になったけど、ユノオッパの顔は嬉しそうだったから、悪い反則では無いようで安堵したコンビニでは、次の目的地で必要な飲み物かお菓子を買おうと言われた目的地を分からないから、もう一度何処で何をするのか、と尋ねたけれども教えてもらえなかった僕はと言えば、本当はふたりきにりなりたいでも、僕の部屋にはまだユノオッパは来にくいと言うし僕もその気持ちは分かるから今日は無しだから、もしかしたら飲食物を持ち込めるカラオケボックスにでも行くのかな?なんて、ふたりきりになりたい願望から予想した「次に行くのは、ふたりでゆっくり出来る場所ですか?ファミレスも楽しいけど、ユノオッパともっと色々話したいです」「…ゆっくり…うん、多分出来ると思う俺は寛げるし、チャンミンも…そうなると良いなと思ってるよ」「カラオケですか?」「…残念」「じゃあ…公園?」「それも違うかなおかしな所に連れ込んだりはしないから安心して」ユノオッパは僕の頭にぽんぽんと手を乗せて優しく笑ってくれた「おかしな所って何処ですか?」「それは…ホテルとか」「ホテル?家が近くにあるし旅行じゃ無いのに、ホテルに泊まるだなんて流石に思わないです」ユノオッパの例えが少し面白いけれども、彼のなかでは僕はそんな風に突拍子も無い事を言う存在なのだろうかだとしたら、年上のユノオッパに釣り合うように、もっとおとなになりたい「…ホテル…いや、そうじゃ無くて…って、そもそもホテルには行かないから良いよ今のは忘れて」「…?はい」何故か焦ったように早口で言うと、僕の頭をわしゃっと掻き混ぜるように触れた何だか…女の子だと思われていたら、きっとユノオッパはこんな触れ方はしないだろうそう考えると、同性の友人と同じような触れ方をされたのかな、とも思えるでも…同性の友人とはキスはしない同性同士の『特別な先輩と後輩』もキスなんてしないだから、今のはユノオッパが僕を男だと分かった上で好きで居てくれているからこそ、だと思う事にしたファミリーレストランで軽く食事をしたしドリンクバーでデザートのようなドリンクも飲んだだから、まだ今はお腹は空いていない何処が目的地なのかは分からないもしかしたらカラオケのように時間制限が有るかもしれないでも、充分な量のお菓子と飲み物があれば『まだ食べ物と飲み物が残っているから一緒に居たい帰りたく無いです』と言えるかも…なんて不埒な事を考えて、甘いお菓子に塩っぱいお菓子、飲み物もペットボトルを二本選んだファミリーレストランは僕が会計を出したから、とコンビニではユノオッパが支払いをしてくれた僕も男だから、こんな風にお互いに奢りあえると嬉しい勿論、ひとり暮らしだから自由に出来るお金は限りがある「あ…アルバイト…した方が良いかな」「え?」「あ、何でも無いです」実はまだ、アルバイトは未経験そして、今はひとり暮らしの高校生放課後も家では家事が待っているし、自分の事は全て自分でしなければならないから、そこにアルバイトが増えると思うと少し…いや、かなりキツそうな気がする勉強が疎かになっては元も子も無いしでも、アルバイトもきっと社会経験を積む良い機会になるし、ユノオッパとのデート代を自分で貯める事も出来るかもしれないもう少し、今の生活に慣れたら頑張ってみたいなあと思った「…チャンミン、着いたよ」「え……此処は…マンション…」「うん、俺の家チャンミンのマンションの方が少しだけ高校に近いから、チャンミンは場所も知らなかっただろ?でも、自転車で移動すれば俺達の住む場所は割と近いんだ」「…此処にユノオッパが…此処から何時も、迎えに来てくれているんですね」僕の暮らすワンルーム中心の小さなマンションとは違って、大きなマンションが目の前にあるユノオッパは自転車に跨ったまま振り向いて僕をじっと見て、何だかとても真面目な表情をしている「俺の家…俺の部屋なら、ふたりだけでゆっくり話が出来るかなと思ったんだそれと…返さないといけないメイド服も部屋に有るんだ勿論、チャンミンが俺の部屋に行くのが嫌なら服だけ取って来る」「え…」「母親は家に居るよでも、俺の部屋に入れば何も言って来ないし…一応『恋人を連れて来るかも』とだけは言ってあるチャンミンが俺の部屋は緊張、とか怖いとか…何か有れば無理強いはしないよ」僕の部屋に行くのは、以前の事があるから今はまだ…そう教えてくれたユノオッパユノオッパの部屋に行く事なんて考えていなかっただって、彼は僕と違って家族と暮らしているから僕は本当は男だから、偶然だとしても家族に見られる事は避けたいと思うかも、と思っていたから「黙って連れて来てごめんだけど、ふたりでゆっくり話したかったんだほら、昨日は文化祭で忙しかっただろ?夜は眠かったし…」「と言うか寝てしまいました」「あはは、仕方無いよ外でデートも勿論楽しいだけど、ふたりきりなら、チャンミンだって周りに気を遣う事無く居られるかな?と思ったんだ」 まだ自転車から降りないのは、もしかしたら僕の答えを待ってくれているのだろうかだけど、僕の答えなんてそんなの…「やっぱり突然じゃ嫌、かな?怖がる事はしないよ後…さっき、チャンミンから沢山キスをして欲しい、みたいな事も言ってしまったから恥ずかしくてでも、部屋でゆっくり話が出来たら嬉しい他愛の無い事でも何でも良いから…」「行く!行きます!嬉しいです」僕の様子を窺うようなユノオッパに抱き着いて、彼の背中でこくこくと大きく頷いたユノオッパは「良かった」とぼそりと呟いてから「部屋に入ったら俺から抱き締めても良い?」と、きっと少なくとも、今は僕だけが見る事の出来る顔で囁いた一度目のお付き合い、の時には経験出来なかったユノオッパの部屋を訪れる、だなんて経験昨日まではこんな日が訪れるだなんて思ってもみなかったし…「チャンミン?どうしたの?目が潤んでる」「…嬉しくて感動してるんです」「あはは、感動するような豪邸でも無いし…普通の部屋だよ」これからも、色々な『初めて』をユノオッパと経験していきたいランキングに参加していますお話のやる気スイッチになるので足跡と応援のぽちっをお願いします ↓にほんブログ村

  • 06Aug
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      まだ知らない僕達の事 後編

      店からだとユノと僕の家の方向は同じだったいっそ違っていれば良かったのにと内心思う気持ちと、一緒で少しほっとした気持ちもある前者は、親友だと思っていたユノが僕とは合わないかもしれないひとだったから後者は、僕では無い友人、仲間、それとも先輩達と一緒に居たのに、僕に付き添って帰っているのが…まるで僕を選んでくれたように感じたから「チャンミン、手はどう?…って、痛むに決まってるよなペンは握れる?明日は休むか?」「…軽い火傷くらいで休まないよ明日も午前中は大事な授業が有るし…それに午後はユノと…いや、明日の予定とかもう…ユノも僕みたいな地味なやつと一緒に居るだなんて、本当はキツかったんじゃ無いの?」一緒に居てくれて嬉しいのは本音だけど、何だか過保護に心配されてしまったら馬鹿にされているような気がした一度自虐的な気持ちになればもう、口をついて出る言葉も止まらないユノと友人として過ごしていて、一度だって、彼が僕と一緒に居て煩わしそうにしていると感じた事なんて無かったそれなのに、止まらない「明日、僕の部屋でゲームをしようって誘ったけど…ユノはきっと、ゲームをしているよりもさっきみたいに大勢でわいわいしている方が似合うよどうして大学では地味にしているのか分からないけど、ユノも本当はそうなんだよね?」「チャンミン…」「無理に誘ってごめん僕と似ているだなんて言ってごめん…何だか恥ずかしいな」我ながら根暗な言葉を吐き出している何だか、僕の眼鏡が駄目にになった事に罪悪感を感じて無理矢理付き添ってくれているようで申し訳無さすらあるやはり、これなら放っておいてくれた方がひとりで気楽だった夜は少し不安だし、授業を裸眼で…は無理だけど、そこまで視力は落ちていないから裸眼でも何とかぎりぎり生活出来るくらい後はもう帰宅するだけ、明日はいつも通りコンタクトレンズを装着すれば良い僕とは全く系統の違うユノとふたり並んでいる事すら何だか情けないような気持ちになりながら歩いていたら「チャンミン!」と呼ばれて急に左腕をぐっと掴まれ引き寄せられた「…っ、何…」「何、じゃ無い電柱にぶつかりそうだったから…やっぱり、裸眼だとバイトどころかひとりで歩かせる事も出来ないよ」ユノは夜道で僕を引き寄せる、どころか抱き締めた顔だけ動かしてみたら、確かに電柱が直ぐ傍にあったでも、流石にぶつかる事なんてしないだろうし…多分と言うか、例えぶつかったって…「ユノには関係無いもう良いよ、まだ店は遠くないから」「は?」「電柱にぶつかりかけたから、後は気を付けて帰るよ眼鏡は…もう長く使っていて買い替えを考えていたんだそもそも普段はコンタクトだから眼鏡は無くても困らないだから…先輩、だったっけ?『気にしないでください』と伝えて欲しい明日の約束は気にしないで、じゃあ……」色々と気にされたく無いそして、合わないのなら放っておいて欲しい何故か僕を離さないユノの腕のなかから抜け出ようと身を捩ったそれなのに、腕の力が強くて逃げられない「ユノ?あの、帰りたいんだけど…っ痛…」両手で胸に手を置いたら、ジェル状の保冷剤を包帯でぐるぐる巻きにした右手人差し指がつきん、と痛んで咄嗟に手を離した次の瞬間に腕の力は緩まっただけど、逃げる前にユノの手が僕の右手を掴んで至近距離で見下ろしてくる「…何?」「心配だから、ちゃんと送らせて欲しい明日、休まないなら俺が何だってするよ」「責任とか感じなくて良いよユノは一緒に居ただけで何もしていないし…別にユノの先輩の事も何も思って無い僕が鈍臭いだけだから気にしないで、本当に」「責任じゃ無い、そうじゃ無くてチャンミンが心配なだけだよ何で分からないんだよ…」「…っ、痛、力が強い…」掌をぐっと握られた本当に痛かった訳では無いけれども思わず声が出てしまって、ユノははっと我に返った様子で手を離してくれた「心配…ありがとうでも、僕は…ユノは僕と同じだって思っていたのにそうじゃ無かったのが…申し訳無いんだだから、もう無理して一緒に居てくれなくても良いよ」ユノを見ていれば、ちゃんと本気で心配してくれている事も、何時もの優しいユノである事も伝わってきただけど、僕が惨めになってしまったユノと友達だと思うだなんて烏滸がましいような気がして今度こそひとりで歩き出したけれどもユノは直ぐに隣に並んで、僕の腰にずっと腕をまわしてきた「…っ、何…」「裸眼じゃやっぱり危なくて心配だから…いや、違う、本当は…」急に腰に手をまわして軽く引き寄せておいて、言い淀むユノの考えが分からなくて左をちらりと見た夜道とは言え、流石に直ぐ隣に居るから僕の視力ならユノの表情も分かるのだけど、彼は視線を彷徨わせて何か言い辛そうにしている「本当は?何だよ」「…本当は……」何だかまだるっこしくて更にユノをじっと見たら、前を向いて呟いた彼は急に僕の方を見るから視線が交差した「何…」「わざわざ腰になんて触れるのは…チャンミンの事が好きだから、だよ」「…好き…僕も、親友だと思うくらいユノの事が好きだよでも、こんなお洒落でどんな女子だって放っておかないようなユノの姿を見たら親友だなんて言えないユノが格好良いのは知っているよでも、僕と同じで地味にしているから友達だって安心して思えたのに…」ふい、と視線を逸らして前を向いただけど、まだ視線を感じるさっき逸らしたのはユノの方なのに「チャンミン」「次は何?」まだ前を向いたまま答えただって、歩いているし、何だか視線が痛いのだあまりに真っ直ぐに見てくるから「…好き、はそういう事じゃ無いチャンミンを特別に想ってる、恋愛って事だよだから…少しでもチャンミンに安心してもらいたくて、大学では…何時も、大人しい服装にしているんだ」「僕が安心?何それ…」何だか急に意味の分からない事を言われて、最後の言葉だけ反芻したのだけど…「…恋愛?え?何が?