ほみにずむ(*∵)´,,•J•,,`)大好きなふたりのお名前を借りた、私の頭のなかのお話でフィクションです。興味の無い方は閲覧を避けてください。ブログ内の文章の著作権は全て私個人に帰属いたします。転載転記は禁止いたします。
綺麗なものが好き物でも人でも、綺麗なものが好きそして、僕の『好き』に性別は関係ない「チャンミン!なあ、お願いだからもう一度話をしよう」「声が大きいよ執拗いのは嫌だって言ったし、もう終わった事だよね?」「でも…簡単に諦めきれないよ嫌なところは直すし、嫌がる事もしないようにするもう一度チャンスが欲しい」「……」約一ヶ月だけ付き合った同性の元恋人は、顔を歪めて必死に懇願する同じ学年だから知っているけど、元彼は物凄くモテる…勿論女子からそれなのに僕を好きだって告白してきた顔が綺麗だし嫌な気がしなかった人気があるのに僕を選んだのが嬉しくてOKしただけど、束縛が激しくて疲れてしまったそれに、僕は本当に好きかどうかも分からないのに関係を先に進めようとする、それが同じ男でも理解出来なくて別れを切り出した「無理だって…好きになろうと思ったけど、友達以上には思えなかった今から変わるのは有り得ないよ」「他に好きなやつが出来た?女子?」「女子でも男子でもない、好きなひとは居ないし…それに、勉強を頑張りたいから今は恋愛とか考えられない」「なんだよ…だったらさあ…」言いかけて顔を逸らされた多分、『なら最初からそう言えよ』と言いたいのだろう綺麗な顔の持ち主に告白されて嬉しかったし優越感があった選んでくれて嬉しかったし、だから好きになろうと努力したけれども、僕が『まだ早い』と言っても性的な関係を持とうと迫ってきた姿は綺麗じゃあない、それどころか恐怖しか感じなかった「女子の方が良いとか、そういうのでもないやっぱり僕に恋は向いていないんだと思う本当にごめん」「……」「着いてきたら本当に怒る反対方面だろ」丁度電車がやって来たから、絶対駄目だと念押しして乗り込んだ扉に背を向けて、だけど意識は背中に集中させた嫌な事はしないと言ったし、また学校で嫌でも顔を合わせるのだから着いては来ないだろうそれでも、扉が閉まって動き出す前に恐る恐る振り返ったらホームに残る姿が見えて安堵した傷付いたような顔に見えたけど、それを綺麗だとは思えなかったそれに、無理矢理しようとして僕を怖がらせたのはあいつの方だ「…良かった……」恋愛なんて当分こりごりそもそも、本当の恋もまだ知らない恋愛がなくても特に問題もない「…早っ…!」ふとスマホを見たら、新着メッセージがあった最近僕の先生になった大学生の家庭教師からで、どうやら既に家に着いているらしいまだ時間じゃないし、高校生の僕より忙しい筈なのに『予定時間には帰ります』業務連絡のように返信して、スマホアプリで英語の勉強を始めた帰宅したら、母親と家庭教師のチョン先生の笑顔に迎えられたふたりはあっという間に意気投合した…というか、母親がチョン先生を直ぐに気に入ったと言うのが正しいチョン先生はお菓子を色々とご馳走になったのだというこの家庭教師は甘党らしい年上なのにこどもみたいで何だか情けない親と先生、ふたりが仲良くしているのを見ると何とも言えない気持ちになるのは僕だけだろうか「母さん、僕の事何か言ってませんでしたか?変な事とか…」「ん?変な…って例えば?」二階の自室に入ってから尋ねたら、焦らして試すような事を言われて少しだけ苛立った親の前で変な姿は見せていないし、僕が同性と付き合っていた事も知られていないそれでも、自分の居ないところで何を話されたのか、が気になるのは普通だと思う「こどもの頃の…別に恥ずかしい事はないですが、恥ずかしい思い出とか…」「そんなの気にしなくて良いよ俺からは真面目に勉強を頑張っていると伝えたし、チャンミン君のお母さんからは『取っつきにくいし少し気難しい子かもしれませんが、これからも宜しくお願いします』って…」「ああもうやっぱり…言わなくて良い事ばっかり」はあ、と溜息を吐いたら、僕を想って心配しての事だと言われたそんな言葉じゃ慰めにならなくて、唇が尖っていくチョン先生はそんな僕の肩に手を置いて微笑んだ「チャンミン君が良い子だってちゃんと分かってるから大丈夫…素直過ぎてたまにちょっとびっくりするけど」「素直…それって、良くも悪くも、って事ですか?」歯に衣着せぬ、だとか毒舌、だとかたまに言われるから身構えてしまうだけど心にもない事なんて言えないし、自分を帰るつもりもない「悪くも…なんて言われる事があるの?」「話の流れで、たまに」「本当に悪い言い方をしたなら考えた方が良いかも知れないねでも、少なくとも俺は嫌な気持ちになってないからもしも何かあればその時はちゃんと直接言うよ」「先生…」チョン先生は大学生で僕よりおとなだし、僕より良い意味で真っ直ぐ素直なひとなのだと思う眼鏡をかけていて真面目そうな外見だけど僕とは正反対で外向的な先生だなあ、としか思わなかった今は一応信頼しているし、先生に優しく言われたら悪いところは直さなきゃって思うようになったチョン先生は家庭教師が初めてだって言うから、最初は警戒していた教え方が物凄く上手いのかどうか、は僕だって家庭教師に教えてもらうのが初めてで分からない分からないけど、チョン先生は生徒の事をとても良く観察しているのは感じる眼鏡で冴えないのが女子から見たら少し残念だろうけど、気が利く男はモテるって言うし…「チャンミン君」「…っ…はいっ!」「集中、途切れちゃったみたいだな少し休憩にしようか」勉強モードじゃなくなっていた事にもこうして直ぐに気付かれてしまう「…何笑ってるんですか、先生」「いや?好きな女子の事でも考えていたような顔だったなあと思って」こどもを見るような目で僕を見てふっと余裕の笑み前言撤回、チョン先生は僕の事を全然観察出来てないいや、そもそも観察されるのは望ましくないんだけど「はずれ、好きな女子とか居ないので」「あれ?俺の勘は割と当たるんだけどなあ…」「……」何言ってるんだこいつ、とは勿論口には出さない僕が好きになるのは女子に限らない僕が綺麗だって思うひとなら同性でも良い同性でも良いけど誰でも良い訳ではないつまり、眼鏡で冴えなくて、その上的外れな勘を押し付けてくるような家庭教師なんて…「ごめんごめん俺の勘違いだし、この話は終わり俺もちょっと休憩…」ふと顔を上げたら、立ち上がったチョン先生が前髪をかき上げて、それから、鬱陶しそうに眼鏡を外した「……は?」何かを思うよりも先に声が出て、気が付いたら先生の顔に釘付けになっていた冴えないって言ったのは誰だよ、いや、僕だ言ってはない、心の中で思っただけだけど、こんなの聞いてないし知らない「待って待って待って!」「チャンミン君?どうした?」