ファッション界で規格外のデザイナーとされるカール・
ラガーフェルドという人がいるそうな。
彼は、こう言った。「服があなたに合わせるのでなく、
あなたが服に歩み寄らなければならない」
建築家、安藤忠雄が造る何とも住みにくそうな建物にも
通ずるようなものが、この一言にはある気がする。
逆に、お客もいない状態で、自分たちの都合で建ててしまう
建売り住宅も、お客にそう言って売っているのかも知れない。
前者は、いわゆるオートクチュール。後者は、既製服?
でも、本当に同じなのか?それとも本当は違うのか?
建売住宅は、住宅メーカーが自分たちで規格を決めて
それを忠実に造っていく。でも、お客の生活スタイル
といった細かな要求には応えられない。
お客は、自分たちの理想と引き換えに、コストを優先するし
住宅会社はそれに応えていると言えはしないか。
そして、カール・ラガーフェルドにしても安藤忠雄にしても
彼らはお客の注文に応じてオリジナルで造っているはずだが
自分たちの美意識や観念を変えることがないのだろう。
つまり、お客はデザイナーのそういう部分を求めて
製作をお願いしている訳である。デザイナーの理想は、
お客の理想でもあると言ってもいいかも知れない。
コストにフォーカスを持っていくか、理想にフォーカス
するか。どういったお客と一緒に仕事をしたいか、どんな
家づくりを自分たちは目指しているか、によってビルダーの
あり方も大きく変わってしまうんだろうな。
だから、私たちは、「歴史に愛される建物を造る」という
高い理想を掲げて、仕事をしていきたいと思います。
これも一種の規格外か・・・?でも、こういう規格外の住宅を
自分の理想にピッタリと言ってくれるお客にとっては、
規格通りと言えるのかも知れないですが・・・(笑)