ゲリー・バーツのHome! 1969年録音、マイルストーン、オレンジレーベルで再発盤。以前は黄桃レーベルのオリジナル盤を所有してましたが、ラジオ局落ちでやや盤質が悪かったので売却、最近また聴きたくなって買い直しました。マイルストーンはオリジナルも再発も音質はそう変わりません。もちろん例外はありますけど。
このレコード、バーツもいいけど、僕が聴きたかったのはトランペットのウディ・ショウ。彼の演奏には若い頃ずいぶん元気付けられたものです。一言でいえば謹厳、落ち込んだときに聴くと妙に励まされるんですね。大音量で聴くとスピーカーから火花が散るような感じ、素晴らしいです。
マイルズ・デイヴィスは音楽家としては尊敬してますけど、楽器演奏者としては必ずしも超一流ではなかった(個人の感想です)。純粋に演奏家として僕の好きなトランペッターはこのウディ・ショウとか、リー・モーガン、ジョー・ゴードンあたりですかね。不思議なことに3人とも不慮の死で人生を終えている。モーガンは前にも書きましたがライブ中に愛人に撃たれて、ゴードンはホテルの火災に巻き込まれて、ショウはニューヨークの地下鉄駅構内で線路に転落して左腕(だったかな?)を切断、それが元でほどなく亡くなりました。前の2人が亡くなったのはまだ彼らを知る以前でしたが、ショウの話はオンタイムで人づてに聞いて結構ショックでしたね。80年代の終わり頃でした。
こういう死に方をすると、ミュージシャンは箔がつくというか、時に神格化されることがある。アルバート・アイラー、ジャコ・パストリアス、オーティス・レディング……日本にもいますよね、例はあげませんけど。本来、これらの死と生前の演奏は関係ないはずなのにこういう現象が起こるのは、ひとえに聴きてが自分の中で勝手に幻想を作り上げているからに他ならない。でも音楽、ひいては藝術作品の鑑賞は、そういう主観的判断から完全に逃れることができません。もちろん藝=アートの成熟ということは前提にあるとしても、それだけでは「神」にはなれないということでしょうね。
ウディ・ショウのレコード、本人名義のものよりもサイドメンとして他人名義の作品に入っているものに名演が多い。このレコードもそうですが、他にもボビー・ハッチャーソンの『ライブ・アット・モントルー』、同『シーラス』、エリック・ドルフィーの『アイアンマン』など。一応ご紹介しておきます。機会があれば聴いてみてください。


