『天使と悪魔』感想 | homのブログ

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homのブログ-天使と悪魔ポスタ-5


映画づいてる今週末。今回は『ダ・ヴィンチ・コード』を書いたダン・ブラウンの小説の映画化第二弾、『天使と悪魔』の感想を。ネタバレはできるだけ回避。

原作者も監督*も主演俳優も同じなので、先に映画化された『ダ・ヴィンチ・コード』とどうしても比べてしまう。前回はダ・ヴィンチが「モナ・リザ」の絵に残したコードを解読したロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)。今回はガリレオ・コードの解読に挑む。


homのブログ-天使と悪魔 ラングドン


『ダ・ヴィンチ・コード』同様、事件の核心にはキリスト教会がらみの歴史が関わっている。ガリレオが生きたその昔、教会に異端者の烙印を押された科学者たちが結成した秘密結社「イルミナティ」。歴史に埋もれていたイルミナティが現代に蘇り、かつて科学者に激しい弾圧を加えた教会に復讐を宣言する。

イルミナティの復讐は、ローマ教皇没後に開かれたコンクラーヴェ(次期ローマ教皇選挙会議)のさなかに始まる。復讐の方法は、教皇候補である4人の枢機卿を一人ずつ殺害したのち、「反物質」を使ってヴァチカンを爆破・消滅させることだ。


homのブログ-天使と悪魔 枢機卿


これを阻止するためには、ガリレオ・コードを解読しなければならない。解読すれば、枢機卿たちがそれぞれ幽閉されている4つの場所と、爆発物の隠し場所まで数珠つなぎにたどり着く事ができる。


homのブログ-天使と悪魔 アンビグラム

ガリレオ・コード  上下をひっくり返しても同じ「イルミナティ」と読めるアンビグラムになっている


ヴァチカンの要請を受け、コードを手がかりに枢機卿たちの救出にローマ中を奔走するラングドン。イルミナティは、4人の枢機卿を一人ずつ一時間おきに「処刑」するという。そして爆発までのタイムリミットは24時間。ラングドンは彼らの命を救えるのか? ヴァチカンを救えるのか? 

時間との闘いが緊迫感を煽り、ドキドキハラハラのしっぱなしの謎解きの連鎖。あちこちに面白い仕掛けをしてある大がかりなドミノ倒しを見ているようだった。一つでも失敗があると、ドミノは止まる。そして途中で止まると、破局が訪れる。目が離せないサドンデス・ゲームだ。

イルミナティの武器が、科学の先端を行くセルン(欧州原子核研究機構)から盗んだ反物質っていうのは興味深い。反物質は、宇宙誕生の謎を解き明かす鍵なんだとか。世界創造の起源については、今も宗教家と科学者の間で議論が絶えないもんね。


homのブログ-天使と悪魔 反物質


前作『ダ・ヴィンチ・コード』でロン・ハワード監督は、濃密な原作を忠実に映像で再現しようと試みたんだろう。情報を詰め込み過ぎて失敗した感じだった。原作を読まずに映画を観た人は、内容がわかりにくかったと思う。

一方、『天使と悪魔』は原作を読まずに観たけど、ストーリーもちゃんと理解できたし、中だるみが無くスピード感があり、上々の出来ばえじゃないかな。原作をかなりはしょって改変したらしいけど、映画としてはそれで正解だった。

イルミナティの「秘密」が最後に暴かれるけど、途中で気付いてしまったww 結果はああなるだろうと思ったけど、そこへの持って行き方が憎い。やっぱり仕掛けが面白い。原作をぜひ読みたい。 

映画版『天使と悪魔』では、科学を弾圧した教会の黒歴史や、イルミナティと悪魔崇拝の関係などについて詳しくは描かれていない。でも蘊蓄に重点を置き過ぎて間延びしてしまった『ダ・ヴィンチ・コード』よりスリルとサスペンスの度合いがグッと高く、楽しめた。

『天使と悪魔』は、前作の失敗が教訓として生かされてたと思う。




*ロン・ハワード監督作品はアカデミー賞監督賞を受賞した『ビューティフル・マインド』が有名。他にも『コクーン』『アポロ13』『シンデレラマン』などが知られてる。


写真:

ポスター & アンビグラム http://movie-sakura.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-ed6f.html

その他 http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/21057/#



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