以前の記事で私たちが施工する土台の木は、木曽ヒノキや
ヒバですという話を書きましたが、その実物比較をやって
みましょう。
まずは、写真左の木曽ヒノキ。全体的に薄っすらピンク
がかっていますね。木の中心部である心材は固くて赤みが強く、
そのまわり(辺材)は柔らかくて白い。
ですから、この赤いヒノキは、土台には持って来いって
ことですね。(写真は、以前当社の現場で使ったものですから、
土台をつなぎ合わせる為の加工が施してあります)
写真右のヒバ(通称:アスナロ)は、北米ではCedar(杉)の
一種と思われています。ヒノキと比較するとよく分かりますが、
全体的に白く、Blue Stainと呼ばれる青い素地が入っている
のが特徴的です。この表情は、ポプラにも見られますが、ポプラ
には匂いがありません。
そして、固さは、ヒノキもヒバも同じと考えられていますが、
私たちが半田市K邸で施工中のヒバ(写真)は、寒い場所に
生えていたのか、年輪が細かく比較的固い印象を受けます。
ヒノキは、檜風呂に代表される通り、ヒットンチッド効果で
人間を癒してくれる。でも、虫たちはこの匂いが嫌いらしい。
ヒバは、ヒノキよりも強い匂いがある。日本人の多くにとっては
いい匂いと感じる人が多いのだが、ヒノキチオールという油分の
匂いなのだ。ヒノキに由来する成分だが、実はヒバの方が数段多く
含んでいる。
木材としては大変優秀な木で、「ヒバ普請」はシロアリ・ダニ・
ゴキブリを寄せつけず、3年間は蚊が入ってこないと
昔から言われているくらいなのだ。
また、この木材はよく水湿に耐える。耐朽・保存性は高く、
地中・水中での耐性はヒノキに優るとも言われている。
私たちが、どうしてヒノキやヒバを土台に用いるか、
お分かりになりましたか?防虫・防蟻の薬物を使わなくても
こうした自然のものがその役目を十分果たしてくれるのです。
また、土に近い分、湿気に曝されるリスクもありますので、
こうした木材は最適という訳です。
こうした自然の摂理をうまく利用出来る住宅ビルダーは、
そんなに多くはいないかも知れません。