……っわ、何…」前を向きながら首を傾げたら、今度は左手で肩を掴まれてユノと向かい合う格好になった広い歩道、それに人影は僕達以外に無いだから誰の邪魔にもならないけれども、向かい合ったまま両肩に手を置かれてどうしたら良いか分からない「告白してるんだチャンミンが好きだ」「…ユノが僕を…?」「そう…こんな風に伝えるつもりじゃ無かったのに…」無理矢理向かい合うようにしておいて、何だかとても言い辛そうにしているユノ告白だとか恋愛だとか、僕達は…「男同士なのに…」「分かってる、俺だって男を好きになったのなんて初めてなんだだからどうして良いのか分からなくて…大学入学直後に、たまたまかっちりとしたシャツとスキニーパンツ、なんて服装だった時にチャンミンと出会ったチャンミンが『派手なひとが多いけど、チョンは僕と雰囲気が似ている気がして嬉しい』そう言ってくれて、その笑顔に多分…直ぐに好きになったチャンミンが俺達は似ているって言って喜んでくれたから、その日から大学には絶対大人しめの服装で通うようにしたんだ」「…嘘だ、そんなの…何それ、僕をやっぱり揶揄っているんじゃ…」確かに、出会った時から何だか似ている気がして嬉しかったユノもそうだと言ってくれて、直ぐに仲良くなった一度も揶揄われているだなんて思った事は無いだけど、ユノの話が本当であれば…「つまり、やっぱり、今みたいな服装のユノが本当のユノって事?」「本当も嘘も無いし…シンプルな服装も好きだよ最近は特に、チャンミンが褒めてくれるから」「だって、ユノはどんな服装でもイケメンだし……っわ、おい!」「イケメン?本当に?それって俺に脈があるって事?」さっきまで神妙そうにしていたのに、あっという間に僕を抱き締めて嬉しそうな声「…脈とか、そんなの…今言われて分かる訳無い」「じゃあ、考えて欲しいチャンミンが好きで、チャンミンに少しでも好きになって欲しくて、チャンミンの好みになりたくて…何時も服装を考えているんだ」「…でも、こういう服装も好きなんだよね?」「うん後…実は、眼鏡は伊達なんだ裸眼でも良いんだけど、チャンミンが眼鏡が似合うって言ってくれたからお気に入りになった」服装やスタイルにも物凄く驚いただけど、まさか眼鏡まで伊達だなんてもう良く分からないでも、ユノは『チャンミンが似合うって言ったから』と、物凄く嬉しそうに含羞んだそれを見て、彼の言葉が嘘だなんて思えなかった「…僕の何処が良いの?」「笑顔、それに真面目なところ真面目だけど、たまに前日ゲームに夢中になって寝坊して授業をさぼる事もあるそんな所も可愛くて好きだ」「…意味が分からないよ」「少し…卑屈なところも有るけど、凄く優しいもっと自信を持って欲しいけど、自信を持って俺だけのチャンミンじゃ無くなったら嫌だから、チャンミンの良さは俺だけが知っていたい」「……」「何かに打ち込む時の真剣な顔も好きだし、笑顔が好きだ遅刻して焦る顔も好きだし、見掛けに寄らず大食いなところも好きだなそれから…」「…っ、もう良い!分かったから…」腕のなかからは解放されたでも、目の前で指折り数えるユノをもう見てられなくてその手を左手で掴んで下ろさせたこうしていたら、何だかクラブで踊ったりヒップホップでも歌い出しそうな服装でもちゃんとユノだって思うと言うか、どんな服装でもユノはユノ、当たり前だとやっと気が付いた「まだまだ好きなところは沢山有るよ言い切れないこんなにチャンミンを好きなのは俺だけだって自信もあるだから…チャンミンにも俺を好きになって欲しい」「ユノ…」「後、ゲームも漫画も本当に好きだよチャンミン程ゲームの腕前は強く無いけどだから、明日の約束も楽しみなんだ…無しにしないで欲しい」「…でも、指が痛くてゲームは出来ないかも」「それなら、話をするだけでも良いチャンミンはひとり暮らしだし、手が使えないなら俺が何だって手伝うよあ、勿論シャワーを浴びて身体を洗うのだって…」「ユノ!」僕とは全く違う人種にしか見えないユノでも、そんな事は関係無しにユノだし、告白されたら今まで知らなかった面まで見えてきた…と言うか見せられている「ごめん、でも巫山戯て無いよ本当に何だってしたいんだ、好きだから」「…分かったよじゃあ、まずは…やっぱり、本当は夜に裸眼だと怖いから、マンションまで着いて来て欲しい」「…勿論、喜んで部屋でも何でもするよ」「…それは良いと言うか、明日も朝から大学で会うし、午前中が終われば一緒に僕の部屋に行くんだよね?」前を向いたまま少し早口で言ったら、ユノは…前を向いていても、裸眼でも分かるくらい大きく、まるでこどものように頷いたユノは勉強が出来てイケメンなのにそれをひけらす事も無いモテるのに、それを鼻にもかけない僕と居るのが楽しいのだと言ってくれる僕にとって…本当は『双子みたい』なんて言えない程完璧で隙の無い友人でも、今日新しく知ったユノは、やっぱり凄くイケメンだし近寄り難いようなオーラも有るそれなのに何だか可愛いそんなギャップにとらわれてしまったような気がする「今日はチャンミンの部屋に上がったら駄目なのか?」「もう時間も遅いし…」「まだ九時だよ俺の家も遠く無いしそれに…同意無しにチャンミンを襲ったりしないよ」「…っ、ユノ!変な事言うなよ」「ごめん、勢いだけど告白したら…本当の事が伝えられて嬉しいんだそれに、チャンミンが告白を気持ち悪い、だとか有り得ないって言わないからつい…」急に今までと違う事を言われるとどうしたら良いのか分からないでも…「驚いたよ、凄く…でも、嫌じゃ無いだから、どうなるかは分からないけどちゃんと考えたい」「チャンミン…」今のユノを見たら、本当に女性は放っておかないだろうと思うそれなのに、僕のこんな中途半端なひと言で胸を撫で下ろして「思い切り振られたら、明日ショックで大学にも行けなかったかも」なんて言うそんなの、嬉しく無い訳がない「今日も…お茶くらいなら出すから、上がっていけば送ってもらったし」「チャンミン…好きだよ!」またしてもがばっと抱き締められた何だかユノのペースでも、それが嫌じゃ無い知らなかったユノの顔を知って、最初は怖かったそれなのに今は嬉しいって思い始めている結局、この日ユノは一度僕の部屋に上がったそのまま朝まで過ごして…いや、勿論だからと言って『おかしな事』になんてなっていない…キスをしたくらいで翌日はふたりで大学に向かって一緒に講義を受けて、そしてまた僕の部屋に帰って…なんて、一見ユノに流されているようだけど、僕は自他ともに認める頑固な性格つまりは、僕がユノと居たいしユノを好きになって…そうして一緒に居る道、なんて言うと硬いけれども、つまりは付き合ってみようと決意したのだ知らない顔を知るのは怖いまだ見せた事の無い顔や姿を見せる事も、相手が大切で重要であればある程嫌われたく無いから怖くもなるでも、ユノならばまだ知らない顔も知っていきたいし、まだ知らない姿も受け止めたいユノだって恋人に見せる僕の顔はまだ知らないし、僕と同じように知りたいと思ってくれているだから、僕も少し不安はあったって、ユノにだけ見せる顔をこれからもっと見せていきたいそして…出来たら、もっと僕に夢中になって欲しいこんな、芽生えたばかりの気持ちもユノが知ったら、彼はどう思うだろうかそんな事を考えると、未来は明るいって思うランキングに参加していますお話のやる気スイッチになるので足跡と応援のぽちっをお願いします 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      まだ知らない僕達の事 前編

      真面目じゃ面白く無いだとか人生損している遊ばないだなんて退屈にならないのかなんて、これまで散々…とは言わないけれども言われて来た単に、大勢で騒ぐ事が苦手なだけ外に出掛けるよりも家のなかで趣味に時間を費やす方が有意義そして勉強が嫌いでは無いだけ友達と呼べる相手は少なくても常に居るハイカーストの同級生達には揶揄われる事はあるけれども、苛められている訳でも無いし、協調性もゼロでは無い何より、大学に入学してからはこんな僕にもとても気の合う、つまり僕と似ている友人が出来たから日々を楽しんでいる「ユノ、試験期間も無事に終わったし…近い内に僕の部屋に来てゲームでもしない?」「チャンミンの部屋?良いの?他人を部屋に呼ぶのは苦手だって言っていたような…」「誰彼問わず、は嫌だよでもユノは友達だし、何だかほら…僕達ってちょっと双子みたいじゃ無いか?丁度、今日はたまたま僕も眼鏡だから…」学食で向かい合って食事をしながら、僕が大学に入って一番心を許せる友人を誘ってみた「双子かあ確かに、背格好は似てるな俺の方がガタイは良いと思うけど」「そんなの殆ど変わらないよ」「そう?成績もお互い同じくらいだな後は、確かに今日だけはチャンミンが珍しく眼鏡だから同じだ」「今朝、コンタクトを入れようとしたんだけどちょっと調子が悪くて」「そっか眼鏡も似合ってるよ後は…俺は黒髪のストレートだけど、チャンミンは茶色で癖毛双子かな?」ユノは真面目だ僕は何となく、勉強が好きなところや背格好、後は普段から眼鏡のユノと今日だけ眼鏡の僕がお揃いのようになったから『双子みたい』と言ったのだけど、否定されてしまった「じゃあ良いよユノは眼鏡を掛けていてもこう、知的って感じでイケメンだし、僕も今日はそうなれるかな?なんて思ったんだ」「俺が知的なイケメン?本当に?」「うん…と、少なくとも僕は思ってる気が合うし優しくてイケメンだし、自慢の友達だよ」ラーメンを啜って飲み込んでから頷いたら、ユノはシャープな頬を持ち上げて笑った「ありがとう、チャンミンに褒められたら嬉しいよチャンミンは…そうだな、イケメンとは少し違うけど、可愛いと思う」「…っ、可愛い?イケメンでは無いのは認めるけど、何だか無理に褒められている気がする」「無理に、なんて思って無いよ本当にそう思ってる」「…そっか、じゃあまあ、ありがとう」「うん」シンプルなTシャツとデニムパンツ姿のユノは、今日は都合が合わないけれども明日なら空いているからと言って僕の部屋に遊びに来る事を楽しみにしてくれた「僕も、今日はバイトなんだ」「あれ、チャンミンバイトしてたっけ?」「最近始めたんだ飲食店のホールだから少し緊張するし、まだ慣れないから大変だけど、明日はユノと遊べるから頑張れるよ」「そっか、頑張れ」眼鏡を掛けた穏やかなイケメン服装が地味で眼鏡を掛けていたり、僕と同じく大勢でつるむ事はしないから、あまり女子に騒がれている様子は無いでも、ユノは正直物凄いイケメンだと思う勿論モテる理由は顔だけでは無いし、外見よりも雰囲気だとか、皆の輪の中心に居るようなタイプが女子には受ける事も分かっているし…「モテない方が、僕が独り占め出来るし」「ん?何か言った?」「え?あ、ううん、何でも無い」大学に進学して数ヶ月親元も離れてひとり暮らしを始めた地方から出てきたから、高校までの気の合う友人とも全て離れてしまった大多数でつるむ事が苦手で地味な僕正直、気の合う友人が出来るだろうかと入学当初は不安しか無かった「出会いって大事だよね」「何?急にどうした?」「こっちの話、何でも無いよただ…ユノと友達になれて良かったと思って」たまには素直に言ってみたと言うか、ユノになら何でも話せるそれくらい僕にとって大切な友人そして、ユノもきっと僕をそんな風に思ってくれていると思っていた「シム、この料理を運んでくれ」「…っ、はい、分かりました!」バイト先の創作居酒屋に出勤するのはまだ三度目時給が良くて自ら面接を受けたけれども、忙しいし先輩バイト達はなかなか厳しいし…後は、僕は勉強はそれなりに出来るかもしれないけれども、このバイトにはあまり向いていないのかもしれないトレーに料理やドリンクを乗せて運ぶ事がまだ苦手だし、知らないお客様のテーブルに行ってオーダーを取ったりするにも応用が効かない「シムって眼鏡だったっけ?」