ぶんぶんと必死で頭を振る僕に、野暮ったい装備を外した家庭教師が近付いてくる顔面どうこう関係無く、この家庭教師のパーソナルスペースが狭い事に少々戸惑っているのに、この顔面はやばい近付くな、と必死で腕を伸ばしているのに、真剣な表情を近付けて僕の肩をがっしり掴む大きな手どくん、と一気に心臓が馬鹿になったように跳ねた「どうしたもこうしたも…え、ほんとにチョン先生ですか?」「??何を言って…」「眼鏡、かお…」混乱し過ぎて、遂には単語しか出てこなくなった目を逸らさなきゃいけないのに、逸らせないだってこんなにも綺麗な顔が目の前にある「眼鏡?普段はコンタクトだから、眼鏡だと少し疲れるんだよな家庭教師らしくしたいのと…いや、うん、眼鏡の方がらしいし安心感もあるだろ?」ちょっと色々と理解が追い付かない含みを持たせた言い方は多分だけど…眼鏡でもかけていないと生徒に好意を抱かれるから、という事だと思うだとしても、生徒は僕という男だからチョン先生からすれば気にしなくて良い事「違う、そんなのどうでも良くて…先生!とりあえず距離が近いのと、眼鏡かけてください!!」ぎゅっと目を瞑って訴えた綺麗だって思ったら即恋に落ちるなんて事はない元恋人に対してもそうだったし、結局大切なのは中身だでも、僕は…チョン先生が暑苦しいところはあってもそれ以上に優しくて気遣い出来るひとだって知っている誰かとふたりきりなんて苦手なのに、先生には直ぐに慣れてしまったポーカーフェイスだって言われる事の多い僕なのに、小さな変化を直ぐに見破られてしまう先生には隠し事が出来ないだろうなあって思っているそもそも年の差もあるし、家庭教師と生徒好きになる相手じゃない「…眼鏡、かけてくれましたか?」「…」「チョン先生?」「ん?」肩に置かれた手は離れたけど、触れられていたそこは何故か熱い目を瞑ったまま、まだ近くに居る気配に向かって尋ねてからゆっくりと瞼を開けたら、そこにはびっくりするくらい綺麗で格好良い顔があった「せんせいの嘘つき!!」「ええ…何で眼鏡じゃないと駄目なの?ちょっと休憩してるだけ…」「休憩はもう終わりですここは勉強の場ですよね?」とにかく、この顔面の圧から逃げたい机の上に置かれていた眼鏡を手に取ってチョン先生に手渡した不思議そうな顔で肩を竦めた先生は直ぐに見慣れた眼鏡姿に戻った戻った、けど…「これで良い?」「……うう…」駄目だ一度知ってしまったら眼鏡をかけても良さしかないおとなの余裕ってやつにしか見えないむしろ、何故今までチョン先生の本当の顔に気付かなかったのだろうと思うくらい「チョン先生、物凄く難しい問題出してください解けなかったら罰を受けます」「急にどうしたの?チャンミン君」「…名前…うう…」名前で呼ばないで、と言おうとして口を閉じた流石に拗らせているようで自分で自分が気持ち悪い「難しい問題って急に言われると難しいなあ…」腕を組んで考える姿はまるでモデルのようだなんて思っていたら、机の上に置いたスマホの通知ランプが点滅している確認するとメッセージアプリからのもので、相手は元恋人だった『もう一度考え直して欲しい』『嫌がる事はしないし、ゆっくり待つから』女子から大人気で、それでも僕が良いのだと言う元恋人顔はタイプだった告白されて嬉しかったでも、一緒に居ても最後までどきどきしなかった「チャンミン君」「…っあ…はい」「休憩終了って言ったのは誰だっけ?」こどもを叱るみたいな、だけど優しい表情チョン先生が見せている表情は全部全部、生徒に向けたものもしも僕が生徒として出会わなければこんなに優しくはしてもらえなかったかもしれないそれでも、確かに今、僕の心を浮き足立たせているのはただひとりその相手は周りからモテていて僕だけが良いのだと言う元恋人ではない僕を生徒としてしか見ていない、眼鏡をかけた年上の家庭教師━━━━━━━━━━━━━━━続きますと言いつつ今更になりましたそして年も明けてしまいました、という事で…2026年もマイペースに更新していこうと思いますので、お付き合いいただけたら幸いです私は年末の仕事疲れが一気に出てしまったのか、体調不良が続いていましたがようやく調子が戻ってきました年末年始ゆっくり休めた方もお仕事だった方もお休みだけど休めなかったよ、という方も、皆様本年も心身共に健康に過ごせますように…このお話はまだもう少し続くので、続きもお付き合いいただけたら嬉しいです最後に…読んだよ、のぽちっをお願いします ↓にほんブログ村
本音を言えば、相手は異性が良かったあくまでも仕事だから邪だと分かっているけど、半分の確率で希望が叶うなら…と淡い期待を抱いて友人と登録したなのに、派遣元の社員に言われたのは…『女子生徒だとトラブルになるかもしれないので、チョン君には男子生徒を担当してもらいます』この話をしたら友人にはある意味羨ましいと言われたが、溜息しか出ないつまりは、家庭教師先が女子生徒なら俺に恋愛感情を抱いてトラブルが起きるかもしれないと言われたのだ相手が可愛らしい女子生徒ならば癒されるかも、と期待を抱いたのも本心だけど、例えそんな生徒に恵まれたとしたならば内心ガッツポーズをするくらいで、家庭教師と生徒以上の関係になる事など全く考えていないのに「何でだよ…仕事なら絶対に手を出したりしない、いや、そもそもそれどころじゃなくなるに決まってるのに」難関と言われる大学に入学して二年目先日までアルバイトしていた飲食店が突然閉店になって困っていたら、友人から家庭教師のアルバイトに誘われた高校生の受験の責任を負うのはかなり荷が重いだけど教育関係に進みたい俺にとってはうってつけの仕事就職活動にも役立つだろうし、同じ学科の友人数人も登録しているセンターだから踏み込む事に決めた「いや、妙な事を考えるな」半分の確率で女子生徒を担当出来る、と思ったのに、有無を言わさず同性を担当する事になってしまった大丈夫どんな子だとしても三歳も歳下の可愛い子ども俺の初めての大切な生徒緊張しないタイプに見られるけど実はそうでもないごくん、と唾を飲み込み胸に手を当てて深呼吸してから、目の前にそびえ立つ…と言っても過言ではない大きな一軒家の呼び鈴を押した『はい、どちら様…もしかして、家庭教師の先生ですか?』「え、あ…はい!本日からこちらで家庭教師として勤める事になったチョンユンホと申します」ひと言も話していないのに何故分かるのか…なんて思ってしまった約束の時間前だし、何よりインターフォンにカメラが付いているから分かったのだろう今更遅いかもしれないけど、更に背筋を正してカメラレンズに向けて頭を下げた『どうぞ、入ってください』「はい、失礼します!」勢い良く顔を上げたら眼鏡がズレてしまったこの様子もカメラ越しに見られただろうか第一印象は特に大切生徒本人は勿論の事、保護者からの印象も彼らのお眼鏡に適わなければ、早々にチェンジされてしまう可能性大そんな緊張と心配を他所に、俺を迎え入れてくれた生徒の母親は柔和な笑顔で優しかった「うちの子は少し気難しいところもあるし少し変わり者だけど、学ぶ事は好きなのチョンさん、今日から宜しくお願いします」「はい…受験で良い結果を出せるように全力を尽くします!」