サルバドール・ドメネク・ファリプ・ジャシン・ダリ・イ・ドメネク、マルキス・ド・プボル。
1904年5月11日~1989年1月23日。
スペイン・カタルーニャ地方に生まれ没したシュルレアリスムの画家。
少年時代から絵画に興味を持ち、ピカソの友人でもある画家モラン・ピショットに才能を認められた。
画学生時代には印象派やキュビズムの影響も受けていたが、シュルレアリスムに自分の道を見出し、
1929年、シュルレアリスト・グループに正式に参加。
しかし「ファシスト的思想」のためシュルレアリスム派から倦厭され、1938年にグループから除名される。
ところが作品は人気だったので、国際シュルレアリスム展などにはいつも出品された。
自分の作品を「偏執狂的批判的方法(Paranoiac Critic)」と称し、
写実的描法を用いながら、多重イメージなどを駆使して夢のような風景画を描いた。
講演会に潜水服を着てきて窒息死しかけたり、頭にフランスパンを乗せてリーゼントだと言い張ったり、
数々の奇行でも知られる、自称天才。
印象的な口髭は、「水あめで固めた」と話していた。
妻であるガラ・エリュアールを深く愛し、ガラを聖母に見立てた宗教画を連作。
ダリのミューズであり、支配者であり、マネージャーであったガラが1982年に亡くなると、
「人生の舵を失った」と激しく落ち込み、ひきこもり、翌年5月に絵画制作をやめた。
ダリ(1965年)
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ダリの絵は、ダリという人を認識していなかったころから何度も目にしていて、
だまし絵にはいつも心奪われた。
顔写真をみるともうそれ自体がアートで、愉快なひとだなあ、と思う。
でも親しい友人の前では繊細な常識人だったそう。
だからこんな細やかな絵を描けるのかな。
溶けた時計の絵と、妻を心から愛したというエピソードが印象的。
こんな愉快なひとと、お近づきになってみたかったな。
ハチャメチャで、儚くて、楽しい。
そんな宿題でした。