鏡 | 福元直子の「ちょっと元気になるブログ」

福元直子の「ちょっと元気になるブログ」

研修講師・フリーランスアナウンサー福元直子が
仕事や暮らしの中で日々出会う
素敵な人・もの・できごとを自由につづる、
読む人も書く人もちょっとだけ元気になるブログです。

昨日の出来ごとです。

今年を表す漢字が発表されたのを受けて

専門学校の2年生の授業で、

「あなたの今年を表す漢字は?」というテーマで

即興でスピーチをしてもらいました。

 

入学以来、思いつきで色んな変化球を投げてきた私。

慣れというのは恐ろしいもので、

そんな私に対して、

学生たちは大抵のことにはもう動じなくなっている(笑)

「何にしようかな~」と素直に考えています。

 

4人の学生が選んだ今年を表す漢字は

 

「変」「壊」「面」「幸」

 

でした。

 

それぞれがこの字を選んだ経緯や心境を語りました。

 

想いが溢れて大粒の涙をぽろぽろ流す学生、

それを見て笑いが止まらなくなる学生、

励まそうとして自分ももらい泣きしてしまう学生、

全く関係ない事を言って心を整えようとする学生。

 

出てくる思いや態度はそれぞれでも、

彼らの姿は

この一年がどんなに深く、濃い時間だったのかを物語っています。

 

感情を解放することは表現者にはとても大切。

思いがけない授業展開に、ニコニコしながら

「いいぞいいぞ!!もっとやれやれ!」と心の声が(笑)

 

入学して最初は「やるぞ!」と燃えていた彼らも、

情報を得たり経験を積んだりすることで

自分たちのこれから進む業界の狭さと広さ、楽しさと恐さを知るようになりました。

 

専門学校で何をするのか。

基礎や技術はもちろんですが、

私は、一番は自分の覚悟を確認する時間だと思っています。

 

もっと楽しい仕事が他にあるのに、

もっと安定した生活を送れる方法があるのに、

もっと楽な生き方があるのに、

それでもこの仕事を選ぶのか。

本当にこれでいいのか、

あきらめないのか、

行きつ戻りつしながらその覚悟と向き合う時間。

 

「先生の漢字は何ですか?」と聞かれ頭に浮かんだのは

「鏡」

でした。

 

人は鏡。

 

人は、他人の中に自分のある部分を見ます。

直接そのものだったり、その一部分だったり、逆だったりしますが、

人は鏡だと思うのです。

 

彼らの中に映し出された様々な思い。

 

自分には才能なんてないんじゃないか、

練習しても成長してると思えないとか

所詮向いていないんじゃないのかとか

何度やってもうまくなってないとか

思っている通りにどうしてもできないとか、

どうして自分は選ばれないんだろうとか

何のためにやっているんだろうとか

なぜ一生懸命やっているのに認められないんだろうとか

周りと比べて落ち込んだり、

自分だけが苦労しているように思えたり

自分は必死にやっていることを苦労せずにできる仲間が妬ましくなったり

スタートが遅いんじゃないのかとか、

自分は何やっているんだろうとか、

どうせ無理なんじゃないだろうとか、

周りに迷惑をかけているといたたまれなくなったり、

授業どころじゃない悩みにぶちあたったり、

理不尽に八つ当たりしてしまったり、

泣きたいのに笑っていたり、

言わなくてもいい事を言って後悔したり、

大勢の中で孤独を感じたり、

大切な人を傷つけたり、

大切な人に傷つけられたり、

誰よりも思ってくれる人を悲しませたり、

 

人は鏡。

映し出された様々な思いは、私の中にもあるものです。

キセキのような、有り難い出会い。

誰一人欠けても成り立たない時間です。

 

一緒に過ごしてきた旅もあと少しで終わり。

見送る時がやってきます。

卒業までさらにビシバシと、

全力で面白がって、全力で応援していこうと思います。