僕は貧乏性なので「廉価」というコトバにすぐ反応しちゃう。これまでにも値段が安いからといって大量買いして、結局は高くついた事例は数知れず、その時は反省するのですが、でもやっぱりモノの値段は安いに越したことはない。
昨日届いた廉価盤。セシル・テイラー(シーソー・テイラーと書きたいところですが、ここは慣用で)の初期作品、LP9枚分(このうち2枚は片面ずつなので実質8枚分)をCD5枚に集めたもの。これでたったの2Kですよ。音だって悪くない。At NewportやStereo Driveあたりは、もとの録音自体あまりよろしくないので、音質的には今回も全く期待してなかったのですが、それでもそこそこ聴けます。いや、もうこれで充分ですね(いつも同じことを言うようですが……笑)。
最下段中央の見慣れないジャケットはimpulse! A-4 のInto the Hot (Gil Evans)のようですが、このアートワークは見たことありませんね。ヨーロッパ盤のジャケットかなあ?
ジャケット写真はよく見るとスマホで撮影したもののようだし、このENLIGHTENMENTってレーベル、どこの国かさえわからない正体不明の会社だし、バッタ物臭がプンプンするのですが、中身はちゃんとしています。僕なんかにはこれが分相応です。
こうしたデフレ現象は本の世界でも顕著で、版権の切れた過去の名作(?)がほとんど叩き売り状態、廉価版がゴロゴロ出ています。
なかでも英国のWordsworth Editionsという出版社、僕的にツボなタイトルを沢山出してくれて大いに助かってます。
最初に僕がこの出版社を知ったのは20年ほど前、シャーロック・ホームズ物をまとめたハードカバーの一巻本を当時の日本円でたしか5Kくらいで発売、しかも初出時のイラストも多数収録という触れ込みでした。写真はそのペーパーバック版ですが、これは現在1.3Kくらいで買えます。
そしてこの出版社で特筆すべきはTALES OF MYSTERY & SUPERNATURAL というシリーズ。怪奇、冒険、ミステリーのかつての稀覯本を廉価版でガンガン出しています。これ、一冊0.5Kですよ。信じられない。レファニュもベンスン兄弟も、ハーヴィーもリデル夫人もホワイトヘッドも、全部0.5K。ブースビーのドクトル・ニコラ物は全5作(だったかな)のうち最初の2作を収録。
テキスト読みたさにこれらの作品をかつて苦労して集めたことを思うと隔世の感です。
極めつけがこれ、『吸血鬼ヴァーニ』、これもももちろん0.5K。1166ページ。この作品、今までどれだけ入手困難だったことか。わかる人はわかりますよね。
これらのおかげで、僕の読書生活、音楽鑑賞生活は大変豊かなものになりました。しかもフトコロがほとんど痛んでないのが精神衛生上まことによろしい。こういうデフレは大歓迎です。売る方は大変でしょうけどね。ご苦労が思いやられてその点は心が痛みますが……。





