そして今日はオープニングナイト3日め、第3回及び第4回公演でした。
さすがに3日連続4公演を見終わるといかに鈍感な自分でもこの作品の輪郭というか勘所がだいたい摑めたような気もしますが、明日の千穐楽まであまり穿ったことは書かないようにします。
昨日は湖月さんのことに触れてお茶を濁しました。今日はだいすけお兄さんこと横山だいすけさんについて。
結局のところこのミュージカルはやっぱりだいすけさんが主演なんです。後半、クライマックスに向けての彼は千両役者というしかない。僕は初日、だいすけさんと三倉佳奈さんの第二幕のあの場面で不覚にも涙してしまいました。回を重ねるにつれて今日のソワレまでには何とか泣かないで済むコツを覚えましたけど、これは一体どうしたことだろうとこの3日間考えたんですね。
ご存知のとおり横山だいすけさんはNHK『お母さんといっしょ』の歌のお兄さん出身です。うちの下の子がちょうど小学校に上がったのと同じタイミングで歌のお兄さんになられたので、僕自身は彼をその番組で見た記憶がありません(彼の前任者3名は子供らとともによく見てました)。だから彼のことを知ったのも実際のパフォーマンスを見たのも去年11月にエビ中も出演したファミリードリームライブが初めてでした(その日の記事はコチラ、ご参考まで)
彼の歌手としての力量、MCの巧みさはその折に把握して感心もしましたけど、まだ僕は心のどこかで彼の藝を軽んじているところがあったのは否定できない。要するに、彼の仕事のラインは子供向けという制約がどうしてもつきまとう、だから性愛とか暴力とか死といった、いわば限定解除のフィールドでフル稼働することは難しかろうと、彼の仕事の枠組が弱点だと勝手に決め付けていたフシがあるんですね。
でも、その制約をむしろ利してというか、清さ、正しさを愚直なまでに直線的に放出する彼の強い歌は、それが清く正しいが故に有無を言わせない力で見る者の心の澱をきれいさっぱり洗い流してくれる。今回、彼のそんな歌をいわば無防備なまま浴びた僕は、恐ろしいまでの藝の力に一も二もなく打ちのめされた次第です。いわゆるカタストロフィですね。
とまあ、あれこれ言ってますけど、劇中に何回かある佳奈さんとだいすけさんの場面は、歌唱の有無にかかわらず、どのシーンもとにかく清らかで涙が出るほど美しいんですよ。僕は理事長役の福井さんと歳が4つしか違わないんですが(一応歳下です)、それでもこんなに胸がときめいてるんですから、観衆の多くの方々には僕が今ここに書いてること、ある程度納得してもらえるんじゃないか知ら。美怜ちゃんをはじめ実際に若い彼女らも大いに勉強になったことでしょう。無理に大人ぶった演技や歌唱を指向せずとも、十分に大人の観客を泣かせ、唸らせることができる、その好個の例を目の当たりにしてるわけですから。
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始まる前は全6公演さすがに長いなと思ったりもしてましたが、気がつけば明日の2公演を残すのみ。今日のアフタートークでも美怜ちゃんらが口を揃えて終わって欲しくない旨のことを言ってましたが、それは僕ら見物も同じ。週明けのオプナイロスはすでに確定してる感ありですが、とにかく明日、千穐楽までしっかり見届けたいと思います。
(アップするのに日にちをまたいでしまいました。上の文中の「今日」というのは7月10日土曜日のことです。ご了承ください)


