1955.2.14.~。アメリカ合衆国に生まれた男性。
1977年、オハイオ州立大学キャンパス内で、3人の女性に対する連続強姦および強盗の容疑で逮捕された。
幼いころに父親が自殺し、義父に酷い虐待を受けたため、解離性同一性障害になり、23の人格をもった。
元々の人格ビリーは、自分の知らないところで時間が進んでいることでパニックになり、17歳の時に飛び降り自殺を計った時にレイゲンという人格に止められ、長い間眠らされることとなった。
23人の人格にはそれぞれにはっきりした特徴があり、簡単には真似できない訛りや色々な趣味をもち、性別、年齢、好みも様々だった。
彼の内側では、スポットと呼ばれる一点を中心として各人格が立っており、ある人格がスポットに立っているとき、他の人格がその様子を見られる場合とみられない場合とがあった。
比較的安全である場所はアーサーが、刑務所内や検事署内などビリーにとって危険な場所ではレイゲンが、どの人格を表に出すか決めた。
犯罪を好むケヴィンという人格が薬局強盗事件を起こして逮捕され、約1年半刑務所に服役する。
その後、アラダナが花屋で、トミーが工事現場でアルバイトを始めるが、突然他の人格と入れ替わり、トラブルを起こして解雇された。
あるときレイゲンが目を覚まして発見した大量の請求書の支払いをするために強盗を計画するが、オハイオ州立大学に着いたときに薬の影響で人格が突然入れ替わり、まずアラダナとなって女性に近寄り、フィリップが車で人気のない林へ連れ去って乱暴し、ケヴィンが脅して銀行へ連れて行って小切手を現金にさせ奪った。
レイゲンが再び目を覚まして札束を発見し、誰かがうまくやったと思ったが、また他の人格がその金を使い込んでしまい、同じ犯行を繰り返すこととなる。
その後精神医学者の治療により、長い年月をかけ人格が安定したが、周囲の反対を押し切って結婚した女性との破局や、彼の身を自由にすることに対してのマスコミの非難によって一時期彼の人格は再び追い込まれる。
しかし、その後 24 人目の人格、「教師」と名乗る男が生まれ、精神医学者は、彼が最も本来の人格に適していると結論づけ、彼を本来の人格とした。
現在は名前を変えて映画監督として働いているが、人格をコントロールできるようになっただけで、未だ自信を多重人格であると証言している。
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ダニエル・キイスの本を貸してもらって読んだけれども、いやあ、一体多重人格ってなんなのか、
どうやってそんなにいろいろな趣味や、訛りまでもを、一人の人間から生み出せるのか、
やっぱり不思議でたまらない。
痛みや苦しみから逃れるために虐待を受けている自分を脳が勝手に俯瞰する…というのはわかる気がするのだけど。
自分の知らない間に自分の身体が別の人格に乗っ取られて、望まない行動をされていたら…と思うとぞっとする。
解離性同一性障害…もっと深く勉強してみたいと思った。