今日は朝からこんなレコード聴いてます。
ルネ・クレマンシック(笛)と(ジャムシド・)シェミラーニ(ザルブ)、ソロとデュオの曲集。仏ハルモニアムンディ盤、1977年録音。タイトル通り、管楽器と打楽器を用いた即興演奏です。思索に耽りたいときに持ってこいのアルバム。学究的に偏らず、かと言って好き勝手にやってるわけではない、理と情を絶妙に兼ね備えた作品。
各楽器についてちょっと説明が要りますね。
ジャケット写真でクレマンシックが吹いている角笛はゲムスホルン(gemshorn)と言って、主に牛の角で作られてます。gems(あるいはgams)というのはドイツ語で「アルプスカモシカ」を表す形容詞。デヴィッド・マンロウの論文によると、この手の角笛は青銅器時代の昔からあったことがわかっているものの、文献上で初めて登場するのは16世紀になってから、そこに描かれているのは明らかにカモシカではなく牛角製。現存する最古のものはヤギの角でできたものらしい。その起源はよくわからないそうです。音色は柔らかく、リコーダーとオカリナを足して2で割ったような感じ、神秘的ないい音がします。
(David Munrow: Instruments of the Middle Ages and Renaissance, Oxford UP, 1976, p.14)
この楽器、今でもドイツのWiener、チェコのParvel Cipという二つの古楽器メーカーが作ってます。
ソプラノからバスまで何種類かあり、価格はスターリングポンドで200~750くらいのもよう。
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一方のザルブ(zarb)はイランの打楽器。杯の形をしていて、横に寝かせて膝の上に置いて演奏します。
トンバク(tonbak)あるいはドンバク、ディンビク、トゥンブークなど、いろんな名称があります。ザルブというのはペルシア語(?)でリズム、拍という意味、今日ではミュージシャンの間ではこの語が一般に用いられているようです。語の由来を研究したサイトがありますので、英語ですがご参考まで。コチラ。
一聴したところインドのタブラやトルコのダラブッカと同じような音です。恐らく地域や師匠筋によって奏法や音色に違いがあるのでしょうが、浅学な僕はレコードを聴いただけでは違いがわかりません。どなたかご教示いただければ幸いです。
笛といい太鼓といい、これらの音色は自分たちの意識の底の、長年にわたって引き継がれたDNAに訴えるというか、落ち着いてものを考えようというときに妙にしっくり来るんですね。そういう意味で、僕にとって大切なレコードです。これ、CDでも出たことあるのかな? こういう音楽はもっと多くの人に聴かれるべきだと思うんですけどね。





