熊本県熊本市の名所をうたった民謡。
「ポンポコニャ」という言葉に意味はなく、お囃子言葉の一種である。
細川時代に生まれたお座敷民謡で、「銀杏城」(熊本城)、京町の一角に昔あった浄土真宗のお寺「金剛寺」など、当時の名所の名がたくさん出てくる。
「揚弓」は小弓での的当て遊びのこと。
今でいう射的のようなもので、別名「矢場」といい、若い女性が矢の飛んでくるところで働いていたところから、現代語「やばい」の語源になったといわれている。
歌詞に出てくる「長六橋」は加藤清正の頃に白川に架けられた唯一の橋で、その下流、下河原には当時2つの劇場があった。
一つは武士階級とその家族、もう一つは町人用とされ、明治以降も、末広座、東雲座などができ、熊本演劇発祥の地であったが、河川改修に伴い取り壊されてしまっている。
歌詞は以下の通り。
花の熊本 長六橋から眺むれば オヤポンポコニャ
下は白川 両芝居 少しさがればな オヤ 本山渡し船
オオーサポンポコ ポンポコニャ
花の熊本 涼みがてらに眺むれば オヤポンポコニャ
清水湧き出る水前寺 少し下がればナ オヤ 江津湖の舟遊び
オオーサポンポコ ポンポコニャ
花の熊本 銀杏城から眺むれば オヤ ポンポコニャ下は清正公菩提所
少し下がればナ オヤ横手の五郎さん
オオーサポンポコ ポンポコニャ
花の京町 中坂越ゆれば金剛寺 オヤポンポコニャ
揚弓ガッチリ 信濃の善光寺 少し下がればナ オヤ ほんまの二十四拝
オオーサポンポコ ポンポコニャ
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おてもやんと違ってあまり聞きなれないせいか、なかなかメロディーが覚えられないのだけれど、
軽快な音楽で楽しそうな民謡だなと思った。
熊本の町を歩いているような、次々と名所が出てくるのが面白い。
本当に見たものを言いあげていっているだけのような気もするけど、この町が好きなんだなあと思えてほっこりした。