「あ、いえ、今日はたまたま…普段はコンタクトです今日はちょっと目の調子が良くなくて…」「そっかシムは眼鏡だと少し暗く見えるから…次からはコンタクトにして欲しい」「…分かりました」確かに、この店の雰囲気はとても洒落ている客層も若いし、制服もシックなギャルソンスタイルで、バイト仲間の別の先輩曰く『制服がモテそうだからって理由で選ぶやつも多いんだ』との事彼女が欲しく無い事はないでも、今は…否定されてしまったけど、双子のようだって思えるユノが居るから彼女なんて要らない「ユノなら、眼鏡でもインテリって感じで似合ってるのにな…」普段は専らコンタクトレンズ派物凄く視力が悪い訳でも無いから、家のなかならコンタクト、もしくは裸眼でも事足りるとは言え、外に出るには裸眼だと心許無いし、アルバイトはミスも出来ないから今日は仕方無く眼鏡のまま双子のよう、なんて自ら言ったけれども、ユノと違ってあまり似合っていない事も分かっているそれに何より、眼鏡に慣れていないから何だか疲れやすいし遠近感も普段とは違って動き辛い「まあ良いや、シフトの時間も後少しだし…」明日の放課後はユノと会える部屋に招くのは初めてだけど、ユノなら嫌じゃ無いどころか楽しみで仕方無い一緒にゲームをしたり漫画を読んだりお菓子を食べてテレビを見るだけでも良い明日の楽しみの為にも後残り三十分のバイト時間を頑張ろうと思った「ええと…確か、このテーブルはここの個室だったよね?」三回目のバイトホールで入ったけれども、まだ新人と言うか研修中の僕は、まずは店の事を覚える為に色々な場所に立ってみたりメニューについて覚えたり各テーブルの場所について覚えたり接客のマナーとオーダーの取り方を聞いたり、が漸く一通り終わったところ今日もバイト前半は先輩バイトが後ろについてくれて僕の接客を見てもらっていたのだけど、問題が無さそうだと言ってもらえたから、最後の三十分はなるべく僕ひとりで動く事になった料理をトレーに乗せて廊下を歩いて、個室の扉をノックしてから「失礼します」と声を掛けて緊張しながら開けたのだけど…その個室に居たのは、如何にも僕とは住む世界が違う男達だった「あの、ご注文の品をお持ちしました」「え?注文?新しい注文はしていない筈だけど…」個室内に足を踏み入れて、トレーの上にある鉄板焼きの肉をテーブルに置いたのだけど、僕とは住む世界が違うであろう、友人付き合いの多そうな男性客達は首を傾げている「え、でもこれを持って行くようにと言われて…」「うん、でも頼んで無い…よな?誰も」「ああ、その前に頼んだドリンクも全部来ているし」雰囲気としては、音楽が好きそうな感じクラブで踊っていそうだとか、女性付き合いにも困っていないような僕のような地味な人間の事は馬鹿にしそうな感じ「え…かしこまりました一度厨房に確認してきます」「うん、でも本当に頼んで無いから別の客のところじゃないか?」僕はと言えば、叱られるかもしれないとびくびくしてしまったでも、男性客達は冷静に違うというだけそれに少し安堵したけれども、ミスをしてしまったと思うとやはり怖くなってしまった緊張や動揺で震える手でテーブルの上の鉄板焼きに手を伸ばしたその時、俯いていたら眼鏡がずれて視界も何だかおかしくなった遠近感が掴み難くなったまま手を伸ばしたら…「…熱っ、…!」「うわっ、大丈夫か?」「あ、っ!眼鏡…!」鉄板の縁に手が触れてしまった熱くて思わず手を引いて顔を上げた僕を馬鹿にしそうな風貌の男性客達が心配の声をあげてくれるのが聞こえたのだけど、熱い指よりも顔を背けた瞬間にずれてしまった眼鏡が落ちてしまった事の方が気になった慌ててしゃがもうとしたら、災難は続いた「あれ?この個室だったよな?」僕が入室してから閉じた扉ががらっと扉が開いて、背後からまた別の男の声僕は丁度しゃがんで落ちてしまった眼鏡に手を伸ばしたのだけど…「…っあ!」「え……っあ?え?何?うわ!ごめん!」「………」頭が真っ白になったし、熱い鉄板に触れた右の人差し指は痛いしゃがんだ僕の目の前にあった眼鏡は、入室して来た男性客の足に踏まれてしまった勿論、足は直ぐに退けられたけど…「…使えない」僕が自ら、誤って鉄板に触れてしまった何度も、先輩バイトから『熱いから触れないように』と言われていたのに熱さに驚いて、慌てて顔を上げた所為でずれた眼鏡が落ちてしまったずれた事に気が付いた時に装着し直すべきだったのに男性客はまさか、眼鏡が床に落ちているだなんて思わないだろうだから、僕が悪い分かってはいるけれども、何だか一気にどん底になった「悪い、どうしよう、弁償するよ」「いえ、あの、僕が悪いので大丈夫です鉄板、下げますね」足元からぐしゃぐしゃに曲がってしまった眼鏡を手に取ったレンズが硝子では無くて良かった飛び散ったり怪我をする事も無いから曲がった眼鏡をサロンエプロンのポケットに突っ込んで立ち上がったら「チャンミン」と呼ばれた「え…っあ、何で…え?ユノ?」僕の眼鏡を踏んでしまった男性客その男の後ろに立っていたのは、確かに僕の友人であるユノでも、ユノでは無い知らない誰かのようだった「チャンミンのバイト先ってこの店だったんだな俺もこうしてたまに来るんだ」昼間に会っていたし、午後の授業も一緒に受けたほんの数時間ぶりの再開だだけど…授業を終えて『帰るよ』と言って別れたユノはきちんとした青のシャツと黒のスキニーパンツ姿だったそれなのに、今僕の目の前に居るユノは眼鏡だけは同じだけど…白の、何だか物凄くサイズの大きなTシャツとアイボリーのゆったりしたスウェットパンツ姿それに、黒いチューリップハットを被っている帽子なんて大学では一度も見た事が無いのに「ユノ?本当に?」見た目とは違って優しげだと感じた男性客達と同じ雰囲気で、僕とは全く系統が違う服装「ああ…チャンミンの前ではこういう姿は見せて無かったからやっぱり驚いた?」『やっぱり』って何だよまるで馬鹿にされているみたいだユノと僕は双子のようだって思っていたのに、本当は…ユノは僕とは全く違ったんだって言われたようだし、実際にそうなのだろう「失礼しますお騒がせして申し訳ございません」ユノが何故、見た事も無いような服装なのかが気になるでも、今はバイト中この料理を持ってもう一度厨房に戻って確認しなければならないし…見た事の無いような服装のユノを見たら、もう今までのように気の置けない友人だとは思えなくなりそうだと思っただって、僕には今ユノしか居ないでも、ユノには少なくともこの個室に居る数人の友人が居るし…きっと他にも沢山居るのだろうだってユノはイケメンだ優しいし頭も良い考えれば当たり前の事「…っ痛……」「チャンミン、大丈夫か?」「…放っておいてくれ」ユノの声が直ぐ傍で聞こえたけど、そちらを向く事も無く俯いたまま答えた右手人差し指はずきずきと熱を持ったように熱いだけど、この料理の本当の行先が気になるし、これ以上冷ましてしまう訳にはいかない一度厨房に戻らないと遅いと思われるだろう鉄板をトレーに乗せて頭を下げて、ぼやける視界のなか厨房へと戻った「あれ、シム?遅いし…それに眼鏡は?」「あ、眼鏡は野暮ったいから外しましたそれから…この料理、指定された個室に持って行ったのですが注文していないと言われて…」「は?勘違いだろ?」厨房でトレーを台の上に置いて先輩に伝えたら、彼は眉を顰めたそんな反応だろうと思っていたけど、何だか僕が悪いように言われると内心むっとするでも、面倒な事は避けたいし、僕は新人もう一度「お客様にも確認しましたが、確かに頼まれていないそうで…」と伝えた「…伝票を確認するよ」先輩はそう言うと、オーダー伝票を確認し始めた指先は相変わらず痛い冷やせばこの痛みも引くのだろうけど、僕の不手際だから言いたくないそれに、もう後少しでバイトも終わり明日の放課後が楽しみだったでも、ユノは僕とは全く違う人種だっただから、明日の予定ももう白紙だろう「…うわ、シム、悪い!」「え…」「これ、もう既に提供済みの料理だ伝票を処理出来ていなかったから二重に作ってしまったみたいだ誰だよもう…」「…っあ、そうですか…良かった」「ああ、悪いなじゃあ次はこれを運んでもらって…」先輩の機嫌が直ったからほっとしただけど、まだ仕事は残っている眼鏡も無いし、更に失敗なんて出来ないから気を付けないと、と思っていたら…「あの、すみません」「…誰だ?…おお、ユノ、どうした?厨房まで来て」「先輩、こんばんはあの…そこに居るシムチャンミンなんですが、俺の友人なんです」僕の背後からまたしても声を掛けてきたのはユノ厨房なのに足を踏み入れてきて僕では無くて先輩に声を掛けている「え?そうなのか?何だ、と言うかユノが来ていた事を知らなかったよ」「先輩がテーブルに来たら挨拶をと思ったんですが…今日は厨房なのだろうなと思って、申し訳無いです」「いや、良いよで、何か用か?」この先輩も、僕とは勿論系統の違う男別の大学に通っているからプライベートは知らないけれども、私服が派手だという事は知っているユノは『先輩』と呼んでいたから、高校か中学の先輩なのかもしれない振り向いてユノを見たけれども、眼鏡が無い所為で表情は良く見えないだけど、目が合ったら笑って…それは、何時もの笑顔に見えただけど、大きめのTシャツに白のスウェットパンツだなんて僕の知るユノじゃ無いもう、どんどん僕の知っているユノが崩れていく「今さっき、チャンミンが俺達のテーブル…個室に来たんですなんですが、ちょっとアクシデントがあって、連れの先輩が謝って彼の眼鏡を踏んで壊してしまったんですしかも、運んできてくれた鉄板で指を火傷までさせてしまって…」「え…眼鏡…シム、そうなのか?」「あ、いえ……っ、ユノ、何を…」先輩の言葉に反射的に首を横に振っただけど、ユノが僕の隣に立って腕が伸びてきて、右手を掴まれたそのまま右手を持ち上げられて、赤くなった指先を先輩とユノに見られた「ほら、赤いし……」「…っ、痛っ!」「少し触れただけでこれだ先輩、申し訳無いですが、今日は彼をこのまま帰らせても良いですか?眼鏡が無いと多分仕事にならないし、火傷もしているし…何か冷やすものがあれば借りて行きたいです」「え、ああ…分かった丁度シムは後少しでシフトの時間も終わりだから」先輩は慌てた様子で厨房の奥へと向かったユノは僕の顔を覗き込んできて…「この距離なら見える?」「…別に、裸眼でも問題無いから見えるそんなに近付くなよ」「そう?本当に?さっき、個室を出る時にチャンミンを見たのに焦点が合っていない気がしたから、あまり見えていないのかなと思ったんだけど…」「…っ、何でそんな…」ユノは、僕が思っていた…僕と同じく地味なユノでは無かった地味なユノも彼の一面なのかもしれないでも、賑やかに大勢で盛り上がる、僕とは全く合わない顔も持っているそれならば、何も知らずに『僕達は双子みたいだ』なんて言う僕の事なんて放っておいてくれたら良い僕が裸眼で見え辛い事なんて気付かなければ良いのに「シム、今日は帰れ着替えている間に氷と保冷剤を用意しておくよ上にも火傷の事は報告しておくし…」「…っ、迷惑を掛けてごめんなさいでも言わないでください少しの事だし直ぐに治るし問題無いです」先輩に頭を下げて懇願したら、彼は「責めているんじゃ無くて、怪我は報告しないといけないんだバイト中に何かあれば店の責任だし…兎に角気にするな」と言ってくれたユノはそんな僕達に「火傷も眼鏡も俺達の所為なのでチャンミンの面倒はこちらで見ます」なんて、まるで僕の保護者のような事を言った言い返したいし、関係無いと言いたいでも、此処は店の厨房僕は上がる事になったけれども、店内には他のお客様も居るし厨房にもアルバイトが居るだから、もう一度頭を下げてバックヤードに着替えに向かったランキングに参加していますお話のやる気スイッチになるので足跡と応援のぽちっをお願いします 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      密やかな憂鬱 25