リビングへ向かうと、まだ見ぬ生徒の母親は「喉が渇いたわよね?ジュース?それともアメリカーノが良いかしら」とそわそわしているまだ俺の生徒は帰宅していないのだろうか「お気遣いありがとうございます持参してきたので大丈夫です…」言いながらペットボトルを取り出して見せたら、足音が近付いてきた「母さん、来たなら言ってよ」「チャンミン、あなたが自分でお出迎えしないから私がおもてなししようと思ったのよ」「良いよ、もう家庭教師の時間は始まってるんだよね?先生、僕の部屋はこっちです」チャンミン、と呼ばれたその少年は母親の顔は見ても俺の顔は見ていない気がする、多分目が合わないのは警戒されているのか何なのか…分からないけど、俺はこの生徒の信頼を得なければならないその為に笑顔を浮かべて「今日からチャンミン君の家庭教師になるチョンユンホです宜しく」とはっきり挨拶して、生徒の揺れる後頭部を見ながら階段を昇った『チャンミンもちゃんと挨拶しなさい』母親から呆れたような、少し怒りを孕んだような声が掛けられたが生徒は振り返る事無かったこれは、聞いたよりも気難しいタイプかもしれない目も合わせてくれないしまだ会話が出来ていないそんな状態で二階の部屋に通されて、家庭教師スタートせめて俺に経験があれば良かったのに、家庭教師一日目で高校生の扱い方も何も分からない「ええと…これから教えていくにあたって、チャンミン君の希望はある?事前に得意不得意については簡単に聴いているんだけど」ふたりで部屋の真ん中に突っ立ったままこちらを向いてはくれたけど、相変わらず生徒は斜め下を向いて視線が合わないまさか、第一印象だけで無理だと認定されたらどうしよう普段は前向きな方だけど、悪い考えがどんどん浮かんできた「チャンミン君…?」「…あのっ……」「え…」ほんの少しの沈黙の後、それを破ったのは切羽詰まったような生徒の声思わず身構えていたら彼の頭が少し持ち上がって…残念ながら視線は合いそうで合わない「僕、シムチャンミンといいます」「……ん?はい、さっき聞いたよ俺は家庭教師のチョンユンホです」「…母に先を越されて挨拶出来ていなかったので…家庭教師とか初めてで、どんな風にしたら良いか分からないんですなので、先生に一から教えて欲しいです」驚く程素直な言葉に拍子抜けした反抗期だとか親が勝手に決めた家庭教師に子どもが応じたくないパターンなのか…とか、色々な心配は必要無かったようだ「俺も初めてだよでも、初めてだからと言ってあれこれ言い訳するつもりもないし、やるからには力を尽くして結果を出そうと思う今日から一緒に頑張ろう」「はいでも、先生残念ですね可愛い女子だったらもっとやり甲斐もあっただろうに…」「……」家庭教師を始める前の少しばかり疚しい気持ちを見透かされてしまっただろうかいや、これは男ならば自然な考えだ「チャンミン君も綺麗な女性の方が良かった?」「いいえ、別に僕の目的は成績を伸ばして志望校に合格する事、それだけです」「ふうん…」これは男同士だから感じる事だけど、何となく彼が見栄を張っているように見えただとしても、これが彼の本心でなくても、否定されずに自分を受け入れてくれたようで悪い気はしなかった「チャンミン君は可愛いなあ」ふい、と顔を逸らして机に座った俺の生徒丸い頭につい触れたら癖のある髪の毛が柔らかくて、何度も手のひらを滑らせてしまったすると、直ぐに顔を上げてキッ、と睨まれたまるで小動物のようで笑みが零れる「揶揄わないでくださいチョン先生って距離感バグってるって言われませんか?それに、Eですよね?僕はIなので…多分合いません」「……」「……」一体何の事かと思ったが、MBTIだろう俺の周りでも一時流行っていた初対面の相手にはっきりと『合わない』と言われたのは多分初めてで少々面食らったそれでも嫌な気がしないのは、はっきりと言いのけたその本人が気まずそうな顔でおろおろしているから「あ…ごめんなさい、先生に失礼な事を…」「失礼だって思うなら次は気を付けてそれから、俺は確かにEだけどひとりの時間も好きだチャンミン君の先生として君に信頼されたいと思ってる」「チョン先生…」高校生らしい可愛さに微笑ましさすらあるおとなの余裕を見せて、安堵の表情を浮かべる生徒の頭にもう一度ぽん、と触れたら「そういうとこ…距離感バグってるんだって…」と小声で警戒されてしまった「あはは、ついつい…ごめん気を付けるよ」「気を付けるとか、悪い事じゃないですけど…とにかく、始めてください!お願いします!」こうして、何だかんだ和やかな雰囲気で人生初めての家庭教師スタートだったのだけど…「先生、ここ間違ってませんか?」「え?あ…悪い悪い、勘違いしてた」「受験本番なら勘違いで済まないし、ひとつの勘違いが結果を左右すると思います」「……」まだ最初の授業だし、俺だって家庭教師一日目大人気なく言いかけて口を噤んだ「本当にごめん生徒に指摘されるなんて良くない次は俺もしっかり予習していくよ」「当たり前ですバイトでも先生は先生なんですから」内気なだけで素直な良い生徒だと思っていたが、前言撤回上手くやっていくのはなかなかに難しそうだ━━━━━━━━━━━━━━━眼鏡ユノがあまりに良すぎて…の短編ですあと数話お付き合いくださいね最後に、読んだよ、のぽちっもお願いします ↓にほんブログ村
強めの成人指定です大丈夫な方はこちらからお願い致します ↓under the radar 2 後編ランキングに参加していますお話のやる気スイッチになるので足跡と応援のぽちっをお願いします ↓にほんブログ村
媚薬の効果的な使い方を教えてもらいたいから、売人であるチャンミンと試してみたいなんて、雰囲気も何も無い誘い方をしたそれも、彼の仲間達が見ている前でこれはある種の賭けだし作戦つまりは、初めて使う媚薬に嵌った少し向こう見ずな男が綺麗な男に興味を持って、何も知らずに深く考えずにただ誘って…断られたら断られたで、今後もこのコーヒーショップに通って彼、つまりチャンミンを落とそうと試みる事が出来るもしも断られ無ければ?それは勿論『良い思い』をさせてもらえば良い快楽には強い方だし、溺れる方では無いゲイでもバイでも無いし男を抱くのは初めて、だからこそ媚薬を飲んでも冷静にこの男を観察したり…その機会を次に繋いで、彼と親しくなって媚薬を売って得た収入がどのようにギャングに流れて使われるか、を知っていく手立てになる筈「もう一度『あそこ』を使うから誰か他に使いたいやつは居ない?」「あそこを使うのはチャンミンくらいだろ今日はもう充分『売れた』からご自由に」コーヒーショップ内の仲間達に問い掛けたチャンミンは、返事を貰って小悪魔のような笑顔を見せた「ユンホはもう出られるの?