赤坂 真二先生の“一生モノ”学級経営力をつける研修会
最終回の今回は
資質・能力を育てるクラス会議
冒頭で問われた「本当は子どもにどんな子どもになって欲しいか?」
理想論やそうした方が良いから、ではなく本当は。本音として。どうなって欲しいか。
主体性や個々を尊重したいと思ってはいても、心のどこかで自分の価値観の範囲内や管理下での行動を望んでいれば、その信念は日々の関わりから子どもにメッセージとして伝わる。
人の幸せの価値観は社会が創り出す。
働く!成果至上主義!の時代を引き摺りそれが抜けなければ、こんなに社会が変わっても思想はそのまま次世代に引き継がれてしまう。
ハーバード大学での75年間の継続的な研究結果によると私達の健康、幸福は身近な人との関係の質が創る。
人間理解をして良い人間関係を築き、頼れる人が側にいる事が長い人生で大切となる。
生きていれば色々な困る事も負の感情も出て来る。
それを伝えて出せる場が無ければ孤立する。
生きるとは、繋がり貢献し自信を持つサイクル。
元気に活動している人は人と繋がっていて他者貢献をし、感謝を受け役立ったという思いが次の原動力となり再び元気に動く。
人と繋がり拡がるコミュニティの大きさで人は成長していく。
有能感は試行錯誤から生まれる。
決して成功体験からだけではない。
試行錯誤するには安心感が必要。
安心して挑戦できる環境での仲間との協働は自分の自信や有能感、自己効力感にも繋がっていく。
大人はその頑張る姿を認めて価値付け、意味付けをして勇気付けていく。
これは何も子どもや学校に限った事ではないと思った。
大人で勇気が挫かれている人はたくさん居る。
上手くいかないパターン、繋がれない、貢献できない、自信がなくなる、の負のサイクルを断ち切るにはやはり小さな繋がりから始めて小さな機会を設けていくのが良いのかもしれない。
繋がり、は何も新たな出会いを拡げる事でもなく今隣に居る身近な人と繋がっている感覚、が必要で大切だと思う。
その感覚は。クラス会議で養う事ができる。
大人であれば本音で対話して価値観の相違を認め合う…とはいえとても難しい。
違うのは困った事、で真っ向から向き合わず闘うか逃げるか、となると話し合いにはならない。
価値観や信念が違う複数の人と話し合って、ズバリこれ!の納得解や合意形成が出来ないとモヤモヤする、しかしこのモヤモヤは当然。それを皆で共有する。
もしモヤモヤせず快!を感じれば、その時は他の誰かの快を奪っている可能性がある。
正解のない社会で0か100かの明確なスタンスを取るより全員が50-60の道を検討していく事が求められる。
これらをどの様なやり方でやるのか、やった事がなければ解らない。
多様な意見を対等に扱い、正誤優劣なく認め合う方法がクラス会議。
「若者たちに、人生のあらゆる領域-学校、職場、家庭、社会-で成功するために必要不可欠なスキル、態度を教えるのがクラス会議」で逆にこの練習機会なく大人になってしまった私には学びと練習が必要。
だから私はクラス会議を学び続けている。
そして自分の身近な環境で知ってもらえると良いなと思い、こうして発信をしている。