      Side Yチャンミンに逃げられてしまって初めて気が付いた自分が、あまりにも強引で一方的であった事に中学三年生で出会った二歳年下の、一目惚れをした君本気で好きだと思ったからなのか、普段のように上手くアプローチをする事も出来ないまま勢いに任せて告白をして無下も無く振られたそれだって考えれば当たり前とも言って良い俺は男で一目惚れの君…つまり、チャンミンも男なのだから俺達はお互いの事すら殆ど知らなかったし、俺が知っている事も笑顔が可愛くて話し掛けるとにこやかに応じてくれて…そして、彼のモノは小さくて生まれたままの姿のように、とても美して完璧であるという事くらい唯一の失恋は心の隅には残っていても、もう十年も経つし引き摺っている訳では無かっただけど、偶然また出会ったら、成長しても尚俺の心を一瞬で捉えてしまうようなチャンミンの事が今度こそ欲しくなった俺が泌尿器科医になって、チャンミンがその患者だから昔と違って告白に応えてくれたのかもしれないチャンミン自身も、『まだちゃんと好きな訳では無い』とちゃんと伝えてくれていたでも、気が付いたらもう、止まらなくなってしまったこれまでの恋愛も何時だってペースは俺主導だったそれが当たり前だったから、つい今回もそうしてしまったでも、今までと今回とは訳が違う今までは何時も、相手から告白されたり誘われてきて俺は応える側だった特別な事なんて何もしなくとも夢中になってくれたから、俺は自分のペースでいれば良かっただけど今回は俺がどんどんチャンミンに夢中になって、そうして俺のペースでチャンミンに迫ったチャンミンがまだ何も知らない事も、俺を好きになっている訳では無い事も分かっていたのに…いや、分かっているつもりで結局、再会出来た昔の想い人に夢中で肝心の彼の気持ちを考えられていなかったのだ「二十五になってそんな事に気付くだなんて情けないな」休診日のクリニックにひとりたまにこうして休みの日でも『俺の城』に出勤する事はあるでも、そんな時は何時も仕事がどうしても溜まっている時今日はと言えば全くそんな事は無いだから…一昨日の火曜日までは、今日の木曜日は部屋を片付けたりしてから夜はチャンミンの仕事終わりに合わせて彼の会社の近くまで会いに行って…とか、少しでもゆっくり一緒に過ごせたら良いなと考えていたそんな楽しみを潰したのも全て自分だと言うか、そもそも勝手に楽しみにしていたのも俺だし、潰れて、と言うか会いに行けないような状態になって悲しみに暮れているのも俺「既読にはなっても、一度も返事は無し、か…」自分の城であるチョン泌尿器科クリニックにやって来たのは、何かしら仕事に打ち込む…と言うか、仕事モードになる事で少しでも自らの愚かさから目を背けたかったからチャンミンの事をうじうじと考えるだけの休日にしたく無かったからもうこれ以上、感情だけで突き進んでチャンミンに更に嫌われたく無いから「…仕事…いや、その前にもう一度メッセージを…」もう、午前中から何度も何度もメッセージアプリのトーク画面を確認していると言うか、火曜日の夜、チャンミンが俺の部屋…いや、ベッドの上から逃げるように去ってから『詳しく説明しないまま、尻に触れてしまって本当に悪かった』『抱きたいのも本当だけど、前立腺に触れるのはED治療に役立つのも本当なんだ』『驚かせたり傷付けてしまっただろうから反省している』『嫌いにならないで欲しい』『治療は精一杯、全力で取り組むし安心して欲しい不安があれば、何時でも…話してくれれば解決出来ると思うから』そんなメッセージを、火曜日の夜以降、一日に何度か言葉を変えて送信している本当は『会いたい』『今直ぐ顔を見て謝りたい』と言いたいでも…今まで、俺が強引に迫っても笑顔で応じてくれたり、まだ好きかは分からなくても俺に好意を持っているのだと素直に教えてくれたチャンミン彼があんなにもショックを受けたような顔をしていたのが衝撃だったし…やはり、男として生まれ生きてきた以上、男に抱かれる対象として見られる事は許せないのかもしれないと思ったら、更に俺の気持ちばかり押し通す事なんて出来ないだから、チャンミンからの返事をひたすら待ちたいと思っている「この気持ちは諦められないんだ…会えば会う程、理屈じゃ無くて惹かれているんだ」初めてこんなにも舞い上がっていた恋けれども舞い上がり過ぎて前のめり過ぎて失敗した今まで何時も主導権を握れていたからって、今回もそうだとは限らないのに、何も分かっていなかったそれでも、ほんの僅かだけどまだこの縁は途切れていないと思えるのは、メッセージを送ると毎回程なくして既読になる事最悪、クリニックにすら来てくれなくなるかもとも思ったし…そうであれば、連絡手段をブロックされるかもしれないと思った既読になるのは、俺がチャンミンの主治医だから…という情けのようなものなのかもしれないでも、情でも何でも良いチャンミンともう一度やり直したい「…なんて…抱こうと思えばもう、抱けるところまでいっただけど、やり直すも何も、本当は始まっていないのに」書類が散乱するデスクの上右肘をついて手を額に当てて俯き溜息を吐いたもう一度だけメッセージを送っておこうかそう思ったけれども、トーク画面を見てみたら、今日は既に朝から五通も送っているクリニックの診察が休みで、朝は少しゆっくりしていたからだ「昨日も同じような内容の事ばかり送っているし、これ以上はきっと気持ち悪いって思われるかもな俺だって…どうとも思っていない相手から何度も連絡が来たら呆れるし、余計に冷めるし」自分の言葉が胸にぐさぐさと刺さるだけど、言葉にすれば、また気持ちだけで突っ走ってしまいそうな自分を抑制する事が出来るもう今日はメッセージを送るのを止めてまた明日…そう決心して、もう一度仕事に打ち込んだ「はあ…疲れた」チャンミンに逃げられた傷を少しでも癒したり、チャンミンに無理強いをせずに我慢出来るように、と…自分に甘いのかもしれないけれども、コンビニで買ったお気に入りのチョコレートドリンクを飲んで後半戦に取り掛かったそのお陰か、何とか集中して溜まっていた仕事を終わらせたそう、つまりは元々今日は出勤する必要なんて無いと思っていたのだけど…実際は、昨日の水曜日は診察中以外は心ここに在らずの状態で、カルテを纏めたり雑務をこなしたり、が全く出来ていなかった事に今更気が付いだから、結局は仕事は沢山あったのだチャンミンにだけ気持ちが集中しないようにこれ以上彼を一方的な想いで振り回さないようにそんな気持ちでクリニックにやって来たけれども、結果的に来て良かった「今日が木曜日だから、チャンミンの次回の診察は明後日か…来てくれるかな」恋人として会いたい俺個人としては、チャンミンのモノはあのままで完璧に美しいから手術はしなくとも…と思うけれども、男として治療を望む事もコンプレックスになる事も、医師としては解るだから、医師としてはしっかりと安心出来るように手術をしてチャンミンが堂々と居られるようにしてやりたいと思っているだから、個人的な事でクリニックにまで顔を見せなくなってしまったら個人としても医師としても辛いし…そして、俺以外の他の医師に、治療の為とは言え彼の完璧に美しいモノを曝け出す事を想像したら、それだけで嫉妬で身を焦がしてしまいそうになる「…六時前かチャンミンの仕事も終わる頃かな」片付けをしながら、スマホを見て呟いた昨日の朝も帰りも、偶然チャンミンに会えないだろうかと内心期待していた俺だけが覚えていた十年振りの再会を果たしてから、偶然の出会いが重なった住む場所もマンションが隣だった偶然を必然にする為に、チャンスを逃したく無くて連絡先を交換してから俺から誘っただから、昨日だってきっと偶然会えると思っていたけれども、チャンミンに逃げられてからは偶然すらも俺の目の前から消えてしまったようで、チャンミンの姿はちらりとも見えなかった隣のマンションに暮らしている俺はチャンミンの主治医になっただから、これからは当たり前に会えると思っただけど、この再会は結局とても儚いもので直ぐに消えて無くなってしまっても仕方の無いものなのだと思い知らされたような気がした診察が無いしカルテの入ったパソコンや書類も全てクリニックに置いてあるチョコレートドリンクやお菓子を買って手ぶらで来たから、財布とスマホだけチノパンのポケットに入れてひっそりと静まり返ったクリニックを施錠した「…チャンミンの会社…行くだけ行ってみるとかいや、もしも出会して嫌な顔をされたら…今は立ち直れない気がする」ただただ自分の想いのまま突き進んでいたから、チャンミンに嫌われたらこの関係が終わるという事を考えていなかったどころか、チャンミンは何だか流されやすそうだし感じやすい素質だって有ると思ったから、抱いてしまえば俺を好きになってくれるかも、なんてポジティブに考えていただから、『ユノさんは僕に抱かれたいのだと思っていたのに』『僕が抱かれる為の準備だなんて聞いていない』と物凄く傷付いた顔で言われてしまって初めて己の愚行を思い知ったのだ俺のクリニックとチャンミンの会社は駅が全く違うだから、会いに行こうとしないと会えないし、もしも偶然帰宅時間が一緒になって…そうしてお互いのマンションの近くで会うしか、偶然の出会いは起こり得ない明日の金曜日には偶然が起こるだろうかそれとも、このまま嫌われないように会いに行かなければチャンミンも俺の事なんてもう…「帰りもジュースとチョコでも買って、お菓子で晩酌しようかないや、まだチャンミンに貰った生チョコレートがあったから…」クリニックのビルを出ながらぶつぶつと真剣に呟いた日曜日の夜、チャンミンが手土産で持って来てくれた生チョコレートそれは、冷蔵庫に入れるのを忘れていたら少し溶けて形が崩れてしまっていたでも、それだって俺にとっては何も問題無いし…大切過ぎて食べる事も出来ないそろそろ賞味期限も迫っていたけれども、あれを食べたらもう本当に繋がりが無くなりそうだから、まだ置いておこうそう決めたところで顔を上げたら…「え…会いた過ぎて錯覚?いや、まさか…」クリニックのビルを出ると、駅前広場が目の前に広がる顔を上げた瞬間、約十メートル程先にある木陰のベンチが目に入った何故そこが一瞬で目に入ったのか分からないチャンミンが居るだなんて思っていなかったのに期待なんてしてはいけないのだと、もう分かっていたのに「顔を上げた瞬間に遠くに居るチャンミンだけが見えるだなんて…今、こんな偶然があったら、また必然、だとか運命だって思ってしまうよ」いや、チャンミンが此処に居るのはきっと偶然では無いだって、俯いている彼はこの傍に俺のクリニックが在る事を分かっているのだから自分にばかり都合の良いように考えてはいけないもう分かっているでも、きっとチャンミンは俺が居ると思って来てくれたのだろう「…いや…でも、受診しているから木曜休診って知っているのか?なら俺と、じゃ無くてこの間の合コンの相手とか…」つい舞い上がってしまいそうになったから、ゆっくり歩みながら自分を律したもしも、俺以外の誰かを待っているのだとしても…嫉妬をしたり怒るだなんて以ての外だチャンミンは俺に合わせて付き合ってくれていただけなのだからせめて挨拶だけはしたいそれくらいは許して欲しい経った二日ぶりだそれなのに、もう長い間見ていないような気がする飛び出しそうにうるさい心臓を必死に宥めるように、右手でシャツの上から胸をぐっと押さえたゆっくり足を前へと進めながら深呼吸をして、胸を掴んだ手を下ろした「…チャンミン?」俯く彼の目の前で立ち止まり声を掛けた緊張し過ぎて少し掠れていた、こんな事普段は全く無いのにチャンミンは俺の声にびくっとほんの一瞬肩を揺らしてからゆっくりと顔を上げた直ぐに綺麗な瞳が大きく見開かれて…「……え……っあ、ユノさん…」『どうして此処に?』『もしかして、誰かと待ち合わせ?』『通り掛かったのは本当に偶然で、チャンミンを待ち伏せた訳じゃ無いから安心して欲しい』そんな言葉が頭のなかに浮かんだけれども、どの言葉が一番良いのか考えている内にチャンミンはばっと勢い良く立ち上がり…そして、俺に両腕を伸ばして抱き着いてきた「…っ、と…」よろめきそうになったから、チャンミンの背中と腰を抱きとめるようにして支えた本当は思い切り抱き締めたいけれども、そんな事をして不快にさせたく無いからでも、チャンミンの方が俺を抱き締めているなぜだか分からないけれども、俺はチャンミンの事が好きだから、その体温や身体を預けてくる重みが嬉しかった「ユノさん、ごめんなさい…別れるなんて言わないで…!」「……チャンミン?」