ロボトミー (2010.1.30.) | homework

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宿題のまとめ

1935年、ポルトガルの精神科医エガス・モニスが初めて人間に施し、翌年~アメリカでウォルター・フリーマンが発展させた、精神病のための外科手術。

前側頭部の頭蓋骨に小さい孔を開け、目の上からロイコトームと呼ばれるメスを脳に差し込み、円を描くように動かして切開するというもの。

前頭前野と他の部位(辺縁系や前頭前野以外の皮質)との連絡線維を切断していた。

前頭前野は、意志、学習、言語、類推、計画性、衝動の抑制、社会性などをつかさどる場所。

当時、初の精神外科手術としてもてはやされたが、手術を受けたうつ病患者の6%は死亡。

また手術からは生還しても、感情や感受性をつかさどる機能を破壊するため、感動する心がなくなったり、無気力になったりという副作用があり、手術自体が人体実験にも近い様相だったため、抗精神病薬の発展とともに禁忌とされるようになった。


「lobo-」は脳の中肺葉や前頭葉などの「葉」を意味し、「-tomy」は切断や切除を意味する。

ロベクトミー(lobectomy, 葉切除)と同義。

肺や脳などで臓器を構成する大きな単位を「葉(lobe)」と呼び、葉を一塊に切除することを意味する外科分野の術語である。

正式名称は「prefrontal lobotomy」。

日本語では「前部前頭葉切截術」と訳されている。


日本でも戦時中から戦後しばらくまで手術が行われていた。

自分の意思に反して手術をされ、無気力・無感動になったことを嘆き、執刀した医師の家族を殺害するという事件も起きている。

裁判で無期懲役となった被告は、「無罪か死刑にならなければロボトミーの本質は理解されていない」と訴え、自死権を求めたが、認められなかった。



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写真を見たり文章を読んだりするたびにゾッとした。

脳を切り取って人格を変えるとか…それは悪いことが起きないわけがないと思う。

実際にうつ病には効果があった人でも、通常の生活は送れなくて、

療養所で一生過ごさなきゃいけないひともたくさんいたとか。

今も苦しんでるひともきっとたくさんいるんだと思う。


自分の知らないところで脳にメスを入れられて、

今まで大好きだった音楽とか、景色とかが、全部灰色に思えてしまったとしたら…

考えただけで泣きそうになる。



精神病って、目に見えないものだから、

いろいろ決めつけられたり、

わかってもらえなかったり、

わかってあげられなかったり、

どうしようもないことたくさんあるって知ってるけど…


大好きなものがあるんだってことは、いつでも大事にしたいな。

大事にしてあげたいな。