何かしているみたいだけど…」「え?ああ、仕事を少し…」俺が座っていたテーブルの上置きっ放しだった『表向きの仕事』用のタブレットPCチャンミンは向こう側の椅子に背凭れを前にして跨るようにして座ってから真っ暗なディスプレイを見下ろしたこれは見られて問題のある物、なんて何も入っていないから、俺も椅子に座ってタブレットの電源を入れた「仕事って何?」「ウェブライターまあ、ちまちまとした仕事ばかりだけどな」「へえ…良く分からないけど頭が良さそうだね」ギャングの下っ端であろうチャンミン媚薬を売っている男には興味も無い話なのだろう「頭が良ければもっと良い所にでも就職しているよ頼まれた文章を書いて小銭を稼いで…あまり趣味が無かったんだけど、最近は…」「最近は?」椅子の背凭れに肘をついて首を傾げるようにして俺をじっと見る「最近は、興味の有る物、が出来たから楽しいよ」「物って?僕の売った物の事?」「それだけじゃあ無い」言葉の駆け引きなんて意味は無いけれども、この男とはぞくぞくするじっと見つめたけれど、チャンミンの色素の薄い硝子玉のような瞳は何も変わらない変わらないけれども、口角は持ち上がった「ユンホの興味を教えてくれるんだろ?僕の気が変わらないうちにしてくれ」「ああ、仕事は何時でも出来るけど、今は逃してしまえば後悔するから…行こう」アメリカーノ三杯分の金を置いて、すたすたと前を進むチャンミンに続いてコーヒーショップを出た店内に居た仲間達は口笛を吹いたりチャンミンに向かってひらひらと手を振ったりチャンミンはそれを…何の興味も無さそうな瞳で見て、そして手を振り返していた「チャンミン!何処へ行くんだ?」歩き出すチャンミンは此方を振り返る事もしない外はもう闇に覆われていて、遠くには高層ビル群の明かりが見えるけれど、この八十八番外は昼間とは違う静寂に包まれるようだ月は半分にも満たなくて、街灯も少ないから本音で言えば全く怖くない訳では無い「試してみたい、って言っただろ?」けれども、振り返ったチャンミンのプラチナブロンドの髪の毛は、やはりそれ自体が光源のようにきらきらと輝いていて…コーヒーショップのなかでの笑顔は消えていたけれど、俺を誘って離さない「…ああ」「直ぐそこだから着いて来て」「チャンミンの部屋?」「はっ、まさか何も知らないやつを招く訳が無いだろ」肩を竦めてまた前を向く左側に並んで、細い腰に腕を伸ばして抱き寄せるようにしてみた「…ユンホは慣れているのか?男の方が好きなの?」「いや、初めてだけど…昨日の夜ひとりの時に飲んでみたら、チャンミンの姿が思い浮かんだから」「変なやつ、まあ良いよ」どうやら触れられても動じない様子だけど、そもそも…「コーヒーショップに初めて来た時にキスを仕掛けたのはそっちだろ」ちろりと睨んで言ったら、漸く彼はくすくすと笑った「だって、ただで渡したなんて他のやつらに知られたら、みんなただで欲しがるだろ」「でも、あれはそもそもチャンミンが俺のトレンチコートを汚したからだ」「走って狭い路地から出て来たところで…夜だったし良く見えていなかったそれに、あんな所に誰か居るとは思わなかったし」「あそこは俺の好きな場所なんだ誰も来ないからゆっくり夜景を眺められるそれに、キスで言葉を遮らなくても…」「それが一番早いし、驚いて帰るかなと思ったんだまあ、まさか通われるようになるとは思わなかったよ」チャンミンはまた面白そうに笑ったふたりきりきなると何だか雰囲気が変わったから警戒していたけれど、彼にはきちんと感情があるようだ「此処だよ、近いだろ?」もう笑顔の消えたチャンミンは、目の前のアパートメントを見て行った見たところ、決して綺麗とは言えないけれど、何処にでもある建物だ「近いけど…チャンミンの部屋じゃ無いのか?」「言っただろ、知り合って間も無い何も知らないやつを招き入れるやつが居ると思う?」「俺はチャンミンを知りたいと思っている」噛み合わない話にチャンミンは肩を竦めた美しい外見と効果の高い媚薬に夢中になっている男、とでも思われれば良い「兎に角、試したいんだろ?入れよ」アパートメントの入口は短い階段だった俺の腕からするりと抜け出して階段を上がったチャンミンは一度だけ振り返って言って、後はもう振り返る事無く進んだチャンミンはアパートメントの二階の一番奥の部屋へと向かって、カードキーを翳して扉を開けた室内は狭過ぎる事も無ければ広い事も無い物は少なくて、カーテンは締め切られていて薄暗いそして独特な匂いがして…「なあ、もう一度此処を使うって言っていたよな?」「ああ」「チャンミンが使っていたのか?」「ついさっきまでね折角店に戻ってゆっくり出来ると思ったんだけど…まさかまたユンホが来ているとは思わなかった」壁に接した棚、その引き出しを開けたチャンミンは小さなビニールの袋を取り出した引き出しには鍵が掛かっていない様子それはつまり、不用心、なのでは無くて…もしも媚薬を奪う誰かが居たとしても、ギャングに追われて報復されるという事で彼らの自信の表れのように思えたなんて事は今は置いておいて…「この匂いはチャンミンのもの?」「さあ、どうかなそんな事僕達の間に何も関係無いだろ」その匂いは男であれば覚えのあるものまあ、俺にはあまりその欲は無いのだけど…けれども、媚薬を使ったらチャンミンの事を考えて何度も、となってしまったから今はそんな事も言えない「じゃあ、チャンミンは男もイけるのか?それとも男が好きな方?」「さあ…あまり興味は無いな薬が売れたら嬉しい」大胆なようでいて、けれどもガードは固いけれどもその方が知りたいという欲は強まる本人がそれを分かっているのかは知らないけれど「はい」連なったビニール袋それを切れ目でちぎってから、俺にひとつ渡してきた「まけてはくれないよな?」「…金が無いなら買うべきじゃあ無いこれは依存性は無い、とは言え快楽はひとを支配するウェブライターって儲かるの?」財布から紙幣を取り出して、指で挟んだまま試しに尋ねてみたら冷たい目でじっと見られただから肩を竦めて、申し訳無さそうな顔を作ってみる売人なんてしていても、この男は常識は持ち合わせているようだ「欲しい物が有れば仕事にも張り合いが出る俺はフリーランスだから仕事を貰っているんだけど…ウェブの仕事はいくらでも有るから」「買うよ」と言って紙幣を差し出したら、チャンミンはそれを別の引き出しに仕舞ってからこちらを向き直った「まあ良いや僕達の事や媚薬を記事にするの?これは、隠れてするから楽しいんだだから、取材みたいな事をするならもう会わない」「えっ、まさか…そんな事考えても無かった俺は依頼を受けてそれに沿った記事を書くだけなんだまあ色んなジャンルは有るけど…ルポライターでは無いし自分を切り売りするような事はしないよ」俺の言葉を聞いたチャンミンは、小さな冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出して俺に投げたそれを受け取ったら「薬を飲むのに使って」とひと言「チャンミンは?」