「好きです、好きなんですやっと気が付いて…」俺の胸に顔を埋めたまま言葉を発するから、篭ったようで少し聞き辛いでも、確かに『好きです』と繰り返したのを耳にした鼓動は更に速まっていくこんな事、恋で起こる筈も無いと思っていたのに好きだと思ってくれるなら、もう離したく無いキスをして俺のものなのだと確かめたいだけど、何故…火曜日の夜から一切連絡すら無かったのに、今急に好きだと言われるのか、が分からないだからまずは話し合うべきなのだろう、と必死に冷静になった「チャンミン別れるだなんて言っていないし、思って無いよ」少し腕を緩めて、俯くチャンミンの顔にそうっと触れたら、漸く俺を見てくれた潤んだ瞳でチャンミンは小さく震える声で「好き」と繰り返すこのまま攫ってしまいたいのをぐっと堪えて、もうチャンミンを失わないようにそっと背中を擦って「俺は…ずっと言っているけど、チャンミンが好きだよ」と伝えた月曜日と同様に、タクシーで帰る事にしたチャンミンは俺が好きだと言ったら、何だか信じられないといった顔で呆然としているから手を引いてタクシーに乗った「チャンミン、何だか…俺の気持ちが伝わっていなかったのかなメッセージ、既読になっていたし、『好きだ』って伝えていたつもりなんだけど…」タクシーの後部座席一応、小声で右側に座るチャンミンに尋ねたすると、チャンミンは俺をじっと見てきた呆然としたような表情だったのが、今度は見る見る内に少し怒りを孕んだような顔になるくるくると表情が変わるチャンミンは可愛いけれども、きっ、と睨まれたら嫌われたのかもしれない、と不安になってしまう「チャンミン?どうしたの?」「何で、いつもは執拗いのに急に会いたいとか会おう、とか言わなくなるんですか?それじゃあ僕だって何も言えないし…時間が経てば余計に何も言えなくなる『会いたい』『会いに行く』って言ってくれたら僕だって応えられたのに…」こどもの癇癪のように、俺のシャツの袖を掴んで引っ張る唇を思い切り尖らせて紡がれたチャンミンの声は大きくは無い、けれども小さくも無いから、運転手がこちらを見ているのがルームミラーで分かった俺は何を見られても聞かれても良いのだけど「俺が『会いたい』って言えば会ってくれていたの?それを待ってくれていたの?そんなの…好きだって言われているみたいだよ」「…っ、言ったじゃないですかいや、その…さっき自覚したと言うか、口から思わず出てしまったんですが…恋なんてした事が無いんですだから、今のユノさんへの気持ちが『恋』の好きなのかは分からないでも、火曜日の夜からずっとずっとユノさんの事で頭がいっぱいなんです僕が逃げ出したのに…」身体ごと俺の方を向いて、両手で縋るように俺の右腕を掴む今度は上目遣いで潤んだ瞳で見つめてくるから、理性は試されるばかり「俺は…メッセージでも何度も伝えたけど、反省していたんだ言葉足らずだったし、思っている事を良かれと思って伝えていなかった優しいチャンミンを不安にさせた事にやっと気が付いて…だから、今までのように強引に迫るのは我慢して、チャンミンが返事をくれるのを待っていたんだ」「…そんなの…僕には難しいです好きって言われても会いたいって言われないから不安で…抱かれる、とか、その…有り得ないって思ったのに、あの後も昨日の夜も、あの場所に触れたら…多分、気持ち良くて…」「…うんうん……っえ?」恋を知らないチャンミンが不安な気持ちを吐露してくれた『好きです』は、ただ勢いで出た言葉なのかもしれないでも、そんな素直な気持ちもしっかり伝えてくれた胸がじん、となってチャンミンの言葉を聞き入っていたら、止まってしまった「チャンミン…あの場所って…その…お尻?」一応気を遣って、チャンミンの耳元に囁いたのだけど、彼はそれだけでこめかみを赤くして甘い吐息を漏らすまだ潤んだ瞳で俺をじっと見て小さく頷く俺の袖をぎゅっと掴んだまま「ユノさんの所為ですユノさんに触れられなければあんな感覚知らなかったのに…」と恥ずかしそうに呟いて俯くそれなのに、掴んだ手は離さないままやっぱり…晴れて両想いになれたのかもしれないしかも、感じてはいても嫌がられていると思っていた尻をチャンミンが自ら触れていたのなら、抱く事も出来るかもしれないまた理性は崩れ掛けていくと言うか、もうこのままキスしたいでも、それをすればまた一瞬で、俺への信頼…にも満たない信頼は崩れ去ってしまうだろうだから…「チャンミン…その、今このままどちらかの部屋に行けば、また止まらなくなりそうなんだだから、明日の夜か明後日…診察に来てくれるだろう?」「…はい」「良かった…その後にゆっくり会わないか?ちゃんとふたりで話をして、それからこれからの事を考えようチャンミンを失いたくない、本気で好きだから…今度は身勝手に、独り善がりに迫らないようにしたいんだ」反省した事も伝えてチャンミンを真っ直ぐに見つめただけど、チャンミンはと言えば…「…好きだって思ったのに?駄目なんですか?僕だってあの後ずっと考えていたんですだから…ユノさんの部屋に行きたいです」「…っ…チャンミン、今その…誘われたらキスしたくなるそうしたら止まらなくなる見られても良いの?」俺の言葉に、チャンミンは流石にはっとした様子で手を離したけれども直ぐに、今度は俺のチノパンの腿に左手を乗せてきた「チャンミン…」「…ユノさんが、こんな身体にしたんですだから…ちゃんと責任取ってください自分で触っても物足りないし…ユノさんが良いって思ったんです、だから……っん…」「……ごめん、一度だけ…」車内でキス、なんて…タクシーの運転手には一応、悪いと思ったでも、きっと様々な客を見ているだろうから、車内でキスをする同性カップルだって居るかもしれないいや、俺達はまだ正式にカップルとは呼べないかもしれないけど…「まずは、部屋で…ちゃんと気持ちを確かめ合おう後悔させたくないし傷付けたくないだから、その先はそれから…」「…はい」真っ直ぐに俺を見てくれるチャンミンキスをしても嫌がらなかったチャンミン避けられまくった後に好きだと言われて…嬉しいけれども、まだ少し不安もあるだから、もう、彼が知らない、と言うか思い出していない過去の事も正直に話そうと思った話をする事で、また避けられてしまうかもしれないでも、本気になったからチャンミンを失いたく無いからただの好奇心や過去に手に入れる事の出来なかった相手を手に入れたい、なんて気持ちでは無いから素直な気持ちで生まれて初めてぶつかってみようと決めた「ユノさん」「ん?」「手を繋いでも良いですか?」「…勿論俺はチャンミンを好きなんだから」小声で囁きあって手を繋いだ俺の手の方が緊張で汗ばんでいたランキングに参加していますお話のやる気スイッチになるので足跡と応援のぽちっをお願いします 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  • 05Aug
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      ちらっとお知らせ

      こんばんは丁度一年前はSMT TOKYOの最終日でしたね。私は初日がライビュで最終日が東京ドームでしたが、ユノのFollowで会場が一体になったように盛り上がった事や、キュヒョンとチャンミンの女々しくて、で笑いと歓声に包まれた事東方神起の登場で他グループのファンの方達も一緒に盛り上がってくれた事だったりが懐かしいです毎年、いつもある事が当たり前…という色々が今年は無くなってしまっていますが、改めて少し切ないのと、ゆっくりでもまたあの日々が戻って来て欲しいなあと思いましたまた、Twitterで少し前にまわってきてとても拡散していたSMアーティストのカムバック予想か噂で「東方神起のカムバックは11月」と書かれていましたが、また別の予想を今日見たら10月カムバックと書かれていました。勿論予想か噂ですが、実現と言うか発表を待ちたいなあと思っています今日は他にも、メンバーからメッセージや写真だったりが送られてきて、それにLINEのように返信する事も出来るらしいbubbleが遂に東方神起でも始まるというお知らせもありましたよねletterをしているとbubbleは無いという話を以前に聞いたのですが、ふたり揃ってbubbleも始まると良いなあと思っていますと言うのは前置きで…こちらは全体公開記事ですが、昨日のアメンバー記事でプライベートな事を書いたのですが、コメントだったりで「その件について気になっていました」と複数の方にお声掛け頂いてとても有難いです🙇🏻相変わらずコメントのお返事が現在間に合っていない為、こちらから纏めてのお礼とさせて頂きますが、お話以外の個人的な(しかも割と情けないような)事でお気遣い頂けたりするのは本当に嬉しい事だなあと思っています。アメンバーで無い方がこれを目にしたら「何の事?」となりそうですが、気になる方がもしも(居ないかと思いますが…)いらっしゃれば、カテゴリー『アメンバー申請について』内の記事『アメンバー申請について』から申請して頂けましたらと思いますまた、私のTwitterの鍵アカウントに申請を考えていて…という旨のコメントを頂きました申請して頂いて、その後ご連絡を頂ければ承認しておりますので、こちらも必要な方はフォローもしくは申請して頂けましたらと思います。Twitterは現在トンで三つアカウントがあって…鍵無しの表(普通に健全にホミンちゃんを呟く用)鍵付きのアカウント(ブログの事やホミンちゃんの腐った事を呟く用)もう一つ鍵付きアカウント(上の鍵アカウントのフォロワーさん限定の成人指定アカウント)という感じです最近ずっと、お話の更新ばかりでブログ上でホミンちゃんに荒ぶる時間が無くて…でも、頭のなかは毎日毎日ホミンちゃんでいっぱいなので、以前良く更新していた荒ぶり記事のような事を主に鍵付きのアカウントで吐き出していますたまにTwitterが分からないですと言われる事もあるので、再度お知らせさせて頂きます。以下、色文字をクリックで私のTwitterに飛べます。@hominismmomi健全にホミンちゃん愛を吐き出す用の表です。これが表で、鍵をかけていないのでどなたでもフォローの有無関係無しにツイートが見えます。@hominism0212 鍵をかけてあるので、クリックすると以下の画面になって、フォローをしないとツイートは見えないようになっています。ブログのお話の事、ホミンちゃんを振り返っていかにホミンちゃんがホミンちゃんであるか、を勝手に呟いたり荒ぶったりしているアカウントですこちらは、もしも荒ぶりに付き合ってやっても良いよという方がもしもいらっしゃれば…上の右側「フォローする」をクリックで、フォローを申請した状態になり「フォロー許可待ち」と変わります。こうなると私に通知がきて、私が承認をするとツイート内容が見えるようになります上のプロフィールに記載している通り、DM(ダイレクトメッセージ)のその際に送って頂かないと承認が出来ませんと言うのも、ホミンちゃんがいかにご夫婦であるか、についてをひたすら成人指定に近いあれこれも交えて呟いている為、読者様や腐が大丈夫な方以外に承認出来なくて、それを確認させて頂きたいからです。現在、多分読者様なのかな?と思われる方で複数の方が申請をしてくださっています。なのですが、申請のみでご連絡が無い方が多数いらっしゃって、承認を保留にしたままの状態ですもしも気付かれた方がいらっしゃれば、ご連絡頂けましたらと思います。お名前やアイコンを見て、読者様だとわかる場合も、ご連絡を頂かないと承認が出来ないです(物凄くひたすら荒ぶり出す時も多いので…)連絡方法のDMですが…上のプロフィール画面の右側のメールマークを押すと、一対一のトーク画面が現れます。これがダイレクトメッセージですメールマークを押すとこうなるので…一番下の「メッセージを作成する」をクリックして文字を入力します。その際に、例えばブログから来てくださった事、Amebaでお話かけてくださっている方だったり足跡を残してくださっている方でしたら、Amebaのお名前も(お嫌で無ければ)教えて頂ければ嬉しいですホミンちゃんの色々、が大丈夫だと分かれば承認出来るので…メッセージを入力後は、右の紙飛行機マークをクリックで送信出来ます。最近、ブログ上でのお返事がなかなか間に合っていないのですが、Twitterではお返事が(多分)出来ているので…何か御用があったり、何かお話があったり、他にも私のマイペースで激しい荒ぶりにお付き合い頂ける方がいらっしゃればフォローして頂ければ嬉しいです今一番Twitterだとお返事が早く出来るので…と言うお知らせでした最近のホミンちゃん、と言うかユノの露出の色々で、また新たに書きたいお話が増えてしまったので、単発で書きたいものがあるのと、以前書いていたお話の続きも書きたいし…後は、現在お話のリクエストがふたつあるので、こちらも順に更新していきたいなあと思っています。コメント、Amebaのメッセージに関しては全て拝読しておりますがお返事が間に合っておらず本当に心苦しいのですが、ひとりでひっそりと書いたり呟いたり荒ぶったりの色々、を読んでくださったり声を掛けて頂ける事がとても有難いし、だからこそ毎日続ける事も出来ているのかなあと思っていますいつも同じような事を書いていますが、この先もマイペースにお付き合い頂けましたら幸いです。それではまた、夜のお話でお会い出来ますように…幸せホミンちゃんにぽちっ♡ ↓にほんブログ村

