万年筆と百貨店と推理小説 | 霽月日乗・ホーマーEのブログ

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個人の備忘録です。


手紙を書くときに使うのはやっぱり万年筆ですね。僕が愛用しているのは2本、ウォーターマンとモンブラン、それぞれに違う色のインクを入れて使い分けてます。

今日はウォーターマンのほうの思い出を少し。

その昔、大学に入って、第二外国語はフランス語をとりました。ちょっといろいろあって1年目はほとんど授業に出ずに落第しましたから、フランス語をきちんと勉強したのは2年目からです。

その時に使ったテキストの一つがこれ。ジョルジュ・シムノンの『ちび先生』シリーズの一編、「スリッパを愛した男」

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パリの百貨店のスリッパ売場、毎日閉店間際にスリッパを買いに来る男がいて、店員の女の子もいやだなと思っていたところ、ある日、スリッパを選んでいる最中にその男は拳銃で撃ち殺される……という筋ですが、この百貨店がギャルリ・ラファイエット。パリに行くことがあったらぜひここで何か買い物したいと思ってました。

その後何年かして念願叶ったのですが、いざ行ってみると日本橋の三越とか高島屋とさほど変わりません。売場とレジが別になっているのが面白いなと思った程度、店員はフランス語しか話しませんし(僕はフランス語ではなかなか用が足せません)、サービスだってそんなによくない。文房具売場の店員は、シムノンの小説に出てくるような可憐な女の子ではなく、何だか怖い顔をした中年女性でした。

それでも初めてのパリで最初に買ったものなので愛着もひとしおです。この万年筆を手にとるたび、ああ、フランス語、ちゃんと勉強しなくちゃと、今でもそう思いますので、教育効果は抜群ですね。まあ思うだけでやらないんですけど
(´・_・`)
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ウォーターマンのインクで特徴的なのがこのセピア色、他のメーカーにはない色です。「ハバナ葉巻色」という洒落た名前がついてます。カートリッジでは売ってないので瓶で買って、コンバーターで吸い上げて使います。これは日本でも大きな文房具屋さんや百貨店で購入できます。

万年筆はいろいろ面倒なことも多いのですが、面倒な手続きを長年続けているとそれだけ手に馴染んでもきます。何でも簡単に済ませばいいというものでもありません。たまには勉強しなくちゃ、って気にもなりますしね(笑)

『ちび先生』シリーズ、早川のポケミスに2冊入ってますが長らく品切で手に入りません。もう絶版なのかな?よくわかりませんが、何とかしたいですね。