「僕?」「そう、一緒に使って試したいんだ」何だか嫌そうな顔で眉を顰めるそうすると普通の青年のように見えて何だか可愛らしい「お勧めの媚薬なんだろ?なら一緒に楽しもう興味が無いなら尚更、薬の力を借りた方が良い」ペットボトルとビニール袋から取り出した薬を右手で持ったまま近付いて、真正面からチャンミンの腰を抱いた「さっきもこんな風にしていたんだろ?相手が男か女かは知らないけど…チャンミンには男の方が似合いそうだ」「…うるさい」「あはは、ふたりきりになれたから嬉しくて本当はあの夜会えた時から忘れられなくてだから、コーヒーショップを教えてくれて嬉しかった」これは本音全てを飲み込んでしまいそうな闇のなかでも生き生きとしたチャンミンを見て、退屈な世の中にも楽しい事があるような気がした「一緒に飲んでくれたらもっと仕事を頑張ってもっと沢山買うよチャンミンから買えばチャンミンの売上になる?」「…ああ」「じゃあ、お願い楽しい事をするだけだ悪い話じゃあ無いだろ?」「…っ…ん…」細身のレザーパンツの上から尻の窪みを指先でぐっと押した少し低いのに甘い声が漏れて、それはこれまで聞いた事の無いチャンミンの声だったからぞくりとした「…離せ、僕の分も薬を取るから…」そう言って顔を背けて逃れようとするだから、右手に持ったペットボトルを手から落としてそのまま薬を口に放り込んだドンっ、とカーペットの上に鈍い音を響かせてペットボトルは落ちて、その音にチャンミンはこちらを向いて…「…っふ……ン…ッ………」「……次は俺の分を取って?」舌に乗せた薬をチャンミンの口内に捩じ込んで、そのまま息が出来ないくらいのキスをしたチャンミンは気付いたようで抗ったけれど、強く抱き竦めたら俺の力には敵わないのかそれとも無駄な事はしないでおこうと観念したのか、ごくり、とそれを嚥下した「…水を寄越せよ」「ああ、ごめんもっとスマートに出来たら良かったんだけど、流石にしがないウェブライターには映画の主人公みたいな事は出来ないな」「…っ…」チャンミンはリードされた事が嫌なのか、むっとした顔をして棚から新しい薬の入ったビニール袋を取り出した渡されたそれを直ぐに飲んで、そしてチャンミンをベッドに誘う「まさか突っ込まれたい方?違うよね?」「勿論ひとりで薬を飲んだ時も、チャンミンを抱く事を考えていたから」ベッドの上に膝立ちになったチャンミンはレザージャケットを脱いで放り投げたそれから、シンプルなVネックのノースリーブニットを彩っていた黒いサスペンダーをゆっくりと肩から下ろして、レザーパンツの前のジッパーをゆっくりと下ろした「…驚いた」「何が?下着の事?下着の形が出るのが嫌なだけだ」「変な事を考えるなよ」なんて言うチャンミンは、ほんの少しだけ恥ずかしそうに見えたけれども、そんな彼の恥じらいとは正反対に彼の身に付けている下着は所謂Tバックで面積のとても小さなものだったチャンミンの前はまだ特に異変は無いけれども勿論男としての微かな膨らみがあるそれを見て俺はと言えば…媚薬の所為なのか、それともまだ関係無いのか…もう前が苦しいくらいジャケットを脱いで、それからデニムパンツの前だけ寛げてボクサーパンツのなかから自らのモノを取り出した「…っは…それ…媚薬なんて要らないんじゃあ…」「チャンミンが綺麗だからかな男相手にこんな風に…初めてで自分でも驚いているよ」「自慢かよ」そう言ったチャンミンの前も、何も触ってもいないのに少し膨らんだそれはきっと即効性のある媚薬の効果で出て来たからで…だけども、まるで俺のモノを見て身体が反応したようにも思えてぞくぞくする「来いよ」「は?命令するな」ベッドに脚を広げるようにして膝を立てて座って、右手で隠す事も無く扱きながら左手を伸ばしたチャンミンは「邪魔」と言いながらレザーパンツを脱いで、またぞんざいにベッドの下に落として、ゆっくりと俺の前に膝立ちになった「僕を抱きたい?」そう言って、俺よりも一回り小さな、そして肌の色同様色素の薄いソレを下着のなかから取り出して俺の顔の前に持ってきた「ああ、逆は無いな」「…良いよ、その代わり僕をその気にしてみせろよまあ、男となんて実際に無いなら…どう?見たら萎えるだろ?」なんて、挑発するように言うけれど、目の前にある緩く勃ち上がったモノはまるで俺のモノとは比べられないくらい色も綺麗だし、それに…「舐めろって?それとも咥える?これ、剃ってるの?食べて欲しいって言っているようなものじゃないか」「…っあ!」どれだけ綺麗でも男となんて考えられなかったまだ媚薬だってまわっていないのに男のモノを目の前に出されて…だけど、抵抗なんて無かったし、何よりも咥えただけで漏らされる甘い声に、俺の肩を掴む小さな手に、口のなかでぐっと質量を増すペニスに、俺の前も反応したランキングに参加していますお話のやる気スイッチになるので足跡と応援のぽちっをお願いします 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ギャングの末端か何か、らしい事副作用が無く法に触れない媚薬、の売人それから月明かりの下でもまるでそれ自体が光源になり得るような美しいプラチナブロンドの持ち主俺が知るのは今はそれだけ「なんて、調べる事はあの男の事じゃあ無くて組織の事だけど」しがない探偵である俺が警察からの依頼を受けて一週間この間に二度、八十八番街のコーヒーショップに足を運んだ本当は毎日でも通いたいくらいけれども怪しまれてしまっては元も子も無い「それにしても、『自分の身体で試すのは自由』なんて警察も適当だなまあ、俺は使い捨てみたいなものだろうから良いけど」アパートの部屋のなかベッドに脚を投げ出して座っているお気に入りの音楽を流して、そのリズムに合わせて爪先を揺らしながら灯りに照らすように小さな透明ビニールの袋を左手で摘んで持ち上げている「まあ、チャンミンも警察も副作用も無い物だと言っていたから問題無いだろ」初めて出会った夜、俺のトレンチコートを汚したお詫びとして小さな小さなビニール袋に入った媚薬を渡されたその後、警察から『ギャングが売り捌いている媚薬が何の資金源になっているのか、彼らに近付いて目的を探って欲しい』と、探偵として依頼を受けた金になるなら、命の危機さえ無ければ何だって有難い依頼けれども今回の依頼を受けたのは何より、美しいプラチナブロンドを持つチャンミンと名乗る男の事を知りたかったから「……」ミネラルウォーターのペットボトルを口元に持っていって咥内を潤して、それから小指の先にも満たない小さなピンクの錠剤を飲み込んだ「シャワーでも浴びるかまあ、子供騙しだろ」法に触れる事