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      秘密のシム先生 170

      好きになったら色々な顔を知りたい元々そうなのだけど、最近は更に更に、もっと、色々な顔を知りたいし見たいと思う以前ならば、良い顔だけを見せて良い反応だけがもらえるように、と思っていたし、背伸びする事も多かっただけど最近は卒業が近付いてきて…もう、『こども』で居られる時期は実は少ないのだと思ったら、無理におとなぶる必要も無いのかもしれないと思うようになったつまりはチャンミンとの今の関係が変わる事を惜しんでいるだけなのかもしれないけど…少し困ったような顔だとか、俺とチャンミンが全く違うからこそ見える顔、なんて言うのも見たいと思ってようになったのは、お互いの気持ちが確固たるものになったと思えるからそして、何よりも大学進学が無事に決まった事で心の余裕が出来たからなのかもしれない「ねえ、やっぱり着替えて来た方が…ユノの服に僕のニットの毛が付いて目立つよ」前言撤回チャンミンの前で等身大の自分で居られるように、なんて思っていたのだけど、今日は少しでも格好付けたくて黒のニットにノンウォッシュのストレートデニム、なんて…雑誌のモデルを参考にしたような服装でチャンミンの部屋にやって来たいや、だけどこれはおとなだとかこどもという事では無いし…なんて、恋する心は複雑だ「目立つかな?俺は別に気にしないけどチャンミンの白のニットが凄く可愛いから」「…可愛いとか言うな僕の方が六歳も年上なのに」「でも可愛いし綺麗だし…綺麗、なら良い?天使みたいだよ」「…それは恥ずかしい、と言うかこっぱずかしい」「あはは、やっぱり可愛い」俺が黒のローゲージニットそして、チャンミンは以前雑誌の撮影で使ったまま貰ったのだという白いニット俺達が抱き締め合ったりすれば、チャンミンのニットの毛が俺のニットに付いてしまうそれを、チャンミンは申し訳無く思っているようだ「兎に角、やっぱり気になるよユノはこのままで良いって言うけど…だって、近くに居たいし触れたいし…僕だって、そういう事を考えてるから」「え…っあ、チャンミン…」「…着替えてくる」ついさっき、このままで良いと納得させたと思ったのだけど、チャンミンはソファから立ち上がり寝室の方へと向かって行ったさっきは『ニットが気になるなら、脱ぐついでにベッドに入る?』と言ってみた休日の、瓶底眼鏡を掛けていない素顔のチャンミンは真っ赤になってしまったから、部屋に来て早々下心を出してしまい早まったかな、と少し気になっていたのだけど…「『そういう事』って、そういう事…だよな?」前のめりになって、左手で口元を覆ったチャンミンは着替えているから今この顔を見られる心配は無いとは言え、相当頬が緩んでしまっている事には間違い無いから「いや、勿論付き合って居られるだけで充分嬉しい最近はチャンミンも、俺とずっと居たいって言葉でも伝えてくれるし…でも、受験も終わったし最近あまり触ったりしていないし…」俺達の間には約束があるそれは、俺が生徒で未成年そしてチャンミンが養護教諭だから同じ学校の生徒と教師だから、卒業するまでは恋人として最後までは進まない、という事男同士だから、どちらが抱くとか抱かれる、という問題もあるそれに関しては、男相手は勿論、異性相手にもキスどころか手を繋いだ事も無い、と言うか…むしろ、恋心を抱いた初めての相手が俺だというチャンミンを押して押して、俺が抱く事に決まっている「いや、違うなチャンミンに『ユノを抱くとかそういうのが考えられない』って言われたんだったかな」多分それは、まだ今と比べてチャンミンの俺への気持ちが…今と比べたら、だけど小さかったり後は、何より恋愛に関する事も何も知らないし性的な欲すら全くと言って良い程無かったからなのだとも思う夏休みに初めてお互いの裸を見て身体に触れ合って以来、少しずつ抱き合う為の準備をしている抱いて繋がるのは卒業するまで我慢、だけどその準備、は良いらしい男同士で繋がる為の場所…つまり、チャンミンの尻にも触れているし、指を入れたりもしている恥ずかしそうにしながらも感じてくれているし、戸惑う様子はあっても嫌だとは言わない「でも、最近もそうだし、今さっきも『そういう事』を考えているって言うくらいだし…まさか、今になって俺の事を抱きたいとか…前は無かった男としての欲が出て来たら抱かれるのは嫌になったとか…そんな事、言わないよな?」緩んでいた頬が引き攣ってきたもしも、もしもだけど…チャンミンが俺を本気で好きになったから、だから俺を抱きたいと言われたら…一応、本気で向き合って話はしたい今まで恋愛どころか誰とも深く関わって来なかったチャンミンが望む事で、俺が応えられる事なら…とも思う「いや、だけどそれは…だって俺だってもうどれだけ待ち侘びているか…っうわ!チャンミン…」「……うわって何だよ、失礼だな」気配を感じて俯いていた顔を上げて振り向いたら、チャンミンがこちらに向かってくるところだった「どうしたの?項垂れるようにして…お腹でも痛い?」「…チャンミンが居なくて寂しくていや、お腹が痛いって言ったらシム先生が介抱してくれますか?」「その顔は問題無いって顔だなだから介抱は無しでも…寂しいって言われたら嬉しいからここからはユノの隣に居てあげるよ」腕組みをしてつん、と澄ました顔でそう言うと、俺を見ないまま右隣に座ったチャンミンが着替えてきたのは、俺と同じ黒のニットだった色は同じだけど、俺はローゲージのざっくりとしたシルエットで、チャンミンのものはハイゲージの細身のものだから、細い身体のラインがはっきりと分かって何だか生々しい「黒、俺とお揃いにしたの?」「…別にユノが黒を着ていたから良いなあと思っただけモデルはスカウトされて仕事だからしていただけで、服なんて興味は無いし」「うん、知ってる…でも似合うよ白も可愛くて綺麗だったけど、黒も綺麗で可愛い」相変わらず腕組みをしたまま、右向こう側を見るように顔を背けるチャンミン恥ずかしいのかもしれないけど、顔が見えないとやはり寂しい「シム先生、隣に居てくれるのはとても嬉しいですが、顔が見えないと寂しいです」「…今は先生じゃ無い、ただの僕でユノの恋人なのに」「拗ねた?ごめんそうだ…飲み物、買って来たって言っただろ?これ、一緒に飲んでみよう」本気で怒ったり拗ねたりしている訳では無いと思うでもやっぱり、腕組みのまま向こうを向いているだなんて寂しいし、嫌われたくないから焦ってしまう戻って来たチャンミンに気が付いた時、まだチャンミンはソファの少し後ろに居た俺も俯いて小声で呟いていたから『チャンミンが抱かれるのが嫌と言ったらどうしよう』『俺も待ち侘びているし…』なんて言葉も聞こえていない筈「これ…買ってきたんだ、知ってる?」リュックのなかに隠して来たテイクアウトのドリンクカップの上に蓋がされて零れないようになっているそれをふたつ、取り出したひとつはローテーブルに置いて、もうひとつは右手に持ってチャンミンに見せるように差し出してみたら…「…チャンミン?あれ、それって…」「…ユノ、合格おめでとう!」「え…っあ、もしかして合格したご褒美?ありがとう、チャンミン…」覗き込んだ時に、組んだ腕の右側に隠されていた小さな紙の包みが見えた何だろうと思っていたら、次の瞬間に腕が解かれて、長細い包みがばっと両手で差し出されたドリンクをローテーブルに置いて、そうっと包みを受け取った「着替えるついでに、隠していたその…プレゼントを取ってきたんだだけど、どうやって渡して良いか分からなくて…」「だから、腕組みをして向こう側を向いていたの?」「うん」「…そっか無理矢理着替えて来てって言っちゃったから、機嫌を悪くしたのかと思って焦ったよ」ふう、と息を吐いて笑ったら、チャンミンに「それくらいで怒ったりする訳無いだろ」と軽く怒られてしまったもう分かる、これは照れているのだと「ごめんねそれから…ありがとういつの間に準備してくれたの?」長細い包みを両手に持つと、軽い紙の包みはどうやら何処かの店の包み紙では無いから、中身は益々想像出来ないちらりと右側を見たら、チャンミンはまだ拗ねたような、つまり恥ずかしがっているであろう表情で「合格が分かる前」とぼそりと呟いた「え、そうなの?それって、俺を信じてくれていたって事?」「当たり前それと…ぎりぎりで焦らないようにユノから『合格したらご褒美が欲しい』って言われてからずっと、色々考えていたんだからな」「そっか…ありがとう、チャンミン」「うん…」俺は勿論、チャンミンが何だかそわそわしている細長い包みを左手に持ったまま、身体ごとチャンミンの方を向いて両腕を広げた「…何?ユノ」「分からない?チャンミンから抱き締めて欲しいって事チャンミンが着替えたから、もう気にする事も無いし」チャンミンはじっと俺を見てから「ご褒美のおまけだからな」とぼそっと言ってから俺を抱き締めて…と言うよりも、俺の胸のなかにすぽっと収まった身長は変わらないのに、こんなにしっくり来るだなんて俺達は運命だって思ってしまう「おまけまでありがとう本当に…物じゃなくても何だって嬉しいんだチャンミンが俺の事を考えてくれた事がそれだけで…」薄手のニットの下の細い身体を抱き締めて、見た目よりも柔らかい髪の毛に顔を顔を埋めるようにして伝えた「じゃあ、それは要らない?」「それはまた別!もう貰ったから俺の、だし…開けても良い?」本当はキスをしたかったでも、一度触れたら今はもう嬉しくて止まらなくなりそうで、ぱっと腕を離した少しだけ、チャンミンが残念そうに見えた気がしたから、もしかしたら同じ気持ちだったのかもしれい『もっと触れていたい』って「良いよでも、本当に大した物じゃないよ贈り物を選んだのも初めてだし、高校生が喜ぶ物も分からなくて…」「高校生、じゃ無くて…言っただろ?チャンミンが俺を思い浮かべて選んでくれただけなら、それだけで物凄く嬉しい」「…うんでも、開けてから落胆されそうだし…兎に角開けてみてよ…って、これは何?」急かすチャンミンがふとローテーブルを見て、俺の買ってきたドリンクをじっと見下ろした「ああ、ご褒美のプレゼントが嬉しくて忘れてたこれ…俺も初めて飲むんだけど、今流行ってるらしい」長細い包みを腿の上に置いて、プラスチックのカップにストローを通したそれは、透明な茶色いドリンクの上にふわりとした白いフォームが乗ったドリンクで…「何?何だかビールみたい…」「あはは、確かに色は似てるけど違うよこれはチーズティー」「チーズティー?チーズとお茶って事?」