一昨日、クライストチャーチで大きな地震が発生し、
現地の建物や人々は甚大な被害を被った。
地震そのもののエネルギーは、阪神淡路大震災の16分の1.
M6.3ということですから、規模としては、日本では
ごく一般的なものだと言える。
今、住宅メーカーの宣伝文句は、阪神淡路大震災
くらいの地震では、全然大丈夫ということだから
新築で建てられる日本の住宅は、ニュージーランド地震なら
ビクともしないと思うかも知れない。
でも、震源地が直下で5kmと浅い今回の地震の揺れの
強さ(ガル、加速度)は、10kmと少し深かった阪神淡路
大震災のそれと比べると、2倍だったと言われる。
ということは、阪神淡路大震災クラスでは大丈夫でも
今回の地震クラスの揺れが発生したら、今の耐震基準
の家でも大丈夫とは言えないし、そんな地震が
私たちの住む地域で起こらないという確信は、誰も
持てないのである。
人間の技術というものは、自然には何と無力なのか
と思い知らされる。
ニュースでは、クライストチャーチのレンガ積みの
建物の多くに被害があったと報道された。
よーく見ると、積んであったレンガは、私たちが
レンガ積み外壁を施工する時に使っているレンガの
ような穴の開いたものは皆無であった。
つまり、耐震用の鉄筋を全く入れていなかったのがわかる。
また、我々のように2x4木造工法の構造体の外側を
覆う形でレンガを積むだけの施工と違い、構造そのものを
レンガで造っている建物であったことで、建物そのものの
重さが大きくなり地震に振られる負荷も大きくなった
と思われる。
私たち ホームメイドが建てるレンガ積み外壁の家
でも、耐震金物の重要性と軽い構造体に負担を掛けない
レンガ積み外壁にすることの重要性を改めて認識させ
られる出来事であったと感じます。
それにしても、クライストチャーチの昔の街並みは
美しかったです。デザイン豊かな街並みが破壊されて
しまったことと多くの被害者が出てしまったことは
本当に残念でなりません。
こんな街並みを、高い耐震性で創り上げることが
出来たら、どんなにか素晴らしいことかと今更ながら
思います。
最後に、被害に遭われた多くの皆さんにお悔みと
深い哀悼の意を表します。