無く依存性も副作用も無いのだという媚薬だからこそ、裏で簡単に流通させる事が出来ている、らしい媚薬は以前口にした事があるけれども、そんな物を使ってまで誰かを抱きたいという欲も無いから、俺にとっては不必要だと思った記憶があるそもそも生に対して貪欲でも無い自分の遺伝子を繋いで、だとかいつまでもしぶとく生きて、だとか、女と良い思いをしたい、なんて欲望も薄いそれよりも、シャワーから出たらお気に入りのチョコレートでも食べて眠ろう、なんて思っていたなのだけど…「…っは…何だこれ…」どこが法に触れないくらいの媚薬だいや、そうだから軽い物だと思っていたのは俺の勝手な考えだし…もしかしたら、俺には特別に効くのかもしれない「…っ、…はあっ…」慌ててカランを捻って、温めにしていた水温を更に低くした頭上から降り注ぐシャワーは冷たいくらいの筈けれどももう、温度なんて分からないくらい自分自身が発熱したように熱いそれも…ただ身体が熱いだけならば余っ程良かったと思うくらいに中心が熱い「…嘘だろ……っふ…」鏡の横、壁に右手をついて、左手で何もしていないのに質量を増したモノを握ったそうしたら更に刺激が欲しくなって…「くそっ、何で…」直ぐにでも出すものを出して、そうしてこの熱を逃せぱ良いそれなのに、握って扱いてもぎりぎりのところで『足りない』「……はあ、…っ…」苛立ちが募って、伸びてきた前髪を右手でぐしゃりとかき上げたそのまま顔を上げたら、シャワーで濡れた自分の姿が映って…「何だよこの顔…はは、こんな顔も出来るんじゃあないか」死にたい訳じゃ無いただ、この世界に明るい未来なんてものも感じられなくて、流されるままに生きているただ、困らないくらいに生活が出来たら良い探偵業は、『怖い物知らず』と言われる俺に合っているからそれだって死ぬ事がそれ程怖いとは思わないし生に執着が無いからで…だけど、今の俺の顔は欲望でいっぱい、といった顔「でも、ひとりじゃ欲望さえ満たせないなんて…折角熱くなったのに」苛立つのも生きている証拠自分をコントロールするのは得意だし、感情はあまり外に出す方では無いけれども鏡に映る自分は何だか生き生きしている前は達する事が出来なくて苦しいのに「チャンミン、あいつ…とんでも無い物を渡して来たな」出会った夜に汚れたトレンチコートのクリーニング代の代わりに貰った一錠それから、コーヒーショップに初めて脚を運んだ日にチャンミンから買った一錠どちらも形状は同じに見えたから先に貰っていた方を飲んだのだけど、もしかしたら物が違う可能性もある「俺が一度試してまた買いに来たからって強い物を売ったとか…まあ、今もう一錠は流石に無理だな」独り言でも話していれば少し頭は冷静になるけれども熱は逃れてくれない半ば無心で左手を動かしていたら、プラチナブロンドの男が鏡にぼんやり映ったような気がした『ひとりじゃ無理だろ?僕ならイかせてあげられるよ』「…っは…?はは、妄想だこんなの」幻覚では無いただ、これは俺の願望だ分かってはいても、チャンミンの姿が脳裏から離れなくて、目を瞑ったらもう…「…っくそ、っ…」初めは、まるで自分の手にあの男の小さな手が重ねられたような気がしたその後は見た事も無いのに、男は俺の頭のなかでノースリーブのニットを脱いで、レザーパンツの前を寛げていくどれだけ綺麗でも男と、なんて有り得ないそれなのに想像のなかで奔放に振る舞う男を抱いて、彼に触れられて達した「……っ、…はあっ……厄介な薬だな…」結局その後も熱は完全に引かなかったけれども、あの男を頭に思い浮かべたら、あの男を組み敷きたいと思ったら簡単に熱は高ぶって排出された『ああ、試したみたのか?名探偵の予想通り、あの媚薬は相手が居ないと…ひとりではなかなか耐えられないものだ』「はあ?分かっていたなら先に言ってくれ」『実際に使ってみないと囮捜査にならないだろチョンなら薬の耐性も有りそうだし言わなくても問題無いかと思ったんだ』市民を守る警察、なんて言うけれど俺にとっては彼らが壊滅を狙うというギャングと変わらないギャング達は規律を持って街を支配して、縄張りだって有るからその下では大きな争いは起こらない警察はと言えば、ただ取り締まっているだけで、俺からすればこの希望の少ない世界を良くする訳でも無い『兎に角、急ぎはしないそれよりも奴らが何を企んでいるのか資金が何処に流れているのかそれを調べてくれ捕まえる理由が出来たら、あの質の悪い媚薬の流通も止められる』「…また連絡するそれから、『表向きの仕事』もしっかり寄越してくれ」『ああ、分かったよ』通話を終えてスマートフォンをシーツに置いたそれからベッドの上にまだ少し熱の残る身体をだらりと横たえた「声を聞けば誰が相手でも発情するかと思ったけど、流石にそんな事は無いんだな」話をしていればチャンミンの事を忘れていられたけれども、ひとりになってまだ少し身体に残る熱を持て余すと直ぐに脳裏に浮かぶのはプラチナブロンドの髪の毛と白い肌意志の強そうな大きな丸い瞳と口「…試してみるか」コーヒーショップに初めて訪れた日、俺が媚薬をただで貰った事を口にしようとしたら、チャンミンはそれを防ぐように抱き着いてキスをしてきた周りの仲間らしき男達も驚いた様子では無かったから、あの男は男と関係を持つ男なのかもしれない細いのに筋肉がついていて、細過ぎる女よりも抱き心地は良さそうだ囮としてギャングの内部に入り込むなら…まだチャンミンがギャングの人間かは分からないけれど、少なくとも媚薬を売っている事は確かだから、依頼内容にも合っているこの夜はベッドの上でもう一度、チャンミンの白い肌や触れた唇の柔らかさを思い出して熱を自らの手で逃した「あれ、お兄さん、また来たの?」「あの薬もだけど…チャンミンに会いたくて」「へえ、まあ珍しくは無いな」八十八番街のコーヒーショップ日が落ちる直前に訪れてみたら、店内はそれなりに賑わっていた二度訪れた時に見た事のある顔も有れば、そうでは無い顔も多分、店の経営はギャングがしていて入り浸っている奴らもその仲間決して治安の良い店には見えないから、見慣れない奴らは普通の客か、若しくは媚薬を求めに来た客だろう「アメリカーノをそれと…彼が戻って来るまで幾らでもおかわりをするつもりなんだけど、チャンミンは?」「ああ、客に呼ばれて出て行ったけど、その内に戻るよ」「客?」「チャンミンを欲しがる奴はお前だけじゃあ無いって事だ」コーヒーショップの店員には見えない屈強な男はそう言うと、カウンターのなかに入っていった直ぐに出されたコーヒーは、形だけの店かと思いきや美味かった「……」磨り硝子の向こうはもう日が暮れているもう、チャンミンに出会った夜のように月は大きく無いそれでも、月なんて無くてもチャンミンが居ればそれだけで辺りが明るく照らされるような気がする、なんて俺らしく無い事を考えた持ち込んだタブレットPCで『表向きの仕事』を始めたけれどもこれもしっかり、少ないけれど収入になるから有難い仕事に集中してしまえば時間はあっという間で、アメリカーノは三杯おかわりをしたそうして三杯目もカップのなかが空になろうとする時、扉に付いた鈴が鳴って…「…あれ…ユンホ、また来てるの?」