チャンミンは俺の想像通り、物凄く訝しげに眉を潜めたきっと、こういう流行り物にはあまり興味が無いであろう事は分かっているでも、一緒に初めてのものも味わってみたかったのだ美味しくないと言われるかもしれないけど、試してみないと何だって分からないし…「台湾から来たんだってこの、ビールの泡みたいなのがチーズフォーム下は紅茶で、甘じょっぱいらしいチャンミンの好みかは分からないけど、たまにはこういうのも良いかな?って」「ユノも初めてなんだよね?」「うん」「僕と一緒に飲みたかったって事?」「うん」「じゃあ試してみる初めての物って怖いし、慣れている何時もの物が何だって安心なんだでも、ユノと一緒なら…」チャンミンは左手でカップを、右手でストローを持って恐る恐ると言った風にゆっくりと口をつけたそして、何だかとても神妙な、難しそうな顔をして…「甘いと思ったら本当にチーズの味もする何だか……これが流行ってるの?」「うん嫌なら良いよ、でも少し試してみて」「…嫌じゃない、びっくりはしたけど」何だか幼いこどものように恐る恐るだけど少しずつ飲んでは何とも言えない顔をするチャンミンこんな顔が見られるのも嬉しいし、俺が買ってきたから飲んでくれるのだと思うと更に嬉しいこんな風に、笑顔以外の新しい顔も沢山沢山見たいし知りたい「これ、開けるよ」「うん」綺麗に包装された包み紙をゆっくりと、なるべく千切ってしまわないように取り外したそうしたら、長細い紙の箱が現れた「その紙、僕が包んだんだ」「え、そうなの?凄い!チャンミンめちゃくちゃ器用だね」「包み方を調べて何度も何度も練習しただけだよ」両手でカップを持ったチャンミンストローに口を付けたまま唇を少し尖らせているのは、味に慣れていなくて戸惑っているのでは無くて、照れているからだと思う「この包み紙も大切に置いておかないと」「え?良いよ、そんなの…」そう言われるだろうと思ったけど、捨てるつもりなんて無いチャンミンは俺を見ていない振りをしているのだろうけど、ちらちらと様子を窺っているのがしっかり分かる頬が思わず緩んでしまうから、こほんと乾咳をして、ゆっくりと箱を開けた「…ネクタイだ!」「…うん…大した物じゃ無いし、喜ぶような物じゃ無いだろ?でも、何が良いのか分からないし、ネクタイなら使えると思ったんだ」「うん…おとなになったような気がする」「やっぱり恋人への贈り物としては固いよね…?ごめん、ユノ」右側から少し気落ちしたような声そんなの、俺の事を考えてくれているだけで嬉しいし…「綺麗な青と、こっちのストライプも凄く気に入ったよまだ高校生で、チャンミンの前ではこどもで居ようかなって思っていたんだけど、スーツを着たくなった」「…本当に?」「うん、本当にありがとうチャンミン」さっきまでカップを持っていたチャンミンは、俺が二本の綺麗な色のネクタイに感動している間にカップをテーブルに置いていたようだそのカップを見たら、もう半分無くなっていた「チーズティー、美味しくなってきた?」「…ユノがどんな反応するのか気になって、緊張して喉が乾いたんだよでも……美味しいよ、ありがとう」「良かった俺の方こそありがとう」「…ユノ…」ネクタイの入った箱をローテーブルにそっと置いて、今度は腕を広げて待つのでは無くて、俺から抱き締めた今なんてもう、嬉しい、満たされた気持ちでいっぱい触れたら本当に止まれなくなりそうだ「好きだよ、チャンミン」「…っふ……ん…」でも、プレゼントは開けたしお礼も伝えた俺の選んだドリンクもチャンミンが飲んでくれただから、少しくらい止まれなくても許して欲しいなんて思いながらキスをしたら、珍しくチャンミンが積極的に唇を押し当ててきたまさか、本当に…チャンミンだって男だから、俺を抱きたいだなんて思ってしまったのだろうかと少し焦った「ユノ……好き」「…っ、チャンミン…」チャンミンからキスをする時以前は、チャンミンの唇が俺の唇に上手く触れなかった事もあったのに、もうそんな事も無くなった「チャンミン、今日はどうしたの?何だか積極的…」唇が離れたタイミングで尋ねてみたら、チャンミンは俺が後ろに引いた分近付いてきて、少し潤んだ瞳で、緊張した様子で唇をゆっくりと開いた「…合格のご褒美、これで終わりだと思った?」「え…」「…ベッドに行こう」チャンミンは立ち上がって俺の腕を引く「チャンミン?」「黙って」半歩前を歩くチャンミンに続きながら、まさか本当に俺の方が?なんて思ってしまったけれども勿論そんな事は無くて、チャンミンはもうキスさえ知らなかったあの頃のチャンミンでも無くて…と言う、幸せな『ご褒美』が俺を待ち受けているランキングに参加していますお話のやる気スイッチになるので足跡と応援のぽちっをお願いします 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      Switching! 63

      Side Y何だか、俺はずっと、チャンミンに対してはあまり良いところを見せられていない気がする一目惚れしてどんどん好きになって告白した応えてもらえた事が嬉しくて、更に夢中になったそう、最初から『今までの女子とは違う特別な子』と思っていたから付き合い出してからも俺の事を好きになってもらえるように、後で思えば割と積極的に迫っていた気がするデートでは、女の子らしい服を持っていないと言うチャンミンにミニスカートや可愛いピンクの服を沢山勧めた後で思えば、あんなに可愛いし似合うのに『こんな服は着た事が無い』と戸惑っていたのも、チャンミンが男だからなのに、勿論そんな事には気が付いていなかった初めてチャンミンの部屋を訪れた時に、それまでよりも深いキスをしたり強く抱き締めたそれだって、本当の事を言えば…このままあわよくば、と思っていた勿論、付き合っていたしチャンミンも俺の事を好きだと何度も言ってくれていたキスやハグを嫌がる様子も無かったから、早まったとは思っていないだけど、チャンミンは付き合う事自体俺が初めてそれならもう少しゆっくり進んでも良かったのかとも思うし…ゆっくり進んでいれば、チャンミンの真実、つまり男である事を受け入れられたのだろうか、とかチャンミンが自ら打ち明けてくれたのだろうか、とも思うもしも、なんて考えても仕方無いから、俺があの日少し強引に迫って抱き締めた事で男だと気付いてしまった頭が真っ白になって理解出来なくて、拒絶して別れを告げたそれが揺るがない事実だ別れてからも結局頭のなかはチャンミンでいっぱいだった無理だと思って振ったのは俺なのに、今思えば振った直後でもチャンミンの近くに他の男が居ても、女子が居ても嫉妬していた『ごめんなさい、振られても好きです』そう言われると少し苛立った、けれども苛立ちよりも安堵の方が大きかった唯一チャンミンと別れた事を相談していた友人には何度も何度も窘められたその時は自分自身必死だったから分からなかったけれども、我ながら情けなかったと思うだって、友人に言われた通り…別れても傍に置いて気を持たせるような事をしたり、別れているとは言え結局毎日のように、少なくとも登下校で一緒に居たからチャンミンが階段から落ちて捻挫をしてしまったから、とは言え彼を心配する生徒、特に男は幾らでも居るから、俺が面倒を見なくともチャンミンは困る事なんて無いのに「…俺、格好悪いな」ぼそりと呟いたら視線を感じた顔を上げたら、ドリンクバーに向かっていたチャンミンが戻って来たようで、どうやら俺の情けない独り言を聞かれてしまったようだ「ユノオッパは格好良いです高校のミスターだし、そうじゃ無くても格好良いですちゃんと自覚してください」「…ええと…はいでも、中身は格好悪いなあって思っていたんだ特にチャンミンの前だと良いところを見せられて無いと思って」チャンミンを連れてやって来たのは、自転車で十五分程走ったところにあるファミリーレストラン休日の昼間だから店内はそれなりに混雑していてふたりきりの静かなデート、には程遠いけれども、別れを告げたあの日以来、のチャンミンの部屋に行くのはまだ勇気が出ないチャンミンだって…また俺を招いて襲われたらどうしようと思っているかもしれないし、俺達はもう一度付き合い始めたばかりだから、今度は失敗しないように進みたいと思っている「ユノオッパの中身が格好悪い…そんなの、一度も思った事が無いです!ユノオッパは見た目は勿論ですが、中身も…僕の本当の事を知った直後でも捻挫を心配してくれて送り迎えをしてくれましたそれに、本当の事が誰かに知られたら大変だからユノオッパは『俺を頼れば良い』って言ってくれました凄く凄く優しいし、簡単に出来る事じゃ無いと思います」チャンミンはドリンクバーから新たに注いできたジュースをストローでちゅうっと吸ってから大きく頷いた「…褒めてもらえるのは嬉しいけど…今だから言っても良い?」「え…何か怖い事ですか?」「あはは、違うよ俺が情けないって事捻挫は勿論心配だったよでも…もしも俺が本当にチャンミンの事を『無理だ』『もう好きじゃ無い』って思っていたら手を貸す事なんてしなかったと思う」「……」勿論、話にはまだまだ続きがあるだけど、テーブルを挟んだ向かいに座るチャンミンは俺の言葉にどんどん唇の両端を下げていく「チャンミン?違うよ、そうは思っていないって話あの時は本当に一瞬…正直、驚いて信じられなくて混乱したいや、一瞬と言うか受け入れるまでに時間は掛かったよ」「…そうですよね、分かっています違うんです!怒っているとか凹んでいるとかじゃ無いんですユノオッパに本当に申し訳無かったと思って反省しています」両手をテーブルから下ろして、どうやら腿の上に置いている様子今日のチャンミンは俺と一緒にデートで選んだ黒のフレアミニスカートを履いている「反省なんて…必要だとしてもお互い様だし、こうしてまた付き合えたんだから良いんだと言うか、チャンミンは反省する必要なんて無いから」「…ユノオッパ、優し過ぎます」手を伸ばして、昨日とは違ってウイッグを装着していないチャンミンの丸い頭を撫ぜたウイッグ姿はとても可愛かったけれどもやはり、何時ものショートヘア、何時もの柔らかい癖毛が一番だと思う「優しくないよでも、チャンミンにそう言われたら優しくなりたいし…そうして、もっと好きになって欲しいと思う」真っ赤になったチャンミンにその後誤解の無いように…俺なりに丁寧に伝えた事は、そもそも友人からずっと言われていた事なのだけどやっと自覚した事つまり、振った直後でもずっとチャンミンの傍に理由を付けていたのは、結局はずっと好きだったという事チャンミンの隣に誰かが居ると想像しただけで嫌だし、男と付き合うのも女子と何かなるのも、どちらも嫌だと思った事そして…「チャンミンは俺の事を何時も優しいって言ってくれるだから、そんな人間になりたいって思うでも…本当は、誰にでも優しい訳じゃ無いよチャンミンの事が好きだしチャンミンの周りのやつに嫉妬しているだけ」言わなければ、チャンミンのなかで俺はただただ優しい男で居られるし、株を上げる事も出来るかもしれないこんな事を言えば、なんだ、と失望されるかもしれないでも、そもそもこんな事を話すのも情けないのだろうけど…チャンミンに本当に自分を知って欲しい今まで、こんな気持ちになった事が無いくらい大切だと思える子だから「……」「呆れた?振ったのにずっと嫉妬していたなんて『先輩としての嫉妬』って、自分にも言い聞かせていたんだだけど、本当は自分でも無自覚だっただけで、好きだから嫉妬していたみたいだ」目の前のチャンミンは、大きな瞳でじっと俺を見ている昨日は文化祭だったメイド服を着る事になっていたり、ミスコンテストの本番だったから、朝登校してからもクラスメイトの女子達に追加でメイクをされたようで、普段よりもより女の子らしかった今日はと言えば、やはりミニスカートだしトップスも可愛い雰囲気のブラウスだからやはり女の子にしか見えないでも、メイクは俺から見たら殆ど施されていないだから、素顔のチャンミンに近い気がした「チャンミン?あの、何か言って欲しいんだけど…」無言で居られると、どう思われているのか分からなくて窺うように尋ねたら、チャンミンはかあっと頬を赤くした「チャンミン?」