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住まいと環境~手づくり輸入住宅のホームメイド

名古屋で自然志向の本物の輸入住宅を造りたいと思って、カナダから外壁用レンガ、ドライウォール用資材、バスタブ、キッチン・洗面キャビネット、水栓金具、自然素材等を輸入しているビルダーです。環境・アレルギー・アトピーの症状に配慮した家づくりを目指しています。



今日愛知県のお客様の輸入住宅に伺って、輸入サッシ等の修理調査を
実施しました。

輸入サッシは、木製アルミクラッドのマーヴィン(Marvin)社製。

大切にお使い頂いてきたとは思いますが、輸入サッシのメンテナンス
については何も教えてもらっていなかったようで、少しおかしいと感じても
そのままにしておられたようです。

今回サッシの雨漏れによる木製建具の腐りは、窓3ヶ所にも及びました。

写真のダブルハングサッシは、上窓建具と下窓建具とが重なり合う部分
(召し合わせ)が黒くなっていますが、黒く腐っているのは上窓建具の
下枠部分で、既に外装のアルミカバーも脱落していました。

つまり、上窓の四方枠のうち、下側の枠が完全になくなっている状態です。

また、写真には写っていませんが、下窓の方も下枠が腐ってきており、
こちらも修理・交換が必要です。

こういう場合、修理の方法としては2通り存在します。

1つは、上下の建具の下枠をきれいに外して、加工した新しい木枠を
装着してからアルミカバーを組み付けるという方法です。

この場合、古いマーヴィンの弱点であった雨漏れしやすいサッシ構造は
変わりませんが、サッシの屋外側ガラスに防水処理を行ったり、木部に
パラペイントの外部用の木部専用防水塗料を塗ることで、将来の雨漏れ
トラブルを低減することが可能です。

ただ、腐った部分を切り取って、そこに合った木枠をオーダーではめ込む
という面倒な作業をしなければならないですし、建具を外して修理を
している間は窓がない状態になりますので、防雨・防犯の養生を施す
必要も生じますから、費用としては新品の建具を製作するのとあまり
変わらないくらいになってしまいます。

もう1つの方法は、既存のサッシ枠(外壁に固定した窓枠)をそのまま
にして、シエラパシフィックという窓メーカーに依頼してサッシ枠に
ピッタリの建具やジャムライナー(側枠)を作ってもらうというやり方です。

この場合、サッシのデザインは若干違ってきますが、同じ窓が隣り合う連窓
でない限りは然程違和感はありませんし、木枠は「水に付けっ放しでも腐らない」
という「コアガード」という処理材が使われていますから、外部の防水処理が
万一機能しなくても、腐る問題は回避出来るというメリットがあります。
(尚、「コアガード」を使っていても、私たちはガラスの防水処理やパラペイント
での木部塗装は必ず実施します)

あと、シエラパシフィックのサッシには、飾りの木製格子のオプションが
存在しない為、格子を入れたい場合はペアガラスの中に白いアルミ製の格子が
入る形になってしまいます。

元々既存の木製格子が白く塗装してあれば、然程気にならないのですが、
そうでないと木目の格子と白い格子が家の中で混在しますから、その点の
了解を頂く必要があります。(この際、木製格子全部を白く塗って模様替え
するという考えもありですが・・・)

また、形が若干違う他社製の建具を入れる訳ですから、悪い下窓だけを
他社製のものにするという訳にはいかず、上下共建具を入れ替えなければ
なりません。(最初から両方共交換するという場合は問題ありません)

ですから、費用もそれなりに掛かってしまうということは、予め頭に
入れておく必要があります。

悩ましい選択ですが、逆に言えば選択肢があるというだけでも幸せかも
知れません。

私たちのような専門業者を知らず、地元の建築業者さんでせっかくの
美しい輸入サッシを国産のアルミサッシに変えてしまったという人も多く
いらっしゃいます。

おうちのデザインを壊したくないというお客様は、国産サッシにする前に
一度私共のような専門家に相談してみて下さいね。

輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートを
して欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、
現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。
全国どこでもご相談を受け付けます。

尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつか
ご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの
皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。