「チャンミン、待ちくたびれるところだったよ」長めのプラチナブロンドの前髪を風にたなびかせて店のなかに入ってきたのは黒のレザージャケットに白のニット姿のチャンミン真っ先に俺を見付けた癖に、別のテーブルに座る仲間達の元へ歩んでハグをして笑い合うそうしていると、普通の青年のようだだけど…「待ちくたびれた、って…僕に会いに来た、とか?ただで会う理由なんて無いけど、もう『使った』の?」チャンミンは暗に『薬を買え』と言って俺の目の前に立って微笑むレザージャケットを脱いで椅子の背凭れに掛けたら、程良く筋肉のついた白い二の腕が晒される女のそんな格好にも興奮なんてしないのに、何故かチャンミンだと暴きたくなる「ああ、使ったけど…物足りないんだだから、効果的な使い方をチャンミンに教えてもらおうと思って」「ふうん…良いよ、今はもう暇だから」小さなテーブルの縁に、白くて男の割には小さく見える手を滑らせながら俺の右側にやって来た「男の経験は?」「無い、けどチャンミンを試したい」「あはは、ユンホは面白いねでも、そういう奴は多いんだ」まるで慣れていると言うように、桜色の爪のついた白い指を俺の顎に伸ばしてなぞる仕事の依頼で近付いている男だけど、今気分が高揚しているのは仕事だから、じゃ無い俺自身が何よりもこの男を知りたいから、だランキングに参加していますお話のやる気スイッチになるので足跡と応援のぽちっをお願いします ↓にほんブログ村
2020年4月のお話の再掲です「Chocolate」のチャンミンのビジュアルやMV楽曲のイメージから広がったお話ですアルバム「ZONE」発売時に「ON MY RADAR」のタイトルを見て思い出したので…で、だいぶ今更ですが上げ直してみます成人向け短編です『あの頃は良かった』だとか『もうこの世界に未来は無い』だとか、そんな声がそこかしこから聞こえる世紀末この数十年、世界中が度重なる経済恐慌や飢饉、資源の枯渇や疫病の蔓延により人口は淘汰されていった『世紀末だから、もう次の時代はこのまま来ないのかもしれない』なんて言う奴らも居るけれども調べてみれば約百年前、つまり二十世紀が終わる頃にも世界は滅亡してしまう、なんて噂が出回ったらしいつまりは何かが切り替わる時というのは、得てしてそういう不安が蔓延るものなのだと思う「これが幸せなのかそうじゃ無いのか、なんて分からないけど…この世界に生まれて生きていて、それが当たり前だから何とも思わないな」厚い雲に覆われた夜空を見上げたビルが立ち並ぶ街、一見誰しもが何か問題を抱えているだなんて分からないような美しい景色いや、悩みや渇望はあって然るべきで、何かや誰かと比べて不平不満を口にす事も人間だからこそ卑しくて、そしてそれもまた生きる為の力のようで…「…馬鹿らしい」考えても世界の事が全て分かる訳でも無いし、ひとは皆明日にはどうなっているか分からないだから今を一所懸命生きる…のでは無くて、俺はと言えば深く考えないようにしているそれが、この少し歪な世界を生きて行くには丁度良い事だと思っているから「…寒っ…流石に冷えたな」有難くも受けた依頼は解決したその日暮らし、とは言わないけれど、俺には仕事が舞い込んで来ないと金も手に入らない人探しで無事に手に入れた報酬をトレンチコートの右ポケットのなかでぐしゃっと握り締めて、そして左手に持った缶のコーヒーで喉を潤した少しは温もるかと思ったけれど、既に中身は冷えていたからむしろ喉から腹に掛けて一気に冷えていく「…帰ろう」コーヒーはまだ残っているいつも、依頼が無事に終わったらこのお気に入りの場所で夜の景色を眺めてからアパートへと帰るけれども何だか今日は特別寒いから缶を上から掴むようにして持って月に背を向けようとしたその時…「誰だ!」ダダっと忙しない足音が聞こえたここはビルとビルの隙間、細い路地を入った先にある俺の秘密の場所…なんて言って勝手に此処に居るだけだけどけれども、暗くて綺麗な場所でも無いから普段此処に立っていても誰も姿を見せる事は無い足音はこちらに近付いて来るから、後ろを振り返ったら…「……っ…」月夜に照らされる…いや、暗闇のなかでもそれ自身が輝きを放つような綺麗なプラチナブロンドの髪の毛走っているからだろう、風に揺れて月の光が反射している「……っ、吃驚した…邪魔、退いてくれ!」「はあ?此処は俺の場所だ」不覚にも見蕩れていたら、狭い路地から飛び出して来た男は何だかとても急いでいる様子でこちらに突進するんじゃあ無いかというくらいの勢いで走ってくるバイク乗りが好みそうなキルティングレザーの細身のジャケット、寒いのに首元が大きく丸く開いたインナーにレザーパンツそれらは全て黒で、闇夜に溶け込むようだけれども、白い肌とプラチナブロンドの髪の毛と…何より美しい顔は隠そうとしても隠す事なんて出来ないし許されないような気がする「っ、もう!退けってば!」「え?…っうわっ!」断じて言いたいのだけれど、俺はのろまでは無いけれども急に現れた男に視線が固定されてしまって動けなかっただけなんて事は良くて…「あっ!コーヒー!お前…っ」「え…あ、ごめん、悪い」俺を押し退けるように細い身体で半分ぶつかって来た男その衝撃で左手に持っていたコーヒーの缶が手から滑り落ちて、ベージュのトレンチコートの裾が汚れてしまったコーヒーはもう何処かで捨ててしまおうと思っていたから、落ちてしまった事は良いけれどもこのコートは仕事に気合いを入れる為の大切な物『悪い』と言いながら俺の向こう側の路地にまた抜けて行こうとする男の腕をジャケットの袖の上から掴んで捕まえた「ちょっと!急いでいるんだってば!」「はあ?人のコートを汚しておいて?弁償しろよ」せめてクリーニング代は貰わないと割が合わないこれが美人な女性なら身体でも…なんて思うし、この男なら…身長は俺と変わらないけれど掴んだ腕は細いし何より物凄い美人だから悪く無いけれども流石に男同士なんて試してみようと直ぐには思えないし、こいつは綺麗な顔の割に威勢が良さそうだから、やはり無い「弁償…今手持ちが…そうだ、これをあげるよ」「…何だ?」男は「逃げないから離して」と言って、ぐっと腕を引いた警戒していれば、この男なんて逃がす事は無いだからゆっくりと手を離したすると、ふう、と息を吐いてレザーパンツの尻ポケットのなかから透明な袋に入ったモノを取り出して俺の手にぎゅっと握らせた「後遺症や常習性も無い勿論、ヤクじゃ無いから検査をしても何も出ない」「これ…」「ああ、危ない物じゃ無いよ合法ドラッグだと思った?