「あっ……考えていたんです」「何を?俺、やっぱり優しく無い?分かっているんだけど…」「違います!」チャンミンならば『そんな事は無い』と言ってくれるかもしれないそんな期待半分、そして呆れられたかもしれないという気持ち半分で尋ねてみたら、彼は空気を孕むようにスタイリングしたのか、それとも癖毛だから自然なスタイルなのか、まだ俺には分からないけれども、とにかくふわりとした髪の毛を揺らしながら首を横に振った「ユノオッパが…何時から、また僕の事を好きになってくれたのかは分からないですが、単なる先輩としてでは無しに、僕の事を…好きで優しくしてくれていたなら、特別って事で嬉しいなあと思ったんです」「チャンミン…」「それに、ユノオッパは僕だけに特別優しいって言いますが…もしも本当にそうだとしても、ユノオッパの周りのひとは皆ユノオッパが好きです!だから、皆ユノオッパを優しいと思っていると思うし…でも、そのなかでも僕が一番ユノオッパを好きで、そして…好きでいてもらえたら良いなあって」言葉を選ぶようにして話すチャンミンは、本当に真剣に考えていたのだろう何となく、チャンミンならば『皆に優しくしないと駄目です』なんて言われるかもしれないと思っていたし、だから呆れられるかもしれないと思ったけれども、俺が自分とは思えないくらいに嫉妬したり感情を上手く制御出来ないように、チャンミンもそうなのかもしれない俺が思う以上にチャンミンは俺の事を好きで居てくれているのかもしれない「ユノオッパが大好きですこうして、また伝えられて本当に嬉しい」「うん、俺も…分からないけど、きっと…振った後も、一度も嫌いになんてなっていないんだと思う勿論物凄く驚いたよ、だけど…」「ごめんなさい」「謝る事じゃ無いチャンミンがチャンミンだから、俺はきっと、こうして凄く好きになったんだから驚いたし突然で直ぐには受け入れられなかったでも、その間もずっと、好きだから悩んだりしたんだと思う」だって、そうだ友人にも何度も言われたけれども、どうでも良いって思っていればきっと、怒りはあったとしてもそれ以上傍に居ようとなんてしない筈だからでも、友人にそうやってずっと言われていたのに受け入れられなかった自分はなかなかに頑固だと思うし、結局は自ら気が付かないと分からない、見えて来ないものが有るのかもしれない「そう言えば、ユノオッパ…朝、凄く早くに起きちゃったんですねもしかして、僕が寝落ちして心配させてしまったから…」「え、朝…」突然話が変わって、一瞬何の事か分からなかったと言うかあまりに情けなくて、恥ずかしくて…こっそり部屋を抜け出して、まだ誰も家族が起きて来ない早朝に、ひとりで洗面所で『証拠隠滅』をした後、二度寝をする時に記憶を抹消してしまおうと思ったのだ「ユノオッパ?どうしましたか?」「…っ、いや、何でも違うよ、チャンミンの事は勿論心配だったよでも起きたのは、偶然だよあ、デートが楽しみで仕方無かったからかも」突然、チャンミンには知られたく無い話を本人から投げ掛けられて焦ってしまった何とか誤魔化したけれども、チャンミンは頬を少し膨らませて「本当ですか?」と訝しげな顔「ユノオッパの事だから、僕が気にしないようにって…本当は僕の所為なのに『そうじゃ無い』って言っている気がします」「いや、別に…」「嘘は、僕だけじゃ無くてユノオッパも駄目です」ファミリーレストランは混雑しているでも、ソファテーブルは一席一席がソファの背凭れで仕切られているから、大きな声で話をしなければ他の誰かに聞かれる事は無いプライベート空間では無いけれども、チャンミンも自然に『僕』と言っていて、それが何だか嬉しい「じゃあ…チャンミンの所為」「やっぱり…ごめんなさい、折角話していたのに寝落ちしてしまって」「いや、違う!責めているんじゃあ無いし、むしろ悪いのは俺だから」納得した様子のチャンミンだけど…嘘では無くて、確かにチャンミンの所為と言えばそうなのだだけど、寝起ちしたチャンミンが心配で早朝に目覚めたのでは無くて、夢のなかでチャンミンの色々な事を想像していたら…夢のなかで粗相をしてしまって、下着を汚してしまって、その違和感に目覚めたと言うのが真実男同士だから、きっとチャンミンだって経験は有ると思うでも、そんな話をしたら更に深い話になりそうだし、恋人として格好付かないから言えない「ユノオッパは優し過ぎます」「そんな事無いよ、本当に…チャンミンに夢中なだけだ」早朝の失敗を思い出したら、チャンミンに性的に興奮しているという事実も思い出してしまった男だと知る前は、意志を持ってチャンミンで…という事は何度か有ったけれども、男だと分かった後は、好きだと自覚しても想像が出来なくて何もしていなかった勿論今も、チャンミンの裸は知らない本当の、リップすら塗っていないチャンミンの素顔も知らないでも…「今日のチャンミン、何だか初めて出会った時みたいだ」「え…そうですか?」「メイク、ほぼしていないんじゃ無い?だからかな素顔のチャンミンのようで…そう思ったら、勿論女の子だとは思っていたけど…素顔に近いチャンミンを見て一目惚れしたのかなと思って、何だか嬉しくなった」例えば、メイド服でウイッグを装着して、普段よりもしっかりとメイクを施したチャンミンに一目惚れをしていたら、今の殆どメイクをしていないであろうチャンミンを見た時にあまりに印象が違うと感じるかもしれないでも、俺は他の女子と比べても化粧っ気が無くて、だけど誰よりも笑顔や仕草が可愛らしいチャンミンが好きなのだ「嬉しいですでも…何度も考えるんですもしも最初に男の姿で出会っていたら、ユノオッパは僕を好きにかんてならなかっただろうし、何も起こらなかったんだろうなあって」グラスのなかのストローを小さな手で持って、自嘲するようなチャンミン俺も、それについては考えた事があるだけど、やっぱり『もしも』なんて考えても仕方無いと言うか、俺はチャンミンを好きになってチャンミンを選んだ事に少なくとも今は後悔していないこれからも、きっと壁にぶち当たるだろうけど後悔したくないチャンミンとふたりで乗り越えたいそれに…「あの時が出会うタイミングだったんだと思う」「…タイミング?」「そう、チャンミンが転入初日で俺と偶然出会した他の誰かと先に会っていたら、直ぐに親しくなれなかっただろうし、チャンミンも他の誰かを好きになったかもしれない」昨夜、チャンミンが眠った後にユナから連絡があったシンには振られた…と言うか、シンはユナを特別には見ていなかったから、友達から始めるのであれば、と提案されたそうだユナは遠距離でそこまでは出来ないしシンの事を思ってやきもきしそうで…だけど、多分シンはユナを特別に思っていないから、深く考えずに、もしくは優しさから『遠距離でも友達から』と提案したのだと思う結局、ユナは今上手くいかないのであれば続かないだろうと自分で考えて、結果振られたらしいユナがもしももっと遅くに転校したり転校しなくても良いならシンがもっと早く俺達の高校に転入してきていればユナが…直ぐに告白をしていればそんなタイミングが合えば上手く行っていたかもしれないでも現実はそうでは無かったし、好きな相手とタイミングも気持ちも通じて上手く行く事は、何だかとても凄い事だと思った「ユノオッパは、後悔しませんか?」「…未来の事は分からないし、それはお互い様だと思うでも、後悔したく無いし、チャンミンを失いたくないだから、一緒にひとつずつ頑張っていきたい…何を頑張るのかはまだ分からないけど…」「ユノオッパ…」「チャンミン、目が潤んでる感動しいだなあ」左手を伸ばして、潤んだ、どころか涙で飽和状態の大きな瞳のその下に触れたチャンミンは無意識なのか、それともわざとなのかは分からないけれども、俺の手に頬を擦り寄せるようにしてくる「…っ…」一気にどきどきして、まるで中学生に戻ったようだいや、中学生の時だってこんなにどきどきした事は無いと思う「あの…」「何?」「ええと、何だか店内がだいぶ混んで来たみたいで…一度出ませんか?」「あ、うん、そうだな」はっと手を離したどれだけ店内が騒がしくたって、チャンミンを前にしたらチャンミンしか見えなくて、混雑している事を一瞬で忘れていた残っているジュースを飲んで席を立とうとしたら…「…ユノ先輩」「え…」『先輩』だなんて、何だか凄く久しぶりに呼ばれた気がする付き合い出して初めの頃は、オッパと呼んで欲しいと言っても直ぐにチャンミンがこの呼び方をして…今思えば、『オッパ』は言い辛かったのかもしれないとも思うけれども、振った後にまた俺が『何時も通りの呼び方で良い』なんて、今思えば冷たく言った、それ以降はずっとユノオッパと呼ばれていたのに「どうした?チャンミン、急に…」「……忘れたんですか?ええと、行きましょうちゃんと、自分の分は僕が出します」チャンミンはそう言うと、呆気に取られている俺を置いて伝票を持って歩いていく先輩と呼ばれると何だか余所余所しくてあまり好きじゃ無いだから、以前から俺はチャンミンに『オッパと呼んで欲しいと言っていて…』「…っあ…」はっと思い出したチャンミンの頬が何だか赤くて、逃げるようにテーブルを立ち上がりレジに歩いて行った理由が分かった「チャンミン、お金…」「駄目です、と言うかここは僕…私が出します」レジに並ぶチャンミンの隣に立って声を掛けたら、やはり真っ赤な顔で視線を逸らしたまま俺をぐいぐいと押し出す今回だけ、そう思って「外で待ってる」と伝えて扉の外に出た「…忘れてた…久しぶりで」赤い頬のチャンミンは、わざと言ったのだつまり、俺を求めてくれていると言う事で…「…っいや、変な事考えるなよもう…」扉の直ぐ横に居たら、何だかひとの出入りが激しいし目立つだから、数メートル先の自転車置き場に向かった道路に面していないし、此処なら今のところひともほぼ居ない「…チャンミン!こっち」扉の方を見ていたら、なかから出て来たチャンミンがきょろきょろと辺りを見渡していたから手を振り声を掛けた直ぐに笑顔になり、こちらに向かってくるチャンミンの顔はもう赤く無かった「お待たせしました」「ううん、ええと…払ってくれてありがとう、よりもご馳走様、の方が良いかな?」「はい何時もユノオッパに払ってもらってばかりなので…嬉しいです」「…そっか」つい、好きだから何でもしてあげたくなってしまうでも、チャンミンはチャンミンで…同じように思ってくれているのだろう 「次、どうしますか?まだデートを続けても良いですよね?」「うん…あ、チャンミン、顔にごみが…」「え……」咄嗟に出た言葉は、なかなか良かったと言うか上手かったかもしれない嘘だけど、この嘘は許して欲しい左手で丸い頬をそっと包んだそのまま顔を近付けて…「ユノオッパ?……っん……」「…先輩って呼んだから罰だよ」「……覚えていたんですか?キスの事」「うん、久しぶりだったから先輩も良いかも、なんて思ったけど…それに、こうしてキス出来るなら嬉しい」頬から手を離してそっと抱き締めたチャンミンにとってはありのままの姿では無くてもどかしいのかもしれないでも、女の子の姿だから、こんな風に外で触れ合う事が出来る「ユノオッパって、最初は呼び辛かった?」「…オッパ、なんて誰かを呼んだ事が無いので…」「今も、本当は嫌だったりする?チャンミンが嫌なら、誰かの前でも『先輩』でも良いんだよそれか呼び捨てでも良いし」ブラウス越しに背中を擦るだけで、小さな背中にどきどきするチャンミンはもぞもぞと動いて、俺の半袖シャツの袖を掴んで見上げてきた「最初は呼び辛くて大変でしたでも、今は…オッパって呼ぶのはユノオッパだけにしようって決めたんです僕にとって特別だから…ユノ…先輩が嫌じゃ無ければ、オッパって呼びたいです」「…どう呼ばれても本当は嬉しいよだけど、俺だけにしか『オッパ』を使わないならそれが良いそれと…」「それと?」「また『先輩』って呼んだから罰を与えないと」土曜日の午後日差しは強まってきた汗ばむのは、太陽の所為だけじゃ無くて、チャンミンに触れてキスをしているからランキングに参加していますお話のやる気スイッチになるので足跡と応援のぽちっをお願いします ↓にほんブログ村

  • 04Aug