あらためて思ったのは、エビ中は「ライブ」パフォーマーだということ。今さら何を言ってるのか、と思われるでしょうが、僕の言いたいのは、音源じゃなくて生演奏をバックに従えたときの彼女らはホントに素晴らしいということ。
この日は前半がいつものように音源による伴奏、後半に生バンドが入ったのですが、前半はみんな何だかよそよそしくて(後半のことを考えて緊張してた?)、どうしたのかなって感じだったのが、体も場も温まった後半、生バンドバージョンになった途端、歌もダンスも一層の輝きを放ち始めました。そのさまがこの動画で手に取るようにわかる。開き直ってリミッターが外れた感じ、ぐいぐい来ます。
思えば彼女らは、会場の規模で言えば小は電器屋、デパート屋上、ショッピングモールから、大は武道館、SSA、横アリクラスまで、コンテンツで言えばフリーライブ、大箱ワンマンから対バン、フェス、学校の慰問まで、さらにはグラビア、ファッションモデル、映画、CM、TV、ラジオ、ユースト、それにファンとの接触イベント……藝能と名のつくおよそ考えうる限りの活動の場数をさんざん踏んで来ているわけです。百戦錬磨のわざくれは体に叩き込まれている。生バンドとのセッションという一期一会、一発勝負の舞台でこそ本当の実力が発露します。後半の彼女らの生き生きとした表情、そのパフォーマンスは、陳腐な言葉ながら感動的としか言いようがない。
もちろん新加入のかほりこの2人は先輩たちについて行くのがやっとのようですが、重要なのは決して遅れをとっていないということ。この2人の1年間の苦労については陰に陽に耳にしていますので、ハラハラしながらもつい応援してしまいます。やっぱり人前に出るという経験は何事にもかえがたい。
バンドアレンジは既存の音源とかなり違う曲もありますので、人によっては違和感が拭いきれないこともあるかも知れません。たしかにカルマなんかは、小説にたとえればB・ストーカーの『ドラキュラ』よりもJ・ポリドリの『吸血鬼』のような、もっとプリミティブな印象(後者は僕の本業の方で訳あります。宣伝失礼w)、スターダストライトもフレサイもオリジナルとはかなり違った味わいです。でも僕はバンドバージョンの方が好き、かつて夭折のアルトサックス奏者エリック・ドルフィーが言ったように、「ひとたび空中に放たれた音は、2度と捕まえることはできない」。音楽はいわば時間の藝術です。われわれ享受者は今回のようにアーカイブという形で何度も再生できますが、演者の方はその時のパフォーマンスは2度と行うことができない……これは音源をバックにした場合も同じことですが、それが音源である故に一種の予定調和がどうしても介在する。生演奏の場合、予期せぬ音程の変化やリズムの揺れがときに生じますが、それに対して彼女らは海流に乗る魚の群れのように見事なアシライを見せる、彼女らとバックのめんめんとの間のせめぎ合い、インタープレイにはドキドキしてうっとりして腰が浮いて、文字通り「ライブ」が堪能できました。
黒虎会員の方、画質や音質はBDなどのパッケージには及びませんが、ぜひこの動画でエビ中の実力をご自分の目で、耳で再確認されることを強くお勧めします。
一言でまとめれば、やっぱエビ中だなー、ですよ。深夜すっかり良い気持ちになって、つい酒量の度を越してしまいました。今朝は朦朧とした頭で書いてますので、読みにくさはご寛恕ください。