ただの媚薬今人気でなかなか高いんだお兄さんは格好良いから必要無いかもしれないけど…女性と使ってみて」両手でぎゅっと手を握られたその手は骨張っていて確かに男の手だけれども俺よりも一回りは小さくて、少し汗ばんでいた「じゃあね…ああ、そうだ…」男の手が離れていって、掌のなかに残った小さなビニールの袋を見下ろしていたら、背を向けた男が振り返って言った「もしもそれが気に入って足りなくなれば、八十八番街のコーヒーショップに顔を出してみて」俺の返事を聞く事も無く、その後はもうまるで風のように消えて…月の光よりも眩しいプラチナブロンドはまるで幻のようでもあった「チョン、最近お前の所には何か話は入って来ていないか?」「別に、代わり映えしないですよ」「そうか、と言う事は暇してる、って事だよな?」「……はあ、そう言う事ですか」まあ、呼び出された時点で依頼だという事は分かっていたけれども警察組織から体良く使えると思われるのは心外だ「で、まどろっこしいのは良いです、本題は?」本当なら、こんな時はお気に入りのトレンチコートを着ていたいけれどもクリーニングに出す事を忘れてしまって、その内に五日間も経ってしまって…自分で濡らして洗ってみたけれど、取れなかったから諦めてしまった代わりに適当に羽織って来たレザーのジャケットは、久々に袖を通したからか硬くて身体に馴染まない流れ者のような俺とは違う、国に忠誠を誓う男は俺を見て「囮になって捜査をして欲しい」と顔を近付けて囁いた「…それって面倒なやつなんじゃ…」「その分、勿論報酬は弾む俺達の組織は皆顔が割れてしまっているんだ、だから…」「それは警察に能が無いからなのでは?…いや、まあ成功報酬が貰えるなら良いですけど…しっかり弾んでくださいね」念押しするように小さなテーブルの向こう側に居る警視に告げたら、彼は「探偵チョンユンホの事は我が組織も皆信頼しているから勿論」なんて調子の良い事を言う「で…依頼は?」「ああ…それが…」まさか、此処で五日前の出来事がクロスするとは思ってもみなかった「…八十八番街のコーヒーショップ…此処だな」警察からの依頼は全て頭に入れた情報も何もかもそうで無いと証拠が残るからこの付近にはあまり近付いた事が無かったけれど…どうやら、ギャングが仕切っているらしいとは言え、表向き荒れた様子は無くて落ち着いているそれはそれで秩序が取れているし、俺は警察でも何でも無い一般人だからどうだって良い事依頼の内容はこうだ現在、八十八番街を中心に質の悪い媚薬が出回っている法には触れない成分しか使っていないのだけど…それが裏で取引されていてギャングの資金源になっているらしい副作用が無い事から若者を中心として口コミで広がって、媚薬を求める奴らが後を絶たないのだけど、現行法をすり抜けるような上手いやり方をしているから、取引現場を見付けても捕まえる事が出来ないそこで、俺に依頼されたのは…「普通、探偵がそこまでするか?…まあ、何でも屋みたいなものだから良いけど」そう、まるで何でも屋、の俺に課せられたのは、薬を求める客としてコーヒーショップの常連になり内部の人間に近付いて…元締めのギャング達が、媚薬を資金源に何をしているのか、を暴く事それが彼らの壊滅に繋がる、という事らしい「ギャングだってこの世界には必要悪だろ真面目に働いたって先も見えないし…」まあ、俺が直接何かをする訳じゃあ無いけれども面倒臭いそれでも、この依頼を受けたのは金額の事も有るけれど、何よりもあのプラチナブロンドの男が関わっているであろうから「ギャングの下っ端ってところだろうな」警察には、薬を渡してきたあの男と遭遇した事そして薬を受け取った事は話していない彼の事は…俺がまずは知りたかったからだ薬だって、今は使うような相手も居ないし、『そういう欲』はあまり無い方家に置いておくのも物騒で、封を開けていない小さなビニール袋はデニムパンツの尻ポケットのなかに入っているままだギャングなんてどうだって良いこの世界のギャングは人殺しをする訳でも無いし…大抵が親の居ない孤児や親に捨てられた子供達が集まったもの憎しみも無いし、居なくなるべきとも思わないただ、あの男をもう一度見たかったのだ「……」ごくり、と唾を飲み込んで十数メートル先のコーヒーショップへと歩いて行く初めてやって来た、なんて事は隠さずに店を探す振りで辺りをきょろきょろと見渡しながらそうして…「…あった…此処だよな?」まあ、本当に珍しく緊張しているのだけど…しっかりと緊張している振りで、コーヒーショップの扉を押し開けた「いらっしゃい……あれ、何処かで見た事が…」「本当に居た…五日前の夜、覚えていないのか?俺にコーヒーを掛けて…っと……っ…ん…」「……ふ……っん……黙って」店内のテーブルに腰掛けていたアイボリーのノースリーブニットの男彼は俺の元にやって来て、やおら抱き着いてキスをして来たそれなりに驚いて、どうしようか迷ったけれど細い腰を抱き寄せるようにしてキスに応えたら、男の方から唇は離れたけれども、俺が舌を入れてもそれに怒る様子も無ければ慌てる様子も無く、まるで恋人のように微笑んで俺の耳元に囁いた「本当はただで、なんて渡したら駄目なんだだから、僕から貰ったとは言わないで」「…分かったよアレ、が忘れられなくて…だから、今度はちゃんと買いに来た」腰を抱いて離さないまま囁いた男は一瞬目を見開いて、それから蠱惑的に微笑んだどうやら嘘だとはばれていないようだ「そう…良かっただろ?良いよ、分けてあげるお兄さん、名前は?」「チョンユンホ、お前は?」「僕は…チャンミン、それだけだ」店内からは男達の口笛が聞こえて来たチャンミンと名乗った男はくるりと振り返って、「僕はモテるみたいだ」なんて笑っているギャングよりも何よりも、この男の正体が知りたい警察が手に負えないくらいの組織なら面倒臭いのかもしれないけれども久しぶりに…楽しい依頼が舞い込んできたこんな楽しい事でも無ければ、先も見えないようなこの世界で生きて行く価値なんて無いような気がするから「その髪は地毛?凄く綺麗だ」「僕の事?そうだよでも…ユンホの黒い髪の毛も夜に紛れて僕を飲み込むようで…とても綺麗だって思ったよ」俺が店に入って来た時に気付かなかった癖に『分かっている』のだと言うこの男を手に入れる、そんな小さな目標が俺の人生を面白くしていきそうだランキングに参加していますお話のやる気スイッチになるので足跡と応援のぽちっをお願いします ↓にほんブログ村under the radar (誰にも/何にも)見つからないように、秘密裏に夕方六時に公開されたチャンミンの「Chocolate」のMVティーザーの映像があまりにも素晴らしくて、新しいお話が膨らんでしまい止まらずに書いてしまいましたこのお話もまだまだ先が有るので、続けて書きたいお話のひとつとして残しておこうと思います読んでくださってありがとうございます